[ニュースレター] 2017年8月号

─2017年8月号─「世界的な価値観の衝突が職場に入り込んできたとき」

Date: August 31st, 2017 | BY Brian K. Miller
 
 私たちの生きている世界は今、深刻な価値観の衝突で満ちています。多くの場所で、価値観の衝突は激しい対立へと続きます。例えば、イスラム教徒によるテロは田舎地方にあるアラブ世界とグローバル経済の現代世界の間の中核になる価値観の衝突から始まっています。最近アメリカ合衆国では、いくつかの都市でドナルド・トランプ大統領を支持する人たちとドナルド・トランプ大統領はファシズム支持の独裁者であると信じている人たちとの間で暴動が起きています。日本を脅かす一つの価値観の衝突は、社会主義の韓国政府が同盟国であるアメリカ合衆国によって支持されていることに対抗して、北朝鮮の支配者である金正恩総書記が攻撃的な態度をとっていることです。このようなグローバルな価値観の衝突に関して、個人ができることはほとんどありません。あなたと私が直面する問題は、このようなグローバルな価値観の衝突が職場にまで進出する場合です。

 日本では私生活での倫理感は、職場では完全に分離されることが要求されるという思い込みが前提にあります。日本にいる多くの人たちは、職場で個人的な価値観について話すことを避けます。個人的な価値観について会話を始めようと試みるだけで、上司からの逆襲にあう羽目になるかもしれません。これはメソッドⅠの形式です。トップダウンで権力に基づくリーダーシップです。価値観の衝突が手に負えない問題になるのを回避する一助にはなりますが、憤りを生み出し、職場環境に更なるストレスを加えることにもなります。このストレスを軽減し、優秀な社員をキープし、より良い職場環境を生み出すためには、価値観の衝突を管理する多様で異なるスキルを習得することは役に立ちます。

 ゴードン・モデルでは、価値観の衝突に対処するいくつかの異なるスキルを識別し、それらをヒエラルキーで整理しています。ヒエラルキーの上の方にあるスキルは価値観の衝突を鎮圧するのに非常に効果的ですが、それらは深刻な憤りを生み出します。ヒエラルキーの下の方にあるスキルは、時として価値観の衝突で分裂を引き起こしますが、それらは憤りを最小限に抑え、人々が自分たちの個人的な価値観について自由に議論できる環境を生み出します。
 
権力を使う 偽りの受容 価値観を変えないで行動を問題解決する コンサルタントになる 対決とリスニング 予防的に教える モデリング あなた自身の価値観を変える 変えられないものを受けとめる(違いを受容する)  
ダメージが少なく、人々が自分たちの問題を自由に議論することができるオープンな環境を生み出すので、私は5番の対決とリスニングにフォーカスしたいと思います。

 異なる個人的な価値観をもつ人に対決することは、いろいろな意味で全てのゴードン・モデルの中でマスターすることが最も難しいスキルです。直感的には、常に私たちの倫理感と異なる倫理的モデルを持つ人は誰であっても拒否したくなります。私たちはそういう人たちを信頼できない、不自然な、ことによると正気とは思えない人と捉えます。私たちの個人的な価値観は他の全ての価値観より優れていると常に思っています。私たちがこの前提を職場に持ち込むとき、不愉快に思う人たちを私たちは避けます。残念ながら、時として私たちは嫌いな人と特定のプロジェクトに取り組まざるを得ないことがあります。その場合はどうしたらよいでしょうか?
まず、その人に対決します。

 「北朝鮮には核ミサイルを開発して維持する権利があるとあなたが言う時、私はギクリとさせられます。何故ならば、それらのミサイルが日本を狙っているのではないかと心配だからです。」
ここで、あなた自身の防衛や恐怖、心配について考えるのは止めましょう。相手の話を聴きましょう。相手の論理、事実、彼らが自身の意見をどのように支持しているのかについて注意を払いましょう。この人はあなたではないことを認識するのに足りるほどの共感を示しましょう。彼らはあなたではないのですから、彼らは信じたいと思うことを何でも信じていいのです。彼らの意見の中に価値を見つけましょう。良い点を見つけ、認識しましょう。

 「そうですね。良いポイントですね。どの国も自己防衛する権利がありますね。私は、核ミサイルは防衛的な武器だとは思いません。核ミサイルのたった一つの目的は攻撃して破壊することです。」
相手に同意する必要はありません。しかし、判断を下さず、批判しないで相手に意見を表明してもらうことは常に重要です。相手を攻撃しないで、あなたの個人的な価値観を防衛しましょう。

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[ニュースレター] 2017年6月号

─2017年6月号─「受容と共感」

Date: June 27th, 2017 | BY  Brian K. Miller

 どのような時にも多くのことが私たちの気分に影響を与えます。例をあげると、体の健康、直近で食べた食事、アレルギーの季節、孤立感、ごひいきのサッカー・チームの成績などです。私たちを取り巻く人の行動をどのように認識するかに影響を与えるのは私たちの気分です。ゴードン・モデルでは、私たちはこれらの異なる全ての要因を簡単なダイアグラムに凝縮しています。それは「行動の窓」です。私たちは「行動の窓」を2つのセクションに分けます。上部の受容エリアと下部の非受容エリアです。受容ラインが、それら2つのセクションを分けるラインです。上下する受容ラインは、私たちの気分に影響を与える全ての事象の物差しです。全ての事象が私たちの気分を高揚させ、気分が良い時、受容ラインはとても低い位置にあります。受容ラインが低い時、私たちはとても寛容で優しいです。その結果、通常は私たちをとても怒らせるような広範囲の行動でも、突如として面白く、滑稽で、楽しませてくれるものに感じます。しかしながら、物事がうまく行っていない時には、受容ラインは非常に高い位置に上昇し、ほとんど全ての事象が私たちを怒らせるのです。

 次のシナリオを考えてみましょう。

 あなたは寝坊をしたので、大急ぎで着替えをします。家を出ようとした時、あなたの左足の靴が完璧に壊れてしまいます。あなたは、下駄箱から二番目に良い靴に手を伸ばしますが、どういう訳か、その靴はそこにありません。下駄箱にあるのはテニス・シューズだけです。あなたは他の靴を探す時間がありませんので、それを履いて家を出ます。あなたの家から駅まで、全ての信号に引っ掛かります。今日は交通量がとても多くて交差点を全速力で横切ることもできません。あなたは駅に着いて、初めて定期券を持参していないことに気づきます。仕方なく切符を購入しようとしますが、今日に限って切符売り場は長蛇の列です。携帯電話の時計をちらっと見ると、いつもより既に20分も遅れています。あなたは、やっと切符を手にして改札を通ろうとした時、10人ほどの高校生が集団で横入りをします。どういう訳か、彼らの半分の人の定期券は使えず、彼らが改札をどうにかこうにか抜け出るのを待っていたため、あなたは更に遅れてしまいます。予定より30分遅れて、遂に電車までたどり着きます。あなたは会社に遅刻した上に、最初に出くわしたのが自分の上司です。挨拶を交わす代わりに、あなたの上司が最初に訊いたことは、あなたがどうして適切な靴を履いていないのかということです。

 このシナリオで、あなたの受容ラインは非常に高い位置にあります。全てが受容できない行動です。あなたの気分は非常に不安で、イライラして落ち着かず、爆発寸前です。

 ここで正反対のシナリオを考えてみましょう。全く同じ気分の悪い朝です。しかし、ここであなたはマネジャーで、あなたの部下がビジネス・スーツにテニス・シューズを履いて遅刻してきました。

 あなたがマネジャーか部下かで、違った応答をしますか?

 ゴードン・モデルは、人間関係に対処するためにとても効果的なツール・セットです。そのモデルの基礎は「行動の窓」です。しかし、利用できるベスト・ツールでも十分ではない時がきます。ある時点において、私たちはそれぞれ個々人で、人生で全てのことが私たちの感情的な気分を壊そうと一体となって働いている時、私たちはどのように反応するのかを決めなければなりません。ゴードン・モデルに熟練するだけでは十分ではありません。ある時には、私たち個々人は、人生は困難で全ての人が苦難を経験すると認識しなければなりません。共感は単にアクティブ・リスニングの価値あるツールというだけではありません。共感は人間の感情の核心部です。私たちは共感があれば、先ほどの事例のように、気分をぶち壊す朝でも乗り越えられます。共感は、私たちを本当の意味で人間にしてくれるものだと思います。

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[ニュースレター] 2017年5月号

─2017年5月号─「ニーズを認識する」

Date: May 19th, 2017 | BY Brian K. Miller

ニーズの対立はビジネスの世界では日常茶飯事です。ビジネスをするということは、実際には利益を得るためにニーズを解決するプロセスなのです。ほとんどのビジネス・ディールでは、皆が何かを得るけれど、同時に何かを失います。私たちがビジネスの交渉術を同僚、部下、上司とのパーソナルな人間関係に適用しようとすれば、結果としては、その日をやり過ごすことができるかも知れません。しかし、憤りや不満も増幅するでしょう。日々のTo-Do-Listの目標とは違って、憤りや不満は日々の課題をクロス・オフすることでなくなるということはありません。

人々の間の人間関係は、企業間の関係と同じではありません。私たちは、ビジネスの案件にアプローチするようにパーソナルな人間関係にアプローチすることはできません。なぜならば、そうすることで憤りや不満が鬱積して、私たちがコミュニケーションをする能力を破壊してしまうでしょう。もし、私たちがコミュニケーションできなければ、皆の日々のTo-Do-Listにある目標を達成するために一緒にワークすることはできません。2人の人の間に沸き起こるニーズの対立を解決するより良い方法が必要です。

メソッドⅢの対立解決法は、皆が満足する方法でパーソナルな対立を解決するためのフレームワークを提供します。これが、私たちが「win-win」対立解決法と呼ぶ理由です。最も重要なステップは最初のステップ、「ニーズを特定する」です。

ニーズは現実的で具体的な人生の避けがたい事実です。人々は時々医者にかかる必要があります。人々は、給料が遅滞なく払われることを知る必要があります。ニーズは通常、以下の3つのカテゴリーのうちの1つに入ります。時間、労力、お金です。これら3つのうちのどれかを失うと、憤りや不満が爆発寸前のレベルまで蓄積して、日々のTo-Do-Listの中の項目をクロス・オフすることが難しくなります。

対立が起こり、メソッドⅢを使う必要が出てきた時には、各人のニーズを正確に描写することが重要です。
 
²医者に診てもらいたいニーズ
²家族休暇を取りたいニーズ
²隣に座っている人を信頼したいというニーズ
²営業のノルマを達成、あるいは超えるニーズ
²利益を出したいというニーズ
²誰かに重要な顧客と会ってもらいたいニーズ
²良い第一印象を与えたいというニーズ
 
これらは本当のニーズです。それらは正確です。もし、ニーズが満たされなければ、本当の損失に見舞われ、憤りや職場環境への信頼の喪失という結果になるでしょう。
 
²毎年、ラグジュアリー・カーを新車で買うニーズ
²時々、怒りを爆発させて「ガス抜き」をするニーズ
²「午後をやり過ごすために」ランチ・タイムでお酒を飲むニーズ
²社交的になる時間がないので、職場でイチャつきたいニーズ
²裕福な結婚相手を見つけたいというニーズ
²公開日初日にひいきにしているパフォーマーが出ている新作映画を観たいニーズ
²同僚とのデートの支払いのために交際費を使うニーズ
 
これらは本当のニーズではありません。これらのほとんどはある種の価値観の衝突です。これらのケースのほとんどでは、従業員と企業文化との間での関係に関して、何らかの思い込みがあるようです。このような種類の思い込み(前提)は、従業員、同僚、雇用者間の人間関係の現実的なアセスメントからではなく、価値観に基づく信念から来ています。もし、メソッドⅢがステップⅠでリストアップされたこれらの「ニーズ」の1つから始まるならば、解決策には到達しないでしょうし、解決策はより根深い憤りや不満を引き起こすでしょう。このようなことが起こるのは、本当のニーズの対立を解決する代わりに、メソッドⅢがある価値観を他の価値観を持つ人に押し付けることを正当化するものになってしまったからです。

結論は、メソッドⅢを始めようと座る時、現実的な世界のニーズを注意深く特定します。何が一体失われているのでしょうか?時間?お金?労力?この喪失は現実のもので、パーソナルなものですか?それとも、これは、個人と企業文化の間の関係についての異なる思い込みから起こっていますか?この種の区別をするのはとても難しいです。価値観に取り組んで、本当のニーズを見つけるために、たくさんのアクティブ・リスニング、訓練されたI-メッセージの使用、ギア・シフトの繰り返しが必要かも知れません。もし、実際の喪失がなければ、ある時点でメソッドⅢを諦めて、価値観の衝突のツールを採用しなければなりません。

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[ニュースレター] 2017年4月号

─2017年4月号─「あなたの脳は共感することができますか?」

Date: April 13th, 2017 | BY Marie Bryson
 
 共感が簡単だなどと誰も言ってはいません。
 少なくとも四半世紀の間、科学は共感のミステリーを解決しようと試みてきました。そして、感情的に「誰かの立場で1マイル歩く」能力は、私たちの脳が携わることができる、より複雑なオペレーションの一つであることがわかります。それは、あるリサーチャーたちが少なくとも部分的に信じている現象で、脳の中にあるホルモンや特別な神経細胞によってコントロールされているようです。私たちが好むと好まざるとに関わらず、どんな時でも共感的であるということは完全にはコントロールできないということを意味します。
 実は、Zero Degrees of Empathy: A New Theory of Human Crueltyの著者である英国のリサーチャーのSimon Baron-Cohenという人が、各人の共感の人間的なキャパシティは背の高さや目の色と同様に、先天的な特徴であると提案しました。彼の仮説によると、EQ (Emotional Quotient) テストによって測定される各人の共感度合いは、ベルカーブのように両極に連続した形をしています。連続したつながりは6つのセグメント、つまり共感の「度合い」に分割されます。あなたは、ゼロのスケール(共感が全くない)から6のスケール(他の人が傷ついているのを見ると実際に肉体的な痛み感じるほどの共感を持つ)のように、生まれつき共感が少ない状態で生まれたか、共感を多く持って生まれたかということです。
 Baron-Cohenの理論は確かに興味深いのですが、個々人の共感のキャパシティについて、もう一つの事実について必ずしも対処していません。それは、ある日、ある時間、ある状況によって一進一退する可能性があるということです。共感のベルカーブの真ん中に入るほとんどの人たちは、疲れている時、ストレスが強い時、働き過ぎの時、酔っている時には、共感の度合いを充分に上げることができません。
 これがどうして重要なのでしょうか?なぜならば、共感(あるいは共感の欠如)は信頼の基礎をなすからです。それが一緒に働くため、問題を解決するため、効果的に、そして建設的にコミュニケーションをするための出発点なのです。
 トーマス・ゴードン博士は「共感とは自分を他者の立場に置いて、その人の『個人的な意味の世界』を――彼らが現実をどのように見ているのか、どのように感じているのかを理解するキャパシティであり、アクティブ・リスニングがまさにこの機能を担います。」と言いました。しかし、共感が持てない時にアクティブ・リスニングを使おうと試みることには警告を発しています。「他の人の話を共感的に、そして正確に聞くことは、ものすごい注意が必要ですから、あなた自身が自分の思いに耽っていたり、何かについて心配していたりしているなら、集中して聞くことができないことに気づくでしょう。グループ・メンバーはいつも聞いてくれるリーダーを必要とはしていません。グループ・メンバーは、理解しよう、受容しよう、気遣おうと本当に感じることができる時に聞いてくれるリーダーが必要なのです。」

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[ニュースレター] 2017年3月号

─2017年3月号─「リーダーシップへようこそ!Good...Luck?」

Date: March 14th, 2017 | BY Marie Bryson
 
 聖パトリック祭は全世界が一週間、アイリッシュになります(あるいは一週間以上かも知れません)。全てを緑色に着飾って、もちろんアイリッシュの幸運をお祝いします。
 幸運とは面白いものです。あなたにも起こりえます。目を見張るほどのルックス、巨額なトラスト・ファンド、王族の血筋に生まれるようなもので、幸運とは完全に徹底的にあなたのコントロール外です。
新しく採用された初めてのマネジャーに「グッド・ラック」を願う単純な気持ちに誰が反対できるでしょうか?
 答は「新しいマネジャーの上司」です。少なくとも、上司が新人マネジャーの役割での成功を現実に願うならです。

それは幸運ではありません――スキルです
 新人マネジャーは、初めてリーダーシップの役割を担う時、マナーや期待される新しい責任に関してトレーニングを受けます。
 損益計算書を一度も見たことがない?在庫管理システムに全く不慣れ?一般的に受け入れられている会計原則について何も知らない?あなたのインボックスになだれ込んでくるレポートの意味を、一体どうやって理解するのかぼんやりしてしまう?いい知らせです!あなたは自分自身の上司、あるいは他の誰かが自身の慌ただしいスケジュールでも時間を割いて、あなたがスピードを上げて慣れるようにしてくれることは100%間違いありません。結局、上司はあなたを採用したのですから、あなたが成功するためのスキルを確実に持てるよう投資します。
 しかし、「ソフトな側面」に関して――ピープル・マネジメント――新しいマネジャー・トレーニングがほとんどの組織でグニャッとしたものか、驚くばかりです。形式的な準備があるとしたら、通常、それは人事部や法務部の側のものです。「攻撃しない。差別しない。違法行為や非倫理的行為をしない。あなたの部下たちがお互いに攻撃したり、差別したりしないようにする。訴訟されないようにする。さあ、出て行って、あなたの部下たちを管理しなさい!…グッド・ラック」
 もし、あなたが管理するチームが既に難しいチームだという噂があったとしたら?業績不振者ばかりなら?その時点で、「グッド・ラック」は不吉な兆候です。なぜなら、あなたの以前からあるチームに、あなたが成功するか失敗するかを聞くなど――おみくじの「幸運」に単に頼ることはできないからです。
マネジャーとして成功するにはもっと多くの「幸運」が必要になるでしょう。リーダーシップは幸運の問題ではありません。スキルの問題です。いいですか?それは良い知らせです――なぜなら、幸運と違ってスキルは定年後にやってくるというようなものではないからです。ピープル・スキルは特にマジックでも神秘でもありません。

新しいマネジャーのスキル・キット:基礎編
 もし、あなた、あるいはあなたの知っている誰かが最近、高いスキルをもったチーム・メンバーはからスキルを持たないチーム・リーダーへと飛躍したら、認識すべき最も重要なことは:初日から全ての職務の責任を遂行できる訳ではありません。それは、あなたのピープル・スキルも含みます――あなたがこの宇宙で、自然と最も社交的で、支援する、分別のある、人を励ます「ピープル・パーソン」な人だとしても。
それは、人の管理が難しいからです。
 しかし、何度も何度も証明された、よりやりがいのある、より生産的な、そして「幸運」のようなコントロールできない外的要因に頼らない幾つかのスキルが存在します。

– アクティブ・リスニング:全ての「ソフト・スキル」の基礎であるアクティブ・リスニングは、誰かの前にただ単に座って、頷いて「あなたが言っていることは…ということですね」と言うことだけではありません(頻繁に誤解され、こんな風にパロディにされますが)。アクティブ・リスニングは自制心です。他の人の話を聴くことを学ぶ――本当に聴くのです――自分自身の考えや課題が相手の人の言葉を競ってさえぎらないように聴くことは、武術で黒帯を締めるように厳格なことです。しかし、それは協力的で尊敬の念を持った、オープン・コミュニケーションを認めているリーダーシップの必須条件です。そして、人を罵倒する、トップダウン型の権力狂のマネジメントから得られる結果より良いものを生み出します。
– 問題の所有権の認識と対立解決:アクティブ・リスニングの習慣的な自制心を通して、一旦相互の信頼と強い人間関係を構築したら、次のステップに移行するのは短いステップになります。問題を認識し、誰が問題を所有しているのかを特定し、そして問題があなたに所属する時には、あなた自身と対立している相手のニーズを両方満たす方法で対立を解決する方向に最初のステップを踏み出します。
– I-メッセージ:あなたが問題を持っている行動に対決するための何度も試された脅しではない手法、I-メッセージは会話で最初のステップとなります。それは必ずしも最後のステップではありませんが、確かにI-win-You-loseメソッドに代わる改善策です。悪影響になったり恐怖や憤りを引き起こす感情的な反応を部下に持たせたりすることは、長い目で見て部署の生産性をあげる「幸運」とは言えません。
 
 Leader Effectiveness Training は、実績があります。新リーダーにピープル・マネジメントへと移行するのを支援することができます――新しく昇進したマネジャーの最もチャレンジングな義務であると頻繁に言われています。私たちは決して新しく採用した人や新たに昇進したリーダーに、幸運だけでインボックスにあふれるスプレッドシートに対処する方法を学べといって見捨てたりしません。彼らの部下への対処方法に関しては構造化された、エキスパートの支援を提供することは理にかなっています。

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[ニュースレター] 2018年7月号

─2018年7月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.3」

Date: July 7th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

感情 part 1
Pages 81 – 83:
 
人は、およそ幼少の頃から感情を良くないものであり危険なもの─良い人間関係の敵─というふうに見なすよう教え込まれています。人は、自分自身の感情または自分を取り巻く他人の感情を恐れながら育ちます。なぜなら、彼らは生活の中で、大人たちから次のようなメッセージをたくさん受け取ってきたからです。

  
「自分の弟を嫌いだなんて、二度と言わないでちょうだい。」
  
「起こったことに、がっかりすべきじゃないよ。」
  
「何か良いことが言えないなら、何も言わないでちょうだい。」
  
「そのことを後悔しないで。明日はきっと良くなるよ。」
  
「恐れるものなんて、何もないよ。」
  
「そんなに気を落とさないで。」
  
「プライドを捨てなさい。」
  
「口を慎みなさい、お嬢さん。」

 
やがて、私たちは感情を表現することをこの上さらに固く禁止される事態に遭遇します。それは、仕事の世界です。私たちはそこで、感情が職場には全くもってふさわしくないと警告を受けるのです。どういうわけか、感情や喜怒哀楽は、私たちが職場で望む人間関係に要求される合理性や希薄さとは正反対のものとみなされています。心配事を職場に持ち込まず、口を閉ざす行動が、職場で働く人間としてふさわしいものと考えられています。人は、これらの行動が高く評価され、長い目でみれば報いられると感じているのです。

感情 part 2
 
この蔓延している抑圧的なグループ規範は、心理的健康を損ねることに寄与するに留まらず、組織的な有効性において逆効果です。誰でもよく知っているように、人々と仕事をしていると、必然的に穏やかなものから強いものまで、ありとあらゆる感情が発生します。焦燥、怒り、フラストレーション、失望、痛み、恐れ、つまらなさ、絶望、憎悪、苦痛、落胆などなど。こういった感情を経験することが不健康なのではなく、それを抑制することのほうが不健康なのです。あなたの感情を絶えず押し殺すことは、間違いなく「あなたの健康に害をなすもの」で、最終的に潰瘍、頭痛、胸焼け、高血圧症、けいれん性結腸または他のあらゆる心因性の問題を引き起こします。抑制された感情は、仕事からあなたの気を散らせ、あなたの有効性も減少させます。

Page 85:
 
感情は一時的なものです。誰かが、「こんな仕事は大嫌いだ!」「サラとは一緒に仕事できない」「ここでは、誰も私の仕事を評価してくれない!」などと言った場合、ほとんどの人はこうした感情が、どちらかと言えば永続的で変えられないもののように思うことが多いようです。そして通常、感情が強ければ強いほど、それはより決定的で取り消せないように聞こえます。たとえば、もし私の妻が玄関で私を迎えながら「私はあなたにひどく腹を立てているの!」と言ったとしたら、私の咄嗟の反応は、何か気に障ることを言ったようだな、妻は二度と私に対して今までと同様の気持ちを抱かないだろうな、といったものになるでしょう。「もう二度と一緒には、どこへも行かないから」と子供が思わず口走ったとしたら、親御さんたちもまた似たような反応をするでしょう。

 
幸いにも、ネガティブな感情はかなり一時的なことがあります。その理由の一つは、「あなたの注意を十分に引きたいの」とか「あなたがどれくらい私に嫌な思いをさせたかを知って欲しいの」といった気持ちを伝えるために、人々はわざと強い否定的な感情をコミュニケーションの記号として選択するからです。

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[ニュースレター] 2018年8月号

─2018年8月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.4」

Date: August 11th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
私が問題をもつ時
 
Pages 101 – 104:
相手を効果的に支援する方法について理解したところで、今度はあなた自身を支援する方法を知る必要があります。他者との人間関係において自分たちのニーズを上手く満たすことができる人がいますが、それはなぜでしょう? 相手の行動があなたに問題を引き起こす時、どうやったらその人があなたに対して憤りを感じず、メンツを失わないで、行動を変えるような影響を与えることができるでしょうか?
私たちは皆、相手の行動が受容できないとか、私たちに問題をもたらしているとかいうメッセージを相手に伝えることを躊躇します。相手が傷ついたり、怒ったり、私たちを嫌いになったりするリスクがあります。そのような恐怖には正当な理由がない訳ではありません。誰が、あなたの行動は受容できないと言われたいでしょうか?人は高い頻度で、対決に対して、聞きたくないという否定的な反応を示します。そこから口論になるかもしれません。あるいは、相手は批判的なメッセージで報復するかも知れません。あるいは、相手は傷ついたり怒ったりして、その場を立ち去るかも知れません。あるいは、相手は防衛的になったり不愉快になったりするかも知れません。ですから、相手に対して自らを主張して対決するには、ある程度の勇気が必要です。
さらに、リーダーが対決することに不安を覚えるもう一つの重要な理由は、彼らが使用する特定の言葉が、もともとは彼らが子供だった頃、彼らに対決した大人たちから学習したもので、それが抵抗や報復を引き起こしたり、対決した相手との人間関係を傷つけたりする可能性が高いからなのです。私たちのL.E.T.ワークショップでは、インストラクターは簡単な演習を行い、その結果は一貫して、リーダーが問題を引き起こす相手に対決する時、対決のメッセージで使われる言葉は、不快だったり、脅迫的だったり、批判的だったり、道を説くものだったり、見下していたり、皮肉っぽいものだったり、対決された方の自尊心を傷つけたりするということを示します。

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[ニュースレター] 2018年9月号

─2018年9月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.5」

Date: September 17th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
I-メッセージとギア・シフト パート1
 
Pages 112 – 114:
 
「問題の所有権」の基本的な概念を覚えておくことは最も重要です。相手の行動があなたのニーズを満たそうとする妨げになり、あなたはその相手を変えようと試みることを決心する時、「changee(変えられる人)」ではなく、あなたが問題を所有します。「changee(変えられる人)」は問題を持ちません。実際、あなたのニーズを満たす妨げになる、まさにその行動をすることで彼女は自分のニーズを満たしているのです。あなたは彼女が自分のニーズを満たすことを非難できません――人はそのように機能するのです。ですから、たとえあなたが問題を持つという事実について腹を立てるのも全くもって当然のことではありますが、あなたに問題を生じさせる行動をする、その人については怒らないで下さい。これが、人を非難するYou-メッセージとは対極にある、人を非難しないで伝えるI-メッセージの態度です。
あなたが問題を持つという事実をchangee(変えられる人)に伝えて対決する責任をあなたが負っているとしても、結局のところ変わるか変わらないかの決断をするのは最終的にはchangee(変えられる人)です。責任の所在はchangee(変えられる人)にあります。なぜなら、あなたが問題を持っているのであり、実際にあなたがchangee(変えられる人)に左右されるからなのです。再度言いますが、I-メッセージは効果的かつ正確に次の考え方を伝えます。すなわちそれは、あなたの問題の提示であり、changee(変えられる人)に変わるべきであるとか、どのように変わるべきであるといったことを伝えるものではないというものです。しつこいようですが、I-メッセージは助けを求める訴えであり、これが時として驚くほど説得力を持つ要因なのです。ほとんどの人は、要求、脅し、解決策、説教に対するより、助けを求める率直な訴えに対しては、より良い形で反応します。I-メッセージはYou-メッセージに比べて相手に行動変容をしてもらいやすいですが、changee(変えられる人)にとって行動を変えなければならない可能性に直面することが、しばしば不安に感じられるのも事実です。

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[ニュースレター] 2019年12月号

─2019年12月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑦」

Date: December 22, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーのジレンマ

 

階層制の組織におけるリーダーシップに関した数多くの研究では、効果的なリーダーは、自分自身のニーズ(そして、彼らの上司のニーズである生産性と効率性)を満たすためのスキル・セットが1つ必要であり、グループ・メンバーのニーズを満たすためにはもう1 つのまったく異なるスキル・セットが必要であると強く指摘しています。さしあたり、これら2 つのスキル・セットを非常に一般的な言葉で表現してみましょう。

 

 A. グループ・メンバーのニーズを満たすスキル

   (1) グループ・メンバーの自尊心と個人的な価値を高める行動

   (2) グループの結束力とチーム精神を強める行動

  B. 組織のニーズを満たすスキル

   (1) 生産性とグループ目標の達成を刺激する行動:生産性を刺激してグループ目標達成意欲を高める行動

   (2) グループ・メンバーの目標達成を支援する行動:プランニング、スケジューリング、調整、問題解決、資源の提供

 

効果的なリーダーは「人間関係のスペシャリスト」(メンバーのニーズを満たすこと)だけであっても、あるいは「生産性のスペシャリスト」(組織のニーズを満たすこと)だけであっても十分ではありません。効果的なリーダーは、その両方でなくてはならないのです。さらに重要なこととして、効果的なリーダーは、グループ・メンバーのニーズとリーダーのニーズの両方を満たすためには、いつ、どこでこれらの多様なスキルを使うのかということを知るだけの柔軟性やセンシティビティといったものも習得しなければなりません。最後に、効果的なリーダーは、これら2 つの競合するニーズの源泉の間に生じる、避けられない対立を解決するためのスキルを学ぶ必要があります。

 『リーダー・エフェクティブネス・トレーニング』(2019)は、相互ニーズの充足という最も重要な状態を作るのに、どのようにしたらより効果的に作れるようになれるのか、上司や自分のグループ・メンバーとのより誠実なコミュニケーションの醸成を通じて、どのようにしたらより柔軟でセンシティブになれるのか、他者との人間関係における憤り、敵意、疎外感を大幅に軽減するための公平な(あるいは「No-Lose」の)対立解決法を用いるにはどうしたらよいかをリーダーの方々に示すことを目的としています。

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[ニュースレター] 2019年11月号

─2019年11月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑥」

Date: November 17, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーのジレンマ

 

また、組織内で働くすべてのリーダーたちの最も強いニーズの1 つには、自分自身の上司の目にはよく映りたいということもあるでしょう。リーダーの自尊心は上司からのインプットや評価に、その大部分が由来します。さらに重要なのは、リーダーが上司の期待や目標に沿わなかった場合(組織が目標を達成するための支援を効果的にしていると認められなかった場合)、彼らは降格や解雇といった脅威に晒されることでしょう。

 したがって、フォーマルな組織の中で働いているリーダーはジレンマに陥ります。彼らは、組織のニーズを満たすのと同時に、グループ・メンバーのニーズを満たさなければならないのです。そのための秘訣は、いかにして双方向からのニーズのバランスをとるかを学び、上司とグループ・メンバーの双方から効果的な人であると認められるようになることです。フォーマルな組織で働いたことのある人なら誰でも分かっていることですが、これは簡単な課題ではありません。なぜならば、組織のニーズが主に生産性と効率性の向上である一方、グループ・メンバーのニーズは、時として生産性や効率性の向上をめざすためのプレッシャーに抵抗することだからです。

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