[ニュースレター] 2010年9月号

─2010年9月号─「“ただ事実だけを”」

L.E.T. 修了者の皆さま

皆さまの中でお年を召した方で1950年代のテレビ・シリーズ、真面目なポリス・サージェント・ジョー・フライデーの演じる『捜査網』を覚えていらっしゃるでしょうか?ジョー・フライデーは証人の仮説、理論、結論、解釈などに我慢がなりません。彼は「単なる事実」が欲しいだけなのです。彼は犯罪を解決するたった一つの方法はまず状況にまつわる事実を全て洗い出すことだと信じていました。同じことが全ての問題に当てはまります。最初にすることは事実を立証することです。

誰かの受け入れられない行動に対決する時、You-メッセージを使うよりI-メッセージを使った方が本当にいいという議論が様々存在しています。それらは:人を防衛的にさせない、人間関係を維持するのを助ける、批判しない、役に立つ応答をより多くする。しかし、多分最も重要なのは、I-メッセージはより正確であるということです。とても現実的な意味で、I-メッセージは本物です。I-メッセージの3つのパート(非難しないで行動を描写、明確で具体的な影響、感情)は状況の事実を意味します。他のものは全て憶測でしかありません。

私の同僚でEメールにも電話にも返信してこない人がいます。時として彼が実際に電話に出るまで私は電話をかけ続けなければなりません。『あなたは思いやりがないですね。』とか、『あなたが忙しいのはわかるけど、でも…』とか、『あなたが私の電話を折り返してくれないなら、すぐにもそちらに出向いて…』(もうこれ以上深入りするのは止めましょう)などと言うこともできます。私は彼の上司のところに行って、警告を発することもできますし、何もしないということもできます。しかし、これらのメッセージや戦略は全て彼の意図や動機に対する思いこみと推測に基づいています。私は彼が怠け者で、無礼で、自分のことしか考えていない人で、意地悪だと信じているかも知れません。

そして、私はあっているかも知れません。でも、事実は、私は彼がどうして私のEメールに返信しないのか、どうして私の電話を折り返さないのかはわからないのです。私は彼の頭の中で起こっていることにアクセスはできません。家で深刻な問題があって、彼のエネルギーの全てを奪っているのかも知れません。何か私に対して怒っているのかも知れません。彼の上司が私を無視するように指示したのかも知れません。ただ単にもっと優先順位の高い課題で忙殺されているのかも知れません。あるいは私のことが好きではないのかも知れません。あるいは彼は悪い知らせを持っていて、私に知らせるのを保留にしているのかも知れません。あるいは彼は何か私のために調査をしてくれていて、私に電話する前にそれを終わらせたいと思っているのかも知れません。多分、多分、多分!これらの解釈のどれかが正しいのかも知れませんが、彼が電話をしてくれるまでは私にはわからないのです。

私が知っているのは:

・彼は私の3回のメールに返信をしていない、また、今週私がかけた電話を折り返していない。
・彼から連絡がない限り、私はこのプロジェクトを進めることができないので、私は足踏み状態になっている。
・私はとても不満に思っている。

これらが事実です。今のところこれが真実です。私が問題を持つ人間ですから、私が責任を持って事実を協議するべきなのです。同僚に対する私の責任は彼の理由や動機を憶測しないで協議し、彼に返答をする機会を与えることです。つまり、私は事実だけを述べるべきです。『ただ単に事実だけを』

ゴードン・トレーニング社のL.E.T.マスター・トレーナーであるビル・スティネット博士による執筆

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[ニュースレター] 2013年12月号

─2013年12月号─「ゴードン・モデルを『パッケージ』にしてあなたに!」

2013年12月11日

Blog Post by Michelle Adams

これはどういう意味?そうですね。年末年始のお休みを前に、皆さまにお届けできるバーチャルなギフトがあるとしたら何かしらと考えていました。修了者コネクションでお届けできる何かを考えていたら、一つの想いがよぎったのです。ゴードン・モデルのギフトを最も簡素にお届けしようと思いつきました。準備はいいですか?さあ、どうぞ!

1.ゴードン・モデルの目標は生産的な職場での時間を増やすために、人間関係の問題を減らすことです。行動の窓の目的は、あなたがどのスキルを使うべきかを知るために誰が問題を所有しているのかを特定するのを助けることです。
2.ロードブロックとは対照的に、アクティブ・リスニングは問題を持つ相手がもっと問題について話してくれるように促してくれます。
3.アクティブ・リスニングは問題を抱える相手が表現した言葉と感情の両方を、あなたが正しく理解したかどうかを確認するために、共感的に反映させることです。
4.アクティブ・リスニングは相手に自分の感情を表現し、表面的な問題からもっと深い、もっと基本的な問題へと移行するチャンスを与えてくれます。責任の所在は相手にあり、彼ら自身が自分で問題解決するようにします。
5.You-メッセージは相手に非難の目を向けます。You-メッセージは相手をけなしたり、批判したりします。You-メッセージは人間関係を壊し、相手を変えるような動機づけに効果はありません。
6.You-メッセージとは対照的に、相手の行動があなたのニーズを阻害している時に効果的なアプローチは、I-メッセージを送ることです。あなたは自分の満たされないニーズに対する責任があります。あなたは積極的に取り組みます。あなたは相手に、その行動がどのようにあなたに影響を与えているかを伝え、相手は自発的にその行動を修正するチャンスが与えられます。
7.あなたのI-メッセージが即座にあなたを悩ませる相手の行動の変化につながらない時、I-メッセージを送ることを止めて、リスニングへとギア・シフトすることが重要です。
8.時として、相手があなたのI-メッセージを聴く時、抵抗したり防衛的になったり、傷ついたり、怒ったりします。
9.相手の話を共感的に聴くことへとギア・シフトすることは、あなたが相手のニーズを犠牲にしてまで自分のニーズを満たそうとしているのではないことを知らせます。相手の感情の温度が下がってきたら、またI-メッセージを送ることができます。
10.    I-メッセージ後のアクティブ・リスニングは感情とともにあなたと相手が対立しているかもしれないことを暗示する情報をもあらわにしてくれます。
11.    行動の窓では、『私たちが問題を所有する』セクションにともにいます。
12.    メソッドⅢはあなたのニーズも相手のニーズも満たさせるため、あなたも相手も純粋に受け入れることができる解決策に至るプロセスです。
13.    最初に、相手がメソッドⅢに参加すると同意することが重要です。そして、あなたと相手の人はそれぞれの現実のニーズを特定します。それらは、あなたがたが選んだニーズを満たす解決策とは区別されます。次のステップは、あなたがたが評価せずにいくつかの代替案を考え出すことです。それはステップ3で行われます。そして、どの解決策が両者のニーズを満たす相互にとって良い決定であるかを決めます。そこで、誰が何をいつまでに行い、解決策がうまく行っているかをいつチェックするかについて合意します。メソッドⅢでは、両者の創造性が用いられます。両者が決定に際して参加しているため、解決策を遂行する動機づけが高くなります。対立は一切悪いものとは受け止められず、解決すべき問題としか見られません。メソッドⅢは信頼を築き、人間関係を強化します。

さて、もちろん、練習、練習、練習が必要です。これまでに皆さんが学んできた新しいことと同様です。皆さんがこれまで聞いたこともないようなことを言っているつもりはありません。ゴードン・モデルは極めて単純で洗練された正攻法です。多くの人たちは上記のリストを読んで、『OK。随分簡単ね。わかったわ。』と考えてくれるはずです。

チャレンジなのは、お分かりの通り、これらのスキルを使いこなすことです。そうする前に、あなた自身が自分と対話する必要があります。声を出さないですることをお勧めします。そうでないと、あなたを困らせていることが何なのか、どのニーズが満たされていないのか、あなたが何を欲しているのか、あなたは誰なのか等々、周りの人が話し始めてしまうからです。こうなったら時として難しくなってしまいます。

ですから、ゴードン・モデル自体は簡単でも、それを成功させることは必ずしも簡単ではありません。

でも、やる価値はあるでしょう?すごい!これぞギフトですね。

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[ニュースレター] 2017年1月号

─2017年1月号─「ニーズとリーダーシップ: 権力の使用・悪用の対価」

Date: January 9th, 2017 | BY Marie Bryson
 
今年の1月、私は明らかな理由で新しい門出に思いを馳せていました。思いを馳せていたら、効果的なリーダーシップについての基本的な仮説は多くの場合、語られないままであることに驚きました。
アブラハム・マズローのニーズのヒエラルキーの理論が1943年に開発された時(これは多分偶然ではないでしょうが、第二次世界大戦の真っただ中と合致しますが)、私たちは最も基本的なレベルでほとんどの人を動機付けるものが何なのかについての洞察を得ました。
復習しますと、マズローは次のような理論を展開しました。人は一般的に、「プラミッド」あるいはヒエラルキーの上の方のニーズを満たすことに労力を向ける以前に、一番下のレベルのニーズを満たす必要があります。生理学的で安全性のニーズがピラミッドの基本的な2つのレベルを形成しています。第二次世界大戦以前のボスたちは、これらの2つのレベルのニーズをレバレッジした権力を使って、例えば、生理学的で安全性のニーズを提供したり取り上げたりする方法で人々を引っ張っていました。
前世紀の大半は、権力のみを行使することで人々を導くことが「最善の方法」なのかどうかを北米の人はほとんど疑問に思いませんでした。
少なくともほとんどの組織環境において、私たちはそのようなリーダーシップをなくしました。
しかし、明らかに「おまえはクビだ!」の魅力は完全にはなくなりませんでした。結局――そのアプローチの方が速いのです。即座に目に見える「人間関係の問題」を取り除いてくれるほど効果があります。
そして、それは言うことを聞かないと次はあなたですよということを人々に通告します。上司は上司!時間と労力を使って部下との人間関係を構築するより、その権力を持って、時として鞭をふるったらどうでしょうか?
 
人はどのように権力に反応するのか
「誰でも負けるのは嫌いです。相手に有利な人間関係を喜ぶ人はいません。自分から何かをはく奪するようなことを強要されることは、誰も望んでいません。権力が人々に様々なリアクションを引き起こすのも納得できます――権力と戦い、回避し、権力から防衛し、その影響を無効にしようと試みます。」(Dr. Thomas Gordon, Leader Effectiveness Training, p. 171)
どのようにリーダーとして導くかは常に究極的には個々人のリーダーの裁量です。しかし、対立を解決するために権力を使う選択肢(メソッドⅠのWin-Lose解決法)の結果は予見できます。
 
上に向かって行うコミュニケーションの削減
面白くないニュースを持ってきたメッセンジャーをリーダーが叩き潰すなら、当然、リーダーが受け取れるニュースの量は減るでしょう――それは激減するでしょう。怒りや報復のための権力使用を引き起こす恐怖から、トップに伝えられる情報の正確性も損なわれます。ゲームの名前は「上司には聞きたいことを伝えなさい」というもので、それがうまく行かないことはないでしょう。
 
おだてたり、ご機嫌をとったりする反応
おだてたりするYes-menやYes-womenが増加しています。権力行使に頼るリーダーは、自分が望むフォロワーを作り出します。通常、それはお気に入りの排他的小集団で地位を得るためには何でも言ったりしたりする人たちの集団です。
 
服従と適合
特に上司に頼まれたことを正確に行うことは、多かれ少なかれフォロワーが罰を回避するために使うコーピング・メカニズムです。この行動は、命令が理にかなっていない、あるいは明らかに間違っていたとしても持続します。
 
抵抗と反抗的な態度
権力の悪用に対する一つのコーピング・メカニズムは、指示・命令全てに対して、それがどんなに小さなことでも文字通り質問したり抵抗したり、グループ・プロジェクトでモラールの損失や障害になることです。
 
同盟や連立を組む
権力が定期的に使われ、悪用される時、アメとムチで脅される人たちは、非公式に互いにコミュニケーションを取り合い始めます。仕事の遅滞、病欠、回避方法、妨害行為、労働組合が職場での非公式なコミュニケーションの事例です。
 
引きこもりと逃避
限界まで追い込まれた時、人は有害な権限を振りかざす人を避けようとします。
 
権限の使用に代わる選択肢
リーダーが、マズローのニーズのヒエラルキーの高いレベルに人々を導くための方法があることは証明されています。最も基本的なニーズを拒否することで恐怖心を植え付ける方法ではなく、相互信頼、自尊心の確立、自己実現の自由を求める心にアピールすることで達成できます。リーダーシップのNo-Lose対立解決法に投資する組織は、本当の意見の一致、健全な人間関係、離職率の低さによって達成される質の高い意思決定、その決定をやり遂げるコミットメントの増加という恩恵を受けるでしょう。

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[ニュースレター] 2019年12月号

─2019年12月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑦」

Date: December 22, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーのジレンマ

 

階層制の組織におけるリーダーシップに関した数多くの研究では、効果的なリーダーは、自分自身のニーズ(そして、彼らの上司のニーズである生産性と効率性)を満たすためのスキル・セットが1つ必要であり、グループ・メンバーのニーズを満たすためにはもう1 つのまったく異なるスキル・セットが必要であると強く指摘しています。さしあたり、これら2 つのスキル・セットを非常に一般的な言葉で表現してみましょう。

 

 A. グループ・メンバーのニーズを満たすスキル

   (1) グループ・メンバーの自尊心と個人的な価値を高める行動

   (2) グループの結束力とチーム精神を強める行動

  B. 組織のニーズを満たすスキル

   (1) 生産性とグループ目標の達成を刺激する行動:生産性を刺激してグループ目標達成意欲を高める行動

   (2) グループ・メンバーの目標達成を支援する行動:プランニング、スケジューリング、調整、問題解決、資源の提供

 

効果的なリーダーは「人間関係のスペシャリスト」(メンバーのニーズを満たすこと)だけであっても、あるいは「生産性のスペシャリスト」(組織のニーズを満たすこと)だけであっても十分ではありません。効果的なリーダーは、その両方でなくてはならないのです。さらに重要なこととして、効果的なリーダーは、グループ・メンバーのニーズとリーダーのニーズの両方を満たすためには、いつ、どこでこれらの多様なスキルを使うのかということを知るだけの柔軟性やセンシティビティといったものも習得しなければなりません。最後に、効果的なリーダーは、これら2 つの競合するニーズの源泉の間に生じる、避けられない対立を解決するためのスキルを学ぶ必要があります。

 『リーダー・エフェクティブネス・トレーニング』(2019)は、相互ニーズの充足という最も重要な状態を作るのに、どのようにしたらより効果的に作れるようになれるのか、上司や自分のグループ・メンバーとのより誠実なコミュニケーションの醸成を通じて、どのようにしたらより柔軟でセンシティブになれるのか、他者との人間関係における憤り、敵意、疎外感を大幅に軽減するための公平な(あるいは「No-Lose」の)対立解決法を用いるにはどうしたらよいかをリーダーの方々に示すことを目的としています。

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[ニュースレター] 2008年11月号

─2008年11月号─「チームメンバーの強みを引き出す」

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

私たちが今までに扱ってきたコミュニケーションと対立解決法のスキルの目的は、今まで取り組まれずに未解決になっている人間関係の問題に効果的に対処するためです。この人間関係の問題はエネルギーやモチベーションを低下させ、そして低い生産性に行きついてしまう可能性があります。協力や参加、調和、共感の風土の創造はチームメンバーの溢れんばかりの創造的な能力を発達させるのに役立ちます。そのような風土は必要ですが、それだけでは充分ではありません。

行動の窓の問題のないエリアは生産的な時間を表しています。それはあなたとあなたの周りの人達が効果的に関わり合い、人間関係の問題がない時間です。この時は効果的なコーチングに最適です。このワークショップの目標はあなたの生産的な仕事時間を増やす支援となることです。言いかえれば、問題のないエリアを拡大し、このエリアであなたの人間関係をできる限り維持することです。そうすればチームメンバーに効果的なフィードバックを与えたり、複雑な問題に取り組んだり、目標達成の見込みや課題を討議したりする機会がもっと増えます。チームメンバーのニーズと目標を組織のそれと近づくようにします。そしてこのワークショップで習得したスキル――アクティブ・リスニング、I-メッセージ、6つのステップ―、まさにこのスキルを使うことでこれが可能になるのです。

これはあなたのチームメンバーと深い討論をするのに最適な時間です。あなたが共感を表し判断することなく彼らの話に深く耳を傾けることで、彼らは自分自身がかけがえのない存在であることや彼ら独自の才能や能力、彼らの目標や価値観に自ずと気づくように支援できます。

そして同様に重要なのはあなたのニーズや計画、将来の夢や目標についても明確になり、矛盾がなくなります。あなたの誠実さ、率直で正直なコミュニケーションによってチームメンバーにあなたのことをよりわかってもらうことができます。彼らに対して快く率直な態度でいることは、あなたに対しても彼らが同じようにするように仕向け、励ますことになるでしょう。このような相互の自己開示は信頼と人間関係の強い絆を築き上げます。

6つのステップを使うことで、あなたはチームメンバーと共に組織のニーズと提携した現実的で適切な目標を設定することができ、その目標に達するための計画の元で共に働くことができるでしょう。

すてきな感謝祭でありますように!! 

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[ニュースレター] 2008年10月号

─2008年10月号─

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

I-メッセージが、あなたに問題をもたせている相手の行動をすぐに変えない時、あなたはメッセージを送る、ということから聴くことに変えるのが賢明です。――゛押してみる″から ゛引いてみる゛ に変えるのです。何故でしょう?それは以下のような重要な情報を発見するかもしれないからです。

・相手に過失はない
・相手は重要な情報を持っていない
・相手は一生懸命にやってはみたけれど、別の要因が彼らの行動をそれとは別に妨げていた。
・相手は恥ずかしく思っていたり、困惑していたり、びっくりしたり、傷ついていたりしている。
・あなたのニーズは明確には相手に伝わっていなかった。
・相手のしたことは本当はとても賢明だった。

あなたが対決して、その後ギア・シフトをする時にとるべき態度は言語的メッセージそれ自体と同じくらい重要です。もし、あなたに問題を起こさせている行動をとっている相手と対決しないのなら、あなたはその人に憤りを感じるようになり、人間関係は実際に傷ついてしまいます。それゆえに協力的な人間関係においてでさえ、相手と対決するにはいくらかの勇気が必要なのです。

相手があなたのI-メッセージを受け取った時、たぶんあなたは抵抗や精神的な苦痛、怒り、その他の感情を相手から聞くことになるでしょう。しかし、あなたがこのことを覚えていてこのような感情を受け入れるならば、あなたのニーズを満たすための相手の行動変容に影響を及ぼす大きなチャンスをあなたは得ます。

この時こそI-メッセージに対する相手の反応を認め、それを受け入れる時です。実際、相手の反応を歓迎することさえすべきです。なぜならばあなたのI-メッセージが相手に何らかの問題をおこさせた原因となったことを、反応することによってあなたに伝えているからです。メッセージを送るのをやめて受け取っていくことが賢明です。―――このことをギア・シフトと私たちは呼んでいます。ギアを変えることは彼らの話を聞こうとしている ゛道理をわきまえた人゛が彼らに対決していることを相手に表しています。

聴く態度はあなたの最初の対決的(アサーティブ)な姿勢とは反対です。この対応は相手にあなたに向けてもっと情報を与えるのを促すようなものです。また、相手が抵抗するのではなく、喜んで変わるのを助けるものです。ではここでリスニングの態度にギアを変えるためのするいくつかの方法を紹介します。
簡単受容:
   
聴いていますよ。”
“わかります。”
“本当に・・”
“そうですね。”
“まあ、.”

     
ドア・オープナー:

そのことについて話してくれますか?”
“もっと話してください”
“そのことについて聞きたいです。”
“よくわからないので助けてくれますか?”


これらの2つの種類の対応は普通、“ギア・シフト“としては充分ではありません。もっと効果的な方法はアクティブ・リスニングです。相手が問題を持っている時にアクティブ・リスニングを使うことと、あなたが問題を持っている時にギア・シフトすることには次のような違いがあります。

・ギア・シフトはあなたの問題に対しての相手の抵抗や反応を軽減するためのスキルです。
・あなたの問題を解決するのを目標としてギア・シフトします。
・ギア・シフトはあなたのニーズを満たすのを助けるためのコミュニケーションです。

相手が問題を持っている時にアクティブ・リスニングをすることは、それもまた促進的なスキルです。――しかしこれは相手が彼らのニーズを満たすために相手を促進するものです。相手を別な人間として深く尊重する方法であり、相手の考えや怒りを聞き、それを理解していることを相手に明らかに示す方法でもあるのです。

相手が聴いてもらった、受け入れてもらったと感じる時、感情的な反応は建設的にメッセージを送った人の問題について相手の行動がなされる必要があるという知的な認識に譲歩する傾向があります。
   
相手が冷静になってくれれば、彼らは行動を変えるかもしれません。あるいはそうでない時にはリーダーはより受容的な状況の下で再びI-メッセージにギア・シフトしていくこともあるのです。 

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[ニュースレター] 2008年9月号

─2008年9月号─

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

今回の選挙!  この選挙がこんなに人を引きつけ、劇的で非常に重要になると誰が想像できたでしょう。それは深い価値観の違いを浮き彫りにし、そして、そうです、価値観の衝突が起こってきました。私は候補者指名された人達に関して自分とは異なった意見をもった人の話を聴くこと、それを試されているように感じます。あなたはいかがですか?あなたとは反対の政治的見解を誰かが表現した時、アクティブ・リスニングを実践できますか?政治には興味がなく気にかけないという人達にはどうですか?

誰かがどのように感じているか(彼らが言っていることが180度私とは違う場合、特に)を話しているのを聴く時、私の胃はグイっと締め付けられ、歯をくいしばり、息を殺し…そしてそれから立ち止まって次のことを考えます。

・この会話の中で、私は何をしたいのだろう?彼らをより理解するため、彼らの見解をきくために耳を傾けているかしら?多分、私は違った観点について学ぶでしょう、いや、別の側が言うことに関心があるかしら?

・私は彼らに『私』の側について聞くように影響を及ぼしたいのかしら?そう、そうです!もし彼らを『私』の側に来させることができたら、さらに良いのではないかしら?

・もし、アクティブ・リスニングをすることに決めた場合、とても苛立ってそれ以上受け入れられないと感じるような何かを聞くようなことになれば、アクティブ・リスニングを止めるべき?(はい)

・これは本当に真にお互いを理解する機会かしら?そう。大丈夫、ミッシェル、アクティブ・リスニングに最善を尽くしなさい。 

これは私の内面の対話です。とても疲れてしまうのです!

私とは正反対の部類の観点を持つ人たちに耳を傾けるのは少しも易しいことではありません。事実、特に少なくとも私にとっては、この選挙期間はまさに、最も骨の折れるアクティブ・リスニングのテストだと思います。

しかし、もし私たちは働き、生活し、共にうまくやっていきたいと本当に思うのなら、お互いを理解する必要があり、アクティブ・リスニングは二人の隔たりにかけ橋を架けるのに役立つような信じられない力を持つスキルだと感じます。さて、有言実行できたら・・・ですが。

それではごきげんよう・・・・どうぞ投票には行ってくださいね。

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[ニュースレター] 2008年8月号

─2008年8月号─

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

ゴードン・モデルのユーザーに役立つ、最近のちょっとした進展をご紹介します!

最近、GTIのH.P.を訪問しましたか?
www.gordontraining.com
 
ウェブサイトのデザインを変え、最新版に改良したのでより早くより簡単にあなたの探しているものが検索できます。職場や家族、学校で応用できる役立つ記事がたくさん記載されています。こちらをご覧ください。
www.gordontraining.com

L.E.T.トレーナーサイトへのアクセスをお望みであれば、どうこちらをご覧ください。(注文用紙はもちろん市場や販売の手掛かりをダウンロードできます。)

あなたの販売チームにもゴードン・モデルをお望みでしょうか? 

2008 年にSynergistic Selling が更によくなり戻ってきました!

私たちは“シナジスティック・セリング”プログラムの改定版を完成させたことを喜んでお知らせします。21時間のこのワークショップはL.E.T.認定トレーナーの資格を持っていれば教えることができ、ユニークなトレーナーの道具や参加者のための用品があります。

このプログラムは買い手と売り手の関係において徹底したゴードン・モデルを教え、販売力アップと顧客との関係を強化するのに役立つ概念を教えます。もっと知りたい方はこちらへ

このプロブラムも改訂しました!

The Conflict Resolution Workshop (CRW)はスーパーバイザーや初級レベルの管理職向けのプログラムです。L.E.T.スキルを持ったリーダーと働く部下にとって理想的なプログラムです。あなたはThe Conflict Resolution Workshop (CRW)とLeader Effectiveness Training (L.E.T.)では何が違うのか聞きたくなるのではないでしょうか?

 CRW はリーダーシップや一般の人間関係構築よりも人間関係における対立により主眼点をおいています。例題や記事、ワークシートを最新版に改訂しました。

2日間(16時間)のこのワークショップはL.E.T.認定トレーナーが提供することができます。トレーナーのための道具や参加者の教材を含みます。

※    大変申し訳ございませんが、セカンド・ウィンドではCRW(2日間コース)の提供はまだありません。

あなたが提供するすべてのゴードン・トレーニングに役立つ教材

このポスターはGTIのいかなるワークショップでも教える際に使えます。とても素晴らしい教材でスキルを思い出させるのに優れ、効果的な方法を促進する道具です(いわば1つの中に3つのポスター)。


要求、リクエスト、感想、素敵なバーベキューのレシピ、提案、お褒めの言葉、質問など、言いたいことなど連絡してください。

workplace@gordontraining.com


Tel:  800.628.1197, Fax:  858.481.8125
Gordon Training International
531 Stevens Avenue West
Solana Beach, CA  92075

会話の方向を変えないという聴く方法・・. “

最近、この引用を読みました。シンプルに、とても的確にアクティブ・リスニングを定義していて大好きです。あなたにも喜んで頂けると思います。

(著者不明)

残り少ない夏を楽しんでください。

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[ニュースレター] 2008年7月号

─2008年7月号─「代名詞を変える」

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

簡単に見えるかも知れませんが、特に私が問題を持っている相手との話し方を変えてみるだけで、その人との人間関係を劇的に改善することができます。どのように始められるのかをここに紹介します。典型的なYou-メッセージで相手について描写するかわりに、I-メッセージを代用し、私について話します。「I(私)」という第一人称を使って私について話すことです。

人生で最も影響力のある言い方は「I」とともに始まります。例えばとてもシンプルな告白の『私はあなたを愛しています。』は感動を呼ぶ言葉としてずっと知られています。・・・これとは反対に批判的なYou-メッセージを使うと『あなたは愛らしい』これでは感動は半減しそうです。

私について理解してほしいと思うのなら私は私について話をしなくてはなりません。私が望む、私が考える、私が感じる、私が知っている、などです。これ以上簡単なことがあるでしょうか?

簡単な宣言的I-メッセージは始めるには適切なものですが、受容できない相手の行動に対決するには2つもしくは3つの要素をもったメッセージが必要でしょう。

まず、私の機嫌を損ねることをする人に対して、彼、もしくは彼女が私に対してしたり、言ったりした何が私に問題を持たせたのかを明確に伝えなければなりません。具体的に言わなければ、彼らは私が何について話しているかわからないでしょう。そして、彼らがしたり、言ったりしたことは私にどのような具体的な影響を与えたか、そしてその影響に対して私がどのような気持ちでいるかを彼らに伝えなければいけません。これが3つの要素です。

(1) 非難がましくない行動の描写
(2) 具体的で明確な私への影響(時間, お金, 機会の喪失) 
(3)それらの喪失に対する私の気持ち

受容できない行動を非難がましくなくいうことに注意をしてください。いつもとか全然など普遍的な言葉を私の表現から排除し、感情的な言葉や表現を避けることが重要です。対決の目的は行動を変えさせることで、教訓を与えたり罰したりすることではありません。 


人々が対立について臆病である理由がいくつかあります。まず第一に、ほとんどすべての人は対決したり対決されたりした際に嫌な経験をした記憶があるからです。なぜでしょうか?世界的な基準では対決のメッセージはYou-メッセージであり、You-メッセージの対決は相手を傷つけ人間関係を壊す可能性があり、この種のメッセージは不正確で人々を仲たがいさせてしまう可能性があるのです。

人は対決に対処できるほど十分に感情的に強くはないと信じている人もいます。対決的メッセージがI-メッセージである場合はそうではないということを私は見てきました。感情を害するのはYou-メッセージです。また、対決的になると嫌われるだろう思って対決するのを躊躇する人もいます。このような推測は非難に満ちたYou-メッセージを過去に経験していることから生じます。しかし、私の言葉を信じて下さい。I-メッセージはすっかり違った応答を引き出してくれます。

人が自分を開示するI-メッセージへと対決の仕方を変える時、2つのことが起きるのだと何度もいろんな人から聞きます。まず、人々は多くの場合、いとも簡単に受容できない行動を変えてくれます。次に彼らのメッセージが対決する人についてではなく、彼ら自身についてであるため、傷ついた感情や動揺を引き起こすリスクがとても低いということです。

今起きていることだけ

時として人々は自己開示の方法を学ぶと、ある女性はそれを『家の大掃除』と表現したのですが、一気に大掃除をしようと決意する場合があります。そして、対決したい人々のリストを作り、多くはそのままにしておいた方が良いような古傷を蒸し返します。カウンセラー達はこれを『gunny sacking 』と呼んでいます。不満を貯め込み、それを一気に当事者に聞かせるので、聞かされた方は誰もそんなことに対処できません。

今起きていることだけについて対決するのが一番です。受容できない行動を変えるチャンスを相手に与えてください。なぜなら彼らはあなたを尊敬し、あなたに好意を持っており、あなたとの人間関係を尊重しているからです。そうすれば、古傷を溜め込むこともありません。過去を変えることはできないのです。過去については誰も何もできません。前進あるのみ!)

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[ニュースレター] 2008年6月号

─2008年6月号─

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

人は正確に聴いてもらっている時には、しばらく話し続けることがしばしばあります。もし本当は話を聴きたくなかったり、十分な時間がなかったりする時に、相手の話を聴き続けるのは間違いです。そのような時は恐らくそわそわしたり、時計を見たりといった、非言語的メッセージを相手に与えているはずです。ですから自分には他にやらなければならないことがあることを正直に話し、相手に別の機会をもったり、必要なら後で続きの時間を設けたりすることを伝える方がよいでしょう。

別の落とし穴は、相手を受け入れる気持ちがない時や相手に対して行動変容して欲しいと思っている時にアクティブ・リスニングをすることです。アクティブ・リスニングは話し手と聴き手の感情を分けることが必要であり、相手をあるがままに喜んで受け入れることです。もしこの分離がないのなら、正確に相手の話を聴くことはできないでしょう。もし、相手を受容できないと感じたり、相手に行動変容して欲しいと望んだりするのなら、私はそれを相手に伝える必要があるので、聴くことができないのです。

その他のミスとしては情報を得るためにアクティブ・リスニングを使い、その情報を使ってアドバイスや提案をする意図がある場合です。これによって相手は操られたと感じ憤慨するでしょう。

さらに、『テクニック』としてのアクティブ・リスニングは間違いです。アクティブ・リスニングの目的は自分が理解していることを伝えることであり、話し手を助けることです。ゆえに、スキルを明示するためではありません。講座が終わりに近づいた頃、私が行ったことの1つにグループの参加者に帰宅した後の想定でアクティブ・リスニングを練習させることがありました。セミナーに参加していない家族のメンバーや職場の同僚などはあなたが学習してきたであろうことに対して懐疑的で、不安、怖れ、抵抗を感じるでしょう。そんな人たちに対して対処するためにアクティブ・リスニングを練習させたのです。大切なのはあなたが習ってきたことを自分に試されていると相手が感じないことです。それ以外の秘訣はありません。あなたが習ったことに興味を持っている人であれば、それをシェアしましょう。一つの方法として、この記事のコピーを渡してもいいでしょう。

アクティブ・リスニングの一般的なミスをここに追記します。

1. 的を超す(例えば、「驚いた」ではなく「恐怖におののいた」)
2. 的に届かない(「激怒した」ではなく「動揺した」)
3. あなた自身の考えや助言を相手のメッセージに言い足す
4. 部分的に飛ばしたり、必要ないと感じたメッセージを差し引いたりする.
5. 話に遅れをとったり、前のメッセージのフィードバックをしたりする
6. せかす、次に言おうとしていることを推測して言う.
7. 話し手が言ったことを一語一句繰り返す
8. 話し手の言ったことを解釈したり、分析したりする.

これら8つの誤りは話し手よりも聴き手が実際にはコミュニケーションの舵取りをして話の主導権を奪ってしまいます。

あなたがアクティブ・リスニングは本当に複雑で、規則が多くて落とし穴が負担だと思わないために良い知らせがあります。どの規則もすべて覚える必要はありません。失敗するのではと心配する必要もありません。

有能な聴き手は意図的に相手が言っていることを理解し、それを伝えようとします。人はその意図を感じ取ります。私が相手を理解しようと意図していることが明らかに伝われば、人々は理解されたと感じるでしょう。意図は力であり、テクニックやスキルはツールあるいは方法です。

あなたの仕事の範囲や傾向により、時としてファシリテーターとして他の人たちがそれぞれの話を聴けるよう助けたり、インターパーソナルな問題を解決するのを助けたりする場面があるかも知れません。リスニング・スキルが役立つ絶好のチャンスです。

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