[ニュースレター] 2011年1月号

─2011年1月号─「The Big Picture問題の全体像」

L.E.T.修了者の方々へ

時々、何かを読んで、それが思いもかけず自分にとって大きな影響を与えているということがあります。私にも2-3日前、トマス・ゴードン博士の『ゴードン・モデルの起源』という本を読んでいて、そのような経験をしました。

私はトム(トマスの愛称)と7―8年を過ごしましたが、彼の思いやりや機知、鋭敏な知力が大好きでした。彼はいつも愛情に満ち溢れ、支えてくれ、受容してくれました。そして、ティーンエイジャーであれば(私もトムに初めて会った時はティーンエイジャーでした)、自分を見てくれて、影響を深く与えてくれる人がいることに非常に感謝するでしょう。私はトムの思いやりの範囲を全く理解していませんでした…役立たずの歯の矯正ブリッジとメガネをかけたティーンエイジャーの私のことをトムは気にかけていてくれただけでなく、彼は世界全体を気にかけていたのです。親、子供、政府のリーダーたち、同僚、彼自身の家族…全ての人。

『ゴードン・モデルの起源』の最後のパラグラフを読んだ時、私はトムのビジョンの深さを思い知らされました。彼はプログラムを通して、『平等の権利、他人のニーズに対する尊敬の念、人間関係での協力、平和的対立解決などの価値観がいつか普遍的特質になるであろうこと』を信じていました。

このような価値観がある種コントロールされた環境である家庭で使われるのと、職場でマネジャーや社員を導くために使われるのは別ものです。しかし、それもまたトムのビジョンのなくてはならない部分なのです。そして、それゆえに彼のリーダーシップ・トレーニング・プログラムは極めて重要です。

仕事に行って価値ある仕事をしていて、よく聞いてもらっていて、権利を与えられていると想像してみて下さい。あなたは問題に直面する時、あるいは誰かと対立している時(なぜなら対立は起こりますし、それは全く自然なことです!)、あなたには相手を軽くあしらったり体面を傷つけたりせず、また自分のプライドを捨てず、『ただ黙って対応するようなことがない』対処法を持っています。会社が全ての人に一緒に問題解決することを奨励し、組織のリーダーシップに参加するよう奨励していると想像してみて下さい。

トマス・ゴードン博士はそれを想像しました…そして彼のリーダーシップ・トレーニング・プログラムであるL.E.T.はそのビジョンを現実のものとするための青写真なのです。
私の中の大人の部分が彼の業績に対して感謝しています。彼のライフ・ワークに感謝します。そして私の中のティーンエイジャーの部分は彼がいなくて寂しいです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

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[ニュースレター] 2014年1月号

─2014年1月号─「2014年ゴードン・モデルのことわざ」

L.E.T.ワークショップ修了者の方々へ、

 以下の記事はゴードン・モデルの多様なプログラム(L.E.T.、P.E.T.など)を教えるインストラクターのために書かれました。とてもかっこいいので、皆さまにも楽しんでいただけると思います!
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 明けましておめでとうございます。

 トーマス・ゴードン博士は私たちが支持するゴードン・モデルの源泉です。そして、私たちがこのコースを提供する意図であり、理由です。

 リスニングは私たちが大切にしているスキルです。それは単に聞くだけではなく、それ以上の意味があります。私たちは相手が話している内容に、それが何であれ注意を払います。それが私たちの上司であれ、子供であれ、同僚であれ。
時として、私たちは自己開示をします。誰も私たちが考えていることを推測しなくて済むように。そして、私たちにも強いニーズがあり、心に留めてもらうことが重要だからです。そうすることで、私たちはよりたくさん喜ぶことができます。

 そして、メソッドⅢが来ます。私たちお互いが争いに対処する方法を見つけるために、力づくではなく、あなたか私ではなく、私たちのために。

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[ニュースレター] 2016年12月号

─2016年12月号─「大統領選挙について話すのが辛いですか?(GLOPの指導書)」

Date: December 13th, 2016 | BY Marie Bryson
 
そうですね。

あなたがどちらの側についていたかに関わらず(今回は投票を見送ろうと思っていたとしても)、皆さんも同感だと思いますが、非常に醜くてアメリカを分断した衝撃的な18か月間の政権運動でした。そして、どちらが勝ってもそれは変わりません。

どこに行ってもGlop, Glop。
 
人種差別主義者.”
偏屈者
リベラルと称する間抜け
嘆かわしい
急進的フェミニスト
独裁者.”
ナチス
共産主義者
犯罪者
正気とは思えない
悪党
反逆者
社会正義を守る戦士SJW (Social Justice Warrior).” (あたかも悪いことのように言われますが…)
 
GLOP(General Labeling of People)の教科書的例を探すとしたら、今回の選挙でお互いを誹謗中傷した事例以上のものはないでしょう。

GLOPは猿の檻の中の排泄物のように飛び交った――ソーシャル・メディア、インターネット画像、集会で、会議で、落書きで、飛行機の中で毎日アメリカ人によって捕らえられる問題のあるビデオで、公共交通機関で、手芸店で、コーヒーショップで。礼拝の場所にも純粋にGLOPに基づく脅迫文が届きます。

ヘイ、アメリカ。これよりは上手くできるでしょう。

GLOPが何か、どうして人々はGLOPに頼ってしまうのでしょう。

L.E.T.でいうGLOPとは、誰かにレッテルを貼る方法(あるいはグループ全体に対して)で、それは他の誰かが言ったことややったことの解釈です。それに飛び乗ってパッと手っ取り早く判断を下すことに他なりません。軽蔑的で、敵対的で、破壊的です。GLOP(レッテルを貼られた)されているその人あるいはグループと共有する心理的な共通の特徴を取り除きます。人々を対立する派閥に分断してしまいます。

(そして、私自身もGLOPPINGをたくさんしていることを認めます。特に大統領選挙の結果が出た夜は、何度も飲み物を流しました。誰も完ぺきではありません。)

しかし、最終的にはGLOPはオープンで正直で建設的なコミュニケーションの可能性を取り除いてしまいます。――それは私たちが来年以降是が非でも必要なものです。

私たちは努力を倍増させなければならないでしょう――政府の世界だけでなく、個人、家族、公共の場、職場で――私たちはGLOPなしにお互いに臨むようにします。

GLOPはトーマス・ゴードン博士の対立解決法の最初のステップである、満たされないニーズの観点から対立を定義するという基礎をなす原則を根本的に無視します。

私たちは単に不愉快なだけなので、深い意見の不一致がある訳ではありません――私たちは意見の不一致の根底にあるニーズを表明する方法をまだ見つけていないので意見の不一致をみているのです。
 
アサーティブ vs. アグレッシブなコミュニケーション
予想される家族間での政治的議論を避けるため、私は今年、休暇に家族で集まることをしない選択をした人たちを知っています。彼らは通常不愉快ではあるものの扱いやすいです。しかし、今年に限っては実際に殴り合いになったり完全に人間関係が終わったりしてしまうことを恐れたのです。

お願いだから、アメリカ人たち。もっとうまくできるはずでしょう?

まずはリフレッシャーです。アサーティブ・コミュニケーションとアグレッシブ・コミュニケーションには違いがあります。

アサーティブ・コミュニケーションは、私たちのニーズが究極的に満たされることを期待して、私たちのニーズを他の人たちに伝えるためにデザインされています。ある意味、それは同時に相手の感情やニーズに敬意を表し、敏感である方法によります。I-メッセージは満たされないニーズについてのアサーティブ・コミュニケーションを形成する熟考されたシステマティックな方法です。

アグレッシブ・コミュニケーションは、逆にコミュニケーションをしている人のニーズを満たすことを求めて相手の感情を無視します。それは敵対的で、無神経で、コミュニケーションの流れを中断してしまいます。それは正直かも知れませんが、相手に恥をかかせたり、傷つけたり、辱めたり、脅かしたりすることもいとわない、「正直」の種類です。アグレッシブ・コミュニケーションは「Dirty Dozen」のコミュニケーション・ロードブロックのいくつかを定期的に採用します:命令する、指図する、警告する、脅かす、批判する、判断を下す、悪口をいう。

大統領選挙に関連して、あなたも心当たりがあるならば、話しましょう。

レッテルではなく、行動に焦点を当てましょう。

自分がアグレッシブ・コミュニケーションを受ける側にいたら、状況を悪化させないように応答することは、時として難しいです。とても難しいです。しかし、L.E.T.のスキルをもった熟練したコミュニケーターであるということは本当に役に立ちます。

ここで少し、予想される家族内での政治的議論について話し合ってみましょう。「人種差別主義者、同性愛嫌悪者、女性嫌悪者、逆行する人、こぶしを引きずる不愉快な奴」ということで同意できない親戚の人たちを切り捨てる前に、(精神的にもそれ以外にも)その他にも自由に使えるツールがいろいろあります。

例えば、行動の窓があります。

休暇の集まりでマッシュポテトを回している間、勝ち誇ったからかいを含む喜びに沸いた勝利のダンスを見る側にいたとします。その時、その行動が受容エリアにあるのか非受容エリアにあるのかを決めることができます。それは、結局ある日の食事風景です。誰も人の気持ちを変えられることはほとんどなく、対決は非生産的であると認識しつつ、受容エリアを広く持ってこの集まりのイベントの中に入っていくこともできます。

私たちには宣言的I-メッセージ、予防的I-メッセージがあります。全てが失敗に終わったとしても、価値観の衝突が常にあることを認識しています。

全てが失敗した時には、信条があります。

最終的なGLOP反対者のメディテーションです。
 
私の人間関係に関する信条

あなたと私は、私が尊重し維持したいと考える人間関係にあります。私たちそれぞれは、個別の価値観とニーズを持つ人間です。
 
私たち各々が何を尊重し、欲しているのかをよく知り理解するために、私たちのコミュニケーションにおいては常にオープンで正直でいましょう。
 
あなたが人生において問題を経験している時、私の解決策を押し付けないで、あなた自身の解決策を見出せるように、私は誠実な受容と理解の態度であなたの話に耳を傾けます。そして、私が自分の問題の解決策を見つける必要がある時には、あなたも私の話に耳を傾けて欲しいのです。
 
私自身のニーズを満たすために私がすべきことを、あなたの行動が妨げる時には、私はあなたの行動がどのように私に影響を与えているかを隠さず正直にお話しします。何故なら、あなたが私のニーズや感情を充分尊重してくれていて、私にとって受容できない行動を変える努力をしてくれると信じていますから。また、私の行動をあなたが受容できない時は、あなたも隠さず正直に話してくれることを望みます。私も自分の行動を変えるように努力します。
 
そして、人間関係において私たちが対立を経験する時、一方が他方を犠牲にして勝つために権力に訴えることがないよう、一つひとつの対立を一緒に解決するようにしましょう。私はあなたのニーズを尊重しますが、私自身のニーズも尊重しなければなりません。ですから、いつもお互いが受容できる解決策を一緒に探す努力をしましょう。あなたのニーズも私のニーズも満たされる―――どちらも負けることなく、お互いが勝つのです。
 
このように、あなたはあなたのニーズを満たすことで人間として成長し続けることができます。そして、私自身も同様です。よって、私たちの人間関係は健全な人間関係で、お互いが実現可能な存在になるよう努力することができるのです。そして、私たちはお互いに尊重し合い、愛し合い、平和的に関わり続けることができるのです。
 
                                                                                             トーマス・ゴードン博士

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[ニュースレター] 2019年9月号

─2019年9月号─「地位に就くだけではリーダーではない④」

Date: September 29, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーとは何か?

 

多少単純化し過ぎているかも知れませんが、下記に挙げるものが、リーダーがどのようにフォロワーの心をつかむのかについての説明となります。

 

  1. すべての人は生き延びるためにニーズを満たし、緊張を和らげようと絶えず努力をします。
  2. ニーズを満たすためにはちょっとした手段(道具、食べ物、お金、体力、知識、情報など)が必要です。
  3. 個人のニーズの大半は、人やグループとの人間関係で満足されます。だから、人やグループは、私たちがニーズを満たすために最も頻繁に頼る手段になります(私たちは自分たち自身の食べ物を育てないし、衣服も作らないし、教育も自分で施してはいません)。
  4. 人は、自分のニーズを満たしてくれる手段を持っている人との人間関係を積極的に探し求めます。
  5. 人びとがグループに加わるのは、そのようなメンバーシップが彼ら自身のニーズを満たす手段を提供してくれると期待するからです。逆に、ニーズが満たされなくなるとグループから離脱していきます。
  6. グループ・メンバーは、リーダーが彼らのニーズを満たす手段を持っている人だとみなした場合に限り、そのリーダーの影響と指導を受け入れます。人はニーズやウォンツ(欲望)を与えてくれると信じているリーダーについていきます(そして、命令にしたがって行動します)。

 

したがって、グループ・メンバーの観点から見て「リーダーについていく」ことで自分たちのニーズが満たされるということが約束される時に限って、リーダーはリーダーとしての地位に値し、維持することができるということになります。「リーダー・エフェクティブネス・トレーニング」の本では、リーダーがこの約束を現実のものにするために欠かせない重要な心構え、スキル、メソッド、そして手順を特定(明確化)し、説明しています。効果的なリーダーシップを身に付け、維持できるようになる人がいる一方、それができるようにならない人もいるということは、もはや不思議なことではありません。調査と観察を通じて、社会科学者たちは効果的なリーダーシップの重要な必要条件の多くを特定しました。私の狙いは、リーダーになりたい人により分かり易く、より使いやすくするために、この知識をまとめることです。

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[ニュースレター] 2009年2月号

─2009年2月号─「どのような人間関係をお望みですか?*」

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

 (以下はゴードン・トレーニング・インターナショナル社創始者のトマス・ゴードン博士著、L.E.Tリーダー訓練より抜粋したものです。)

あなたのリーダーのタイプがどのようであるかは組織やグループの人達とどのような人間関係を築いていくかに強く影響を及ぼします。組織やグループの人達と過ごす時間を考えると、あなたのリーダーシップのスタイルを決めるのは明らかに重要なことです。

この本を通して権力に基づいた権威主義的なリーダーシップがリーダーとメンバーの人間関係に与える影響について何度も言及してきました。すなわち、権力を使うことでいかにメンバーからリーダーへのコミュニケーションが減少し、メンバーとリーダーの間に身分的な壁が築かれ、メンバーから自発的な言葉のやりとりが減少するのか、といったことや、いかにメンバーが彼らの問題を覆い隠したり、自分たちのミスについて嘘を言ったりするのか、そして権力がいかに敵意と憤りを生み出すかです。権力が効果的であるためには人は恐れと依存を抱くことが必要で、権力を行使するリーダーはチームに対して“仲の良い“関係にならないように警戒しなければならない、といったことです。

あなたが権威的なリーダーになった時に論理的に必ず結果として起こることでまだ、述べていないことがあります――それは、権力に頼らないリーダーよりもはるかに楽しみが少ないということです。楽しみに関して言えば、沢山のことが考えられます。あなた自身のミスや能力の限界を他の人と一緒になって笑ったり、相手のミスや能力の限界を一緒に笑ったり、他の人と難しい問題に取り組み思いがけない創造的な解決策を得たり、酷評を恐れずにあなたの失敗をオープンに皆と共有したり、仕事の上で人々が成長し発展していくのを見守ったり、組織の中で単なる地位ではなく人として他人と繋がりをもったりすることなどです。これらの楽しみは、怒りや憤りが全くなく、より平等な人間関係が結ばれているグループや組織で起こります。

人と支援しあえる人間関係を構築するのと、人を利用し操作する人間関係を作るのとではどちらを望みますか?人と支援しあえる人間関係を構築する利点はたくさんあります。人が彼らの問題を解決してあまり依存しなくなるのをみたり、彼らが問題を話し合う中でよりオープンになっていくのをみたり、あなたが他の人のニーズを満たすことを助けることで、個人的な満足感を経験するなどです。そして前に述べたように、あなたが他の人のニーズを満たすのを助けるならば、彼らも同様に喜んであなたのニーズを満たすのを助けてくれるでしょう。威圧的な力が使われなければ、このような相互的な特性が人間関係では例外なく現れてきます。

考える材料になりますよね?

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L.E.T. の本が iTunes Audible.comでゲットできます!

嬉しいお知らせです。L.E.T.完全版の本(英語版)が今、iTunes と Audible.com で入手できます。まだこのフォーマット(本をあなたのiPhone やiPodにダウンロードする方法)についてよくご存知ない方は、苦労なくダウンロードする方法を詳細に説明していますので、ゴードン・トレーニング・インターナショナルのホームページにアクセスしてみてください。

http://www.gordontraining.com/

Happy Valentine’s Day to you,
from all of us at Gordon Training!

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[ニュースレター] 2011年12月号

─2011年12月号─「ストレスのないホリディ・シーズンを過ごす3つの簡単な方法」

L.E.T.修了者の皆さま
  
効果的なコミュニケーションの重要な要素の一つに自己開示があります。相手の気持ちやニーズを侵害しないように注意しながら、あなた自身の気持ちとニーズを言葉にします。自己一致した開示とは、あなたが感じている通りに、あるいはあなたが必要としていることを正確に相手に言葉で伝えることです。
 
あとであなたも発見することになるでしょうが、そのような自己一致した開示はNo-Lose対立解決を促すのみならず、あなたの人間関係で起きる多くの対立を防いでくれます。
 
自己開示が自己一致している人を描写する言葉で一般的に使われているものをいくつか紹介しましょう。
 
* 本物の              * 誠実な
 
* 正真正銘の    * 信じられる
 
* 素直な           * 信頼できる
 
* 遠慮のない    * 率直な
 
* 隠し事のない * 正直な
 
* はっきりものを言う * 真実な
 
自己開示が自己一致した人のもう一つの特徴は、ほとんどの場合、『わたしは』から話し始めます。例えば:
 
わたしは…と感じます。
 
わたしは…を経験しています。
 
わたしは…が欲しいです。
 
わたしは…と信じています。
 
わたしは…が必要です。

わたしは…と思います。
 
このような理由から、ゴードン博士は隠し事がなく、率直で自己一致したコミュニケーションのために『I-メッセージ』という言葉を初めて作りました。この『I-メッセージ』は相手にあなたが『透けて見えるほど本物である』というメッセージを伝えます。人々はあなたに隠し事がなく、考えていることや感じていることを喜んで開示することを知ってあなたを信頼するようになるでしょう。
 
しかしながら、自己開示のI-メッセージを送るには自分のことを知ってもらう勇気が必要です。賢者の『汝自身を知れ』を覚えていますか?そこで、『汝自身を知ってもらえ』を追加してみて下さい。I-メッセージはあなた自身(あなたが好きなもの、嫌いなもの、あなたが信じているもの、価値観、ニーズなど)をもっと知る手助けをしてくれます。
 
方法1: このI-メッセージは相手に前もってあなたが何を必要としているか、何を欲しているかを事前に伝えるので、対立を回避してくれます。私たちは実際にはこのような自己開示を『予防的I-メッセージ』と呼んでいます。例) 『私たちの休暇の予算を立ててプランを練るため、私はあなたと今時間をとって、休暇の過ごし方について話し合いたいと思います。』
 
方法2: 相手にあなたが今やりたくないことを伝える自己一致のメッセージを『応答のI-メッセージ』と呼びます。それは相手のリクエストを断るというあなたの決定と『No』という選択をした理由を明瞭に言葉で伝える応答です。例) 『私は今年の大晦日のパーティを全く開催したくありません。これまで5年連続で開催してきたのだけれど、もうやりたくないのです。』
 
方法3: あなたの信念や価値観を相手とシェアするメッセージを『宣言的I-メッセージ』と呼びます。例) 『今年は休暇に親戚訪問をせずに、家に居たいと思います。』
 
自己開示はあなたが自分のニーズや感情を持った人間であることを、相手に知ってもらえます…相手にもニーズや感情があるように。あなたが自己開示をすることで相手も自己開示をしてくれるようになります。相互効果で対立を友好的に解決する手助けになります。
 
自己開示をする人たちはよりよい精神の健康を保っています。なぜなら、彼らは自分たちのニーズをうまく満たし、目標に到達し、問題を解決しているからです。明らかに、そのような人たちには自信や自尊心があります。
 
 
喜びに満ちた、平和で対立のない年末年始をお過ごしください!!!  
2012にまたお会いしましょう!   

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[ニュースレター] 2014年12月号

─2014年12月号─「サウンド・オブ・サイレンスに耳を傾ける」

Blog post by: Sheryl Wilde

L.E.T. 修了者の方々へ、

“And in the naked light I saw
Ten thousand people, maybe more
People talking without speaking
People hearing without listening
People writing songs that voices
Never shared and no one dared…”
~サイモンとガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」より
 
 ここ数年、私は家で同居している、老いていく両親のことを心配しているので、リスニングについて一生懸命学んでいます。私が学んだことで最も重要な教訓の一つがこれです:
 
 時々、感情があまりにも根強くて、それを描写するための言葉が見つかりません――そんな時は是が非でも聴いて欲しい時だったりします。
 
 そんなに昔の話ではありません。ある夜、遠い親戚から電話がありました。電話の内容は、私の父の兄弟で最後の生存者だった妹が亡くなったという知らせでした。父の姉も2-3週間前に亡くなったばかりでした。そして、父のたった一人の男兄弟で一卵性双生児の弟も数か月前に亡くなったばかりでした。
 
 父は平然としていると言ってしまうのは控え目な表現です。父は無口な人です――父は世界大恐慌(1929年10月28~29日)に育ち、『第二次世界大戦』で戦った人です。父はハグをする人ではありませんし、『愛しているよ』と言う人でもありません。私は父が泣くところを見たことがありません。父にとって、感情をシェアするアクティブ・リスニングの概念は、彼の言葉で表現するなら、『ばかげたたわ言』なのです。父は自分の兄弟二人が亡くなったという知らせをいつもの静かなストイックな表情で聞いていました。しかし、双子の兄弟が亡くなった数日後、父は脳卒中を患い、姉が亡くなった数時間後、父は病院に搬送され、心房性細動と診断されました。
 
 父の病気が直接このような経験に関連しているのかどうか確信をもって言えませんが、妹が死んだ知らせを父に伝えようとした時に、ぼんやりとその時の出来事が心をよぎりました。正直に言えば、父がもう一度悪い知らせを聞いて、それを黙って飲み込んでしまったら、父の心臓が破裂してしまうのではないかと心配になっていました。
 
 私は父が座っていたリビングにやっとの思いで入っていき、父の傍らに座り、妹が亡くなったことを知らせました。父は石のように無表情な顔をして、それこそ永遠に思えるほど長い時間そこに座っていました。そして、父は苦痛を回避するために自分の心を詳細な情報で満たそうと、父の意識が機械的にシフトするのを私は感じとることができました: いつのことだったんだ?妹はどうやって亡くなったんだ?葬式はいつだ?
 
 それは今まで覚えている限りお互いしたことのないことでしたが、私は父の手をとりました。それは父を沈黙させるほどびっくりさせました。長く思われた数秒ののち、父は私の目を見ました。『本当に悲しんでいること、わかっているよ、お父さん。もし話したいなら、私はここにいるから、いい?』と私は言いました。父は目をそらし、素早く自分の手を私の手から離しました。父は長い長い時間、全く何も言わずにまっすぐ前を見つめて、そこに座っていました。
 
 他に何ができるかわからず、私は立ち上がろうとしたその時、父はほとんど聞こえない位の小さな声で、言葉に詰まりながら、『私が最後の生き残りだ』と言いました。そして、父は私の手を掴んで、強く握ってすすり泣きました。すすり泣く度に、父の体全体が震えていました。父は本当に打ちのめされていて、話すことができませんでした。私は父の傍らに座って、90年分の悲しみを吐き出しているかのような父の心に、ただただ耳を傾けていました。もうこれ以上泣くことができなくなった時、父は私の手を強く握って、永遠かと思われるほどの時間が流れた後、『ありがとう』と一言、言いました。
 
 父はその夜、ほとんど何も言いませんでしたが、沈黙を通して父の心は大声で泣いていました。
 
 私の父の心に耳を傾けた、サウンド・オブ・サイレンスにすら耳を傾けるというこの話は、リーダーシップと何の関係があるのでしょうか?このニューズレターを読んで下さっている皆様はアクティブ・リスニングのスキルが充分あって、効果的なリーダーシップの重要性も熟知していることと思います。リスニングのスキルはリーダーシップの域をはるかに超えていると私は信じています。私たちは皆、生まれつき人間として、聞いてもらいたいというニーズを持っています。聴き手として、相手が聞いて欲しい方法で――評価せず、思いやりを持って――話させてあげる必要があります。
 
 心を込めて相手の心にアクティブ・リスニングをすることは勇気が要ります。特にプロフェッショナルな設定では。Peter Bregmanという人が、『相手と関わる方法は心です。それが信頼関係を生み出す方法です。心――私たちと相手の両方の――人々に私たちについて来たいと思わせ、全てを投じて何かを成し遂げたいと思わせるのが心です。能力、暖かさ、頭脳と心を示すリーダーに人はついていきたいと思っています。そして、心から始めるべきであることを示唆する証拠がたくさん出てきています。』と述べています。
 
 サイモンとガーファンクルの歌に唄われているように、『予言者の言葉は地下鉄の壁に書かれている(“Words of the prophets are written on the subway walls,”)』のかどうか私にはわかりませんが、時として人生の中で最も深い心の底からの感情や経験は、個人的な生活の中であっても職場での生活であっても、声に出されていないけれど、『サウンド・オブ・サイレンスの中で囁かれている(“whispered in the sounds of silence”)』のだと私は強く信じています。
 
 囁きを聞こうと耳を澄ましてみて下さい。静寂が起こると、最も美しい歌――声ではシェアできないような歌が聞こえるかも知れません。

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[ニュースレター] 2017年11月号

─2017年11月号─「関連性を見つける」

Date: November 16th, 2017 | BY Brian K. Miller
 
ハーバードビジネスレビューは最近、リーダーシップ・トレーニングと企業文化の間の関係性を理解することに特化した特集号を出版しました。この特集号に記事を書いた多くのリサーチャーたちは、現代のリーダーシップ・トレーニング・プログラムが企業文化に何ら影響を与えていなかったことを危惧していました。記事は、多くのグローバル企業で問題を生み出している真の問題点については直接言及しませんでした。つまり、近年の非常に多くの新卒採用者が、現代のグローバル企業で働くために必要な基本的なソーシャル・スキルが欠如しているということです。

リーダー・エフェクティブネス・トレーニングは核であり、基本的なコミュニケーション・スキルの上に構築されています。セミナーでは、実際に使うスキルを繰り返し演習する方法に基づく実用的なトレーニング手法を重視します。この体験的な手法はハーバードビジネスレビューのリサーチャーによって取り上げられた多くの問題に答えています。しかしながら、この可能性を最大限にするためには、グローバル企業はシニア・マネジメントが養成してきた企業の主要なビジネス・コミュニケーション・チャネル、従業員の査定システム、企業文化の裏にある前提を近代化しなければならないとハーバードビジネスレビューは指摘しています。

どの企業も利益追求の事業をしています。これは従業員なら誰でも持つ最も基本的な前提でしょう。全てのグローバル企業は欲に支配されており、そしてこの欲が企業の利益追求の動機を推進するのだということを、多くの若者が高校の先生や大学の教授に教えられてきました。その結果、企業に入ってくる若者は、今まで悪だと教えられてきたことをしなければならないように感じるのです。それは、つまり株主のために利益を生み出さなければならないということです。

このような企業環境では、どのように、またどうしてすべての企業が利益追求ベースで運営されなければならないか、ということを新卒採用者に学んでもらうため、アクティブ・リスニングやギア・シフトが確実に重要となります。彼らの悩み事にアクティブ・リスニングし、それらの悩み事を反射して新卒採用者に良いフィードバックで返し、また、マネジメントの現実問題をI-メッセージで伝えることで、新卒採用者とマネジャーの双方の前提が対等な状態となり、それによって企業のニーズと新卒採用者の悩み事の両方を解決することができます。

価値観の衝突は、現代のグローバル企業において新たな物差しになりつつあります。初めて企業に入る新卒採用者の場合、これらの価値観の衝突は以前には経験したことのないほどの極端なものと感じられます。現在、自分のチームに新卒採用者を抱えるすべてのマネジャーにとってリーダー・エフェクティブネス・トレーニングで教えられるスキルをマスターすることが、未だかつてないほど重要になっています。投資利益率を最大限にするためには、シニア・マネジャーやエグゼクティブは、このような価値観の衝突が起こっていることを認識する必要があります。シニア・マネジャーと個々のチーム・リーダーの双方は、新卒採用者が自分たちの心配事をマネジメントに自由に話せ、その心配事が誠実さと共感の両方で対処される企業文化を育むために準備しておく必要があります。

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[ニュースレター] 2010年1月号

─2010年1月号─「I-メッセージを送る時にしたいこと」

L.E.T.修了者の方々へ

– チーム・メンバーや他の人に、彼らがその問題を解決するべきだ、というのではなく、何故、彼らが私の問題を引き起こしているのか、を伝えたいです。彼らに私を助けてくれる人となるチャンスを与えてください。

– あなたの本当の気持ちに触れる練習をしてください。もしあなたのI-メッセージがいつも怒ったようであれば、あなたは問題を持った時に自分の感じている本当の気持ちをおそらく知らずにいるでしょう。

(これは実に重要なポイントです!)『私は何を恐れているの?』と、あなた自身に問いかけてください。なぜならば、多くの場合、あなたが受容できないと思う行動はあなたが必要としている何かを妨げる恐れがあるからです。

– 無視されていると感じたり、もし最初のI-メッセージが上手くいかなかったりした時、より強い2度目のI-メッセージを送ってみてください。

– 彼らが問題を持っている時は彼らの話をよく聴きましょう。そうすればあなたが問題を持っている時にあなたのI-メッセージに対して建設的な答えが返ってくる機会が増えるでしょう。助けたいと願う気持ちは相互になければなりません。一方通行はそんなに長くは続きません。

– 他の人に対決する時に通常耳にする心配ごとや動揺は注意深く聴き、アクティブ・リスニングにギア・シフトします。その後機をみて再度I-メッセージを送ります。

I-メッセージを送る時にしてはいけないこと

– その行動によって起きる実際の影響を彼らに言わないのであれば、彼らが行動を変えることを期待してはいけません。彼らに本当の理由を伝えましょう。なぜならば、行動を変えるべき論理的な理由があれば彼らは納得するはずだからです。他に行動を変える理由があるでしょうか?

対決的 I-メッセージが持つ3つの部分を思い出してみましょう。=行動(相手がしたり言ったりする何か)、影響(具体的で明確な私への影響)、気持ち(あなた自身の気持ち)

– どんなI-メッセージでも上手く行くと思ってください。職場の仲間が対決してきた時、あなたは毎回必ずしも変わる必要があると思わなくても構いません。

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[ニュースレター] 2012年11月号

─2012年11月号─「アクティブ・リスニングの原理?」

L.E.T.修了者の方々へ

リーダーが有能なアクティブ・リスナーになる努力をする理由は、個人対個人でのコミュニケーションでの誤解を回避したり最小限にしたりすることであればりっぱな理由だといえます。しかし、他の理由もやむを得ずあります。

ここ数十年間、心理学者たちが人間の中にある個人的成長やこころの健康を促す重要な要素を特定しようと試みています。

このような研究は当初効果的なプロフェッショナル支援組織(カウンセラーや心理学者)の特徴や行動を特定することに焦点を当てていましたが、最終的には効果的な教師、効果的な結婚相手、効果的な親の個人的な資質を研究するに至りました。ある人がもう一方の人の成長や精神の健康を促すような人間関係では、少なくとも2つの要素が必要であるという、どちらかというと結論に至る証拠が現れてきました。それは共感と受容です。

共感は相手の立場に立って考え、『その人が感じている世界』――その人が現実をどのように見ているか、そして物事をどのように感じているかを理解する能力です。アクティブ・リスニングはまさにこの機能を果たします。人が共感的に理解されたと頻繁に感じる環境は、その人のメンタル・ヘルスと個人的な成長全てに貢献します。このような環境は人のニーズを満たす結果につながり、問題解決を促すので人の成長に貢献すると思います。人が問題を解決し、ニーズが満たされる時、その人は解放され、マズローのピラミッドの更に高いレベルのニーズへと上がっていきます。達成感と自己啓発を見つける新しい方法を発見します。

覚えていると思いますが、受容は相手がしていることについて良い感情を抱くことです。『受容できる行動』は行動の窓の上のエリアに属します。

明らかに私たちは受容できる行動を変える必要はありません。その時の相手をあるがままに受け入れることができます(行動が私たちのニーズを満たすことを邪魔することはありません)。パッシブ・リスニング、承認の応答、そして特にアクティブ・リスニングは受容したということを伝える言語的応答(手段)です。なぜなら、それらは明確にそれを伝えるからです。

・  あなたが何を感じているかわかります。
・ あなたが今どう見ているか理解できます。
・ あなたの今、あるがままを見ています。
・  興味がありますし、心配しています。
・  あなたが今どんな立場にいるか理解しています。
・  あなたを変えようと望んではいません。
・  あなたを批判したり評価したりしません。
・  私は批判しませんから、怖がる必要はありません。

パッシブ・リスニング、承認の応答、アクティブ・リスニングとは対照的に、その他の一定のメッセージは通常、助けようとする人を変えようという聴き手の願望や意図を伝えます――その人の行動を一定方向に向かせる必要、あるいはその人に影響を与えて異なる行動をとらせようとするなどです。これらの反応は問題解決を遅らせたり、阻止したりします。ですから、私はそれらを・・・と呼んでいます。それは何だと思いますか??

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