[ニュースレター] 2019年5月号

─2019年5月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.13」

Date: May 30, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

どのような人になりたいか?パート2

 

言うまでもありませんが、コミュニケーションで自己一致しているリスクはあります。そして、あなたはそのリスクを負うことができるか否かを真剣に考慮するべきです。自分のイメージをあなたが現実にそうであるように、オープンで、正直で、率直なリーダーになろうとすれば、あなたは本当の自分を他人にさらけ出すリスクを負います。I-メッセージの送り手は、自分自身に対しても他人に対しても「透き通ってリアル」です。人々はありのままの自分であることに勇気をもたなければなりません。つまり、人生のどの瞬間にも、感じたまま、考えたままに意思疎通(コミュニケーション)しなければなりません。そして、それに対するリスクはあります。もし、あなたが他人に対して心を開くなら、本当のあなたを知られてしまいます!他人にあなたの本当の姿を知られてもいいですか?

相手の言うことに耳を傾けるリーダーになろうとすれば、他にもリスクがあります。既にご存知の通り、アクティブ・リスニングはもっぱら話し手のメッセージにのみ注意を払うため、あなたは一時的に自分自身の考え、感情、評価、判断を保留しなければなりません。相手の話を正確に理解することが要求されます。あなたが話し手の意味する観点からメッセージを理解しようとするなら、あなたは話し手の立場(相手の価値判断の枠組みや相手にとっての現実世界)にあなた自身を置いてみなければなりません。そうしたときにのみ、話し手の意図した意味を聞き取ることができるのです。

 

アクティブ・リスニングの「フィードバック」は、あなたのリスニングの正確性をチェックする最終手段に過ぎません。それは、話し手にあなたが理解したということも確実に伝えます。

アクティブ・リスニングは、それ自身リスクを負っています。アクティブ・リスニングを行う人に何かが起こります。相手がどう考え、感じているかを正確に理解し、一時的に自分を相手の立場に置いて相手が見ているように世界を眺めてみると、あなた自身の意見や態度が変化してしまうリスクがあります。

人々は本当に理解したことによって変化することがあります。他人の「経験にオープン」であると、あなた自身の経験を再解釈しなければという気になります。他の人たちに耳を傾けられない人たちは「防衛的」です。なぜなら、そのような人たちは、自分とは異なる考えやモノの見方に自分をさらす余裕がないからです。

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[ニュースレター] 2019年6月号

─2019年6月号─「地位に就くだけではリーダーではない」

Date: June 30, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 グループのリーダーになると、どうしてもグループ・メンバーとの関係に顕著な変化が生じてきます。以前は仲間や友人であった人たちが、突然あなたに対する態度を変えてしまいます。あなたは彼らの「上司」であり、彼らはあなたの「部下」なのです。つまり彼らが「あなたにご報告を申し上げる立場」となって、あなたは「責任を負う立場」となるのです。

 あなたがそのグループのリーダーになるために外部から連れてこられたのだとしても、広い範囲の好ましくない反応――たとえば、疑惑、不信、敵意、おべっか、消極的抵抗、不安に遭遇するのだという覚悟をしておきましょう。そして、中にはあなたが新しい仕事に失敗して面目丸つぶれになるのを、見たがっている人がいるという可能性を忘れてはいけません!

 人間というものは、本来備わっているこのような否定的な反応パターンを自然にとるものです。こうした態度は、子供の時に学習します。リーダーは、それぞれのグループ・メンバーの「インナーチャイルド(内なる子供):子供時代の経験」を受け継ぎます。なぜならば、私たちには、過去に子供だったという歴史があり、様々な大人たちと親密に多数の人間関係を持ってきたからです。その大人たちというのは、両親、祖父母、学校の先生、コーチ、ボーイスカウトのリーダー、ピアノ教師、校長、そしてもちろん悪名高い教頭もそうです。このような大人たちは全員例外なく、私たちが子供だった時代に権力と権限を持っており、そのほとんどが権力と権限を頻繁に行使してきます。そのため子供たちは皆、このような「権力者」に上手く対処するために、いろいろな行動を試みるものです。彼らのコーピング・メカニズムには効果的なこともあれば非効果的なこともあります。上手くいく対処法は何度も何度も使われ、子供たちをコントロールして支配しようとする他のすべての大人たちへの習慣的な反応になるのです。

 このようなコーピング・メカニズムは、子供たちが思春期に入っても、成人期に入っても、めったに捨てられることはありません。それらは引き続き必要不可欠な大人の人格の一部として残り、権力や権限を持っている人と人間関係を構築する際に呼び起され、あるいは無意識のうちに誘発されます。ですから、すべての大人たちは本質的に「インナーチャイルド(内なる子供):子供時代の経験」を心に抱いており、それはリーダーへの反応に非常に強く影響するのです。

 権力者と無理やり新しい関係に突入する時、人びとは生涯にわたって自然と習慣になっている同じコーピング・メカニズムを使っています。これが、新しいリーダーがグループ・メンバーそれぞれの持つ「インナーチャイルド(内なる子供):子供時代の経験」を引き継ぐ理由です。彼ら独特のコーピング・メカニズムは既に現在しており、すぐにでも使用可能な状態にあります。リーダーがコーピング・メカニズムを引き起こすきっかけを作っているのではありません。それにも関わらず、グループ・メンバーは最初ほとんどのリーダーを管理者もしくは支配者としてみなすので、リーダーに権力や権限を行使するつもりがなかったとしても、グループ・メンバーはこのような反応を示すのです。

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[ニュースレター] 2019年7月号

─2019年7月号─「地位に就くだけではリーダーではない②」

Date: July 27, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

以下のリストの中のコーピング・メカニズムの多くは、皆さんも覚えがあるはずです。子供の頃に最も頻繁に使っていた特定のコーピング・メカニズムや、大人になった今でも使っているコーピング・メカニズムを確認したくなるでしょう。

 

  1. 抵抗、挑戦的態度、謀反、否定主義
  2. 憤り、怒り、敵意
  3. 攻撃、報復、反撃、権力者への嘲笑
  4. 嘘をつく、感情を隠す
  5. 他人を非難する、告げ口をする、騙す
  6. 支配する、威張る、弱い者いじめをする
  7. 勝ちにこだわる、負けず嫌い、完璧主義
  8. 同盟を組む、権力者に抵抗する組織をつくる
  9. 服従、従順、追従、おべっか
  10. 権力者にへつらう、ご機嫌をとる
  11. 同調、新しいことや創造的なことへの恐れ、事前に成功の保証を求める、権力者への依存
  12. 引きこもる、逃避する、空想をめぐらせる、退行する
  13. 病気になる
  14. 泣く

 

なぜ、リーダーになっただけでは成功したとは言えないのかが、よりはっきりしてきたでしょうか?事実上、リーダーという地位をつかんだぞ!ということは言えるかも知れません。たとえあなたがグループのリーダーシップをとる機会を得る前であっても、グループ・メンバーの目には、あなたは潜在的な管理者や支配者という新しいアイデンティティを持った人物として映るのですから。そして、あなたが権力と権限を実際に行使する前から、グループ・メンバーはすでにこれらのコーピング・メカニズムを組み合わせて使用することで対処する準備ができており、そうするようプログラムされているのです。

 もちろん、私はリーダーを志している人を落胆させるつもりはありません。むしろ、リーダーとグループ・メンバーとの間の人間関係を左右する独特のダイナミクスについて、私はただただ現実的でありたいのです。第一に私はこの本の論点を強調したいと思いますが、リーダーという地位にいるだけではリーダーとは言えません。なぜなら、リーダーは自動的にグループ・メンバーから尊敬され、受容されるわけではないからです。ですから、グループのリーダーシップを発揮して、グループ・メンバーにポジティブな影響を与えるためには、リーダーは特定のスキルとメソッドを学ばなければなりません。

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[ニュースレター] 2019年8月号

─2019年8月号─「地位に就くだけではリーダーではない③」

Date: August 12, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーとは何か?

 

「リーダーは育てられるものではなく、生まれつくもの。」社会科学者がわずか60 年~70 年前にリーダーシップを徹底的な調査の正当なテーマにし始めるまでは、ほとんどの人がそう考えていました。その昔、リーダーとなる人があまりにも頻繁に恵まれた同一の家系から出現していたことから、ほとんどの人がリーダーシップは受け継がれるものだと考え、社会的に根強い階級差別があったことから、誰でもがリーダーになれるわけではありませんでした。階級差別が撤廃され、リーダーが社会のあらゆる階層から出てくるのが明らかになると、リーダーシップは優秀な遺伝子を持って生まれたり立派な家庭から生まれたりするよりも、もっと複雑なものであるということが常識になりました。

遺伝子の適切な組み合わせでリーダーが生まれるわけではないとすれば、恐らく、すべてのリーダーはしつけや教育を通して習得した特定の特性や特徴を持ち合わせているのではないでしょうか。この考え方によってリーダーの普遍的な特性の調査が始まりました。しかし、何百という研究によって、リーダーとそうでない人との間には何の特性の違いもないということが判明し、リーダーシップがリーダーの中に備わっている特定の属性の産物であるという仮説は消えてなくなりました。

社会科学者たちが、リーダーとフォロワーとの間のインタラクションという観点でリーダーシップを調べ始めた時、大きな進展が見られました。結局のところ、リーダーの影響を受け入れるのも、拒否するのも、最終的にはフォロワーなのだと結論付けました。肝心かなめの問題は、次のようなものに変わりました。それは、どのような理由からフォロワーが受け入れたり、拒否したりするのか?このインタラクションの中で何が起きているのか?というものです。

フォロワーがいなければ、リーダーになれないのは明らかです。グループ・メンバーが、あなたの影響や指導、指示を受け入れようとしなければ、そう長くはリーダーとしていられないでしょう。しかし、リーダーはどのようにしてフォロワーの心をつかむのでしょうか?この基本的な質問の答えは、私たちが、すべての人間が持っているニーズを理解し、それらのニーズを満たすために努力する時に初めて、はっきりとわかるのです。

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[ニュースレター] 2019年9月号

─2019年9月号─「地位に就くだけではリーダーではない④」

Date: September 29, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーとは何か?

 

多少単純化し過ぎているかも知れませんが、下記に挙げるものが、リーダーがどのようにフォロワーの心をつかむのかについての説明となります。

 

  1. すべての人は生き延びるためにニーズを満たし、緊張を和らげようと絶えず努力をします。
  2. ニーズを満たすためにはちょっとした手段(道具、食べ物、お金、体力、知識、情報など)が必要です。
  3. 個人のニーズの大半は、人やグループとの人間関係で満足されます。だから、人やグループは、私たちがニーズを満たすために最も頻繁に頼る手段になります(私たちは自分たち自身の食べ物を育てないし、衣服も作らないし、教育も自分で施してはいません)。
  4. 人は、自分のニーズを満たしてくれる手段を持っている人との人間関係を積極的に探し求めます。
  5. 人びとがグループに加わるのは、そのようなメンバーシップが彼ら自身のニーズを満たす手段を提供してくれると期待するからです。逆に、ニーズが満たされなくなるとグループから離脱していきます。
  6. グループ・メンバーは、リーダーが彼らのニーズを満たす手段を持っている人だとみなした場合に限り、そのリーダーの影響と指導を受け入れます。人はニーズやウォンツ(欲望)を与えてくれると信じているリーダーについていきます(そして、命令にしたがって行動します)。

 

したがって、グループ・メンバーの観点から見て「リーダーについていく」ことで自分たちのニーズが満たされるということが約束される時に限って、リーダーはリーダーとしての地位に値し、維持することができるということになります。「リーダー・エフェクティブネス・トレーニング」の本では、リーダーがこの約束を現実のものにするために欠かせない重要な心構え、スキル、メソッド、そして手順を特定(明確化)し、説明しています。効果的なリーダーシップを身に付け、維持できるようになる人がいる一方、それができるようにならない人もいるということは、もはや不思議なことではありません。調査と観察を通じて、社会科学者たちは効果的なリーダーシップの重要な必要条件の多くを特定しました。私の狙いは、リーダーになりたい人により分かり易く、より使いやすくするために、この知識をまとめることです。

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[ニュースレター] 2019年10月号

─2019年10月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑤」

Date: October 22, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーのジレンマ

 

グループ・メンバー* のニーズを満たすことを通じてフォロワーの心をつかむことだけが効果的なリーダーシップのすべてではありません。反面では、リーダー自身も自分自身のニーズを上手く満たさなければならないのです。

グループ・メンバーのニーズを満たすためだけにリーダーシップのポジションに就きたいと思う人はめったにいません。リーダーも人間です。彼らもまた、地位、業績、より高い給料、承認、自尊心、保障、そして受容といった普通の人間としてのニーズを持っています。実際のところ、大抵はグループ・メンバーと同じニーズです。リーダーシップのポジションにいながら、これらのニーズを満たす方法が見出せなければ、その地位に長く留まりたいとは思わないでしょう。たとえ、リーダーが自分のニーズの多くが満たされないことがわかっていながら、我慢して長くその職を続けようとしても、すぐに、自分のグループ・メンバーのニーズが満たされるようすべきことを全力で努力しようとしても、それができない自分に気づくはずです。

 その説明は単純明快です。人は「お互いの利益」が得られると感じた時にのみ、他人のためになることに労力を使い続けます。人間関係において一方だけが利益を得るのには必ず限界があります。「魚心あれば水心」ということわざからも、この原則が理解できます。

 「満たされたコップの原則」もまた、ここでは作用しています。他人に与え続けることを可能にする(自分のコップから他人に水を飲ませ続ける)ためには、私は水が満たされたコップを持っていなければならず、また、水を補給し続ける(自分のコップを相対的に満たしておく)方法を見つけなければなりません。この原則の重要性については、援助を専門とするプロの間でよく理解されています。というのも、彼ら自身が私生活でのトラブルや、ニーズが満たされずに欠乏状態を経験している時、他人を援助する能力が非常に低下することに気づくからです。ですから、多くのプロのセラピストたちは、自分たちのコップを相対的に満たしておけるように、自分のためのセラピストを雇う必要性を感じているのです。

 

 

* この本を通して、私は「グループ・メンバー」「チーム・メンバー」「従業員」という言葉を同義語として使用しています。また、リーダーについても「スーパーバイザー」「マネジャー」「上司」など様々な用語を使用しています。「上司」という用語は私としては好ましくありませんが、通用性があり、使用しないというのも全く非現実的なので、この本でも使用しています。

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[ニュースレター] 2019年11月号

─2019年11月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑥」

Date: November 17, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーのジレンマ

 

また、組織内で働くすべてのリーダーたちの最も強いニーズの1 つには、自分自身の上司の目にはよく映りたいということもあるでしょう。リーダーの自尊心は上司からのインプットや評価に、その大部分が由来します。さらに重要なのは、リーダーが上司の期待や目標に沿わなかった場合(組織が目標を達成するための支援を効果的にしていると認められなかった場合)、彼らは降格や解雇といった脅威に晒されることでしょう。

 したがって、フォーマルな組織の中で働いているリーダーはジレンマに陥ります。彼らは、組織のニーズを満たすのと同時に、グループ・メンバーのニーズを満たさなければならないのです。そのための秘訣は、いかにして双方向からのニーズのバランスをとるかを学び、上司とグループ・メンバーの双方から効果的な人であると認められるようになることです。フォーマルな組織で働いたことのある人なら誰でも分かっていることですが、これは簡単な課題ではありません。なぜならば、組織のニーズが主に生産性と効率性の向上である一方、グループ・メンバーのニーズは、時として生産性や効率性の向上をめざすためのプレッシャーに抵抗することだからです。

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[ニュースレター] 2019年3月号

─2019年3月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.11」

Date: March 16, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
問題解決
 
 リーダーが問題解決のファシリテーター(問題が解決されるのを見る)としてのスキルを学べば、リーダーが自分一人ですべての問題を解決しようとするよりも、仕事が実際にとてもやりやすくなります。すべての問題解決を自分一人でするには、リーダーは全ての答えを持ち、全知で、超人的な知力を備え、尽きることのない知識や経験の宝庫でなくてはなりません。繰り返し強調しますが、効果的なリーダーはどうしたらメンバーが自ら問題を解決し始め、問題解決できるチームを作り上げることができるか、グループ・メンバーの創造的なリソースをいつ、どのように求めるか、メンバーとリーダーとの間に距離を置かないような人間関係をどのように構築するかを学ぶ必要があります。全知になるという目標とは異なり、これらの目標は達成可能です。

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[ニュースレター] 2019年2月号

─2019年2月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.10」

Date: February 17, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
メソッドⅢ/権力 part 2
 
 学校でもアメとムチは教師が教室で「規律」を保つために常に使っている重要なツールです。そのような慣例は数百年の間、ほとんど変わっていません。それは、私にとっては驚きの源泉です。(2019年1月のニューズレターからの続き)
 これが意味するところは、子供たちが大人に移行する時までに誰も大人が子供を従わせるために権力を使う以外の大人対子供の対立解決モデルに触れることがありません。
ですから、子供たちは権力ではない方法を使う大人との人間関係を経験する機会がほとんどありません。子供たちが経験する全てが強制力と支配です。私が聞いたように「どうして権力や権限をもってしても先生や親の言うことを聞かなかったのですか?」とあなたが子供たちに聞いたとしても、驚くほど頻繁に「もっと権力や権限を使うべきだったのではないですか」と返答します。
 これまで35年間、L.E.T.ワークショップに参加した人は十中八九、Win-Lose対立解決法に対して有効な代替案が実際に存在することを知って非常に驚いたとしても無理はありません。ですから、リーダーが権力を使う時に影響力を失うという考え方に直面した時、リーダーたちは不信感を表明しました。実のところ、L.E.T.ワークショップに申し込んだリーダーの中には、もっと巧妙に、もっと賢く権力を使う方法を学べると期待している人もいました――全く権力を使わないことを教えられるとは思いもしていませんでした。

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[ニュースレター] 2018年6月号

─2018年6月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.2」

Date: June 10th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
アクティブ・リスニング/共感
Pages 63 – 64: 
ここ数十年の間に、一部の心理学者は人間関係における個人の成長と心理的健康を促進する決定的な要素を特定しようとしてきました。この徹底的な研究は、初めは効果的なプロの支援エージェント(カウンセラーや心理療法士)の特徴や言動を特定することだけに焦点を当てていましたが、最終的にそのいくつかは効果的な教師、効果的な配偶者、そして効果的な親の個人的な資質についての研究へと指向を変えました。そして、どのような人間関係においても一個人が他人の成長と心理的健康を促進するためには、少なくとも2つの要素が必要になるという、かなり決定的な証拠が浮かび上がってきました。その要素は、共感受容です。
共感とは、相手の立場に立って考え、その人の「個人的な意味の世界」─すなわちその人が現実をどう認識しているのか、物事についてどう感じるのか─を理解する能力のことです。アクティブ・リスニングはまさにこの機能を果たします。人が共感的に理解されているとしばしば感じられるような環境は、その人の心理的健康と個人的成長のすべてにおいて貢献します。私は、このような環境が問題解決をファシリテートし、結果として、より大きなニーズの充足につながることから、心理的健康と個人の成長を促進するのだと確信しています。人は、問題を解決してニーズが満たされた時、マズローのピラミッドにおけるより高いレベルのニーズに向かって上がっていく自由を得て、自己実現と自己成長を成し遂げるための新しい方法を見出せるようになるのです。
 
Page 69: 
責任の中心を問題の所有者に据えておくことは、次のような理由から重要になります。
第一に、チーム・メンバーに自分の問題を自分で解決させるリーダーは、たくさんの利益を生み出すための堅実な投資をしています。チーム・メンバーのリーダーに対する依存は少なくなり、より自律的に、より自立して、よりうまく自分で自分の問題を解決できるようになります。
第二に、リーダーは、グループ・メンバーが仕事のオンとオフを問わず彼らの生活圏内で直面する、幅広いさまざまな個人的問題とその複雑さについて、充分に理解していることはめったにありません。そのため、問題解決の責任の中心を支援される人に据えておくためのスキルは、わずかな情報しかない問題についての答えを導き出すという不可能な課題からリーダーを解放してくれます。
 
Page 88: 
人々の問題は、まるで玉ねぎのようで、いくつもの層が折り重なってできています。外側の皮を何枚か剥いて初めて、核心的な問題に到達できるのです。時として人は、本当の問題が何であるかわかっていながら、そこから始めることを恐れています。たいていの場合、その真下にあるものに全く気づいていないことがあります。誰かが何か厄介な問題についてあなたに話し始めても、あなたはたいてい「提示された問題」のみを聞きます。アクティブ・リスニングは、支援される人が提示している問題から先へと進み、最終的には核心的な問題に入るように効果的にファシリテートします。

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