─2021年2月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑱」

Date: February 20, 2021 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

 

問題解決者としてのリーダー

 

 「行動の窓」の真ん中の部分が残っています――これを「問題のないエリア」と呼びます。つまり、グループ・メンバーの行動はメンバー自身が問題を持つことを示しておらず、あなたに問題を引き起こしてもいません。ですから、問題のないエリアには、あなたのグループ・メンバーのニーズが満たされており、あなたのニーズも満たされているすべての行動を置きます。このエリアは、「お互いのニーズが満たされている」エリアです。これは「生産的な仕事」 がなされている時間です。なぜならば、リーダーとメンバーの人間関係には何の問題もないからです。

 さてここで、効果的なリーダーが持つ主要な機能を少し違った言葉で言い換えることができます。生産的な仕事の時間を最大化し、お互いのニーズの充足を達成することです。

 リーダーの本質的な仕事とは、グループ・メンバーが問題を持つ時、リーダーが問題を持つ時、人間関係に対立がある時に問題解決を率先して始めることです。その目的は、問題のないエリアを拡大し、生産的な仕事の時間を増やすことです。しかし、これら3 つの種類の問題を効果的に扱うには、3 つの異なるスキルが必要となります。

 調査・研究から証明された結果を以前は私が言語的に表現していましたが、「行動の窓」はそれを視覚的に描写したものです。効果的なリーダーは、組織のニーズと同じようにグループ・メンバーのニーズを満たすことが必要です。「行動の窓」は、リーダーの主要な役割は問題解決であるという私の後の定義を表し、強調しています。

 「行動の窓」の上部と下部に残されたエリアは、読者には明らかでなければならないものを意図的に示しています――リーダーは、グループ・メンバーのニーズ(問題)をすべて満たすことも、自分自身の問題(そして組織の問題)すべてを解決するにも至らないということです。それは努力しがいのある理想ですが、少なくとも私の知るいかなる組織でも、リーダーによって達成できる見込みはないのです。

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