─2009年1月号─「あなたの『自由の領域』は何ですか?」
L.E.T.ワークショップ修了者の方へ
以下はトマス・ゴードン博士著の“Leader Effectiveness Training” から引用したものです。皆さんがゴードン・モデルのプログラムのどれを受講したとしても当てはまると感じることだと思います。問題解決する気満々であれば、もの凄く役立ちます。あなたもそれを実感できることを願っています。
No-Lose 解決法を、対立した状況下でリーダーがすべての人に(もちろんリーダーも含みます)権限委譲することだと考えると、リーダーは実際には自分が持っている意思決定の権限以上のものを委任することができないのは明らかです。
製品の価格に関しては企業の経営陣によって事前に決定されている場合、営業チームのスーパーバイザーは、その製品についてどれだけの金額で顧客に販売すべきかをめぐる対立にNo-Lose対立解決法を使うべきではありません。よってスーパーバイザーの自由になる領域からは外れています。月給からどのくらい所得税を天引きするか(連邦法)とか、消費税をどのくらい顧客が支払うかも同様です(州法)。
どんなリーダーであっても、意思決定の自由度には限界があり、問題解決プロセスを通して交渉できる問題の数には制限があります。No-Lose 対立解決法についての多くの誤解の原因は、この現実に対する理解不足です。例えば、 “リーダーは彼らとグループメンバーとのすべての違いや不一致を問題解決するのはとても無理だろう”という見地で、ワークショップで幾人かのリーダーはメソッドⅢの考えに抵抗します。もちろん、無理に決まっています。試す必要もありません。多くの問題点はリーダーの権限外であり、それゆえに話し合いで解決できないのです。
以下の四角形はリーダーの自由の領域のすべてだと仮定してください。(本当に全く制限がない場合)
※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。
リーダーの権限の多くは連邦法によって制限されています。–例えば、最低賃金法:
※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。
州法による制限があります。–例えば労働者は作業場では保護眼鏡をつけなければならない、又は、一日8時間を超した労働時間はどれも時間外労働とみなされる。
※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。
もちろん労働時間や休憩の回数が就業規則に記されているものもあります。
※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。
その上、部長たちは、彼らの上司の方針に従わされ、監督者は彼らの上司の方針に従わされるといった具合です。
現実として、殆どのリーダーは比較的小さな範囲での権限しか持っていません。このより小さな権限の中で彼らは従業員に対してNo-Lose 対立解決法を使っています。組織での地位が低ければ低いほど、この自由の領域は小さくなります。
このような観点である問題について考える手助けとして、ここにいくつかの質問を用意しました。自分自身やあなたのグループに問いかけてみてください。
1. この問題に取り組む自由の領域が私(私たち)にはありますか?
2. 6つのステップのうち、いくつが私(私たち)の自由の領域にありますか?
3. どのような決定や行動が私(私たち)の自由の領域の外にありますか?
4. 必要な自由の領域は誰が持っていますか?
5. 私(私たち)は今、その人に入ってもらいましょうか?それとも後で?
もしリーダーの権限が及ばないところでグループが問題に巻き込まれ、その中で対立が生じていたら、リーダーは何ができるでしょうか?いくつか提案してみます。
1. 問題が交渉不可であることおよびその理由をグループ・メンバーに伝えます。
2. 彼らにどのようなニーズがあり、何故それが満たされないのかをよく理解するために、彼らの不平をアクティブ・リスニングします。
3. もっとよい方法について彼らにアイデアを出すよう勧めてみましょう。
4. あなたが同意するなら、組織の中でその改革案の主張を買って出ることができます。
5. もし上司からその案が断られたら、グループに戻りその理由を彼らに話してください。そして彼らの気持ちをアクティブ・リスニングします。
最後の2つは重要な原則を含んでいます。リーダーがグループ・メンバー(直属の上司のマネージメント・グループにおいて)に対して強くもなく有能でない主張者だと、強く有能な主張者であるリーダーの場合に比べて、従業員の士気は下がり生産性も落ちる、と研究が示しています。このことは私がかねてよりずっと強調していたことが間違いないことをはっきりとさせています。有能なリーダーとはグループのメンバーによって、彼らのニーズを満たすことができるとみなされる人です。そのような訳で、チームメンバーのことをより高い経営層レベルに対して十分に表現しないリーダーは愚かであり、彼らが必要な物を与えることのできないリーダーだと思われてしまいます。
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