─2009年12月号─「ゴードン・モデルのスキルは単なる“テクニック”でしょうか?」

L.E.T.修了者の方々へ

ゴードン・モデルを習っていると、それはチームのメンバーや同僚を上手く操るために作られた計算づくのテクニックのように思われることもあります。ですから、ゴードン・モデルは、マネージャーのトレーニングコースでその価値が疑わしいととられてしまうこともあります。

ゴードン・モデルのスキルは確かにテクニックのように見えます。スキルを使って良い時と使ってはいけない時、どのようにスキルを磨くか、など、そこにはこのスキルを駆使するための規則があります。

しかし、実際にはこれらの規則は単に、ゴードン・モデルのスキルを習得しやすいように細分化しているに過ぎません。ゴードン・モデルのスキル自体は、健康的・協力的で、相互に満足できる人間関係の根底にあるダイナミクスを学習可能な部分に細分化しているだけです。

私たちがこれらのダイナミクスを学習しなければならない理由としては、複雑な歴史的な理由が存在していますが、人類は長年にわたり、非常に防御的で弱肉強食という態度に縛られてきました。そこから今私たちは解放されようとしています。その解放を早めるものは何でも価値があります。なぜならば、古い態度はそれがもつ価値以上に社会の全てのレベルにおいて問題を引き起こしているからです。

L.E.T.ワークショップの目的はL.E.T.受講者が演習に加え、このゴールに到達しようという意図を通して最終的にチーム・メンバーも含む全ての人間関係において競争や敵対する方法ではなく、むしろ協力的で相互に満足のいく方法でふるまうことです。

この考え方では“テクニック”は、しばしば機械的で人工的な望まざる方法に見えますが、音楽に例えると理解できるかもしれません。それは、学生とプロフェッショナルとの違いだといえます。

トランペット奏者の学生は、どのように唇をあて、マウスピースに息を吹きかけるのか、どのようにバルブピストンを指で押して演奏するのか、違う音に移った時の息づかい、楽譜の読み方、などのたくさんのルールとテクニックを学ばなくてはなりません。熱心に練習した後、学生は完璧な旋律でC音階を演奏できるようになります。それはトランペットが奏でるべきすばらしい音となります。

トランペットを演奏する学生が音階を奏でるのを聞いた人なら誰でも、その学生は音楽を作ることではなく、ルールとテクニックとに奮闘しているのだなと明らかにわかります。
もし、最終目的が単に、いつバルブを押し下げて息を強く吹き込むかを学ぶことだとしたら誰も楽器を勉強しようとは思わないでしょう。

同様に、もし、最終目的が、相手がいつ問題を持ったのかを認識し、彼らの考えや感情をフィードバックし始める時を知ることなのだったら、誰もゴード・モデルのスキルを学ぼうとはしないでしょう。

プロのトランペット演奏者は楽器のルールやテクニックを習得した人達であり、その上で彼らは自分たちの注意を、楽器を美しく演奏することに向けることができます。

プロのマネージャーは効果的な対人関係スキルのルールやテクニックを習得した上で、大切な人達と効果的に関わり合っていくことができる人達です。目的はテクニックではなく、よりすぐれた人間関係です。

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