─2021年5月号─「自分でやるのか、グループの助けを得てやるのか②」
Date: May 3, 2021 | BY Dr. Thomas Gordon
(L.E.T. bookからの引用)
たとえば、グループは一般的に彼ら自身の「公正な一日の仕事量」、または「生産性のノルマ」について基準を設定しており、メンバー間で明確に理解され、暗黙のうちにグループ内で強制力を持っています。このノルマの維持を脅かすものとして認知されるリーダーのあらゆる行動、特に恣意的とみなされるリーダーの行動は、強い抵抗に遭います。
グループ内におけるこれらの抵抗力を理解する他の方法としては、「公平な交換」の観点から見てみることです。コスト・利益の割合が公平であるというグループの定義をひっくり返す可能性のあるリーダーの行動に対して、グループは強い抵抗を示します。それは、すなわち仕事にかけるエネルギー(コスト)量に対して、公平な利益(たとえば、給与など)を得ることです。改革に積極的な新任のリーダーは、この割合を乱すものとみられる可能性があります。そして、グループは組織から悪用されることに対して自らを守りたいと考えます。
グループは、新しい方法や手順の導入にもまた強く抵抗します。特にそれらがリーダーによって恣意的に、そして一方的に実施されようとしたときには、なおさら抵抗は強くなります。人が特定のやり慣れた方法でものごとを進めることは周知の事実です。そのため、新しい方法を学ばなければならないとき、グループ・メンバーが費やしても良いと思っているよりも多くのエネルギーが必要なのです。
熱心な新任のリーダーの多くは、慎重な「監督者」の姿勢を取ります。グループ・メンバーに目を光らせ、リーダーの目を逃れられるものは何もないほどで、失敗は起こり得ません。何故なら、すべてを把握しているからです。このような細かい管理は様々な形式を取ります。
たとえば:
詳細な活動報告や進捗状況報告を要求する。
契約や計画実行、意思決定の前には必ずリーダーの承認を得るようにグループ・メンバーに求める。
グループ・メンバーに割り当てられた仕事が「正しく」行なわれるように、リーダーが引き受けてしまう。
グループ以外の人にコンタクトをし始める前に、グループ・メンバーは必ず「リーダーを通す」ようにしなければならない。
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