[ニュースレター] 2018年1月号

─2018年1月号─「社会的帰属意識」

Date: January 20th, 2018 | BY Brian K. Miller

 セカンド・ウィンド株式会社では1日コースを2つ提供しています。1つは「Effective Communication at Work (EC@W) 職場での効果的なコミュニケーション研修」で、もう1つは「Conflict Resolution at Work (CR@W) 職場でのNo-Lose対立解決法」です。これら2つのコースは通常3日間かけて行う「リーダー・エフェクティブネス・トレーニング」(L.E.T.リーダー研修)の3分の2の内容をカバーします。一見、チームをこれら2つのコースに送る方が、週中に3日間を割いてL.E.T.リーダー研修に送るより、より効率的に思えるでしょう。もっと理想的なのは、これら2つの研修を簡単なコンピュータ・ベースのトレーニング・プログラムに凝縮し、半日くらいで終わらせることでしょう。しかし、時間を短縮すればよいという問題でもありません。
 Abraham Maslowの「人間の欲求の段階」は人間のニーズを分類する簡潔な方法として広く引用されています。マズローのピラミッドの土台には「生理的欲求」があり、その上に「安全の欲求」、3番目に「社会的欲求」があります。マズローによると、人間関係は私たちの最もファンダメンタルなニーズです。ですから、良い人間関係が築けないと、私たちは簡単に落ち込みます。落ち込むと寝ることもできなくなるだけでなく、過食症になったり拒食症になったりして、深刻な健康問題に発展することもあります。人々は往々にして腹立たしい存在だったり癪に触ったりしますが、私たちの人生で彼らの存在は必須なのです。
 職場での人間関係は現実の人間関係です。一般的に、私たちの職場での人間関係は二次的な(補助的な)人間関係で、家族や友達に置き換わるものではないと思われがちです。しかし、職場での人間関係はしばしば私たちの基本的な人間関係を補完するものです。ある人にとっては、職場での人間関係が基本的な人間関係であることもあります。幸運にも、L.E.T.のスキルは私たちの人間関係の全てを結合する糊のような役割をします。職場での人間関係に留まらず、です。対立を乗り越えて、ニーズを交渉するスキルは、基本的な人間関係や二次的な人間関係で私たちが必要としている「社会的欲求」の基礎です。
 最近、多くの異なる形式のオンライン・トレーニングが職場関連のトレーニングの未来として認知されています。幅広く多様な機能的・技術的なスキルは、よくデザインされたコンピュータ・ベースのトレーニング・プログラムによって素早く効率的に教えることができます。コンピュータ・ベースのトレーニングはビデオやインタラクティブな演習、インタラクティブなテストから成ります。しかしながら、コンピュータ・ベースのトレーニングだけでは、私たちの同僚、家族、友達と上手く関わるのに必要なスキルを提供することはできません。L.E.T.やその他のゴードン・モデルに基づくプログラムで教えているスキルを演習してマスターするには、私たちはトレーニング期間中と期間が終了してからも実際の人たちとのインタラクションがなければなりません。
 EC@WとCR@Wは2つの異なるスキル・セットを組み込んでいます。EC@Wはほとんどのフォーカスをアクティブ・リスニングに置いていますが、CR@WはほとんどメソッドⅢにフォーカスしています。L.E.T.と同様、これら2つのプログラムは多くの異なる種類のロールプレイとその他インタラクティブな演習を含んでいます。これら3つのセミナーはインタラクションとロールプレイに重きを置いているため、同レベルの信頼が置けるコンピュータ・ベースのトレーニングを開発するのは不可能に近いのです。確かに、本当の意味でスキルをマスターするのには受講者が意識的に職場や日常生活でスキルを練習することが必要です。しかしながら、ほんの少しの信頼でもなければ、誰も人間関係でこれらのスキルを応用しようとは思いません。彼らの人間関係を結合する糊の役割をするものが欠如しているのです。
 社会的欲求は基本的な人間の欲求です。L.E.T.やEC@WやCR@Wで教えているスキルは、人が職場や家庭や、そして全ての人間関係で経験する社会的欲求のクオリティを改善することができます。コンピュータ・ベースのトレーニングはプログラミング言語を学んだり、会社の反ハラスメント規定を暗記したりすることは支援できるかも知れませんが、ライブ・セミナーで提供されるパーソナルなインタラクションや集中したロールプレイや演習だけが、日常生活で使えるアクティブ・リスニングやI-メッセージなどのスキルを習得するために信頼できる方法であり、近道です。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

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[ニュースレター] 2018年3月号

─2018年3月号─「パワハラをしないで済む方法はリスニング・スキル」

Date: March 1st, 2018 | BY Brian K. Miller

 日本において、パワハラが再びトップ・ニュースになっています。レスリング界では栄和人監督のパワハラについて告発状が出され、話題となっています。内容は割愛させていただきますが、ここで興味深いのはパワハラをされたとされるオリンピック金メダリストの伊調馨選手が告発状を出した本人ではないということです。
 パワハラは通常リーダーが反対意見を恐れて行われます。ほとんどの場合、このような恐怖を掻き立てている前提として、「準優勝はありえない」ということに集約されています。多くのリーダーはたった一つのゴールしか見えていません。部署のトップ、業界トップ、市場のトップ等々。質と価値を目指して努力することは常に重要ですが、ナンバーワンになるという強迫観念は全く有益ではありません。完全なる勝利への強迫観念は常に破壊的な力となってしまいます。その破壊的な力は自信喪失や周りの世界の全ての局面をマイクロマネージしたいというニーズに由来します。完全支配は不可能ですし、たった一人あるいはたった一つの企業しかナンバーワンになれませんから、完全支配や最高の勝利への強迫観念にはたった一つの結果しかあり得ません。それは落胆と不名誉です。不名誉への恐怖がリーダーをパワハラ依存へと導き、自分のチームを完全支配しようとします。
 パワハラの治療法はリスニング・スキルを改善することです。良い聴き手の特性は受容、共感そして誠実さです。当然ながら、リーダーが完全支配を求めるとき、これらの特性を持ち合わせることは不可能です。リーダーが絶えず受容を示すことは大切です。リーダーは、部下が持ち込む全てのアイデアに同意することはできませんし、すべきではありません。なぜならば、アイデアによっては締め切りを守ることや生産的であろうとするチームの能力を台無しにすることがあるからです。しかしながら、リーダーは全てのアイデアを受容する態度を示さなければなりません。受容は同意ではありません。
 リーダーがアイデアを提示されたときに、その利点を認識して応答する時に受容が起こります。アイデアの利点を認識するということは、リーダーが個人的な利点を認識し、アイデアを出した人の人間としての価値も認識しているのです。受容を表すことで、リーダーは個々のチーム・メンバーが創造力を働かせて考え続け、発生する問題について絶えずより良い解決策を見つけるよう促します。より多くの問題についてチーム・メンバーが創造的に、また自信を持って自ら解決することができれば、リーダーが自分の労力と時間を費やして解決に乗り出さなければならない問題というのは少なくなります。これにより、リーダーはより大きな戦略的問題、将来のプランニングやチームの総合的な方向性にフォーカスすることができるようになります。
 共感というのはマスターするには難しいスキルです。共感というのは感情の同列化ではありません。チーム・メンバーが問題に直面しているのと「同じように感じる」ことではないのです。共感は、受容の結果であり受容のパートナーでもあるのです。共感は、たとえ問題がリーダーにとって小さかろうが馬鹿げていようが、チーム・メンバーにとって不可欠で圧倒的なものであることを認識することから始まります。問題がどのようなものであろうと、その問題はチーム・メンバーにとって重要なのです。リーダーにとってチーム・メンバーの問題が実在的ではなくとも、共感は、チーム・メンバーの問題が彼らにとっては実在的であると認識することです。リーダーが手を止めて、チーム・メンバーに注意を払い、この問題がそれを訴えている人にとってとてもリアルであることを受け入れるとき、共感は明白に示されます。
 注意を払うことはリスニングのスターティング・ポイントです。チーム・メンバーは、乗り越えられないように思える幅広い問題を経験することでしょう。チーム・メンバーがそれらの問題をチーム・リーダーに相談しようとやって来た時には、電話を置いて、キーボードから手を離し、あなたがしていたことが何であろうと中断して顔をあげてチーム・メンバーの顔を直接見ることが重要です。明らかにチーム・メンバーは自分だけでは問題を解決することができませんが、それは彼らにとって非常に重要で、問題は差し迫っており、彼らはあなたの時間が必要だと感じているのです。あなたがしていることを止めて、注意を払い、この問題(考えであれ、何であれ)があなたのチーム・メンバーにとって重要であることを受容し、これらすべてを用いてチーム・メンバーが思い浮かんだ新しいアイデアを提案できるよう促します。
 リーダーは、チーム・メンバーが将来何年にもわたってビジネス・モデルを改善するみごとで創造的な解決策を見つける瞬間を予想することなど決してできません。チーム・メンバーに、そのような人生を変えるようなアイデアを持って来てもらう唯一の方法は、絶えず良いリスニング・スキルを練習することです。良いリスニング・スキルを練習してさえいれば、パワハラを拠り所にしてあなたのチームの目標を達成するよう推進することはなくなるでしょう。

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[ニュースレター] 2018年4月号

─2018年4月号─「注意を払う行動と沈黙を組み合わせる」

Date: April 17th, 2018 | BY Brian K. Miller
 
私は同じ考えを繰り返し考える傾向があります。わかっています。私が同じ考えに戻ってしまうのには理由があります。今日の職場で起こるほとんど全ての問題(セクハラ、パワハラ、締切りを守れない、従業員の欠勤、士気の欠如等々)は同じ場所から派生しています。人々は感謝されていると感じておらず、自分の意見を自由に言えないと感じています。今日の職場での重大な問題は、誰も人の話を聞いていないということです。ほとんど権力のない(あるいは絶大な権力を持つ)人は全て、問題解決したり命令を下したりするのに忙し過ぎて、部下の話に耳を傾ける時間がありません。
リーダーが開発できる最も重要なスキルは自分の部下の心配事に誠実に耳を傾ける方法を習得することです。自分たちの意見がリーダーにとって重要であると感じるとき、人々は日常の問題解決に対して自由に、より創造的になることができます。最後には、日常の問題を解決することが、ビジネスを軌道に乗せるためのたった一つの課題です。
ですから、もう一度、時間を作って基本的なリスニング・スキルを復習してみましょう。ゴードン・モデルは4つの基本的なリスニング・スキルを定義しています。
 
1. 注意を払う行動
2. 沈黙
3. ドア・オープナー
4. 簡単受容
 
今日は、2つのスキルにフォーカスしたいと思います。注意を払う行動と沈黙です。
 
1. 注意を払う行動
 
職場と家庭での人間関係における苛立ちの最も大きな原因の一つは、携帯電話です。会話の最中、あるいは時として会議をしている最中にすら鳴り、相手は突然話を中断してテキスト・メッセージに返信します。インスタント・コミュニケーションは今日の世界では最もパワフルなビジネス・ツールですが、場合によっては人間関係にダメージを与えうるツールでもあります。頭のいいリーダーであれば、オフィスに着いたらすぐに私用の携帯電話は電源を切り、机の引き出しに入れ、一日の仕事が終わるまでそこにしまっておくでしょう。2番目に効果的な戦略は、「サイレントモード」にしておくことで、携帯電話が鳴ったり振動したりすることがありません。そして日中、携帯電話のメッセージをチェックし、返信する時間を確保しておきます。最も非効果的な方法は、私用の携帯電話をノーマルモードのままポケットの中に入れて、携帯電話が鳴っても無視することです。私用の携帯電話なら、ほとんどの場合は仕事が終わるまでに1~2回も確認すれば事足りるでしょうから、できることなら最低でも「サイレントモード」にしておくのがベターでしょう。
話が若干逸れてしまいましたが、ここで言いたいのは、会話の最中に携帯電話が鳴り、それによって会話が中断されてしまうと、聴き手側の話し手に対する注意力が疎かになるだけでなく、相手に不快感を与えるということです。仮に「マナーモード」だったとしても、ポケットの中で突然バイブレーションが鳴れば、聴き手側の話し手に対する注意力は疎かになる恐れがあります。ちょっとした変化でも、敏感に感じ取る人はいるものです。ですから、相手の話を聞くときは常に、相手に対して注意を払うための最低限の気遣いが必要なのです。
 
2. 沈黙
 
人間は非常に奇妙な動物です。私たちは話をするのが好きです。私たちの中には話を止めない人もいます。しかしながら、私たちも人の話を聞かない限り、結局お互いの話を遮り、全く何も伝えることができないで終わってしまいます。私たちは話すのが好きですから、最も効果的な基本的リスニング・スキルの一つは、単純に全く何も言わないということです。電話を置き、話し手の目を見て、注意を払い、そして相手が力尽きるか解決策に到達するまで長々と話をさせてあげます。私がしたことは、相手が話し終えるまで静かに座っていただけですが、相手が何度「ありがとう!君のおかげで助かったよ!」と言ってくれたか数え切れません。
注意を払う行動と沈黙を組み合わせることで、驚きの結果を成し遂げることができます。あなたがしていることを止めて、相手の目を見て、話をさせてあげれば、驚くほど多くの問題が簡単に自然と解決されます。もちろん、これだけで全ての問題を解決できるわけではありませんが、この単純なリスニング・スキルだけで職場で起こりうる小さな日常の問題の多くを解決することができます。もっと重要なことは、部下が自分たちの会社への貢献が重要であり、自分たちの意見が本当に大切にされていると感じるようになることです。
 
今回は4つの基本的なリスニング・スキルから2つを取り上げましたが、この2つのスキルだけでも、相手に対する印象は大きく変わります。注意を向けて話を聞いてくれているという実感が、相手の自分に対する見方に影響し、より話しやすい環境を形成してくれるのです。より踏み込んだ問題解決への足掛かりとして、今一度、ぜひ活用してみてください。今まで何も話してくれなかった人が、ひょっとしたら、突然話をしてくれるようになるかもしれません。
 
注意を払う行動と沈黙を組み合わせる  
Date: April 17th, 2018 | BY Brian K. Miller
 
私は同じ考えを繰り返し考える傾向があります。わかっています。私が同じ考えに戻ってしまうのには理由があります。今日の職場で起こるほとんど全ての問題(セクハラ、パワハラ、締切りを守れない、従業員の欠勤、士気の欠如等々)は同じ場所から派生しています。人々は感謝されていると感じておらず、自分の意見を自由に言えないと感じています。今日の職場での重大な問題は、誰も人の話を聞いていないということです。ほとんど権力のない(あるいは絶大な権力を持つ)人は全て、問題解決したり命令を下したりするのに忙し過ぎて、部下の話に耳を傾ける時間がありません。
リーダーが開発できる最も重要なスキルは自分の部下の心配事に誠実に耳を傾ける方法を習得することです。自分たちの意見がリーダーにとって重要であると感じるとき、人々は日常の問題解決に対して自由に、より創造的になることができます。最後には、日常の問題を解決することが、ビジネスを軌道に乗せるためのたった一つの課題です。
ですから、もう一度、時間を作って基本的なリスニング・スキルを復習してみましょう。ゴードン・モデルは4つの基本的なリスニング・スキルを定義しています。
 
1. 注意を払う行動
2. 沈黙
3. ドア・オープナー
4. 簡単受容
 
今日は、2つのスキルにフォーカスしたいと思います。注意を払う行動と沈黙です。
 
1. 注意を払う行動
 
職場と家庭での人間関係における苛立ちの最も大きな原因の一つは、携帯電話です。会話の最中、あるいは時として会議をしている最中にすら鳴り、相手は突然話を中断してテキスト・メッセージに返信します。インスタント・コミュニケーションは今日の世界では最もパワフルなビジネス・ツールですが、場合によっては人間関係にダメージを与えうるツールでもあります。頭のいいリーダーであれば、オフィスに着いたらすぐに私用の携帯電話は電源を切り、机の引き出しに入れ、一日の仕事が終わるまでそこにしまっておくでしょう。2番目に効果的な戦略は、「サイレントモード」にしておくことで、携帯電話が鳴ったり振動したりすることがありません。そして日中、携帯電話のメッセージをチェックし、返信する時間を確保しておきます。最も非効果的な方法は、私用の携帯電話をノーマルモードのままポケットの中に入れて、携帯電話が鳴っても無視することです。私用の携帯電話なら、ほとんどの場合は仕事が終わるまでに1~2回も確認すれば事足りるでしょうから、できることなら最低でも「サイレントモード」にしておくのがベターでしょう。
話が若干逸れてしまいましたが、ここで言いたいのは、会話の最中に携帯電話が鳴り、それによって会話が中断されてしまうと、聴き手側の話し手に対する注意力が疎かになるだけでなく、相手に不快感を与えるということです。仮に「マナーモード」だったとしても、ポケットの中で突然バイブレーションが鳴れば、聴き手側の話し手に対する注意力は疎かになる恐れがあります。ちょっとした変化でも、敏感に感じ取る人はいるものです。ですから、相手の話を聞くときは常に、相手に対して注意を払うための最低限の気遣いが必要なのです。
 
2. 沈黙
 
人間は非常に奇妙な動物です。私たちは話をするのが好きです。私たちの中には話を止めない人もいます。しかしながら、私たちも人の話を聞かない限り、結局お互いの話を遮り、全く何も伝えることができないで終わってしまいます。私たちは話すのが好きですから、最も効果的な基本的リスニング・スキルの一つは、単純に全く何も言わないということです。電話を置き、話し手の目を見て、注意を払い、そして相手が力尽きるか解決策に到達するまで長々と話をさせてあげます。私がしたことは、相手が話し終えるまで静かに座っていただけですが、相手が何度「ありがとう!君のおかげで助かったよ!」と言ってくれたか数え切れません。
注意を払う行動と沈黙を組み合わせることで、驚きの結果を成し遂げることができます。あなたがしていることを止めて、相手の目を見て、話をさせてあげれば、驚くほど多くの問題が簡単に自然と解決されます。もちろん、これだけで全ての問題を解決できるわけではありませんが、この単純なリスニング・スキルだけで職場で起こりうる小さな日常の問題の多くを解決することができます。もっと重要なことは、部下が自分たちの会社への貢献が重要であり、自分たちの意見が本当に大切にされていると感じるようになることです。
 
今回は4つの基本的なリスニング・スキルから2つを取り上げましたが、この2つのスキルだけでも、相手に対する印象は大きく変わります。注意を向けて話を聞いてくれているという実感が、相手の自分に対する見方に影響し、より話しやすい環境を形成してくれるのです。より踏み込んだ問題解決への足掛かりとして、今一度、ぜひ活用してみてください。今まで何も話してくれなかった人が、ひょっとしたら、突然話をしてくれるようになるかもしれません。

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[ニュースレター] 2018年5月号

─2018年5月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.1」

Date: May 9th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon   
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
一般的なリーダーシップ
Page 2: 
もしも、リーダーであることがこのように不快な経験を伴うのであれば、それはほとんどの場合、リーダー自身の非効果性に原因があります。そして、リーダーとして効果的であることに特化した研修などを受ける機会がほとんどないことを考慮すると、いかにリーダーであることが、多くの場合に難しく、消耗し、失望してしまうものであるかは理解できます。
Page 8:
権力を使うことなくどのように人々に影響を与えるかがリーダーとしての効果を高める鍵となります。
 
Pages 17 – 18:
リーダーとは何か?
「リーダーは育てられるものではなく、生まれつくもの。」社会科学者がわずか60年~70年前に徹底的な調査の本格的な主題にし始めるまでは、ほとんどの人がそう考えていました。その昔、リーダーとなる人があまりにも頻繁に恵まれた同一の家系から出現していたことから、ほとんどの人がリーダーシップは受け継がれるものだと考え、社会的に根強い階級差別があったことから、誰でもがリーダーになれるわけではありませんでした。階級差別が撤廃され、リーダーが社会のあらゆる階層から出てくるのが明らかになると、リーダーシップは優秀な遺伝子を持って生まれたり立派な家庭から生まれたりするよりも、もっと複雑なものであるということが常識になりました。
遺伝子の適切な組み合わせでリーダーが生まれるわけではないとすれば、恐らく、全てのリーダーはしつけや教育を通して習得した特定の特性や特徴を持ち合わせているのではないでしょうか。この考え方によってリーダーの普遍的な特性の調査が始まりました。しかし、何百という研究によって、リーダーとそうでない人との間には何の特性の違いもないということが判明し、リーダーシップがリーダーの中に備わっている特定の属性の産物であるという仮説は消えてなくなりました。
社会科学者たちが、リーダーとフォロワーとの間のインタラクションという観点でリーダーシップを調べ始めた時、大きな進展が見られました。
 
問題の所有権
Page 37:
「行動の窓」はどんな時でも、どの人が満たされないニーズを持つのか――生産的な仕事を妨げる問題を持つのは誰なのかをあなたが決めるのを助けてくれます。
その目的は、問題が存在していることにリーダーがいち早く気づき、その問題を診断し、人間関係を安定させ生産的な仕事を続けることができるようにするためには、どのスキルを使うべきかを知ることにあります。
 
Page 39:
グループのリーダーになる過程において、手綱をきつく掴み、最高のスタートを切り、全ての問題を自分一人で解決してやろうという誘惑をはねのけられる人はほとんどいません。ほとんどの新しいリーダーにとっては、任命した人たちに、その選択が正しかったことをできるだけ早く証明することが最初の懸念であることはもっともなことです。自分をよく見せたい、それも早ければ尚よい。結局のところ、すぐにでも介入して、「実権を握る」のでないなら、リーダーは何のためにいるのでしょうか?軍用語ではそれを、「指揮を執る」と表現します。
残念なことに、急いで実権を握ろうとすると、リーダーはひどい目に遭うかも知れません。急な改革や速攻治療、生産性の劇的な向上に熱心で、グループの前任のボスが残した問題を綺麗に後始末して欲しいという高い期待があると、リーダーはよく知られる「改革に積極的な新任者」の誘惑に負けてしまいます。しかし、グループ・メンバーの意欲と協力がなければ、自分の力だけではリーダーは滅多に改革はできませんし、即座にメンバーからの協力を得られるものでもありません。グループは変化に抵抗し、慣れ親しんだ方法を続けることに固執します。これらの「グループの規範」は、グループ・メンバーの行動に強い影響を与えます。
 
 
Pages 41 – 42:
効果的なリーダーを問題解決能力のある人として考え直してみると、リーダーは問題解決の全責任を一人で負う必要はないということを強調しておく必要があるでしょう。むしろ、グループ・メンバーの支援をリソースとして得ても良いのです。少なくとも理論上は、問題に直面した際、最善の解決策を導くためにグループ・メンバー全員の創造的リソース(もちろんリーダーも含めて)を結集するのが理想的なグループと言えます。メンバーの全員が全ての問題解決に関わる必要はなく、理想的なグループでは、適材適所でメンバー全員のリソースを活用できるのです。

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[ニュースレター] 2018年6月号

─2018年6月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.2」

Date: June 10th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
アクティブ・リスニング/共感
Pages 63 – 64: 
ここ数十年の間に、一部の心理学者は人間関係における個人の成長と心理的健康を促進する決定的な要素を特定しようとしてきました。この徹底的な研究は、初めは効果的なプロの支援エージェント(カウンセラーや心理療法士)の特徴や言動を特定することだけに焦点を当てていましたが、最終的にそのいくつかは効果的な教師、効果的な配偶者、そして効果的な親の個人的な資質についての研究へと指向を変えました。そして、どのような人間関係においても一個人が他人の成長と心理的健康を促進するためには、少なくとも2つの要素が必要になるという、かなり決定的な証拠が浮かび上がってきました。その要素は、共感受容です。
共感とは、相手の立場に立って考え、その人の「個人的な意味の世界」─すなわちその人が現実をどう認識しているのか、物事についてどう感じるのか─を理解する能力のことです。アクティブ・リスニングはまさにこの機能を果たします。人が共感的に理解されているとしばしば感じられるような環境は、その人の心理的健康と個人的成長のすべてにおいて貢献します。私は、このような環境が問題解決をファシリテートし、結果として、より大きなニーズの充足につながることから、心理的健康と個人の成長を促進するのだと確信しています。人は、問題を解決してニーズが満たされた時、マズローのピラミッドにおけるより高いレベルのニーズに向かって上がっていく自由を得て、自己実現と自己成長を成し遂げるための新しい方法を見出せるようになるのです。
 
Page 69: 
責任の中心を問題の所有者に据えておくことは、次のような理由から重要になります。
第一に、チーム・メンバーに自分の問題を自分で解決させるリーダーは、たくさんの利益を生み出すための堅実な投資をしています。チーム・メンバーのリーダーに対する依存は少なくなり、より自律的に、より自立して、よりうまく自分で自分の問題を解決できるようになります。
第二に、リーダーは、グループ・メンバーが仕事のオンとオフを問わず彼らの生活圏内で直面する、幅広いさまざまな個人的問題とその複雑さについて、充分に理解していることはめったにありません。そのため、問題解決の責任の中心を支援される人に据えておくためのスキルは、わずかな情報しかない問題についての答えを導き出すという不可能な課題からリーダーを解放してくれます。
 
Page 88: 
人々の問題は、まるで玉ねぎのようで、いくつもの層が折り重なってできています。外側の皮を何枚か剥いて初めて、核心的な問題に到達できるのです。時として人は、本当の問題が何であるかわかっていながら、そこから始めることを恐れています。たいていの場合、その真下にあるものに全く気づいていないことがあります。誰かが何か厄介な問題についてあなたに話し始めても、あなたはたいてい「提示された問題」のみを聞きます。アクティブ・リスニングは、支援される人が提示している問題から先へと進み、最終的には核心的な問題に入るように効果的にファシリテートします。

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[ニュースレター] 2018年7月号

─2018年7月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.3」

Date: July 7th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

感情 part 1
Pages 81 – 83:
 
人は、およそ幼少の頃から感情を良くないものであり危険なもの─良い人間関係の敵─というふうに見なすよう教え込まれています。人は、自分自身の感情または自分を取り巻く他人の感情を恐れながら育ちます。なぜなら、彼らは生活の中で、大人たちから次のようなメッセージをたくさん受け取ってきたからです。

  
「自分の弟を嫌いだなんて、二度と言わないでちょうだい。」
  
「起こったことに、がっかりすべきじゃないよ。」
  
「何か良いことが言えないなら、何も言わないでちょうだい。」
  
「そのことを後悔しないで。明日はきっと良くなるよ。」
  
「恐れるものなんて、何もないよ。」
  
「そんなに気を落とさないで。」
  
「プライドを捨てなさい。」
  
「口を慎みなさい、お嬢さん。」

 
やがて、私たちは感情を表現することをこの上さらに固く禁止される事態に遭遇します。それは、仕事の世界です。私たちはそこで、感情が職場には全くもってふさわしくないと警告を受けるのです。どういうわけか、感情や喜怒哀楽は、私たちが職場で望む人間関係に要求される合理性や希薄さとは正反対のものとみなされています。心配事を職場に持ち込まず、口を閉ざす行動が、職場で働く人間としてふさわしいものと考えられています。人は、これらの行動が高く評価され、長い目でみれば報いられると感じているのです。

感情 part 2
 
この蔓延している抑圧的なグループ規範は、心理的健康を損ねることに寄与するに留まらず、組織的な有効性において逆効果です。誰でもよく知っているように、人々と仕事をしていると、必然的に穏やかなものから強いものまで、ありとあらゆる感情が発生します。焦燥、怒り、フラストレーション、失望、痛み、恐れ、つまらなさ、絶望、憎悪、苦痛、落胆などなど。こういった感情を経験することが不健康なのではなく、それを抑制することのほうが不健康なのです。あなたの感情を絶えず押し殺すことは、間違いなく「あなたの健康に害をなすもの」で、最終的に潰瘍、頭痛、胸焼け、高血圧症、けいれん性結腸または他のあらゆる心因性の問題を引き起こします。抑制された感情は、仕事からあなたの気を散らせ、あなたの有効性も減少させます。

Page 85:
 
感情は一時的なものです。誰かが、「こんな仕事は大嫌いだ!」「サラとは一緒に仕事できない」「ここでは、誰も私の仕事を評価してくれない!」などと言った場合、ほとんどの人はこうした感情が、どちらかと言えば永続的で変えられないもののように思うことが多いようです。そして通常、感情が強ければ強いほど、それはより決定的で取り消せないように聞こえます。たとえば、もし私の妻が玄関で私を迎えながら「私はあなたにひどく腹を立てているの!」と言ったとしたら、私の咄嗟の反応は、何か気に障ることを言ったようだな、妻は二度と私に対して今までと同様の気持ちを抱かないだろうな、といったものになるでしょう。「もう二度と一緒には、どこへも行かないから」と子供が思わず口走ったとしたら、親御さんたちもまた似たような反応をするでしょう。

 
幸いにも、ネガティブな感情はかなり一時的なことがあります。その理由の一つは、「あなたの注意を十分に引きたいの」とか「あなたがどれくらい私に嫌な思いをさせたかを知って欲しいの」といった気持ちを伝えるために、人々はわざと強い否定的な感情をコミュニケーションの記号として選択するからです。

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[ニュースレター] 2018年8月号

─2018年8月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.4」

Date: August 11th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
私が問題をもつ時
 
Pages 101 – 104:
相手を効果的に支援する方法について理解したところで、今度はあなた自身を支援する方法を知る必要があります。他者との人間関係において自分たちのニーズを上手く満たすことができる人がいますが、それはなぜでしょう? 相手の行動があなたに問題を引き起こす時、どうやったらその人があなたに対して憤りを感じず、メンツを失わないで、行動を変えるような影響を与えることができるでしょうか?
私たちは皆、相手の行動が受容できないとか、私たちに問題をもたらしているとかいうメッセージを相手に伝えることを躊躇します。相手が傷ついたり、怒ったり、私たちを嫌いになったりするリスクがあります。そのような恐怖には正当な理由がない訳ではありません。誰が、あなたの行動は受容できないと言われたいでしょうか?人は高い頻度で、対決に対して、聞きたくないという否定的な反応を示します。そこから口論になるかもしれません。あるいは、相手は批判的なメッセージで報復するかも知れません。あるいは、相手は傷ついたり怒ったりして、その場を立ち去るかも知れません。あるいは、相手は防衛的になったり不愉快になったりするかも知れません。ですから、相手に対して自らを主張して対決するには、ある程度の勇気が必要です。
さらに、リーダーが対決することに不安を覚えるもう一つの重要な理由は、彼らが使用する特定の言葉が、もともとは彼らが子供だった頃、彼らに対決した大人たちから学習したもので、それが抵抗や報復を引き起こしたり、対決した相手との人間関係を傷つけたりする可能性が高いからなのです。私たちのL.E.T.ワークショップでは、インストラクターは簡単な演習を行い、その結果は一貫して、リーダーが問題を引き起こす相手に対決する時、対決のメッセージで使われる言葉は、不快だったり、脅迫的だったり、批判的だったり、道を説くものだったり、見下していたり、皮肉っぽいものだったり、対決された方の自尊心を傷つけたりするということを示します。

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[ニュースレター] 2018年9月号

─2018年9月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.5」

Date: September 17th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
I-メッセージとギア・シフト パート1
 
Pages 112 – 114:
 
「問題の所有権」の基本的な概念を覚えておくことは最も重要です。相手の行動があなたのニーズを満たそうとする妨げになり、あなたはその相手を変えようと試みることを決心する時、「changee(変えられる人)」ではなく、あなたが問題を所有します。「changee(変えられる人)」は問題を持ちません。実際、あなたのニーズを満たす妨げになる、まさにその行動をすることで彼女は自分のニーズを満たしているのです。あなたは彼女が自分のニーズを満たすことを非難できません――人はそのように機能するのです。ですから、たとえあなたが問題を持つという事実について腹を立てるのも全くもって当然のことではありますが、あなたに問題を生じさせる行動をする、その人については怒らないで下さい。これが、人を非難するYou-メッセージとは対極にある、人を非難しないで伝えるI-メッセージの態度です。
あなたが問題を持つという事実をchangee(変えられる人)に伝えて対決する責任をあなたが負っているとしても、結局のところ変わるか変わらないかの決断をするのは最終的にはchangee(変えられる人)です。責任の所在はchangee(変えられる人)にあります。なぜなら、あなたが問題を持っているのであり、実際にあなたがchangee(変えられる人)に左右されるからなのです。再度言いますが、I-メッセージは効果的かつ正確に次の考え方を伝えます。すなわちそれは、あなたの問題の提示であり、changee(変えられる人)に変わるべきであるとか、どのように変わるべきであるといったことを伝えるものではないというものです。しつこいようですが、I-メッセージは助けを求める訴えであり、これが時として驚くほど説得力を持つ要因なのです。ほとんどの人は、要求、脅し、解決策、説教に対するより、助けを求める率直な訴えに対しては、より良い形で反応します。I-メッセージはYou-メッセージに比べて相手に行動変容をしてもらいやすいですが、changee(変えられる人)にとって行動を変えなければならない可能性に直面することが、しばしば不安に感じられるのも事実です。

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セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2018年10月号

─2018年10月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.6」

Date: October 14th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
I-メッセージとギア・シフト パート2
 
あなたのI-メッセージに対するChangee(変えられる人)の一般的な応答は、以下の2つの例のように、不安になったり、動揺したり、防衛的になったり、傷ついたり、申し訳ない気持ちになったり、反発的になったりします。
 
1.   Changer(変える人):あなたの報告書にいくつかの致命的なミスを見つけた時、私は本当に動揺しました。なぜならば、取締役会で、それをプレゼンしていた私は馬鹿みたいに見えたからです。
2.   Changee(変えられる人):そうですか。でもあなたは急ぎでそれを必要としていたので、私は全ての計算結果をダブル・チェックする暇がありませんでした。
3.   Changer(変える人):あなたが患者の呼び出しライトにすぐに応答しないという苦情を患者から受けると、私は困ってしまいます。なぜなら、私たちの患者の一人にでも何か重大なことが起こって責任を取らされるのは嫌だからです。

Changee(変えられる人):私は2つの場所に同時にいることは不可能です。それに、私たちの患者の何人かは、自分でできることにも関わらずナースコールをしてきます。
 
 上記の状況は二つとも、十分すぎるほど良いI-メッセージを送ったにも関わらず、防衛反応と、ある程度の敵意を誘発しました。あなたのI-メッセージがChangee(変えられる人)に問題を引き起こしたのです。全くありふれたことです――たとえどんな言葉で表現されたとしても、たいていの人は自分の行動が受容できないと言われたくありません。人が変わることを拒む場合、その後も続けてI-メッセージを送り続けることは一般的に役に立ちません。そのような時に必要なことは、アクティブ・リスニングへと素早くシフトすることです。

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[ニュースレター] 2018年11月号

─2018年11月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.7」

Date: November 16th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

I-メッセージとギア・シフト パート3

1.   changer(変える人):あなたは時間の束縛があって、自分の数字をチェックする時間がとれなかった、ということで合っていますか?
2.   changer(変える人):他の患者の病室にいる時は呼び出しライトに気づかないということでしょうか。そして、患者が自分でできることをあなたにやってもらおうとナースコールをすると、あなたは苛立ってしまうということですね。

伝える姿勢から聴く姿勢にシフトすることは、私たちのL.E.T.ワークショップでは、「ギア・シフト」と呼んでおり、対決する状況においていくつかの非常に重要な機能を果たします。

1.   changer(変える人)がchangee(変えられる人)の立場――彼女の感情、防衛、理由を理解し、受容していること(もちろん、同意した訳ではありません)を伝えます。これにより、changee(変えられる人)が快くchanger(変える人)の立場を理解し、受容しようとする可能性を高めます(「彼女は私の話を聴いてくれている。私も彼女の話を聴こう)。
2.   ギア・シフトは、changee(変えられる人)の感情的な応答(傷ついた、恥ずかしい、怒り、後悔の念)をなくすのに役立ち、行動変容の可能性のための道を開いたり、後程説明しますが、相互に問題解決するための道を開いたりします。
往々にして、changer(変える人)の態度に変化をもたらす結果となります。以前は、相手の行動が受容できないものであったのが、それを受容できるようになります。(「あぁ、あなたがなぜ患者の呼び出しライトに気づかなかったのかわかりました。見えなかったのですね。」)

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