─2007年3月号─「人を褒めるのはいいことではないのですか?」
L.E.T.ワークショップ修了者の方へ
称賛って何ですか?私たちは皆、お世辞と称賛の区別は素早くつけられます。お世辞は不誠実さとご都合主義の意味合いがある。今回の私たちの目的では、ある物、人、行為、出来事でほとんど補完できる情報がないようなものの肯定的な評価をする表現を称賛という。例えば:
『素晴らしい仕事だ。あなたは良い仕事をしてくれたよ。』
『あなたは良いマネジャーです。』
『あなたの絵は素晴らしい。』
これらは称賛の例です―ほとんどそれ以上の意味のない肯定的な評価のことです。
称賛の問題は何でしょうか?
称賛はご褒美でしょうか?相当な観察をした結果、私たちの結論としては称賛はご褒美にはならないということです。
人が称賛に反応するのを見て下さい。彼らは通常不快、不安、防衛の反応を示しているようではないですか?称賛に対する一般的な反応は曖昧な拒否や中傷であることに私たちは気づいたのです。
『私はそんなに良いことはしていませんから。』
『口だけでしょう』
『そうね。気に入ってるわ。』
『あなたのもいいですよ。』
『ええ、まあ、全力は尽くしてますから。』
これらの言葉に共通している1つの要素は、これらはすべて防衛的な反応、つまり難しい状況にうまく対処する努力であるということです。家や庭を褒めれば、その持ち主は即効その欠点を列挙し始めます。プロジェクトについて社員を褒めれば、その社員はすぐにプロジェクトにおける自分の役割を卑下してしまいます。称賛というストレスのもとではしばしば、概して小さな子どもが地面に足先で穴を掘るような 居心地悪さを感じる人もいます。明らかに称賛はうまく処理したり、対処しないといけない厄介なものなのです。
なぜ人は称賛に対して防御的反応をするのでしょうか?その理由の1つとして称賛の中には脅し――つまり防衛しなければならない何かがあるからかもしれません。結局、称賛は評価であり、評価されることは通常私達を居心地悪くさせるのです。私たちが評価されているということは、相手の基準に達していない可能性もあるのです。
殆どの人は否定的な評価をされた時に居心地の悪さを感じます。ですから肯定的な評価は逆の効果があるので、もっとやるべきだと信じる傾向があります。しかしながら、称賛には否定的な評価と同様の基本的な問題や特性が多くあります。いかなる評価も人を不安に、そして防衛的にさせる傾向があると調査で実証されています。恐らくそれは、あなたが人を評価する時、人のやる気を出させようとしたり、その人をある方向に動かしてやろうとか変えてやろうとしているからです。そして、その人自身は変わりたいと思っているかもしれないし、自分が自分であることを好きでないかもしれないのですが、同時にその人はその人自身であるし、その人のアイデンティティは非常に重要で根源的なものなのです。なぜならば、このことは『私は何者か?』という質問の答えになりえるからです。良くても悪くても、その人は自分のアイデンティティを守っていかなければならないのです。このような理由で変化を押し付ける脅迫は最も基本的な心理的脅しの1つです。
従って、例え称賛が既にその人が進んでいる方向において、少しだけ変化すべきことをほのめかすものだとしても、それは変化せよということを確実に意味しています。それ故に否定的な評価と同じくらい脅迫的に感じられるのです。
肯定的な評価が不快であるその他の理由は、人が私たちを称賛する時、その人は明らかに評価していることが事実だからです。私たちは誰かが自分たちを変えようとするばかりでなく頻繁に評価し、格付けしていると知ると不安になります。このような状況では、私たちがまだ評価されていることを知っているので、称賛されていないと特に恐ろしく感じるのです。
称賛することで変えて欲しいことは、称賛されている人にとって必ずしも有益な変化ではないですが、誉めた人の都合、満足、あるいは得に跳ね返ってくるものなのでしょう。例えば、私たちが子どもに対して、トイレに間に合ったと言って誉める時、子どものために喜ぶというよりむしろ自分のために喜んでいるのです。子どもには無理難題な変化でも、私たちにとっては好都合なのです。私たちがプロジェクト・レポートの正確さについて社員を誉める時もほぼ同じことが言えます。もっともなことですが、人は他の人の利益のために操られている時、脅威を感じます。
称賛が人に喜びを与えるという熱狂的な信念は、ある種心理的にはアメとムチのアメになってしまっています。私たちは非難したいのに遠回しに称賛してみせたり、あるいは称賛のあとに非難が続き、そしてまた称賛が続くというような『サンドイッチ・テクニック』を使ったりします。『あなたの仕事にはとても満足しているわ、トム』『本当によくやっているよ、でも・・』と上司がいうと、その時トムはその話の中での嬉しくない部分、叱責を感じとります。上司は『よい仕事を続けてね』と締めくくり、トムは何が起こったのか全くわからず右往左往します。
このテクニックは親や教師が好むやり方でもあります。事実、小さい頃からこのテクニックを使って条件付けられてきているので、誉められた時に私たちは後に続くショック、つまり小言に対する準備を無条件で行うのです。
面と向かっての状況では、称賛に対する効果的な反応は全くないということかもしれません。『ありがとう』というのも変です。しかし、称賛が一様に生じさせる行動のこう着状態に上手く対処する最低の防衛手段であるかもしれません。このような理由から、書かれた称賛の方が幾分受け入れ易いのかもしれません。称賛に対する謙虚な反応を考えなくてもいいので、これを味わうことができます。もちろん、称賛の問題は信憑性次第です。称賛している人が信じて欲しいことを私たちは本当に信じることができますか?
ここで概略説明した称賛の影響をもし疑問に思うなら、これを使って実験してみてはどうでしょう。あなた自身でチェックしてみて下さい。次に誰かを称賛する時、どんな反応をされるか確かめましょう。
その人は心を開いてくれますか?それとも防衛的、遠慮がち、または心地悪くなっていませんか?
彼は話を続けたそうにみえますか?それとも話を終わらせたそうですか?
仕事へのやる気は上がったようですか?それとも低下したようにみえますか?
それではあなた自身のこともチェックしてみましょう。
あなたは称賛を受けた時、どのように感じますか?
その反応としてどのように、そして何をいいましたか?
あなたは人を称賛した時、どのように感じましたか?
あなたは称賛によって何を成し遂げようとしていますか?
恐らくもっと説得力のある別の実験としては、意図されている通りにあなたに向けられた称賛を受け入れることです。つまり、次に誰かがあなたを称賛し、あなたには能力があり、よい人で、頭が良くて、魅力的であるとあなたに信じさせようとしたら、その人に『あなたは私のことをとても能力があると思っているのでしょう。』とか、『私がとても有能なセールスマンだと思っているのですね。』などと言ってあなたが自分への評価を受け入れていることをその人に伝えてみて下さい。
それでは称賛に代わるものは何でしょう?
(ヒント: それはあるタイプのI-メッセージ...)
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