─2017年8月号─「世界的な価値観の衝突が職場に入り込んできたとき」
Date: August 31st, 2017 | BY Brian K. Miller
私たちの生きている世界は今、深刻な価値観の衝突で満ちています。多くの場所で、価値観の衝突は激しい対立へと続きます。例えば、イスラム教徒によるテロは田舎地方にあるアラブ世界とグローバル経済の現代世界の間の中核になる価値観の衝突から始まっています。最近アメリカ合衆国では、いくつかの都市でドナルド・トランプ大統領を支持する人たちとドナルド・トランプ大統領はファシズム支持の独裁者であると信じている人たちとの間で暴動が起きています。日本を脅かす一つの価値観の衝突は、社会主義の韓国政府が同盟国であるアメリカ合衆国によって支持されていることに対抗して、北朝鮮の支配者である金正恩総書記が攻撃的な態度をとっていることです。このようなグローバルな価値観の衝突に関して、個人ができることはほとんどありません。あなたと私が直面する問題は、このようなグローバルな価値観の衝突が職場にまで進出する場合です。
日本では私生活での倫理感は、職場では完全に分離されることが要求されるという思い込みが前提にあります。日本にいる多くの人たちは、職場で個人的な価値観について話すことを避けます。個人的な価値観について会話を始めようと試みるだけで、上司からの逆襲にあう羽目になるかもしれません。これはメソッドⅠの形式です。トップダウンで権力に基づくリーダーシップです。価値観の衝突が手に負えない問題になるのを回避する一助にはなりますが、憤りを生み出し、職場環境に更なるストレスを加えることにもなります。このストレスを軽減し、優秀な社員をキープし、より良い職場環境を生み出すためには、価値観の衝突を管理する多様で異なるスキルを習得することは役に立ちます。
ゴードン・モデルでは、価値観の衝突に対処するいくつかの異なるスキルを識別し、それらをヒエラルキーで整理しています。ヒエラルキーの上の方にあるスキルは価値観の衝突を鎮圧するのに非常に効果的ですが、それらは深刻な憤りを生み出します。ヒエラルキーの下の方にあるスキルは、時として価値観の衝突で分裂を引き起こしますが、それらは憤りを最小限に抑え、人々が自分たちの個人的な価値観について自由に議論できる環境を生み出します。
権力を使う 偽りの受容 価値観を変えないで行動を問題解決する コンサルタントになる 対決とリスニング 予防的に教える モデリング あなた自身の価値観を変える 変えられないものを受けとめる(違いを受容する)
ダメージが少なく、人々が自分たちの問題を自由に議論することができるオープンな環境を生み出すので、私は5番の対決とリスニングにフォーカスしたいと思います。
異なる個人的な価値観をもつ人に対決することは、いろいろな意味で全てのゴードン・モデルの中でマスターすることが最も難しいスキルです。直感的には、常に私たちの倫理感と異なる倫理的モデルを持つ人は誰であっても拒否したくなります。私たちはそういう人たちを信頼できない、不自然な、ことによると正気とは思えない人と捉えます。私たちの個人的な価値観は他の全ての価値観より優れていると常に思っています。私たちがこの前提を職場に持ち込むとき、不愉快に思う人たちを私たちは避けます。残念ながら、時として私たちは嫌いな人と特定のプロジェクトに取り組まざるを得ないことがあります。その場合はどうしたらよいでしょうか?
まず、その人に対決します。
「北朝鮮には核ミサイルを開発して維持する権利があるとあなたが言う時、私はギクリとさせられます。何故ならば、それらのミサイルが日本を狙っているのではないかと心配だからです。」
ここで、あなた自身の防衛や恐怖、心配について考えるのは止めましょう。相手の話を聴きましょう。相手の論理、事実、彼らが自身の意見をどのように支持しているのかについて注意を払いましょう。この人はあなたではないことを認識するのに足りるほどの共感を示しましょう。彼らはあなたではないのですから、彼らは信じたいと思うことを何でも信じていいのです。彼らの意見の中に価値を見つけましょう。良い点を見つけ、認識しましょう。
「そうですね。良いポイントですね。どの国も自己防衛する権利がありますね。私は、核ミサイルは防衛的な武器だとは思いません。核ミサイルのたった一つの目的は攻撃して破壊することです。」
相手に同意する必要はありません。しかし、判断を下さず、批判しないで相手に意見を表明してもらうことは常に重要です。相手を攻撃しないで、あなたの個人的な価値観を防衛しましょう。
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