[ニュースレター] 2017年12月号

─2017年12月号─「L.E.T.は競争上の優位性をもたらしますか?」

Date: December 13th, 2017 | BY Joseph Wilmot
 
1990年代後半、私はゴードン・トレーニング・インターナショナル(”GTI”)社で働いていました。私はリーダー・エフェクティブネス・トレーニング(”Leader Effectiveness Training” or “L.E.T.”)を採用していた企業のケース・スタディをまとめ、公表しました。長年お付き合いのある顧客(現在もGTI社の顧客を継続中)は、製造業の大きな民営企業です。その企業は活気が溢れ、健康的で多忙な従業員がいることでよく知られた企業です。インタビューをする中で、彼らはL.E.T.が「秘密の手段」「競争上の優位性」であると考えていることを大っぴらに認めてくれました。ドカーン!私が必要としていた引用でした。そして彼らは、素早くこう付け加えました。「他言は無用ですよ」

ガッカリ!その企業について私は公表するに至りましたが、最も価値ある情報の一部は省かざるを得ませんでした。しかし、私が言えることは、この企業はフォーチュン・マガジンの「働きがいのある会社ベスト100」のリストに載るほど有名だということです。現在に話を戻すと、私と私の妻は、2006年にハワイ州マウイ島で始めたファッション・ブティックのチェーン店を14店舗所有しています。今となっては遠慮なく、L.E.T.が私たちの会社の競争上の優位性であると言うことができます。

では、それがどのように私たちの競争優位性なのでしょうか?私たちの会社はとても複雑な何百ものパーツでできたエンジンで走る会社だと考えています。その複雑さに加えて、このエンジンのパーツには感情やニーズ、自身のマインドが存在しているのです。対立や誤解、憤りが多く噴出する機会でもあります。厄介な人たちの問題に対処するためのツールをL.E.T.は与えてくれます。それによってパーツがお互いを苦しめることなく、全ての業務を遅らせることもなく、崩壊することもありません。

嬉しいことに、私のビジネス・パートナーは妻です。ということは、私たちのパーソナルな部分も仕事上の部分も時として不鮮明になります。お互いが燃え尽きるリスクが絶えず存在しているということです。L.E.T.は私たちが問題解決に必要なツールを提供し、お互いの神経を逆撫ですることがありません。一緒に協力して働けるということはアドバンテージです。従業員との対立を解決できることもアドバンテージです。顧客や業者との対立を解決できること、健全な人間関係を維持できることもアドバンテージです。働くことが実際に楽しいと感じ、人の問題に悩まされずに生きることができるのもアドバンテージです。
今年はL.E.T.の世界に飛び込み、深く関わることができました。私は自分の会社のインハウス・トレーナーになったのです。それは、L.E.T.の価値への信頼の証しです。それゆえに、私は個人的に私たちの従業員にワークショップを教える時間を作ろうと決心したのです。そうすることで、メッセージが明確になると期待しています。私たちはL.E.T.を本当に価値あるものと認め、そしてどのレベルにいようが全ての人に学んで欲しいと思っています。

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[ニュースレター] 2017年3月号

─2017年3月号─「リーダーシップへようこそ!Good...Luck?」

Date: March 14th, 2017 | BY Marie Bryson
 
 聖パトリック祭は全世界が一週間、アイリッシュになります(あるいは一週間以上かも知れません)。全てを緑色に着飾って、もちろんアイリッシュの幸運をお祝いします。
 幸運とは面白いものです。あなたにも起こりえます。目を見張るほどのルックス、巨額なトラスト・ファンド、王族の血筋に生まれるようなもので、幸運とは完全に徹底的にあなたのコントロール外です。
新しく採用された初めてのマネジャーに「グッド・ラック」を願う単純な気持ちに誰が反対できるでしょうか?
 答は「新しいマネジャーの上司」です。少なくとも、上司が新人マネジャーの役割での成功を現実に願うならです。

それは幸運ではありません――スキルです
 新人マネジャーは、初めてリーダーシップの役割を担う時、マナーや期待される新しい責任に関してトレーニングを受けます。
 損益計算書を一度も見たことがない?在庫管理システムに全く不慣れ?一般的に受け入れられている会計原則について何も知らない?あなたのインボックスになだれ込んでくるレポートの意味を、一体どうやって理解するのかぼんやりしてしまう?いい知らせです!あなたは自分自身の上司、あるいは他の誰かが自身の慌ただしいスケジュールでも時間を割いて、あなたがスピードを上げて慣れるようにしてくれることは100%間違いありません。結局、上司はあなたを採用したのですから、あなたが成功するためのスキルを確実に持てるよう投資します。
 しかし、「ソフトな側面」に関して――ピープル・マネジメント――新しいマネジャー・トレーニングがほとんどの組織でグニャッとしたものか、驚くばかりです。形式的な準備があるとしたら、通常、それは人事部や法務部の側のものです。「攻撃しない。差別しない。違法行為や非倫理的行為をしない。あなたの部下たちがお互いに攻撃したり、差別したりしないようにする。訴訟されないようにする。さあ、出て行って、あなたの部下たちを管理しなさい!…グッド・ラック」
 もし、あなたが管理するチームが既に難しいチームだという噂があったとしたら?業績不振者ばかりなら?その時点で、「グッド・ラック」は不吉な兆候です。なぜなら、あなたの以前からあるチームに、あなたが成功するか失敗するかを聞くなど――おみくじの「幸運」に単に頼ることはできないからです。
マネジャーとして成功するにはもっと多くの「幸運」が必要になるでしょう。リーダーシップは幸運の問題ではありません。スキルの問題です。いいですか?それは良い知らせです――なぜなら、幸運と違ってスキルは定年後にやってくるというようなものではないからです。ピープル・スキルは特にマジックでも神秘でもありません。

新しいマネジャーのスキル・キット:基礎編
 もし、あなた、あるいはあなたの知っている誰かが最近、高いスキルをもったチーム・メンバーはからスキルを持たないチーム・リーダーへと飛躍したら、認識すべき最も重要なことは:初日から全ての職務の責任を遂行できる訳ではありません。それは、あなたのピープル・スキルも含みます――あなたがこの宇宙で、自然と最も社交的で、支援する、分別のある、人を励ます「ピープル・パーソン」な人だとしても。
それは、人の管理が難しいからです。
 しかし、何度も何度も証明された、よりやりがいのある、より生産的な、そして「幸運」のようなコントロールできない外的要因に頼らない幾つかのスキルが存在します。

– アクティブ・リスニング:全ての「ソフト・スキル」の基礎であるアクティブ・リスニングは、誰かの前にただ単に座って、頷いて「あなたが言っていることは…ということですね」と言うことだけではありません(頻繁に誤解され、こんな風にパロディにされますが)。アクティブ・リスニングは自制心です。他の人の話を聴くことを学ぶ――本当に聴くのです――自分自身の考えや課題が相手の人の言葉を競ってさえぎらないように聴くことは、武術で黒帯を締めるように厳格なことです。しかし、それは協力的で尊敬の念を持った、オープン・コミュニケーションを認めているリーダーシップの必須条件です。そして、人を罵倒する、トップダウン型の権力狂のマネジメントから得られる結果より良いものを生み出します。
– 問題の所有権の認識と対立解決:アクティブ・リスニングの習慣的な自制心を通して、一旦相互の信頼と強い人間関係を構築したら、次のステップに移行するのは短いステップになります。問題を認識し、誰が問題を所有しているのかを特定し、そして問題があなたに所属する時には、あなた自身と対立している相手のニーズを両方満たす方法で対立を解決する方向に最初のステップを踏み出します。
– I-メッセージ:あなたが問題を持っている行動に対決するための何度も試された脅しではない手法、I-メッセージは会話で最初のステップとなります。それは必ずしも最後のステップではありませんが、確かにI-win-You-loseメソッドに代わる改善策です。悪影響になったり恐怖や憤りを引き起こす感情的な反応を部下に持たせたりすることは、長い目で見て部署の生産性をあげる「幸運」とは言えません。
 
 Leader Effectiveness Training は、実績があります。新リーダーにピープル・マネジメントへと移行するのを支援することができます――新しく昇進したマネジャーの最もチャレンジングな義務であると頻繁に言われています。私たちは決して新しく採用した人や新たに昇進したリーダーに、幸運だけでインボックスにあふれるスプレッドシートに対処する方法を学べといって見捨てたりしません。彼らの部下への対処方法に関しては構造化された、エキスパートの支援を提供することは理にかなっています。

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[ニュースレター] 2017年2月号

─2017年2月号─「権力の多様化」

Date: February 26th, 2017 | BY Brian Miller
 
 人間関係の権力は思ったほど簡単な概念ではありません。多くの人間関係で、権力の役割は明確ですが、一部の人間関係ではあいまいで定義するのが難しいのです。「権力」という言葉ですら、人によっては異なる意味に捉えられます。ゴードン・モデルでは、私たちは通常権力による人間関係を2種類に分類して対処しています。それらを「メソッドI」と「メソッドⅡ」と呼んでいます。
 メソッドⅠはトップダウン型の権力による人間関係です。一人の人間が意思決定をし、他の人(あるいはチームの全員)がその決定に従います。トップダウン型のメソッドⅠのリーダーは通常、役職だからということでチームの責任を負っています。しかしながら、これは必ずしも真実ではありません。あるグループでは、責任者は一貫してある一人のグループ・メンバーの意見に従います。グループ・リーダーがどう感じていようが、グループは一人のメンバーの決定や意見に従います。最初は、グループ・リーダーは弱くて能力のないリーダーのように思えますが、それはグループ・ダイナミックスの正しい解釈ではありません。リーダーのタイトルを持っている人が他の人のフォロワーになります。自然と、あるケースでは、このようなことが起こります。なぜならば、本当のグループ・リーダーは役職だからリーダーになっている人よりも、より仕事ができるからです。ほとんどの場合、このようなことが起こる理由は、本当のリーダーはアグレッシブで支配的なパーソナリティを持ち合わせており、グループに対して命令ができるのです。もし、グループが自分たちの課題をやり遂げて、自分たちの目標に達するならば、この状況は受容できる状況かも知れません。残念ながら、時間とともに役職だからグループ・リーダーになっている人は本当のリーダーからだけでなく、他のグループ・メンバーからも拒否され、軽蔑されたと感じるでしょう。役職だからリーダーである人は、いつかけんか腰の態度やいじめによって支配を再度主張しようとします。そうなった時、生産的なチームも突然非生産的になってしまいます。
 メソッドⅡはボトムアップ型の権力による人間関係です。この状況はほとんどの人たちが「弱いリーダーシップ」と解釈しているものです。人間関係で権力を保有している(あるいは役職からチームのリーダー)と思われている人は、ほとんど、あるいは全く自分の個人的な考えをグループに主張しません。その代わり、アイデアはいつもグループから出され、グループは議論したり投票したりして、どのアイデアを採択するかを決定します。この状況は多くの人たちにとって、グループ・リーダーとしてもグループ・メンバーとしても、とても生産的で心地よいものです。上記の状況のように、役職からリーダーになった人ではない真のリーダーの場合、徐々にグループから仲間はずれに感じ始めます。グループ・リーダーは不必要で快く受け入れられていないと感じます。このようなネガティブな感情がピークに達し始めると、グループ・リーダーはグループ・ディスカッションからもっと引きこもってしまうでしょう。このようなことが起こると、グループは明らかに目指すべき目標もなくなり、生産性が劇的に低下してしまいます。
 権力が人間関係の土台になっている時はいつでも、権力者から従うように強要されている人は拒絶感を経験します。この拒絶の感覚は、やがて無気力感(欲望の欠如)や倦怠感(意欲の欠如)を生み出します。無気力感や倦怠感がひとたび人の心を支配し始めると、回復するのはとても難しいのです。職場に現れない人、しばしば自分の上司と口論する人、予定より遅れてしまう人、あるいは頻繁に病気になる人は、無気力感あるいは倦怠感、またはその両方に深く陥ります。
 対立は時としてこのような権力に基づいた人間関係の中で起こります。ゴードン・モデルの強みに一つは、このような人間関係を上手く切り抜けるためのツールを提供します。実際の権限ではなく、役職から権限を持っている人は、どのようにグループの中の権限が均衡を失したのかについてのグループの認識を高めるために、対決的I-メッセージ、アクティブ・リスニング、ギア・シフトを使うことができます。メソッドⅢの対立解決法は、権力のバランスを取り戻し、生産性を回復させるための仲立ちとして使われます。同様に、権力の基づいた人間関係によって抑圧され、疎外されたグループ・メンバーは、対決的I-メッセージを使って権力を使っている人に自分自身の感情を伝えて気づかせることができます。グループ・メンバーはアクティブ・リスニングやギア・シフトを使って、人間関係を権力によってコントロールしようとする人の理不尽な要求に対して反応することができます。
 私たちが力関係が不均衡な人間関係にある時、L.E.T.で学んだスキルが権力のバランスを回復させるためのロードマップとなります。

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[ニュースレター] 2016年5月号

─2016年5月号─「それで、今誰が問題を持っているのですか?」

Date: May 10th, 2016
By: Dr. Bill Stinnett
 
私は今、I-メッセージを送りました。相手は少し防衛的に見えます。私たちは行動の窓のどこにいるでしょうか?この質問は、L.E.T.ワークショップの間、しばしばあがってきます。私はたった今、私の問題を相手に渡したのでしょうか?あるいは、そこには新しい問題が存在しているのでしょうか?

明確にするために例を挙げてみましょう。私には信頼し尊敬する同僚のシルビアがいます。彼女は素晴らしい同僚です。一生懸命に働くし、協力的で快く助けてくれます。チーム・メンバーに期待する全てが整っているのです。でも最近、彼女は私を怒らせるようなことをするのです。私は彼女に3つの質問をメールでしようと思います。

例えば、「金曜日の1時からミーティングできますか?クラークへの入札に対する回答は出ましたか?私が月曜日に送った資料に目を通してもらえましたか?」一日が経って、彼女から返事が来ました。「金曜日なら大丈夫!その時に話しましょう。」OK。でもクラークへの入札や資料の件は?この件はここ2-3週間で2-3回起こっているのです。ですから、私はもう一度、他の2つの質問を繰り返す形でメールを彼女宛て、送りました。さらに加えて、3つ目のメールを3つ目の質問だけを入れて送りました。念のため!小さいことのように思うでしょうが、私にとっては余計な仕事が増える原因で、時々、必要な情報を入手するのが遅れてしまうのです。

彼女の行動が私の行動の窓の中の受容ラインの下に落ちてきたと思ったので、対決的I-メッセージを作り、金曜日のミーティングで送ってみようと決意しました。こんな感じです。「シルビア、先週2-3回、私はあなたにいくつかの質問をメールでしました。あなたは最初の質問だけに返信してきました。それは、今日私たちがミーティングをするというメールだけです。(私はクラークへの入札と以前に送った資料についても聞きました)あなたがそういうことをすると、回答のない質問を繰り返し送らなければならないか、あなたに電話をかけなければなりません。余計時間がかかりますし、私は困ります。本音を言えば、ある種フラストレーションなのです。」

短い間があって、彼女はこう言いました。「ごめんなさい。私ほんとうに忙しかったの。あなたからの他の2つの質問のメールにも回答しました。それに、今日、ミーティングがあることはわかっていたし、そこで話すことができると思いました。回答するにはある種複雑でしたし、会って話した方がいいと思いました。どうして、あなたはそんなに大騒ぎするのですか?」

それで、今、誰が問題を持っているのですか?

私はこう理解しています。私がまだ、もともとの問題を持っています。シルビアは、自分の行動を喜んで変えると示唆するものは何もしていませんし、言っていません。彼女は私のメールを全部読むとか、私の質問に全部答えるとは同意していません。将来、私が複数のメールを彼女に送らなくても良いという確信はありません。

それどころか、シルビアの私への返事は新しい問題です。彼女は私の対決に少し驚いています。少し防衛的になっています。シルビアは応答(返事)を「持っています」(それは新しい「行動」です)。私の行動の窓で、彼女の防衛的な応答はシグナル・行動のようです。私の行動の窓で「相手が問題を持つ」セクションに入ります。私が何をするかはわかっています。なぜなら、L.E.T.リーダー研修で学びました。アクティブ・リスニングにギア・シフトします。この時点では、まだ「私たちが」問題を持つには至っていません。シルビアは行動を変えて私のニーズに応えてくれるかも知れません。
そこで、私は次のように言います。「そうですね。色々なことが起こっていて、すぐには全てに返信できないのですね。それに、私が聞きたいことは、少し考える時間が必要かも知れませんからね。今日、私たちがこうして話す時間を持つとわかっていたから、メールで複雑なことを書く必要性を感じなかったのですね。実際に会って話した方がよっぽどいいですものね。こんな風にこの問題を取り上げている私に少しうんざりしているでしょうね。」

シルビア:「ええ。私が全てやり遂げることはわかっているでしょ。私たちは本当にうまく協力しあっているじゃないですか。」もっとアクティブ・リスニングをします。「私たちの職場での人間関係は、あなたにとって大切なのですね。あなたは私にもっと信頼して欲しい。小さなことをいちいち言われる必要もないと感じているのですね。少し傷ついたというか。」
I-メッセージに戻って、「それはよくわかりました。でも、あなたが私のメッセージ全てに返信しないと、どうしていいかわからなくなることをわかって欲しいのです。あなたがランチ・ミーティングでそれを議論するつもりなのかもわからないので、時間を割いて再度メールしなければなりません。私のメッセージの最後の部分を見ていないのではないかと心配になりました。」

この時点で、シルビアは次のように言うかも知れません。「わかりました。つまり、あなたは私が何を考えているか読めないのですね?では、今後は全ての質問に対して何か答えるようにしましょう。例え、すぐに即答できなくても、そのようにあなたにお伝えします。会う予定にするか、何か考えます。」
「いいですね。」と私は言います。さて、シルビアが約束通りのことをしてくれると私が信頼するなら、「B」は両方ともなくなります。

その一方、それはそんなに簡単ではないかも知れません。シルビアは「今、私がどれだけ忙しいか、あなたは全く理解していません。私は永遠にこのようなメールをもらい続けるのです。全て、最後まで読んでいたら、何もできません。ほとんどの場合、新しいことは冒頭の文章の一つ二つにしか書いてありません。残りは以前のメッセージの繰り返しです。問題の要点を早く言って欲しいのです。」(シグナル行動が更に見られる)

私はまた、アクティブ・リスニングをします。「ということは、あなたにとって私が全体像を見えていない人ということなのですね。メールを全て最後まで読むのは現実的ではないと。あなたは今、仕事量にとても圧倒されているのですね。それに、メールを読み進めても、何か新しいことが書いてある訳ではないので、時間の無駄だと感じているのですね。」
シルビアは「その通り。あなたの仕事をしづらくしようとしているのではないのです。でも、どうやって改善できるのかわからないのですよ。」

さて、今、誰が問題を持っているのでしょうか?私はL.E.T.リーダー研修を受講したので、これは「私たち」が問題を持つのだとわかります。メソッドⅢの対立解決法を行うチャンスです。シルビアと私には、この時点で異なるニーズがあります。お互いのニーズ全てを満たす明らかな解決策はありません。

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[ニュースレター] 2016年6月号

─2016年6月号─「権力を持たない人から権力に対する力強い言葉」

Date: June 7th, 2016
By: Dr. Thomas Gordon, Three-time Nobel Peace Prize Nominee and founder of Gordon Training
 
私は幾度となく、権力の源泉について聞かれます。それはどこから来るのかと。その質問をしてくる人は、まだ知られていない、あるいは隠された権力の源泉があることを期待しているのです。その権力の源泉により、今まで負けていた喧嘩に勝ち始めることを期待しているのです。しかし、権力の秘密の源泉という考えは、スペインの探検家ポンセ・デ・レオンの若さの源泉の考え方に似ています。それは、存在しないということです。

ですから、私はそういう人たちにこう言います。権力はアメとムチを与える力から来ていると。言い換えると、権力は痛みや快感を創る能力です。権力を使用する人はアメとムチを操って、欲しいものを手に入れています。痛みが十分大きければ、あるいは報酬が期待に十分沿っていれば、順守してもらえます。

しかしながら、順守するには代償を払うことになります。受け手の人はただ単に順守する訳ではありません。個人の完全性を維持するために、やりたくないことをすることに対処する方法をとります。このような行動はコーピング・メカニズムと呼び、3つのカテゴリーに分類されます。反撃、逃走、服従。反撃する人は反撃したり、拒否したり、挑発したり、五分五分に戻そうとしたりします。コーピング・スタイルが逃走という人は、物理的にも感情的にも逃げようとします。彼らは引きこもり、逃げ去り、白日夢を見たり、空想したり、飲酒や薬物に走ったり、病気になったりします。服従する人は、しばしば最も求められる子供、学生、従業員等ですが、最も不健康な人たちかも知れません。特に命令が重要なニーズと対立する時に従順で、「権力者を尊敬し」、命令に従います。それが、子供の頃から一般的に学習され多くの人が人生で実践しているメカニズムです。

しかしながら、服従はアサーティブネス、独立心、十分に機能する一般的能力にダメージを与える影響があります。次のように考えてください。服従することで対処する人は、消極的で、自分から始めることはなく、依存する傾向があります。ですから、あまり良い従業員ではなく、人間関係においても一緒に仕事するのが難しいものです。外見的には親切で素直ですが、内面では怒っていて敵対的である傾向があります。

あなたのコーピング・スタイルを知るために、権力のリコール演習をすることをお勧めします。それは私の組織で、何千もの受講者とのワークショップでインストラクターが使った演習です。紙を一枚使って、そこに4つの縦のコラムを作ります。左のコラムの一番上に「私がやらされたこと」と書きます。次のコラムには、「誰がそれを私にさせたか」を書きます。3つ目のコラムの上には「私は何をした(例えば、従った?)」を書きます。そして最後に4つ目のコラムに「私はどのように感じ、そして何をしたか」を書きます。

さて、あなたが小学生だったころを思い起こしてください。誰かがあなたがしたくないことをさせます。それは誰ですか?あなたは何をしましたか?あなたがしたことに関してどう感じ、そしてあなたは何をしましたか?

あなたが年をとった時についても、このプロセスを繰り返します。例えば、高校時代、そしてつい最近。

人が発見することは、権力の使用は単純に問題の性質を変えるだけです。例えば、私たちのワークショップ(Teacher Effectiveness Training)では、フロリダから来た高校の校長先生が、小学5年生のクラスルームの外に座らされているところを思い出しています。なぜなら、彼は「静かにする時間」の時に、教室で紙飛行機を飛ばしたからです。彼は恥ずかしい思いをして、腹を立てていました。結果、駐車場まで抜け出して行き、一人の先生の車のタイヤの空気を抜いてやりました。この場合、クラスの邪魔をするから器物破損へと発展しました。

このようなことは、あなたにも当てはまりますか?あなたは何とかして対処しましたか?何千人もの人たちがこの演習をして、ほとんど似たようなリストを作りました。あなたの演習結果もこのリストにあるかどうか見てみてください。
 
• 反抗する、背く
• 報復する、逆襲する、言い争う
• 嘘をつく、真実を隠す
• 怒る、癇癪を起す
• ルールを破る
• 他者を非難する、告げ口をする
• 顎で使う、やり返す
• 他者と団結する、組織化する
• ご機嫌を取る、承認を求める
• 引きこもる、空想する
• 逃げる、課題や仕事を辞める
• 諦める、敗北する
• 無視する、黙殺する
• 競争する、勝つ必要がある
• 希望がないように感じる、落ち込んでいる、泣いている
• 恐れる、臆病になる、恥ずかしがる
• 病気になる
• 過食の後、下剤で胃の中を空っぽにする、あるいはダイエットをする
• 服従する、順応する、命令に従う
• 飲酒する、薬物を使う
• 欺く、盗作する
 
強制力への応答としてこれらのコーピング・メカニズムを使うことは、予測可能で回避できません。しかし、この観点から観ると、権力を使うことは避けるべきです。なぜなら、それによって人間関係が破壊されるからです。

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[ニュースレター] 2016年7月号

─2016年7月号─「学習段階の各ステージでグルグル回る」

Date: July 17ath, 2016
Blog Post by: Brian K. Miller
 
L.E.T.リーダー研修を修了した人はだれでも、4つの学習段階を知っているでしょう。どのようなスキルでもマスターするためには、誰であっても4つの学習段階を通っていかねばなりません。誰も無知からストレートにマスターする段階にジャンプすることはできません。4つの学習段階は:
 
第1段階:私はスキルの存在すら知らない
第2段階:スキルが存在することを知っているが、私は使えないことを認識している
第3段階:スキルが存在することを知っており、私はそれを学習しできるようになってきている
第4段階:スキルを使うことが自動的、ほとんど直感的にできる
 
スキルをマスターするには多くの練習が必要です。研究者たちによると、15,000から25,000回の繰り返しが学習段階の各段階をマスターするのに必要であると提言しています。残念ながら、もし私たちが4つの学習段階のひとつでスキルを応用することを止めてしまったら、学習した時間を全て無駄にしてしまいます。学習時間を無駄にしてしまうなら、その学習段階の最初に逆戻りです。
 
車の運転を想像してみてください。多くの人は週末のドライブを楽しみます。時間とともに、お気に入りの道順とともに自分の車のコントロール方法を学習します。あまりにもドライブが快適なので、油断し不注意になります。逆に、週末だけいつも同じ場所にドライブするだけの人は、何かの理由でいつものルートを外して行かなければならない時、全く新しいスキルがないドライバーになった気持ちになります。日本で起こる多くの自動車事故は、ウィークエンド・ドライバーがどういう訳か仕事に車で行こうと決める時に起こります。車はいつもの車です。同じコントロールですが、ルートが変わることで車を操作することからフォーカスが外れて、簡単な、しかし致命的なミスをおかすことになりかねません。例えば、ブレーキと間違えてアクセルを踏んだり、確認しないで車線変更をしたりするなどです。
 
L.E.T.のスキルでも同じようなことが起きます。例えば、アクティブ・リスニング、対決的I-メッセージ、ギア・シフトなどです。ある人は職場で学習の第3段階に達しているとします。彼らはシグナル行動を認識する方法を知っており、ロードブロックを一貫して回避し、彼らの対決的I-メッセージのほとんどが上手に構成されています。そしてある日、彼らの上司が定年退職してしまいます。突然、不愛想でアグレッシブな、いつも不愉快な別の人との全く新しい人間関係に放り込まれます。彼らの不快レベルが上昇し、シグナル行動を認識することを止め、リスニングをすべき時に対決し、ギア・シフトしようとすると、全てが崩れてしまいます。彼らの信頼関係が壊れ、修復できないくらい人間関係にダメージがあることを知りながら、ロードブロックを使い始めます。
 
もし、このようなことがあなたに起こっているならば、立ち止まって考えてください。学習段階の第2段階に立ち返ります。各スキルの名称を思い浮かべます。それらがどのようにワークするデザインかを思い出します。必要ならば、少し鏡の前で練習してみましょう。私にとって役立つ方法のひとつは、どのように会話が進むべきかを紙に書き出してみることです。会話は実際には私が予想していた通りには行きません。しかし、書き出すことでシグナル行動に気が付けるように自分に言い聞かせ、意識して対決的I-メッセージからアクティブ・リスニング、アクティブ・リスニングから対決的I-メッセージへとシフトすることを思い出させます。書き出すことで、会話が進むにつれて必要な自分のI-メッセージの異なるバージョンを事前に用意することができます。
 
人間関係や状況の変化によって、学んだこと全てを忘れてしまったなら、最初に立ち返ってゼロから自分のスキルを磨くことを恐れないでください。期待したように会話が進まなくても、後日戻って謝り、やり直すことを恐れないでください。多くの場合、学習の4つの段階の各ステージで、マスターして次の段階に自然と移行できるまで、私たちは円を描くようにグルグル何度も回っています。時間をとってあるステージの最初に戻ること、基礎を思い起こすことは永遠にその段階にとどまることを意味しません。そのステージを新しい、経験のない環境でマスターできるように立ち返るということを意味します。
 
車を運転する時、ウィークエンド・ドライバーが仕事に行く時、あるいは新しい場所まで運転する時に特別な注意を払う必要があるのと同様、時々、私たちは自分に基礎的なことを思い出させる必要があるのです。

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[ニュースレター] 2016年8月号

─2016年8月号─「拡張現実がゴードン・モデルと出会う」

Date: August 11th, 2016
Blog Post by: Brian K. Miller
 
ポケモンGO、新しい拡張現実ゲームがこの携帯電話を取り込んで、嵐のように私たちの世界を振り回しています。今、ポケモンGOはツイッターを上回り、ネットフリックスよりも多くの処理能力を食います。職場、家庭、街の中でのインターパーソナルな関係に直接インパクトを与えています。

ゲームや注意をそらす他のもののコミュニケーション・フローに与える影響を吟味する時、重要なポイントは価値観の衝突と本当のニーズの対立との違いを認識することです。当然、ポケモンGOのような人気のある人を惹きつけるゲームであっても、誰もプレイする必要はありません。しかし、人は余暇、レジャー・タイム活動をする必要があります。レジャー・タイムがどのように予定され、どのような活動を人々が一緒になって求めるかは、本当のニーズの対立を生み出しかねません。
 
営業チームの2人のメンバーが、しばしばオフィスを出て顧客訪問に行っていると仮定しましょう。ポケモンGOがリリースされてから、彼らの昼休みが午後の就業時間に食い込んで長引いており、そして午後の営業訪問の後、オフィスにほとんど戻ってこないことに上司は気づき始めました。上司がチーム・メンバーに対決した時、彼らは自分たちの仕事の時間にゲームすることを許してしまっていたと認めました。彼らはしばしばオフィスを離れて営業に出ていましたし、彼らが稼いだ売り上げも落ちてはいなかったため、二人はどちらもこのことを問題だと思っていませんでした。
 
明らかに、二人のチーム・メンバーは営業目標を達成しています。しかし、売り上げ以外に会社では説明責任を負っています。会社は、従業員である営業の人たちがどこにいるのか、何をしているのか、顧客との間で問題が起きた時にどのように彼らと連絡をとるのか等、知る必要があります。上司はこの二人の営業マンに対決し、会社のニーズを強調する必要があります。対決的I-メッセージは以下のようなものになるでしょう。「あなたがデスクから離れて長い昼休みをとったり、営業回りから帰ってこなかったりする時、顧客が問題を抱えて電話して来たら、どのようにあなた方にコンタクトしたらいいかわかりません。私は多大なるストレスと不安を抱えることになります。」

上記の事例のように、二人の営業マンはオフィスに戻る代わりに、ポケモンGOをやっていたことを即座に認めました。この場合、ギア・シフトはかなり短くてよいでしょう。営業マンが勤務時間中に自分の居場所について説明責任を負っていることを担保する方法を見つけるためには、メソッドⅢが主要なツールになるでしょう。勤務時間中にゲームをすることに対する、より厳しい時間要件や禁止事項が決められる結果になるか否かはわかりません。より厳しい時間要件や禁止事項が最終結果であると仮定するなら、全てのメソッドⅢのプロセスは無効になり、二人の従業員は会社への貢献が全く感謝されず、報酬が与えられないと感じるでしょう。ですから、問題が解決されると事前に仮定しない方がいいと思います。ブレーンストーミングの時に挙げられる解決策全てに対してオープンでいましょう。ステップとステップの間では必要に応じてギア・シフトをし、プロセスが自然と結論に到達していくようにします。会社のニーズにフォーカスしつつ、そのニーズが満たされるための代替的選択肢をシャットアウトしないで下さい。
 
拡張現実ゲームは、レジャー活動がどのような形態であっても、なくならないでしょう。それらは今よりさらに普及するでしょうし、ポケモンGO以上に対立を生み出すことでしょう。ゴードン・モデルは、職場や家庭、あるいは私たちの地域でこのような対立を解決するための最善のツールです。

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[ニュースレター] 2016年9月号

─2016年9月号─「悪いリーダーシップをよく観察:ケーススタディ」

Date: September 6th, 2016 | BY Marie Bryson
 
もし、私の人生の中で一つだけ真実なものがあるとしたら、これです。その人と私は全てにおいて全く正反対であるということです。私はステーキが好きで、彼は牛挽肉が好きです。私はものすごいレア肉を注文するので、キッチンでは温めたオーブンに肉を滑らせるだけでOKです。彼はすごいウェルダンの肉を注文するので、真っ黒になるまでオーブンに入れておかなければなりません。私は極めてカジュアルで、彼はものすごくカッチリしています。
 
そして、仕事です。
 
私は生きるために仕事をするタイプの人間です。彼は仕事をするために生きています。彼の自然の生息地はオフィスです。休暇?休暇は彼をストレスで参らせます。なぜなら、彼は職場を離れなければならないからです。
 
最近、私は口をぽかんとあけて彼を見ることがありました。なぜなら、「今週末、上司が車にひかれてしまえばいいのに・・・」と呟いたからです。
 
この時は本当に人が変わってしまった感じで、一皮むいてサイボーグである本当の自分を見せた方がいいのではないかと思うほどでした。
 
人は仕事ではなく上司を去る
 
私たちは皆、こんなことを耳にしたことがあるはずです。案の定、最近のGallupの調査によると、半数のアメリカの労働者は人生において上司が原因で仕事を辞めたことがあると言っています。数か月前、上司が新しくなったという人を知っています。彼は新しいレポーティング・ライン(新しい上司との関係)を疎ましく思っていたことも私は知っていました。しかし、彼の口からあの言葉を聞くまでは、状況がそんなにひどいということを知りませんでした。
 
こいつは、私が生きてきたのと同じくらい長く職場にいる奴なんだ。優しい人ではないね。ほとんどの期間、彼は週に60時間は働くことを期待しているマルチ・ナショナル企業で働いてきたんだ。そして、彼はそれをこなしてきた。喜んでだよ。
 
私:「車にひかれたの?うわぁ、あなた本当に上司のことが嫌みたいだね」と言いました。相手が問題を抱えていることを認識したので、アクティブにシフトしました。
 
彼:「あいつはあれをやっているんだよ。何をするか、どうやってするかを逐一指示するんだ。あいつは皆をクズ扱いするんだ。」
 
私:「あなたの上司はあなたをマイクロマネージして、あなたの同僚に対する扱いもひどくて、あなたを苛立たせるのね。」と私はフィードバックしました。
 
彼:「そうなんだ。例えば、私は会議の席ではノートパッドでメモを取るんだよ。紙のノートだよ。いつもそうしてきた。永遠に。今日奴は文字通り、会議を止めて、グループ全員の前で私に言ったんだ。このメモを取る行為が奴をとてもいらつかせると。そして、それは具体的な何かに影響を与えている訳ではないんだ。全く何も。奴はただ単にメモ取りが嫌いなんだ。なぜなら…えっと、奴は嫌いなだけなんだ。他の皆はラップトップでメモを取っているんだけど、それがなんだっていうんだ?私は違う。私は紙に書く。会議で議論したことを覚えていないという訳ではないよ。準備しないで行くことはないから。私の仕事の質に影響はない。これが私のやり方なんだ。今、それを変えるつもりはないし、奴にどんな影響があるっていうのかサッパリわからない。」
 
私:「そうね。あなたは、上司がただ単に嫌いという以外、何も特定の理由があるわけでもなく、権限をあなたに振りかざそうとしていると感じているみたいね。」と私は言いました。
 
彼は相槌を打ち、「それでもう一つ思い出した。相槌だよ。」
 
私:「相槌…それについてもっと詳しく話してくれる?」
 
彼:2-3ヶ月前に私たちは大きなグループで会議をしていたんだ。奴は仕上げなければならないある仕事について話していたんだ。私は奴の言っていることを理解したということを承認するために、相槌を打っていたんだ。奴は私の方をまっすぐ見て言ったんだ。「私は君に相槌を打ってもらわなくてもいいんだよ。私は君に理解して欲しいだけなんだ。」
 
神聖なロードブロック8番、バットマン
 
「そして、一ヶ月前に奴が持ち出したことがあるんだ。小さな部署だし、私たちは皆、ユニークな責任がある。別の会議で、奴はプレゼンで私たちがやっていること全てをリストアップしたスライドを見せたんだ。スライドでは1つのボックスにチェックマークがなく、奴はチェックマークが入っているところについては全て素晴らしい仕事をしていると言ったんだ。チェックマークがないものについて、一体誰の責任か皆わかっていた。公の場で侮辱したんだ。それに、奴以外の皆は同意していないよ。私たちはチェックマークがないものについて責任を負っている人と彼の仕事ぶりを尊敬しているんだ。上司はどういう訳か、それを持ち出した。信じられないほど、不愉快だったよ。」
 
私たちは話し続けました。彼の元上司からの人事考課は輝かしいものでしたから、彼は心配しています。しかし、間違いなく職場のハラスメントとも思えるような上司の下での次回の人事考課について、彼は心配しています。
 
私は彼の心配について話せる人は誰かいないのか聞きました。「人事部は従業員の側に立っていると考えれば、話に行くかも。でも、わからないから最悪なんだ。」
 
もし状況が改善しないなら――そして、人事考課が去年に比べて輝かしいものではないなら――彼は新しい仕事を探し始めるかも知れません。そして、そうなってしまったら、悲しいです。なぜなら、彼はこの上下関係になるまではこの仕事に満足していたからです。
 
これは、不幸にも、悪いリーダーが認められて、大事にされ過ぎた職場の現状です。彼らが最初に感情的に健康な職場を作る責任について教育され、その責任を負わされていなければ、不必要な離職率の高さ、従業員の仕事に対する熱意の欠如、生産性の悪さというコストが組織にかかります。

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[ニュースレター] 2016年10月号

─2016年10月号─「問題解決のミーティングのために必要な7つのベスト・プラクティス」

ミーティングは現代社会でビジネスを行う呪いです。多くの問題は一人の人間が自分で解決するには複雑過ぎます。大企業の中の異なる部署、それぞれがある問題の違う分野に対する責任、あるいは部署の中にある異なるチームが同じ問題に対する解決策を見つけ遂行する責任を持つのかも知れません。これは、企業の業務をシステム・アップグレードすることで大規模にオートメーション化する時、あるいは新製品ラインを導入する際に起こりえます。ミーティングは現代社会でビジネスを行う呪いですが、必要不可欠なものでもあります。では、どうやってミーティングをより効率的にすることができるでしょうか?
 
トーマス・ゴードン博士はミーティングの生産性を改善するための17の異なる方法を開発しました。そのうち、最も重要な7つの方法は以下の通りです。
 
ミーティングは同じ時間に同じ場所で行う。特定の問題に特化したミーティングは、いつものスケジュールで行い、毎回目的を持って行う。 ミーティングは小規模で行う(15名を超えない。5名なら尚良い)。問題に関連する各部署を代表して意思決定を行える権限を持つ人を一名特定して出席させる。同時に、その代表者が出席できない時に意思決定を委任されている代替者を選出しておく。 ミーティングは、リーダーではなくメンバーが当日のアジェンダのもっとも重要な項目が何なのかの優先順位をつけることから始める。リーダーはゴールを設定するが、グループが優先順位をつける。 不変のグラウンド・ルールを作り、ミーティングでは全ての人が貢献するチャンスを与え、誰もミーティングを独占しないようにする。 ミーティングのゴールに直接関連したアジェンダの項目にフォーカスする。当該ミーティングのゴールに関連しない問題の側面的議論へと脱線しないようにする。 お互いの得意分野をメンバーから根拠もなく推測されないようにする。ミーティングに出席する人は、代表している部署の専門知識を持ち、他のメンバーから信頼され選出される。 目的が1つ達成されたらチェックし、次のミーティングでの明らかな目的を設定する。  
トーマス・ゴードン博士の著書「Leader Effectiveness Training」では、これらのポイントの一つ一つに関してより詳細に解説しています。ここでは言及していませんが、著書ではミーティングの企画・司会について10の特徴についても書いています。しかし、これらのたった7つの原則を遂行しただけでも、ミーティングは飛躍的に効率化し、生産性が向上します。最も重要なことは、メンバーはミーティングを短く終わらせることができ、皆、ビジネスの本当の仕事――ミーティングで合意した解決策の遂行――に戻れることです。

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[ニュースレター] 2016年11月号

─2016年11月号─「電子的に対決することは有益ですか?」

Date: November 16th, 2016 | by Brian K. Miller
 
 昔、ビジネス・コミュニケーションのほとんどが対面で行われていました。マネジャーは直接チーム・メンバーに話し、チーム・メンバーは直接顧客に話していました。今日の世界では、ほぼ全てのコミュニケーションは電子的なものです。マネジャーはE-メールやテキスト・メッセージなどのアプリケーションを通してチームと話します。そして、チーム・メンバーも同じようなツールを使って顧客と対処します。契約ですら紙面による直筆サインより電子サインを使用しています。

 L.E.T.スキルはテキスト・ベースのコミュニケーションのためのデザインにはなっていません。注意深い配慮なしにE-メールやテキスト・メッセージで使用しようとするのは扱いにくいですし、不自然です。しかしながら、それが役に立たないという意味ではありません。それは、ただ単に少しだけ注意深く考えなければならないということです。

 例えば、あなたの会社のブラックベリーやスマホから安全なメッセージ・アプリケーションで送られる典型的なテキスト・メッセージは以下のように書かれるかも知れません。
 
「Mtg @ 11. pp?」
 
 これがあなたのマネジャーから届いたとします。最初は、謎めいているように思います。なんておかしな暗号なのか?あなたのマネジャーが、あなたに話しかけたとしたら、こう言うでしょう。「重要な顧客とのミーティングが11時にあるから忘れないで下さい。私はまだパワーポイントのプレゼンを見ていないのだけど、もう完成しましたか?」

 あなたがマネジャーの電子的速記に精通しているなら、ブラックベリーのメッセージは完璧に意味をなすものでしょう。しかし、意味がわからないのであれば、読み解くのに時間を浪費しなければなりません。一旦意味がわかったなら、返事を書かなければなりません。要するに、パワーポイントのプレゼンを仕上げるのに使えた時間を10分~15分も無駄にしてしまうということです。

 当然ながら、第一の課題はパワーポイントのプレゼンを仕上げて、あなたのマネジャーに送ることです。それをした後、マネジャーの謎めいたメッセージについて彼に対決します。これには適切な対決的I-メッセージが必要です。しかし、「あなたが謎めいたテキスト・メッセージを送る時、課題を終わらせる前に私はメッセージを解読するのに時間をとられ、混乱してしまいます」というのは魅力的なアプローチではありません。あなたがどれだけ注意深くI-メッセージを作成しても、簡単に誤解を招きます。

 あなたのメッセージ送信のアプリを通してI-メッセージを送る代わりに、受話器を取って直接マネジャーに電話をし、あなたのI-メッセージを伝える方がよいでしょう。これをすることで、テキスト・メッセージのアプリによる遅れもなく、すぐに対面でギア・シフトをする機会が訪れるでしょう。もし、あなたのマネジャーが電話嫌いな人ならば、他の選択肢としてテキスト・メッセージを送ってミーティングをするのに都合のいい時間を聞くことです。そのミーティングで直接会って対決的I-メッセージを送ることができます。

 現代のテキスト・メッセージやE-メールでのペースの速い世界でさえも、対決は対面で行うか、電話で行うのが最善です。明確化が今も尚、良いコミュニケーションの最も重要なクオリティです。誰かに対してひどい電子的コミュニケーション・スキルについて対決する時、昔からの方法、つまり対面で行うことで最も効果的に達成できます。

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