[ニュースレター] 2010年9月号

─2010年9月号─「“ただ事実だけを”」

L.E.T. 修了者の皆さま

皆さまの中でお年を召した方で1950年代のテレビ・シリーズ、真面目なポリス・サージェント・ジョー・フライデーの演じる『捜査網』を覚えていらっしゃるでしょうか?ジョー・フライデーは証人の仮説、理論、結論、解釈などに我慢がなりません。彼は「単なる事実」が欲しいだけなのです。彼は犯罪を解決するたった一つの方法はまず状況にまつわる事実を全て洗い出すことだと信じていました。同じことが全ての問題に当てはまります。最初にすることは事実を立証することです。

誰かの受け入れられない行動に対決する時、You-メッセージを使うよりI-メッセージを使った方が本当にいいという議論が様々存在しています。それらは:人を防衛的にさせない、人間関係を維持するのを助ける、批判しない、役に立つ応答をより多くする。しかし、多分最も重要なのは、I-メッセージはより正確であるということです。とても現実的な意味で、I-メッセージは本物です。I-メッセージの3つのパート(非難しないで行動を描写、明確で具体的な影響、感情)は状況の事実を意味します。他のものは全て憶測でしかありません。

私の同僚でEメールにも電話にも返信してこない人がいます。時として彼が実際に電話に出るまで私は電話をかけ続けなければなりません。『あなたは思いやりがないですね。』とか、『あなたが忙しいのはわかるけど、でも…』とか、『あなたが私の電話を折り返してくれないなら、すぐにもそちらに出向いて…』(もうこれ以上深入りするのは止めましょう)などと言うこともできます。私は彼の上司のところに行って、警告を発することもできますし、何もしないということもできます。しかし、これらのメッセージや戦略は全て彼の意図や動機に対する思いこみと推測に基づいています。私は彼が怠け者で、無礼で、自分のことしか考えていない人で、意地悪だと信じているかも知れません。

そして、私はあっているかも知れません。でも、事実は、私は彼がどうして私のEメールに返信しないのか、どうして私の電話を折り返さないのかはわからないのです。私は彼の頭の中で起こっていることにアクセスはできません。家で深刻な問題があって、彼のエネルギーの全てを奪っているのかも知れません。何か私に対して怒っているのかも知れません。彼の上司が私を無視するように指示したのかも知れません。ただ単にもっと優先順位の高い課題で忙殺されているのかも知れません。あるいは私のことが好きではないのかも知れません。あるいは彼は悪い知らせを持っていて、私に知らせるのを保留にしているのかも知れません。あるいは彼は何か私のために調査をしてくれていて、私に電話する前にそれを終わらせたいと思っているのかも知れません。多分、多分、多分!これらの解釈のどれかが正しいのかも知れませんが、彼が電話をしてくれるまでは私にはわからないのです。

私が知っているのは:

・彼は私の3回のメールに返信をしていない、また、今週私がかけた電話を折り返していない。
・彼から連絡がない限り、私はこのプロジェクトを進めることができないので、私は足踏み状態になっている。
・私はとても不満に思っている。

これらが事実です。今のところこれが真実です。私が問題を持つ人間ですから、私が責任を持って事実を協議するべきなのです。同僚に対する私の責任は彼の理由や動機を憶測しないで協議し、彼に返答をする機会を与えることです。つまり、私は事実だけを述べるべきです。『ただ単に事実だけを』

ゴードン・トレーニング社のL.E.T.マスター・トレーナーであるビル・スティネット博士による執筆

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[ニュースレター] 2013年7月号

─2013年7月号─「ちょっと待って…今、私にレッテルを貼った?」

Date: July 8th, 2013

ゴードン・モデルのワークショップでGLOPが何を意味するか覚えていますか?忘れてしまった人のために申し上げますと、GLOPは “General Labeling Of People”です。つまり、人にレッテルを貼ることです。

以下のリストをご覧下さい。各文章には判断やGLOP(レッテル貼り)が含まれています。

1.        彼女は愛想がよくない。
2.        彼は疑い深い。
3.        彼は支配欲が強い。
4.        彼女は無責任だ。
5.        あなたは人と歩調を合わせるのが上手だ。
6.        彼女はちょっと知的すぎる。
7.        彼はチーム・プレヤ―だ。

実際に起こることとそれらの出来事に関するあなたの解釈には相違が存在します。人が出来事を観察し、推測し、解釈し、判断し、評価を下すのは自然なことで普通のことです。

しかし、多くの人は自分の解釈と状況の事実を混同してしまいます。ゴードン・モデルでは、事実に基づく会話を始めるように教えます。問題が発生している場合は特に。

GLOPの問題は、相手の意図や動機についていつもある程度推測が含まれることです—それは、相手の頭の中でのみ存在する何かのことです。相手の行動の解釈に関して熟練していても、私たちは相手が行動する理由については確実にはわかっていません。

このGLOPの危険の一つは、私たちは自分の解釈にとらわれ、コミュニケーションのより効果的な方法を見落とすことです。私たちは過去の出来事を変えることはできませんが、それらの出来事をどう認識し解釈するかを自由に選択することができます。

認識は私たちの人生で経験した全てのものによって影響されます。出生地、出身校、両親はどうだったか、宗教、教育等々。他人のアクションについて偏見や特定のビューを持ちやすくなります。

私たちのワークショップでは、あなたが実際に見た『相手がしたこと』、実際に聞いた『相手が言ったこと』を、それらの行動についてのあなたの解釈から切り離します。だからと言ってあなたの解釈が間違っているとかあっているということではありません。このように事実に基づくコミュニケーションを始めることの方がより効果的だということが私たちの結論です。

GLOPについて:
– GLOPは『真実』ではありません。それらは相手の動機や意図に関する推測です。
– GLOPは傷つきます。人はしばしばレッテルを貼られることを嫌がります。
– GLOPは私たちの人全体を観る能力を制限します。一旦、人をあるカテゴリ―に分類すると、その人の将来の行動を他の角度から見ることがより難しくなります。その人は固定概念化されてしまいます。
– GLOPは伝染します。あなたがGLOPを使うと、他の人もそうする可能性が高くなります。
– GLOPは『厄介』です。人が固定概念を振り払うことは時として難しいものです。
– GLOPは相手の将来の行動に影響を与えかねません。『自己達成的予言』。人はレッテルに応えるか応えないかのどちらかです。『もしあなたが私を泥棒扱いするなら、私はあなたから盗むしかないですね。』
– GLOPは人を防衛的にさせます。『それ、どういう意味?』とか、『具体的に何かした?』とか質問されるでしょう。

ここで、ちょっと面白い『テスト』です。職場あるいは家で、一時間の間にGLOPを何個耳にするか数えてみてください。GLOPを使った人に、その人がそのGLOPを思いつくきっかけになったもの(見たことや聞いたこと)が何かを訊いてみてください。その人は更に違ったGLOPを使ってくるでしょうけど、それを何度も聞き返して事実にぶつかるまでドリルダウンしてみてください。

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[ニュースレター] 2016年8月号

─2016年8月号─「拡張現実がゴードン・モデルと出会う」

Date: August 11th, 2016
Blog Post by: Brian K. Miller
 
ポケモンGO、新しい拡張現実ゲームがこの携帯電話を取り込んで、嵐のように私たちの世界を振り回しています。今、ポケモンGOはツイッターを上回り、ネットフリックスよりも多くの処理能力を食います。職場、家庭、街の中でのインターパーソナルな関係に直接インパクトを与えています。

ゲームや注意をそらす他のもののコミュニケーション・フローに与える影響を吟味する時、重要なポイントは価値観の衝突と本当のニーズの対立との違いを認識することです。当然、ポケモンGOのような人気のある人を惹きつけるゲームであっても、誰もプレイする必要はありません。しかし、人は余暇、レジャー・タイム活動をする必要があります。レジャー・タイムがどのように予定され、どのような活動を人々が一緒になって求めるかは、本当のニーズの対立を生み出しかねません。
 
営業チームの2人のメンバーが、しばしばオフィスを出て顧客訪問に行っていると仮定しましょう。ポケモンGOがリリースされてから、彼らの昼休みが午後の就業時間に食い込んで長引いており、そして午後の営業訪問の後、オフィスにほとんど戻ってこないことに上司は気づき始めました。上司がチーム・メンバーに対決した時、彼らは自分たちの仕事の時間にゲームすることを許してしまっていたと認めました。彼らはしばしばオフィスを離れて営業に出ていましたし、彼らが稼いだ売り上げも落ちてはいなかったため、二人はどちらもこのことを問題だと思っていませんでした。
 
明らかに、二人のチーム・メンバーは営業目標を達成しています。しかし、売り上げ以外に会社では説明責任を負っています。会社は、従業員である営業の人たちがどこにいるのか、何をしているのか、顧客との間で問題が起きた時にどのように彼らと連絡をとるのか等、知る必要があります。上司はこの二人の営業マンに対決し、会社のニーズを強調する必要があります。対決的I-メッセージは以下のようなものになるでしょう。「あなたがデスクから離れて長い昼休みをとったり、営業回りから帰ってこなかったりする時、顧客が問題を抱えて電話して来たら、どのようにあなた方にコンタクトしたらいいかわかりません。私は多大なるストレスと不安を抱えることになります。」

上記の事例のように、二人の営業マンはオフィスに戻る代わりに、ポケモンGOをやっていたことを即座に認めました。この場合、ギア・シフトはかなり短くてよいでしょう。営業マンが勤務時間中に自分の居場所について説明責任を負っていることを担保する方法を見つけるためには、メソッドⅢが主要なツールになるでしょう。勤務時間中にゲームをすることに対する、より厳しい時間要件や禁止事項が決められる結果になるか否かはわかりません。より厳しい時間要件や禁止事項が最終結果であると仮定するなら、全てのメソッドⅢのプロセスは無効になり、二人の従業員は会社への貢献が全く感謝されず、報酬が与えられないと感じるでしょう。ですから、問題が解決されると事前に仮定しない方がいいと思います。ブレーンストーミングの時に挙げられる解決策全てに対してオープンでいましょう。ステップとステップの間では必要に応じてギア・シフトをし、プロセスが自然と結論に到達していくようにします。会社のニーズにフォーカスしつつ、そのニーズが満たされるための代替的選択肢をシャットアウトしないで下さい。
 
拡張現実ゲームは、レジャー活動がどのような形態であっても、なくならないでしょう。それらは今よりさらに普及するでしょうし、ポケモンGO以上に対立を生み出すことでしょう。ゴードン・モデルは、職場や家庭、あるいは私たちの地域でこのような対立を解決するための最善のツールです。

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[ニュースレター] 2019年5月号

─2019年5月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.13」

Date: May 30, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

どのような人になりたいか?パート2

 

言うまでもありませんが、コミュニケーションで自己一致しているリスクはあります。そして、あなたはそのリスクを負うことができるか否かを真剣に考慮するべきです。自分のイメージをあなたが現実にそうであるように、オープンで、正直で、率直なリーダーになろうとすれば、あなたは本当の自分を他人にさらけ出すリスクを負います。I-メッセージの送り手は、自分自身に対しても他人に対しても「透き通ってリアル」です。人々はありのままの自分であることに勇気をもたなければなりません。つまり、人生のどの瞬間にも、感じたまま、考えたままに意思疎通(コミュニケーション)しなければなりません。そして、それに対するリスクはあります。もし、あなたが他人に対して心を開くなら、本当のあなたを知られてしまいます!他人にあなたの本当の姿を知られてもいいですか?

相手の言うことに耳を傾けるリーダーになろうとすれば、他にもリスクがあります。既にご存知の通り、アクティブ・リスニングはもっぱら話し手のメッセージにのみ注意を払うため、あなたは一時的に自分自身の考え、感情、評価、判断を保留しなければなりません。相手の話を正確に理解することが要求されます。あなたが話し手の意味する観点からメッセージを理解しようとするなら、あなたは話し手の立場(相手の価値判断の枠組みや相手にとっての現実世界)にあなた自身を置いてみなければなりません。そうしたときにのみ、話し手の意図した意味を聞き取ることができるのです。

 

アクティブ・リスニングの「フィードバック」は、あなたのリスニングの正確性をチェックする最終手段に過ぎません。それは、話し手にあなたが理解したということも確実に伝えます。

アクティブ・リスニングは、それ自身リスクを負っています。アクティブ・リスニングを行う人に何かが起こります。相手がどう考え、感じているかを正確に理解し、一時的に自分を相手の立場に置いて相手が見ているように世界を眺めてみると、あなた自身の意見や態度が変化してしまうリスクがあります。

人々は本当に理解したことによって変化することがあります。他人の「経験にオープン」であると、あなた自身の経験を再解釈しなければという気になります。他の人たちに耳を傾けられない人たちは「防衛的」です。なぜなら、そのような人たちは、自分とは異なる考えやモノの見方に自分をさらす余裕がないからです。

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[ニュースレター] 2011年8月号

─2011年8月号─「問題のないエリアで『生きる』3つの方法」

L.E.T.修了者の皆さま

皆さんも夏をエンジョイしていることと思います。でも、もう8月なんて信じられません! 🙂

多分、友達か夫(妻)、子供たちと旅行をしたのでしょうね。広い高速道路で、髪を風になびかせて走っているか、アルファベット・ゲームをしたりラジオから流れる歌に合わせて歌ったりしているのでしょう。人生は楽しいものです。

あなたは前方に歴史的スポットを見つけます。そこで、「これ、見てみましょう」とあなたは言います。高速道路を下りるとすぐに、あなたの友達や大切な人たちが「なんでこんなところで止まるの?早くホテルに行きたいのだけど。」と文句を言います。そして、子供たちが大声で次に誰がビデオ・ゲームをやるのかケンカを始めます。あなたの至福の時が突然終わってしまいます。

このような出来事は回避できますか?『はい』というのが簡単な答です。このような口論や対立が起こるのを最初から回避する3つの方法があります。

方法#1 – 予防的I-メッセージ:

あなたから大切な人たちに: 「私だって時には何かが面白そうだと思ったら自由に止まってみたりしたいわよ。そうすれば旅行も私にとってもっとリラックスした楽しいものになるでしょ?」
あなたから子供たちに: 「あなたたちは車の中で遊べるものがたくさんあるでしょ。今から何を持っていくか考えておくというのはどうかしら?そうすれば、車の中にいる時私は運転に集中できるし、あなたたちも楽しく過ごせるでしょ?」

方法#2 – 宣言的I-メッセージ:

あなたから、車に乗っている家族全員に:  「私はみんなと一緒にこの旅行ができることを嬉しく思っているわ――すごく楽しいわ」

方法#3  感謝のI-メッセージ:

あなたからあなたの子供たちに:  「あなたたちがいつ何で遊ぶかについて自分たちで協力して解決してくれると、私はリラックスして運転でき、この旅行を楽しむことができるわ」
あなたから大切な人たちへ:  「時折車を止めてもいいと言ってくれて、私は本当に感謝しているわ。予定を時々変更させてくれるから、休暇っていう感じがするわ」

これらの異なるタイプのI-メッセージは職場や家庭など、どこでも使えます。私はこのような種類のI-メッセージで何度対立や論争を回避してきたかわかりません。この種のI-メッセージは90%の確率で私を『問題のないエリア』に留まらせてくれます。このタイプのメッセージは私たちに人間関係を構築し強化する機会を創ってくれます。人間関係構築・強化――それがすべてではないでしょうか?

あなたはいかがお考えですか?

Sent by Michelle Adams, VP of Gordon Training Int’l.

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[ニュースレター] 2014年8月号

─2014年8月号─「オフィスでの友情が思わぬ面倒を引き起こす時、どうすべきか」

Date: August 12th, 2014
Blog Post by: Scott Seroka

 私たちの組織のプロフィールに合う適切なカルチャーを築くことの重要性を私たちは何度聞いてきたことでしょうか?あなたが私のようであれば、多分嫌というほど何度も聞いてきたのではないでしょうか。適切なカルチャーを築くということは小さな課題ではありません。似たような価値観、信念、態度、倫理観を持った人を探して採用しなければなりません。どうしてこれはそんなに重要なのでしょうか?類似性を持ち合わせた人の方が、相違点が多い人よりも一緒に上手くやれるので、より生産的になります。このような人たちを週40時間以上一緒に働かせてみて下さい。友情が必然的に芽生えます。ほとんどは厳密にいえばプロフェッショナルなものですが、友情のいくつかはより個人的で長期的な人間関係に発展することがあります。

 友情が同じヒエラルキーのレベルで築かれている限り、それはそれでいいですし、素晴らしいことです。しかし、強い個人的な友情がマネジャーと従業員の間で築かれ始めると、危険でリスキーなラインが交錯します。そのような人間関係は時として持続不可能で崩壊の一途をたどることになります。6つの明らかな理由からラインを定義し、それをまたがないと決めるのはマネジャー次第です。
1.         従業員が上司にお世辞を言ったり、自分のアジェンダを押し通すために近づいたりするテクニックには馴染みがあるでしょう。時々、このお世辞を言う行為はとてもあからさまですが、それ以外の時には賛辞、態度、行動がとても誠実で信ぴょう性のあることがあります。人事考課をしたり、昇給や減給を決めたり、昇進や降格を言い渡すリーダーとしては、そのようなことを色々されることもあるでしょう。あなたは相手が何を言うかわかっています。そういうことを言う人を嫌ってはいけません。そのようなゲーム自体を嫌って下さい。
2.         どんなにあなたが隠そうとしても、『オフィス・ロマンス』は他の人には明らかです。オフィスでの友達にあなたがしてあげること、例えば、昇進させるなどは全て、えこひいきとみなされます。相手がどんなに昇進等に値する人だとしても。人間関係を分裂させてしまい、あなたの人生が困難な状況に陥り、あなたの品位が問われかねません。
3.         あなたの上司があなたの友情を察知すると、上司からあなたへの信頼が疑問視され、会社でのあなたの将来に影響を与えかねません。
4.         あなたのオフィスでの友達がカジュアルな態度になった時、例えば、会議に遅れてくる、標準以下のパフォーマンスをする、態度が急変する時など、あなたは否応なく是正措置を取らざるを得ない立場に立たされます。もし対決することに問題を感じるなら、この是正措置は一層難しくなるでしょう。
5.         予算カットのためあなたの友達を解雇しなければならない日が来たら、あるいは、パフォーマンス関連の問題で解雇しなければならない日が来たら、友情が終わってしまうだけでなく、必要以上にあなたのことを知ってしまった人を怒らせてしまいます。その人はあなたに対してどんな情報を突きつけてくるか知れない、あなたの評判を傷つけ、他の人との人間関係に影響が及ぶかも知れないとあなたは心配になるでしょう。それはあなたにとっては必要のないレベルのストレスです。
6.         もしあなたが実際には遊ばれていたことに気づいたなら、あなたへの信頼や評判がダメージを受けるでしょう。恥ずかしいという気持ちを忘れないで下さい。

 もしあなたがこのような状況に置かれたなら、最善の行動は厳密にプロフェッショナルな理由により、礼儀正しく後退することです。このような上司と部下の時間外での仲間関係はよくありがちですが、それと同様によくありがちなのは、そのような人間関係が厄介な関係に陥ったり、上司が自分の職場を追われたり、ひどい時は悪評がたったりすます。これらは、誰も扱うことができないタイプの友情です。

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[ニュースレター] 2017年8月号

─2017年8月号─「世界的な価値観の衝突が職場に入り込んできたとき」

Date: August 31st, 2017 | BY Brian K. Miller
 
 私たちの生きている世界は今、深刻な価値観の衝突で満ちています。多くの場所で、価値観の衝突は激しい対立へと続きます。例えば、イスラム教徒によるテロは田舎地方にあるアラブ世界とグローバル経済の現代世界の間の中核になる価値観の衝突から始まっています。最近アメリカ合衆国では、いくつかの都市でドナルド・トランプ大統領を支持する人たちとドナルド・トランプ大統領はファシズム支持の独裁者であると信じている人たちとの間で暴動が起きています。日本を脅かす一つの価値観の衝突は、社会主義の韓国政府が同盟国であるアメリカ合衆国によって支持されていることに対抗して、北朝鮮の支配者である金正恩総書記が攻撃的な態度をとっていることです。このようなグローバルな価値観の衝突に関して、個人ができることはほとんどありません。あなたと私が直面する問題は、このようなグローバルな価値観の衝突が職場にまで進出する場合です。

 日本では私生活での倫理感は、職場では完全に分離されることが要求されるという思い込みが前提にあります。日本にいる多くの人たちは、職場で個人的な価値観について話すことを避けます。個人的な価値観について会話を始めようと試みるだけで、上司からの逆襲にあう羽目になるかもしれません。これはメソッドⅠの形式です。トップダウンで権力に基づくリーダーシップです。価値観の衝突が手に負えない問題になるのを回避する一助にはなりますが、憤りを生み出し、職場環境に更なるストレスを加えることにもなります。このストレスを軽減し、優秀な社員をキープし、より良い職場環境を生み出すためには、価値観の衝突を管理する多様で異なるスキルを習得することは役に立ちます。

 ゴードン・モデルでは、価値観の衝突に対処するいくつかの異なるスキルを識別し、それらをヒエラルキーで整理しています。ヒエラルキーの上の方にあるスキルは価値観の衝突を鎮圧するのに非常に効果的ですが、それらは深刻な憤りを生み出します。ヒエラルキーの下の方にあるスキルは、時として価値観の衝突で分裂を引き起こしますが、それらは憤りを最小限に抑え、人々が自分たちの個人的な価値観について自由に議論できる環境を生み出します。
 
権力を使う 偽りの受容 価値観を変えないで行動を問題解決する コンサルタントになる 対決とリスニング 予防的に教える モデリング あなた自身の価値観を変える 変えられないものを受けとめる(違いを受容する)  
ダメージが少なく、人々が自分たちの問題を自由に議論することができるオープンな環境を生み出すので、私は5番の対決とリスニングにフォーカスしたいと思います。

 異なる個人的な価値観をもつ人に対決することは、いろいろな意味で全てのゴードン・モデルの中でマスターすることが最も難しいスキルです。直感的には、常に私たちの倫理感と異なる倫理的モデルを持つ人は誰であっても拒否したくなります。私たちはそういう人たちを信頼できない、不自然な、ことによると正気とは思えない人と捉えます。私たちの個人的な価値観は他の全ての価値観より優れていると常に思っています。私たちがこの前提を職場に持ち込むとき、不愉快に思う人たちを私たちは避けます。残念ながら、時として私たちは嫌いな人と特定のプロジェクトに取り組まざるを得ないことがあります。その場合はどうしたらよいでしょうか?
まず、その人に対決します。

 「北朝鮮には核ミサイルを開発して維持する権利があるとあなたが言う時、私はギクリとさせられます。何故ならば、それらのミサイルが日本を狙っているのではないかと心配だからです。」
ここで、あなた自身の防衛や恐怖、心配について考えるのは止めましょう。相手の話を聴きましょう。相手の論理、事実、彼らが自身の意見をどのように支持しているのかについて注意を払いましょう。この人はあなたではないことを認識するのに足りるほどの共感を示しましょう。彼らはあなたではないのですから、彼らは信じたいと思うことを何でも信じていいのです。彼らの意見の中に価値を見つけましょう。良い点を見つけ、認識しましょう。

 「そうですね。良いポイントですね。どの国も自己防衛する権利がありますね。私は、核ミサイルは防衛的な武器だとは思いません。核ミサイルのたった一つの目的は攻撃して破壊することです。」
相手に同意する必要はありません。しかし、判断を下さず、批判しないで相手に意見を表明してもらうことは常に重要です。相手を攻撃しないで、あなたの個人的な価値観を防衛しましょう。

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[ニュースレター] 2009年9月号

─2009年9月号─「ゴードン博士の『ゴードン・モデル』について」

L.E.T.修了者の方々へ

今月のニューズレターの題材を探している時、偶然にこの記事に出会いました。これはゴードン博士によって書き表されたもので、職場でのゴードン・モデルの目的についての概要がよくわかります。―あなたはどう感じたか教えてください!

『人間的要素が最も大切であることをすでに認識し、組織でよい人間関係が保たれるのを受容しているリーダーにとって、このモデルは貴重なスキルと方法を提供することになるでしょう。

権力によって人々に破壊的な結果をもたらすのを避けたいのであれば、このプログラムの中には力によらない選択肢が数多くあることに気づくでしょう。

あなた自身がすべての意思決定をすることを止めたいのなら、意思決定をするチームの育て方を見つけ出すでしょう。

あなたがグループメンバーに良い影響を与えるのと同様に彼らもあなたに良い影響を及ぼすようなオープンで率直な互いのコミュニケーションを望むのなら、アクティブ・リスニングとI-メッセージのスキルを身につけることで達成できるでしょう。

最終ポイント:このプログラムでは決して行わないことが1つあります。それは特定の成果や結果をこのモデルから予想することです。ゴードン・モデルは方法論だけを教えています。

これらを使ってみると、あらゆる要素が影響し、違った結果がそれぞれの職場で達成されるでしょう。あらゆる要素とは、組織が行っていること、その中で働いている人々のタイプ、組織における経済的・財政的な限界などを指します。』

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[ニュースレター] 2012年7月号

─2012年7月号─「あなたは査定がどれくらい「好き」ですか?なくなればいいのにと思いませんか?」

L.E.T.修了者の方々へ

リーダーシップ・スタディに特化している社会科学者は一般的に生産性の高いグループにはグループ・メンバーに高いレベルのモラールやモチベーションを育成する能力のあるリーダーがいると言っています。組織で最も効果的なリーダーは、アンフェアで不可能な結果をグループ・メンバーに要求せず、組織のトップ・マネジメントの目標や要求を実現させます。これらのリーダーが示す行動パターンは共感的リスニング、非難しないI-メッセージ、参加型意思決定、各グループ・メンバーの個々人のニーズを考慮する等々の基本的リーダー・メソッドに留まりません。
 
つまり、敬意をもって部下を扱い、フラストレーションの根源を取り除くだけではグループの生産性や達成率を最大限にするには十分ではありません。効果的なリーダーは目的を達成し、良い人間関係を維持することの両方に特化していなければなりません。このようなリーダーはグループ・メンバーに対して組織の生産性の目標の重要性やこれらの目標がどのようにグループ・メンバーひとりひとりに影響を与えるかを伝えます。リーダーが生産性の目標を伝える時の行動や態度は、グループ・メンバーがどうそれらの目標を受け入れ、達成されるかを決定づけます。
 
良い人間関係スキルはこのようなレベルの成功を収めるのに重要な役割を果たします。もしリーダーがグループからのインプットを許さず、組織の目標をグループに押し付けるなら、あるいは、リーダーが組織が設定した目標に対するグループ・メンバーの考えや気持ちを聞きもせず考慮もせず、生産性目標を達成できない時にはペナルティを課すだけならば、グループ・メンバーはリーダーからも組織からも利用されているだけだと感じるでしょう。グループ・メンバーは組織と不公平な関係であると感じ、組織の生産性目標達成の意欲がなくなるでしょう。
 
一方、組織が本当にグループ・メンバーのニーズに配慮して、尊敬の念をもって組織が対応していると確信するなら、組織が不公平な要求を押し付けているとは思わないでしょう。査定の効果的な方法を開発し、グループ・メンバーが生産性目標を達成した時に実際に目で見てわかる報酬を与えることは組織の効果的リーダーが示すべき重要なスキルです。
 
グループ・メンバーはしばしば査定を恐ろしいものと感じています。切迫した運命みたいな感覚は、リーダーと組織に対する嫌悪感に通じているかもしれません。もちろん、リーダーもルーチンの査定を恐れるようになります。次回は、通常の査定のやり方の欠陥がどのようにリーダーの役割を複雑にしているのかを指摘し、ルーチンの査定を行う新しい方法を紹介します。この新しい方法は『定期的プランニング・カンファレンス』と呼ばれています。リーダーがルーチンの査定を人間関係強化のためのツールに変化させ、チーム・メンバーが自分の生産性を最大限に引き出す学習の手助けをします。

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[ニュースレター] 2015年9月号

─2015年9月号─「あなたは対立を解決するために権力を使いますか?」

Date: September 15th, 2015
Blog posted by:  Michelle Adams

 皆さんもご存知の通り、対立解決法には異なる方法が存在します。権力に基づくものもあれば、そうでないものもあります。この記事を読んだ後、皆さんはどのタイプの対立解決法を選ぶでしょうか?
 
 以下は権力に依存するメソッドです(トーマス・ゴードン博士が開発した専門用語:メソッドⅠ、メソッドⅡ、メソッドⅢを使用します)。
 
– メソッドⅠ―あなたが勝ち、相手が負ける

 この問題解決のアプローチは、相手に解決策を強要する権力の行使に基づくものです。メソッドⅠを使う人は、基本的に『この人間関係においては、報酬 (++)と処罰 (- -)の形式を使って、私は権力を持っています。あなたが負けなければならないとしても、私が勝ちます。』と言っています。権力がない方の人は、一般的に『私はあなたの解決策を受け入れなければなりませんが、私に対して権力を使うことに憤りを感じます。機会があれば、あなたに復讐する方策を見つけます。』というスタンスです。

– メソッドⅡ―相手が勝ち、あなたが負ける

 許容することで問題解決するアプローチは、権力を持つ人が諦めて、相手の要求に従います。力関係が同じならば、一人がもう一人の要求を受け入れます。メソッドⅠとⅡは権力の行使を伴い、2つの状況では両方とも相手を復讐に燃える、憤る敗者にします。同等の力関係にある人たち(仲間、同僚)の間であっても、様々な形の個人的な権力によって一方的な解決策を引き起こすために使われます。

 メソッドⅠとⅡは両方とも以下の前提に基づいています。
1.      一方あるいは他方が報酬と処罰を与える権力を保持している。
2.      一人の人が個人的なニーズを満たすために、相手の力の原動力に依存している。
3.      権力を持たない人は、権力を所有している人を恐れている。
4.      人間関係で一人だけが自分のニーズを満たす。
5.      相手は、例えあったとしても、部分的なニーズの満足感しか得られない。
 
 以下は、権力を使わない方法です。

– メソッドⅢ―あなたが勝ち、相手も勝つ(No-Lose)

 メソッドⅢは、権力に基づくメソッドとは異なり、非常に異なる前提に基づいています。
1.      当事者双方のニーズは、どちらも等しく重要であるとみなされる。
2.      問題は、解決策ではなくニーズという観点で提案される。
3.      権力は極端な非常事態でない限り、使われない。
 
 ここでご紹介した通り、当事者双方の姿勢は、その力関係が同等であろうとなかろうと、民主的でお互いのニーズに配慮しています。『あなたのニーズと私のニーズの両方を満たす解決策を一緒に見つけましょう。お互いが勝ち、誰も憤った敗者にならないように。』と実質的に言っています。
 
 メソッドⅢのアプローチの主な強みは、人間関係を傷つけるのではなく強化します。誰も負けず、逆にお互いが勝ちます。憤りの感情や不公平感は、よって問題解決の過程で排除され、相互尊敬や当事者全員のニーズに対する気遣いに取って代わられます。
 
 メソッドⅠやメソッドⅡの結果に居心地の悪さを感じている多くの人々は、妥協という選択肢に頼ります。誰も負けないけれども、本当は誰も勝つこともありません。お互いにできる限り勝とうとし、できる限り負けないように努力します。このアプローチは、しばしばゴードン・モデルという選択肢『No-Lose対立解決法』である『メソッドⅢ』と混同されがちです。

 妥協すると、当事者双方が不満を感じる可能性があり、解決策は双方の間に立ちはだかる壁になるかも知れません。妥協策は実際にはトレードオフと約束からなっています。お互いに相手がこの妥協策における自分の提案部分をないがしろにしないか、注意してみていなければなりません。通常、解決策の『売買』が伴い、時としてニーズは特定されないままの場合があります。勝ち負けの懸念や感情がしばしば残ってしまいます。
 
 メソッドⅢでは、第一の大きな違いは態度です。お互いが満足するWin-Winな解決策を真摯に求める気持ちが、そこにはあります。第二に重要な違いは、ニーズは解決策の前に来ることです。解決策が考慮される前に、双方のニーズが特定され、明確にされます。

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