─2017年5月号─「ニーズを認識する」
Date: May 19th, 2017 | BY Brian K. Miller
ニーズの対立はビジネスの世界では日常茶飯事です。ビジネスをするということは、実際には利益を得るためにニーズを解決するプロセスなのです。ほとんどのビジネス・ディールでは、皆が何かを得るけれど、同時に何かを失います。私たちがビジネスの交渉術を同僚、部下、上司とのパーソナルな人間関係に適用しようとすれば、結果としては、その日をやり過ごすことができるかも知れません。しかし、憤りや不満も増幅するでしょう。日々のTo-Do-Listの目標とは違って、憤りや不満は日々の課題をクロス・オフすることでなくなるということはありません。
人々の間の人間関係は、企業間の関係と同じではありません。私たちは、ビジネスの案件にアプローチするようにパーソナルな人間関係にアプローチすることはできません。なぜならば、そうすることで憤りや不満が鬱積して、私たちがコミュニケーションをする能力を破壊してしまうでしょう。もし、私たちがコミュニケーションできなければ、皆の日々のTo-Do-Listにある目標を達成するために一緒にワークすることはできません。2人の人の間に沸き起こるニーズの対立を解決するより良い方法が必要です。
メソッドⅢの対立解決法は、皆が満足する方法でパーソナルな対立を解決するためのフレームワークを提供します。これが、私たちが「win-win」対立解決法と呼ぶ理由です。最も重要なステップは最初のステップ、「ニーズを特定する」です。
ニーズは現実的で具体的な人生の避けがたい事実です。人々は時々医者にかかる必要があります。人々は、給料が遅滞なく払われることを知る必要があります。ニーズは通常、以下の3つのカテゴリーのうちの1つに入ります。時間、労力、お金です。これら3つのうちのどれかを失うと、憤りや不満が爆発寸前のレベルまで蓄積して、日々のTo-Do-Listの中の項目をクロス・オフすることが難しくなります。
対立が起こり、メソッドⅢを使う必要が出てきた時には、各人のニーズを正確に描写することが重要です。
²医者に診てもらいたいニーズ
²家族休暇を取りたいニーズ
²隣に座っている人を信頼したいというニーズ
²営業のノルマを達成、あるいは超えるニーズ
²利益を出したいというニーズ
²誰かに重要な顧客と会ってもらいたいニーズ
²良い第一印象を与えたいというニーズ
これらは本当のニーズです。それらは正確です。もし、ニーズが満たされなければ、本当の損失に見舞われ、憤りや職場環境への信頼の喪失という結果になるでしょう。
²毎年、ラグジュアリー・カーを新車で買うニーズ
²時々、怒りを爆発させて「ガス抜き」をするニーズ
²「午後をやり過ごすために」ランチ・タイムでお酒を飲むニーズ
²社交的になる時間がないので、職場でイチャつきたいニーズ
²裕福な結婚相手を見つけたいというニーズ
²公開日初日にひいきにしているパフォーマーが出ている新作映画を観たいニーズ
²同僚とのデートの支払いのために交際費を使うニーズ
これらは本当のニーズではありません。これらのほとんどはある種の価値観の衝突です。これらのケースのほとんどでは、従業員と企業文化との間での関係に関して、何らかの思い込みがあるようです。このような種類の思い込み(前提)は、従業員、同僚、雇用者間の人間関係の現実的なアセスメントからではなく、価値観に基づく信念から来ています。もし、メソッドⅢがステップⅠでリストアップされたこれらの「ニーズ」の1つから始まるならば、解決策には到達しないでしょうし、解決策はより根深い憤りや不満を引き起こすでしょう。このようなことが起こるのは、本当のニーズの対立を解決する代わりに、メソッドⅢがある価値観を他の価値観を持つ人に押し付けることを正当化するものになってしまったからです。
結論は、メソッドⅢを始めようと座る時、現実的な世界のニーズを注意深く特定します。何が一体失われているのでしょうか?時間?お金?労力?この喪失は現実のもので、パーソナルなものですか?それとも、これは、個人と企業文化の間の関係についての異なる思い込みから起こっていますか?この種の区別をするのはとても難しいです。価値観に取り組んで、本当のニーズを見つけるために、たくさんのアクティブ・リスニング、訓練されたI-メッセージの使用、ギア・シフトの繰り返しが必要かも知れません。もし、実際の喪失がなければ、ある時点でメソッドⅢを諦めて、価値観の衝突のツールを採用しなければなりません。
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