[ニュースレター] 2017年10月号

─2017年10月号─「ゴードン・モデル用語集:いつでも使える10個の用語と概念」

Date: October 27th, 2017 | BY Brian K. Miller
 
ゴードン・モデルはスキルと知識の複雑なシステムです。4つの学習段階を進み、システムをマスターするためにはかなりたくさんの時間と練習が求められます。システムの主要な構成要素を思い出してもらうためには、簡単な用語集があると助かります。ゴードン・トレーニング・インターナショナル社はゴードン・モデルの10個の主要な構成要素を定義しました。それらは以下の通りです。
 
アクティブ・リスニング
感謝のI-メッセージ
行動の窓
コミュニケーションのロードブロック
対決的I-メッセージ
宣言的I-メッセージ
ギア・シフト
メソッドⅢ
予防的I-メッセージ
問題の所有権
 
アクティブ・リスニングは、あなたが相手の言っていることを理解したことを時折フィードバックすることで確認する作業です。話し手の言っていることをよく聴く技術と科学です。このフィードバックは相手の言っていることの内容と、その時相手が感じている気持ちをあなたが解釈した通りに返すことを含みます。 感謝のI-メッセージは、役に立った行動への応答として、感謝の気持ち、称賛、報恩の念を簡素に表現することです。感謝のI-メッセージは、行動の描写とあなたがどうしてその行動を役に立ったと感じたのかを描写します。 行動の窓は想像上の窓で、私たちはそれを使って一人の人の一つの直接的な行動が、相手が問題を持つのか、相手が問題を生じさせているのか、あるいは職場で何らインパクトがないのかのどれを示唆しているのかを分類します。 コミュニケーション・ロードブロックは私たちが投げかけている普通の、毎日使っている表現です。ロードブロックは相手が自身の問題について話すのを阻みます。 対決的I-メッセージは3つのパートからなる文章で、相手のある一つの直接的な行動が問題を生じさせていると相手に伝えるために使います。この文章は問題を生じさせている行動、その行動の私への影響、私の気持ちを含みます。 宣言的I-メッセージは、誰も問題を経験していないけれど、私たちの意見が聞かれなければならないニーズを感じる時に使われます。それらは私たちが誠実に信じているもの、誠実な感情の応答、誠実な意見を、相手を脅したり攻撃したりしない方法で表現します。 ギア・シフトはI-メッセージとアクティブ・リスニングの間の動きで、どんな種類のI-メッセージでも、それを送った後には相手に否定的で感情的な反応を生じさせる可能性があります。その時にはアクティブ・リスニングへとギア・シフトします。 メソッドⅢは6つのステップからなるメソッドで、自分自身と相手との間のニーズの対立を解決するために使われます。対決的I-メッセージを送ったことによって、相手にも譲れないニーズがあることがわかった場合、まずはギア・シフトによって相手の感情を静めた上でメソッドⅢが使われます。 予防的I-メッセージは、対立以前に送られる簡単な文章です。それらは、ニーズの対立を生み出す可能性のある状況に対する自分の感情と行動にフォーカスしています。 問題の所有権は、誰が満たされないニーズを持っているのかを行動の窓によって特定することで明らかとなります。誰かが問題を持っているのか、誰も問題を持っていないのか、その状況に応じて適切なスキルがアクティブ・リスニングであったり、対決的I-メッセージであったり、感謝のI-メッセージ、宣言的I-メッセージ、予防的I-メッセージであったりします。  
これらの定義はとてもシンプルで、一般的なものです。しかしながら、ゴードン・モデルの主要な構成要素をすぐに利用できるように便利なリストにしておくと役に立ちます。このような理由で、L.E.T.ワークショップではこれらの主要な構成要素を図表で表したウォレットカードをパッケージに含めて配布しているのです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2017年11月号

─2017年11月号─「関連性を見つける」

Date: November 16th, 2017 | BY Brian K. Miller
 
ハーバードビジネスレビューは最近、リーダーシップ・トレーニングと企業文化の間の関係性を理解することに特化した特集号を出版しました。この特集号に記事を書いた多くのリサーチャーたちは、現代のリーダーシップ・トレーニング・プログラムが企業文化に何ら影響を与えていなかったことを危惧していました。記事は、多くのグローバル企業で問題を生み出している真の問題点については直接言及しませんでした。つまり、近年の非常に多くの新卒採用者が、現代のグローバル企業で働くために必要な基本的なソーシャル・スキルが欠如しているということです。

リーダー・エフェクティブネス・トレーニングは核であり、基本的なコミュニケーション・スキルの上に構築されています。セミナーでは、実際に使うスキルを繰り返し演習する方法に基づく実用的なトレーニング手法を重視します。この体験的な手法はハーバードビジネスレビューのリサーチャーによって取り上げられた多くの問題に答えています。しかしながら、この可能性を最大限にするためには、グローバル企業はシニア・マネジメントが養成してきた企業の主要なビジネス・コミュニケーション・チャネル、従業員の査定システム、企業文化の裏にある前提を近代化しなければならないとハーバードビジネスレビューは指摘しています。

どの企業も利益追求の事業をしています。これは従業員なら誰でも持つ最も基本的な前提でしょう。全てのグローバル企業は欲に支配されており、そしてこの欲が企業の利益追求の動機を推進するのだということを、多くの若者が高校の先生や大学の教授に教えられてきました。その結果、企業に入ってくる若者は、今まで悪だと教えられてきたことをしなければならないように感じるのです。それは、つまり株主のために利益を生み出さなければならないということです。

このような企業環境では、どのように、またどうしてすべての企業が利益追求ベースで運営されなければならないか、ということを新卒採用者に学んでもらうため、アクティブ・リスニングやギア・シフトが確実に重要となります。彼らの悩み事にアクティブ・リスニングし、それらの悩み事を反射して新卒採用者に良いフィードバックで返し、また、マネジメントの現実問題をI-メッセージで伝えることで、新卒採用者とマネジャーの双方の前提が対等な状態となり、それによって企業のニーズと新卒採用者の悩み事の両方を解決することができます。

価値観の衝突は、現代のグローバル企業において新たな物差しになりつつあります。初めて企業に入る新卒採用者の場合、これらの価値観の衝突は以前には経験したことのないほどの極端なものと感じられます。現在、自分のチームに新卒採用者を抱えるすべてのマネジャーにとってリーダー・エフェクティブネス・トレーニングで教えられるスキルをマスターすることが、未だかつてないほど重要になっています。投資利益率を最大限にするためには、シニア・マネジャーやエグゼクティブは、このような価値観の衝突が起こっていることを認識する必要があります。シニア・マネジャーと個々のチーム・リーダーの双方は、新卒採用者が自分たちの心配事をマネジメントに自由に話せ、その心配事が誠実さと共感の両方で対処される企業文化を育むために準備しておく必要があります。

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