─2008年12月号─「戻って修復する方法」

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

時々私達はL.E.T.のスキルを忘れてYou-メッセージを使ってしまったり、アクティブ・リスニングへギア・シフトし損ねたり、すべてが終わってしまうまでスキルのことを思い出せなかったりします。

忘れてしまったことで自分自身が打ちのめされてがっかりしないことが大切です。ストレスのある時には圧倒的な力が働き、皆、すっかり忘れてしまうのです。結局、私たちは権力や非難の言葉や態度に徹底的に仕込まれているのです!

2つ目に最も重要なことは、戻って修復することです!このことを踏まえて物事がごく普通に進んでいくことをよく考えてみましょう。

1.     あなたの行動の窓にあなたに問題を抱かせる行動が現れます・・・あなたの不安は増大します・・・すべてのL.E.T.スキルを忘れてしまいます・・・一番近くにあるロードブロックに手を伸ばし、使ってしまいます・・・そしてあなたはヘマをします。
2.     あなたの不安は和らぎます。・・・L.E.T.を思い出します。あなたは戻って修復する機会を作ります。

戻って修復する方法を紹介します。

1.     相手の所に行ってこんなふうに言います。『ねぇ、私、さっきは台無しにしてしまったわ。あんなふうにはしたくなかったの・・・あなたとの関係をよくしていくやり方じゃなかったわ。私が軽率だったことを謝るわ。』
2.     相手にもう一度、お互いの人間関係をよくしていくチャンスをもらえるように頼んでみます。
3.     もし、同意してくれるのなら、今度は適切なL.E.T.のスキルを使ってより効果的にその状況に対処します。

L.E.T.のスキルを忘れてしまったあるマネージャーが実生活での典型的な事例の報告をしています。

私のチームメンバーの一人であるデスクトップパブリッシャーは時々プロジェクトにおいて私の手伝いをしてくれます。つい最近、私は見込み客との重要なミーティングを2日後に控えていました。私は彼女の所へパワーポイントの資料がどうなっているのかチェックしに行きました。

そのことについて私が尋ねた時、彼女はこう言いました。『あれね、ええ、明日取りかかろうと思っていたの。』 私は言いました。『冗談いわないでよ!あさってまでに必要なのよ。』

彼女は困惑し肩をすくめていいました。『そうね、以前にあなたから締切りについて詳しく言ってもらうのが私にはどのくらい必要だか話し合ったわよね。今、他にもたくさん調節しなきゃならないプロジェクトを抱えているの。』

でも、私は彼女にアクティブ・リスニングをする気分にはなっていませんでした。(たとえ、いつまでにプロジェクトを仕上げる必要があるのかを彼女に知らせることに同意していたのを思い出したとしても) 私はパニックに陥り、自分一人でそれをやらなければならないと思うと不安でした。(私のパワーポイントの能力は最低限以下です。それなのに見込み客に印象づける資料を作る必要がありました。)

そのようなわけで、私はただ、こう言いました。『あらそう、それは素晴らしいわね。私はフリップチャートか何かを使わなければならないようね。』私はそう言ってその場を立ち去りました。私は怒り、むっとして欲求が満たされず不安でした。私は彼女と締切りについて同意はしたけれど、緊急で私には助けが必要なのを彼女は分からないのかしら?それから一日彼女とは口を聞きませんでした。そのことが私の集中力や仕事に影響してきました。帰りの通勤電車の中でもう一度今日、起きたことを振り返ってみてどこで私が失敗したのかに意識を集中させました。そして彼女の家に電話をすることに決めました。

『もしもし、クリスティン? ジェシカよ。』 『あら、こんばんは。』 彼女は何だか少し冷たい口調で言いました。『あなたはL.E.T.でどうやって戻って修復するのかを習ったのを覚えているかしら? 私、やってみようと思って。今日、あなたとの状況でやるべきことをやらなかったわ。もっと重要なのは私のやり方は自分がやりたかった方法ではなかったことなの。だから謝りたいし、もう一度やり直したいの。』 彼女は溜息をついて、そしてこう言いました。私が電話したことは嬉しいし、彼女も一日中そのことを考えていて、翌朝に私と話し合う気はないか聞こうと思っていたと言うことです。ですから私は彼女に耳を傾け始めました。―あの日、もっと早くにそうするべきだったやり方です。

『あなたは沢山の仕事を抱えて身動きがとれなくなっていたのね。能率よくしていくために締切りが必要だったのね。そうすれば時間どおりにいくものね。私が締切りについての二人の取り決めを守っていないと、欲求不満の原因になるのはいうまでもなく、あなたの仕事を中断させるし余分な仕事をする原因にもなるのね。』

『全くその通りよ。』彼女は言いました。『締切りに関してあなたと私は同意したと思っていたの。だから、あなたが私のオフィスに来てパワーポイントについて尋ねた時、信じられなかったの!それで私は、『なんてことなの!すべてを止めて、彼女をどうやって助けるのよ!って思ったわ。』

そして私は応えました。『私のとった行動がどんなにあなたを苛立たせたのか、そして今やっている仕事を差し置いてまで私を助ける気にはならなかった、というのが確かによくわかったわ。さらにこの仕事に関してはあなたに本当に頼りきっていると感じているの。パワーポイントにおいてはどうしようもないのが私を苛立たせる原因だと思うの。』

『おそらく、』彼女は言い始めました。『パワーポイントであなたが完全に私に依存していると感じないようにいくつかの秘訣をあなたに教えることができるかもしれないわ。』

『まあ、それは本当にいいわね。今はどうかしら?』私は言いました。

『こういうのはどうかしら。』 彼女は言いました。『明日、まず最初に、私のオフィスに来てもらうの。―私たち二人とも少し早い出社になるわね。―そして、私があなたのプレゼンテーションをどうやって作っているのかあなたは見ているの。いくつかメモをとって、私はあなたのミーティングに間に合うようにプレゼンテーションを仕上げるわ。』

そして、彼女と私はそれを仕上げて、彼女とはうまくいき、『修復する』時間を私が作ったことに彼女は感謝してくれました。私はホッとしましたし、私たちはよりスムーズに生産的に一緒に仕事をしました。それには本当に驚いていますし、本当に価値のある経験でした。(私のパワーポイントのスライドを見てもらいたいです。びっくりしますよ!)

最初はスキルを使うのを忘れていて、それから戻って修復するというのが実はLETで多くの時間を割く仕事です。少なくとも殆どスキルを身につけて熟練するまでは。たとえ熟練したとしても、時々戻って修復する必要があるのです。

スキルを使い忘れた後、勇気と意志を持って立ち返り、対立していたこと自体ではなく、どうして対立してしまったかについて謝り、よりよい人間関係にしていくセカンドチャンスをもらえるように頼みます。それは時として、最初から正しくスキルを使っているのと同じくらい効果的です。いや、それ以上効果的な場合もあります。

すべての幸せと悦びをあなたに!
あなたの友人、ゴードン・トレーニング社より。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺