─2021年6月号─「自分でやるのか、グループの助けを得てやるのか③」
Date: June 12, 2021 | BY Dr. Thomas Gordon
(L.E.T. bookからの引用)
細かい管理による必然的な弊害の1 つは、リーダーが恣意的に行使する権力に対しての憤りです。もう1 つは、新しい要求に対する消極的抵抗です(活動報告がなぜか提出されないなど)。グループにとってさらに悪影響なのは、細かく管理をすることでメンバーのリーダーに対する依存度を高めてしまうことです。グループ・メンバーは、次第にすべての問題をリーダーのところへ持ち込むようになってしまいます。彼らはやる気を失い、イニシアチブも抑圧されます。彼らが仕事で成長しなくなる一方で、リーダーはすべてを自分で行わなければならず過重労働となり、大変な負担を抱え込みます。そのワーク・グループは、ここまでくると、もはや「ワンマン・オペレーション」です。新しい仕事において細かい管理をしようとするリーダーは、グループにおけるすべてのリソースを有効活用することなく、仕事をすべて自分一人でしなければならない状況に陥ります。そして、それに気づいた頃にはもう後の祭りとなってしまうのです。
<グループの知恵>
効果的なリーダーを問題解決能力のある人として考え直してみると、リーダーは問題解決の全責任を一人で負う必要はないということを強調しておく必要があるでしょう。むしろ、グループ・メンバーの支援をリソースとして得ても良いのです。少なくとも理論上は、問題に直面した際、最善の解決策を導くためにグループ・メンバー全員の創造的リソース(もちろんリーダーも含めて)を結集するのが理想的なグループと言えます。メンバーの全員がすべての問題解決に関わる必要はなく、理想的なグループでは、適材適所でメンバー全員のリソースを活用できるのです。
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