─2016年6月号─「権力を持たない人から権力に対する力強い言葉」
Date: June 7th, 2016
By: Dr. Thomas Gordon, Three-time Nobel Peace Prize Nominee and founder of Gordon Training
私は幾度となく、権力の源泉について聞かれます。それはどこから来るのかと。その質問をしてくる人は、まだ知られていない、あるいは隠された権力の源泉があることを期待しているのです。その権力の源泉により、今まで負けていた喧嘩に勝ち始めることを期待しているのです。しかし、権力の秘密の源泉という考えは、スペインの探検家ポンセ・デ・レオンの若さの源泉の考え方に似ています。それは、存在しないということです。
ですから、私はそういう人たちにこう言います。権力はアメとムチを与える力から来ていると。言い換えると、権力は痛みや快感を創る能力です。権力を使用する人はアメとムチを操って、欲しいものを手に入れています。痛みが十分大きければ、あるいは報酬が期待に十分沿っていれば、順守してもらえます。
しかしながら、順守するには代償を払うことになります。受け手の人はただ単に順守する訳ではありません。個人の完全性を維持するために、やりたくないことをすることに対処する方法をとります。このような行動はコーピング・メカニズムと呼び、3つのカテゴリーに分類されます。反撃、逃走、服従。反撃する人は反撃したり、拒否したり、挑発したり、五分五分に戻そうとしたりします。コーピング・スタイルが逃走という人は、物理的にも感情的にも逃げようとします。彼らは引きこもり、逃げ去り、白日夢を見たり、空想したり、飲酒や薬物に走ったり、病気になったりします。服従する人は、しばしば最も求められる子供、学生、従業員等ですが、最も不健康な人たちかも知れません。特に命令が重要なニーズと対立する時に従順で、「権力者を尊敬し」、命令に従います。それが、子供の頃から一般的に学習され多くの人が人生で実践しているメカニズムです。
しかしながら、服従はアサーティブネス、独立心、十分に機能する一般的能力にダメージを与える影響があります。次のように考えてください。服従することで対処する人は、消極的で、自分から始めることはなく、依存する傾向があります。ですから、あまり良い従業員ではなく、人間関係においても一緒に仕事するのが難しいものです。外見的には親切で素直ですが、内面では怒っていて敵対的である傾向があります。
あなたのコーピング・スタイルを知るために、権力のリコール演習をすることをお勧めします。それは私の組織で、何千もの受講者とのワークショップでインストラクターが使った演習です。紙を一枚使って、そこに4つの縦のコラムを作ります。左のコラムの一番上に「私がやらされたこと」と書きます。次のコラムには、「誰がそれを私にさせたか」を書きます。3つ目のコラムの上には「私は何をした(例えば、従った?)」を書きます。そして最後に4つ目のコラムに「私はどのように感じ、そして何をしたか」を書きます。
さて、あなたが小学生だったころを思い起こしてください。誰かがあなたがしたくないことをさせます。それは誰ですか?あなたは何をしましたか?あなたがしたことに関してどう感じ、そしてあなたは何をしましたか?
あなたが年をとった時についても、このプロセスを繰り返します。例えば、高校時代、そしてつい最近。
人が発見することは、権力の使用は単純に問題の性質を変えるだけです。例えば、私たちのワークショップ(Teacher Effectiveness Training)では、フロリダから来た高校の校長先生が、小学5年生のクラスルームの外に座らされているところを思い出しています。なぜなら、彼は「静かにする時間」の時に、教室で紙飛行機を飛ばしたからです。彼は恥ずかしい思いをして、腹を立てていました。結果、駐車場まで抜け出して行き、一人の先生の車のタイヤの空気を抜いてやりました。この場合、クラスの邪魔をするから器物破損へと発展しました。
このようなことは、あなたにも当てはまりますか?あなたは何とかして対処しましたか?何千人もの人たちがこの演習をして、ほとんど似たようなリストを作りました。あなたの演習結果もこのリストにあるかどうか見てみてください。
• 反抗する、背く
• 報復する、逆襲する、言い争う
• 嘘をつく、真実を隠す
• 怒る、癇癪を起す
• ルールを破る
• 他者を非難する、告げ口をする
• 顎で使う、やり返す
• 他者と団結する、組織化する
• ご機嫌を取る、承認を求める
• 引きこもる、空想する
• 逃げる、課題や仕事を辞める
• 諦める、敗北する
• 無視する、黙殺する
• 競争する、勝つ必要がある
• 希望がないように感じる、落ち込んでいる、泣いている
• 恐れる、臆病になる、恥ずかしがる
• 病気になる
• 過食の後、下剤で胃の中を空っぽにする、あるいはダイエットをする
• 服従する、順応する、命令に従う
• 飲酒する、薬物を使う
• 欺く、盗作する
強制力への応答としてこれらのコーピング・メカニズムを使うことは、予測可能で回避できません。しかし、この観点から観ると、権力を使うことは避けるべきです。なぜなら、それによって人間関係が破壊されるからです。
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