─2010年9月号─「“ただ事実だけを”」

L.E.T. 修了者の皆さま

皆さまの中でお年を召した方で1950年代のテレビ・シリーズ、真面目なポリス・サージェント・ジョー・フライデーの演じる『捜査網』を覚えていらっしゃるでしょうか?ジョー・フライデーは証人の仮説、理論、結論、解釈などに我慢がなりません。彼は「単なる事実」が欲しいだけなのです。彼は犯罪を解決するたった一つの方法はまず状況にまつわる事実を全て洗い出すことだと信じていました。同じことが全ての問題に当てはまります。最初にすることは事実を立証することです。

誰かの受け入れられない行動に対決する時、You-メッセージを使うよりI-メッセージを使った方が本当にいいという議論が様々存在しています。それらは:人を防衛的にさせない、人間関係を維持するのを助ける、批判しない、役に立つ応答をより多くする。しかし、多分最も重要なのは、I-メッセージはより正確であるということです。とても現実的な意味で、I-メッセージは本物です。I-メッセージの3つのパート(非難しないで行動を描写、明確で具体的な影響、感情)は状況の事実を意味します。他のものは全て憶測でしかありません。

私の同僚でEメールにも電話にも返信してこない人がいます。時として彼が実際に電話に出るまで私は電話をかけ続けなければなりません。『あなたは思いやりがないですね。』とか、『あなたが忙しいのはわかるけど、でも…』とか、『あなたが私の電話を折り返してくれないなら、すぐにもそちらに出向いて…』(もうこれ以上深入りするのは止めましょう)などと言うこともできます。私は彼の上司のところに行って、警告を発することもできますし、何もしないということもできます。しかし、これらのメッセージや戦略は全て彼の意図や動機に対する思いこみと推測に基づいています。私は彼が怠け者で、無礼で、自分のことしか考えていない人で、意地悪だと信じているかも知れません。

そして、私はあっているかも知れません。でも、事実は、私は彼がどうして私のEメールに返信しないのか、どうして私の電話を折り返さないのかはわからないのです。私は彼の頭の中で起こっていることにアクセスはできません。家で深刻な問題があって、彼のエネルギーの全てを奪っているのかも知れません。何か私に対して怒っているのかも知れません。彼の上司が私を無視するように指示したのかも知れません。ただ単にもっと優先順位の高い課題で忙殺されているのかも知れません。あるいは私のことが好きではないのかも知れません。あるいは彼は悪い知らせを持っていて、私に知らせるのを保留にしているのかも知れません。あるいは彼は何か私のために調査をしてくれていて、私に電話する前にそれを終わらせたいと思っているのかも知れません。多分、多分、多分!これらの解釈のどれかが正しいのかも知れませんが、彼が電話をしてくれるまでは私にはわからないのです。

私が知っているのは:

・彼は私の3回のメールに返信をしていない、また、今週私がかけた電話を折り返していない。
・彼から連絡がない限り、私はこのプロジェクトを進めることができないので、私は足踏み状態になっている。
・私はとても不満に思っている。

これらが事実です。今のところこれが真実です。私が問題を持つ人間ですから、私が責任を持って事実を協議するべきなのです。同僚に対する私の責任は彼の理由や動機を憶測しないで協議し、彼に返答をする機会を与えることです。つまり、私は事実だけを述べるべきです。『ただ単に事実だけを』

ゴードン・トレーニング社のL.E.T.マスター・トレーナーであるビル・スティネット博士による執筆

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