─2022年3月号─「自分でやるのか、グループの助けを得てやるのか⑨」
Date: March 6, 2022 | BY Dr. Thomas Gordon
(L.E.T. bookからの引用)
なぜチームを作るのか?
効果的なリーダーはグループ・メンバーのように行動し、効果的なグループ・メンバーはグループ・リーダーのように振舞うというのは、確かに逆説的です。グループの有効性が確実にわかるサインは、最初リーダーとして扱われていた人がほとんどグループ・メンバーの一人として見られるようになる場合です。効果的なグループでは、すべてのメンバーの貢献が名声ではなく、功績によって評価されます。リーダーがメンバーの一員のようになったときにだけ、リーダー自身の貢献は他のメンバーと同じように、その功績によって受け入れられたり拒否されたりします。そうなって初めて、グループ・メンバーは「リーダーのアイデアだから良いものに違いない」と考えるのではなく、「それはいいアイデアですね」とリーダーに自由に言えるのです。
リーダーが、いちメンバーとしての立場を築けたとき、リーダーは実際にグループへの貢献度を高めることができます。なぜなら、リーダーのアイデアが他のメンバーのアイデアと同じように評価されるようになるからです。これは、初めのうちは事実と完全に反するように見えるかもしれません。なぜなら通常私たちは、リーダーがその地位にふさわしい名声や権力を維持することで、グループに対してよりポジティブな影響を与えることができると考えるからです。実際のケースを見てみると、この伝統的な思い込みは覆されます。リーダーが他のどのメンバーよりもグループに与える影響が大きいことを、私たちはよく知っています。しかし、それは一体どんな影響なのでしょうか?
1 つには、リーダーはメンバーよりも多くのことを知っているはずだと思われているため、リーダーが貢献することは、多くの場合批判されることなくメンバーから受け入れられます。そのため、リーダーの貢献が全く良いものでなければ(そして、これはほとんどのリーダーに当てはまるのですが)、グループ全体の有効性は減少してしまいます。また、時にリーダーが出したというだけで、リーダーの貢献は拒否されることがあることも周知の事実です。これは、子供が親に反抗する時のように、権威に対する一般的な反応といえます。リーダーのアイデアが良いものでありながら、グループに拒否される場合も、正味の影響としてはグループ全体の有効性を減少させるでしょう。だからこそ、リーダーが役立つ貢献をすることが実際にできるようになるために、グループ・メンバーとの間に存在する地位や名声の差を減らすか、取り除く必要があるのです。もしそれがうまくいけば、リーダーは生産的なメンバーの一員となり、自分の知識や経験がグループにとって適切で役立つときにはいつでも貢献することができるようになります。
プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。
セカンド・ウィンド株式会社
〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺
- (03) 5356-7285
- 受付時間:月〜金 9:00−18:00 ※土日祝祭日を除く