[ニュースレター] 2011年2月号

─2011年2月号─「今までに『携帯電話使用者』に対決したいと思ったことはありますか?」

L.E.T.修了者の方々へ

さて、皆さんはきっと『彼女は一体何のことをいっているんだろう??』って思っていらっしゃることでしょうね。私が言っているのはお店や図書館、どこでもいますが、自分の携帯で話し続けて歩き回っている人です。それもとても大声で。当然のようにその話の内容はとてもパーソナルなものであったり、あるいはあなたが聞きたくもないとても退屈な内容であったりするのです。

しかし、あなたは今、お店の中、空港の待合エリア、レストラン、バスの中、電車の中などで動きが取れず、逃げ場もないのに相手はぺちゃくちゃ話し続けます。 

多分、こんなことが起こって迷惑を被っているのは私だけではないのでは?

携帯電話使用者にどう対応したらいいのでしょうか?!?!

先日、映画館で-—そうです、映画の最中ですが—男性が携帯に出て短い間ですが話をしたのです。私は信じられませんでした。映画が終わって、映画館を出る際にその男性を見かけました。私は彼に一こと言おうと決めました。深呼吸をして勇気を絞り出し、彼のところに歩み寄り言いました。『あなたが映画の最中に携帯電話に出た時、私は気が散ってしまい、いらついてしまいました。なぜなら、私はとても楽しんでいた映画にフォーカスすることができなくなってしまいましたから。』

沈黙・・・

私は彼が何か返答をしてくれるのを待ちました!いいえ。彼はうっとおしそうに私を見て、肩をすぼめ立ち去りました。

<ため息>

オーケー。まあ、あのI-メッセージは上手く言ったとは言えないわね。でも私は以前にもこれを本屋、図書館、レストランで数回繰り返しました。約60%の確率で彼らは謝って電話を切り上げるか、小さい声で囁きながら外に出て行きました。

失うものなんてないでしょ?プライバシーや静寂は最近では珍しいものです。誰かが携帯電話のおしゃべりであなたの生活を具体的に邪魔する時には、遠慮なくもの申す権利があると私は思います。

あなたの考えはいかがですか?

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[ニュースレター] 2011年1月号

─2011年1月号─「The Big Picture問題の全体像」

L.E.T.修了者の方々へ

時々、何かを読んで、それが思いもかけず自分にとって大きな影響を与えているということがあります。私にも2-3日前、トマス・ゴードン博士の『ゴードン・モデルの起源』という本を読んでいて、そのような経験をしました。

私はトム(トマスの愛称)と7―8年を過ごしましたが、彼の思いやりや機知、鋭敏な知力が大好きでした。彼はいつも愛情に満ち溢れ、支えてくれ、受容してくれました。そして、ティーンエイジャーであれば(私もトムに初めて会った時はティーンエイジャーでした)、自分を見てくれて、影響を深く与えてくれる人がいることに非常に感謝するでしょう。私はトムの思いやりの範囲を全く理解していませんでした…役立たずの歯の矯正ブリッジとメガネをかけたティーンエイジャーの私のことをトムは気にかけていてくれただけでなく、彼は世界全体を気にかけていたのです。親、子供、政府のリーダーたち、同僚、彼自身の家族…全ての人。

『ゴードン・モデルの起源』の最後のパラグラフを読んだ時、私はトムのビジョンの深さを思い知らされました。彼はプログラムを通して、『平等の権利、他人のニーズに対する尊敬の念、人間関係での協力、平和的対立解決などの価値観がいつか普遍的特質になるであろうこと』を信じていました。

このような価値観がある種コントロールされた環境である家庭で使われるのと、職場でマネジャーや社員を導くために使われるのは別ものです。しかし、それもまたトムのビジョンのなくてはならない部分なのです。そして、それゆえに彼のリーダーシップ・トレーニング・プログラムは極めて重要です。

仕事に行って価値ある仕事をしていて、よく聞いてもらっていて、権利を与えられていると想像してみて下さい。あなたは問題に直面する時、あるいは誰かと対立している時(なぜなら対立は起こりますし、それは全く自然なことです!)、あなたには相手を軽くあしらったり体面を傷つけたりせず、また自分のプライドを捨てず、『ただ黙って対応するようなことがない』対処法を持っています。会社が全ての人に一緒に問題解決することを奨励し、組織のリーダーシップに参加するよう奨励していると想像してみて下さい。

トマス・ゴードン博士はそれを想像しました…そして彼のリーダーシップ・トレーニング・プログラムであるL.E.T.はそのビジョンを現実のものとするための青写真なのです。
私の中の大人の部分が彼の業績に対して感謝しています。彼のライフ・ワークに感謝します。そして私の中のティーンエイジャーの部分は彼がいなくて寂しいです。

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[ニュースレター] 2010年12月号

─2010年12月号─「皆さまにご多幸を!」

L.E.T.修了者の方々へ

さあ、2010年も残り少なくなりました。全く信じられません。だって、2010年のニューズレターにやっと慣れてきたところなのに!仕方ありません。

新年と新しい始まりにあたって、新しいスキルをどうやって学ぶか、あるいは昔習ったスキルをリフレッシュするかについての情報(記事、ブログ、ワークショップなどを通して)が満載のリンクをいくつか紹介したいと思います。

とびっきり特別な『リーダーシップ・トレーニング』のセクションが私たちのウェブサイトにもあります。そこにはリーダーシップ・トレーニングやゴードン・トレーニング・インターナショナル社のことに精通した様々な人達が書いた山のような記事やブログが掲載されており、皆さまにも非常に役立つ情報だと思います。

12月は与える季節ですから、ご自身に、お友達に、同僚に、妻(夫)に、パートナーに、上司に新しく生まれ変るためのリンクを差上げて下さい。

下記のリンクを訪れてみて下さい。新しい情報世界に導いてくれるでしょう。

http://www.gordontraining.com/leadership-training.html

役に立つ、面白い情報であることを願っています。

私たち全員、歓びに満ちた平和なホリデー・シーズンでありますように!

良い新年をお迎え下さい!

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[ニュースレター] 2010年11月号

─2010年11月号─「私は相手が自分で問題を解決できると信じることができますか?」

L.E.T.修了者の皆さま

相手が自分で問題を解決できると信じることが一番よい前提です。なぜならば、私たちは通常、人の問題解決能力を過小評価して過ちをおかしているからです。もちろん、人は必ずしも自分の問題に対する解決策を考えつく訳ではありません。

あなたが困っている人を助けようと申し出て、よい聴き手になろうとしても助けを必要としている人がその時に問題解決をする意思がない場合があります。そんな時には身を引いて、その人の気持ちを尊重するべきです。

それ以外の場合には、問題を抱えた人が問題が何であるかを述べて感情を吐き出すにとどまるだけなのに、明らかにそれで十分であることにあなたは驚くでしょう。解決策はなくても、聴き手からの共感が少し得られるだけでいいのです。感情を受け入れられるチャンスがあればいいのです。

助けを必要としている人が問題解決のプロセスのStep IとStep IIをするだけで前進する場合もあり、相手はあなたに話を聴いてくれたことにとても感謝し去っていきます。がっかりしないでください!多くの場合、彼らは後日あなたなしで問題解決のプロセスを完了させているか、後日あなたのところにもう少し助けて欲しいと言ってくるでしょう。

最後に、問題解決にはリソース(情報、ツール、お金)が必要であるのに、それを有していない人が多くいます。

チームメンバー: 『私はとても困っています。新しいソフトウェアを購入しなければいけないのですが、それをするだけの予算が部にあるかわかりません。』

リーダー: 『そうですね。厳しいですね。必要な金額が他のところに割り当てられていないか調べさせて下さい。後で連絡するということでいいですか?』

私たちはこのような状況を『正当な依存』と呼んでいます。相手が必要としているのにその人自身が持ち合わせていないリソースがあり、それをあなたに正当に依存しているような場合を言います。このような場合、アクティブ・リスニングは不必要というだけでなく、通常不適切なものとなります。

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[ニュースレター] 2010年10月号

─2010年10月号─「あなたが・・・する時、私は・・・と感じます。なぜなら・・・だから。」

L.E.T. 修了者の皆さま

あなたが・・・する時、私は・・・と感じます。なぜなら・・・だから。
(今さら聞けないI-メッセージとYou-メッセージの全て)
 
1.  You-メッセージは相手を判断したり、評価したり、非難したりして、その人に恥をかかせたり傷つけたりします。 『あなたは思いやりがない』、『あなたは遅刻した』、『あなたは間違っている』など。You-メッセージは人間関係を傷つけます。
 
2.  I-メッセージは自己開示です。それはあなたについて描写します。それは本物で、正直で、自己一致しています。それはあなたの気持や経験を表現したものです。I-メッセージはあなた自身の内的現実のみを表現しているので、他者の評価や判断、解釈は含みません。

ゴードン・モデルは4つの異なる種類のI-メッセージを提供しています。
 
1.  宣言的I-メッセージ はあなたの信念、考え、好きなもの、嫌いなもの、態度、感情、意見、意図を開示します。
 
例:

『昨日のミーティングで私の意見を支持してくれて感謝しています。』
・『私は飛行機に乗るのが嫌いです。』
・『私は踊るのが好きです。』
・『私は精神的ですが、宗教的ではありません。』

2.  応答的I-メッセージは他人からの受容しがたいリクエストに応答する自己開示です。『できません』とか『できないと思います』と言う(これは責任放棄です)のとは反対に、自分の感情に責任を持ちます。応答的I-メッセージは2つの部分からなります―あなたの感情とリクエストを承諾した際に生じるであろうあなたへの影響(あなたの理由)。
 
:
『いいえ、日にちを変更するのは嫌です。なぜなら、私は既に休暇の予定を入れてしまったから。』
・『いいえ、スピーチをするのは嫌です。あがってしまいますし、私の業績はあまりいいと思っていませんから。』
・『今日はランチに行きたくありません。今ダイエット中ですから、レストランに行くと誘惑にかられますから。』
 
3.  予防的I-メッセージは他の人からの協力やサポートをあなたが必要としていることを開示します。あなたが何を望んでいるかがわかれば、他の人もあなたのニーズを満たそうとしてくれるでしょう。予防的I-メッセージは他の人に前もって変更を知らせたり、驚かされたりするのを防いだり、変更に対処したりするのを助けますから、多くの対立や誤解を防いでくれます。
 
:

配偶者/パートナー:  『今年の休暇は私の家族を訪ねたいと思っています。ずっと会っていないし、どうしているか音信不通ですから。』
・学生に対して:  『休暇に入る前にレポートを返せるように、月曜日までにはレポートを提出して下さい。』
・家族に対して:  『レポートをたくさん評価しなければならないので、明日の夜は早めに夕食をとりたいです。』

4.  対決的I-メッセージは相手の行動があなたのニーズを満たす妨げになっていることを知らせます。ここでのフォーカスはあなたの動揺した感情とあなたの満たされないニーズであり、あなたの目的はあなたにとって問題となっている相手の行動を変えてもらえるよう影響を与えることです。このような場合、あなたは怒り、動揺、恐怖、心配などの感情を経験しており、You-メッセージを送りたくなります。

You-メッセージは相手、人間関係、最終的にはあなたに対してとてもダメージを与えるものですから、相手の行動に反応して即座にYou-メッセージを送らないようにするのが大切です。代替案としてはI-メッセージで応答します。

対決的I-メッセージには3つの要素があったことを思い出して下さい(3つの要素はどの順番で言っても大丈夫です)。1)非難しないで相手の受容できない行動を描写する、2)その行動があなたに与える具体的な影響、3)あなたの感情
 
:
1.  子供に対して:  『時間通りに学校から帰宅しないと、私はとても心配して仕事にも集中できません。』(You-メッセージだと、『あなたは余りにも思慮に欠ける』などとなります。)
 
2.  同僚や学生に対して:  『あなたが私のプレゼンの最中におしゃべりをすると、私が何をしゃべっていたかわからなくなって集中できないから、不満に感じます。』”(You-メッセージだと、『あなたは無礼ですね。』などとなります。)
 
3.  同僚に対して:  『私の仕事に影響のある会議を開くのに私を呼んでくれないと、自分の仕事がやりにくくなる決定がなされるかと思い不安になります。』(You-メッセージだと、『あなたは私の意見はどうでもいいと思っているのですね。』などとなります。)
 
対決的I-メッセージは相手に抵抗や防衛的反応を生み出すので(誰も自分のしていることがOKではないとは思いたくないので)、アクティブ・リスニングにギア・シフトすることが大切です。
 
相手の感情を吐き出させ、『感情の温度』を下げることが目的になります。『感情の温度』が下がったら、あなたのI-メッセージを再度送ることができます。その時には相手はあなたのI-メッセージを聞いて応答してくれる確率が高くなるでしょう。

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[ニュースレター] 2010年9月号

─2010年9月号─「“ただ事実だけを”」

L.E.T. 修了者の皆さま

皆さまの中でお年を召した方で1950年代のテレビ・シリーズ、真面目なポリス・サージェント・ジョー・フライデーの演じる『捜査網』を覚えていらっしゃるでしょうか?ジョー・フライデーは証人の仮説、理論、結論、解釈などに我慢がなりません。彼は「単なる事実」が欲しいだけなのです。彼は犯罪を解決するたった一つの方法はまず状況にまつわる事実を全て洗い出すことだと信じていました。同じことが全ての問題に当てはまります。最初にすることは事実を立証することです。

誰かの受け入れられない行動に対決する時、You-メッセージを使うよりI-メッセージを使った方が本当にいいという議論が様々存在しています。それらは:人を防衛的にさせない、人間関係を維持するのを助ける、批判しない、役に立つ応答をより多くする。しかし、多分最も重要なのは、I-メッセージはより正確であるということです。とても現実的な意味で、I-メッセージは本物です。I-メッセージの3つのパート(非難しないで行動を描写、明確で具体的な影響、感情)は状況の事実を意味します。他のものは全て憶測でしかありません。

私の同僚でEメールにも電話にも返信してこない人がいます。時として彼が実際に電話に出るまで私は電話をかけ続けなければなりません。『あなたは思いやりがないですね。』とか、『あなたが忙しいのはわかるけど、でも…』とか、『あなたが私の電話を折り返してくれないなら、すぐにもそちらに出向いて…』(もうこれ以上深入りするのは止めましょう)などと言うこともできます。私は彼の上司のところに行って、警告を発することもできますし、何もしないということもできます。しかし、これらのメッセージや戦略は全て彼の意図や動機に対する思いこみと推測に基づいています。私は彼が怠け者で、無礼で、自分のことしか考えていない人で、意地悪だと信じているかも知れません。

そして、私はあっているかも知れません。でも、事実は、私は彼がどうして私のEメールに返信しないのか、どうして私の電話を折り返さないのかはわからないのです。私は彼の頭の中で起こっていることにアクセスはできません。家で深刻な問題があって、彼のエネルギーの全てを奪っているのかも知れません。何か私に対して怒っているのかも知れません。彼の上司が私を無視するように指示したのかも知れません。ただ単にもっと優先順位の高い課題で忙殺されているのかも知れません。あるいは私のことが好きではないのかも知れません。あるいは彼は悪い知らせを持っていて、私に知らせるのを保留にしているのかも知れません。あるいは彼は何か私のために調査をしてくれていて、私に電話する前にそれを終わらせたいと思っているのかも知れません。多分、多分、多分!これらの解釈のどれかが正しいのかも知れませんが、彼が電話をしてくれるまでは私にはわからないのです。

私が知っているのは:

・彼は私の3回のメールに返信をしていない、また、今週私がかけた電話を折り返していない。
・彼から連絡がない限り、私はこのプロジェクトを進めることができないので、私は足踏み状態になっている。
・私はとても不満に思っている。

これらが事実です。今のところこれが真実です。私が問題を持つ人間ですから、私が責任を持って事実を協議するべきなのです。同僚に対する私の責任は彼の理由や動機を憶測しないで協議し、彼に返答をする機会を与えることです。つまり、私は事実だけを述べるべきです。『ただ単に事実だけを』

ゴードン・トレーニング社のL.E.T.マスター・トレーナーであるビル・スティネット博士による執筆

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[ニュースレター] 2010年8月号

─2010年8月号─「対立を協力に変える」

L.E.T. 修了者の皆さま

以下に挙げる内容はトマス・ゴードン博士のL.E.T.の教科書からの抜粋で、職場のパワーについて深い考察をしています。

今月(正確には8月26日ですが)、ゴードン博士が逝去してから8年が経ちます。ゴードン博士は物理的にはもう私たちとは一緒におりませんが、彼の考えやライフタイム・ワークは献身と情熱をもって世界中で受け継がれています(ありがとう、ゴードン博士!)。

個人的な経験から2つのWin-Lose対立解決法は人間関係を破壊し、組織の効率性を減少させるリスクが高いことをほとんどの人は知っています。しかし、この2つのWin-Lose対立解決法はほとんどのリーダーが選択する方法なのです。

これにはいくつかの説明があると思いますが、2つの説明が最もそれらしいと思います。まず一つには、人々は対立解決法の他のアプローチの経験則がないことです。それでほとんどの人の気持ちの中には、大きな影響は最も強いパワーを得ることとイコールであると考えている節があります。

ほとんどの子供は、子供がすべきことと大人が思っていることをさせるために親または両親がアメとムチを頻繁に使っている家庭で育てられました。

家庭内暴力の有名な全国調査で、80%の親はお尻を叩く、ひっぱたくなど普通の体罰を使っていると答えています。30%近くの親は暴行で逮捕されるような暴力行為を行っていることが分かりました。

同様に、学校でもアメとムチが教室で『規律』を守らせるために教師によって重要な方法として使用されています。この習慣はもう700年ほど変わっていません。それが私には驚きです。

これが意味するところは、子供たちが大人になる頃には大人と子供の対立解決法として大人が子供を従順にさせるために使用してきた方法以外のモデルを知らないで来ている人がほとんどであるということです。

ですから、子供たちは権力を使わない大人との関係を構築する機会をほとんど持ち合わせていません。彼らが経験しているのは強制力と支配力です。以前私も聞いたことがありますが、「どうして権力を使われても教師や親の言うことに従わないのか」と若者に聞くと、ほとんどの場合、「もっと権力を使うべきだったのかも」という答えが返ってきます。

この50年間、ゴードン・モデルのワークショップに来る人のうち10人に9人はWin-Lose対立解決法に代わる代替案があることを知って、実際に驚かされています。

このようなリーダーは、権力を使うと影響力を失うという考えを提示すると、全く信じられないというような不信を表しますが、なるほど無理もありません。実は、リーダーの中には私たちのワークショップに参加する時、もっと賢く権力を使う方法を学べると期待して来る人もいるくらいです‐‐‐権力を使わない方法を学ぶなどとは夢にも思っていません。

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[ニュースレター] 2010年7月号

─2010年7月号─「ゴードン・モデルはどうやってモノマネ鳥を助けたか」

L.E.T. 修了者の皆さま

今月の修了者コネクションのタイトルは『本当は好きではない人たちにどうやって感謝するか』、『一体全体わたしは何を言っているの?』とも表現できます。タイトルの意味がクリアになるような話が以下に続きます。

約1年半前、モッキングバード(モノマネ鳥)が家のとても大きな木に住みつきました。そのモノマネ鳥のせいで、私は本当に頭がおかしくなりそうでした。その鳥はほとんど毎日メドレーで一日中さえずり続けました。時には夜中の2時・3時まで(私は頭がおかしくなりそうだって言いましたっけ??)。私は窓を閉め、扇風機をつけても尚モノマネ鳥は聞こえてきました。以前はユニークだと思っていたこの鳥を、私は嫌いになりました。傷つける気は毛頭ありませんが、私はホースの水を鳥めがけて噴射させました。飛んで行けと叫ぶだけでは全く効き目がありませんでしたから。どうして私なの?私の庭なの?どうして静かにしないの?

そして、私はこのいまいましい鳥が一体何なのかをオンラインで調べてみることにしました。モッキングバードについて多くのことを学びました。交配行動(求愛時の鳴き声!)、そのパターン、食事などなど。それでもその鳥はうっとうしいモッキングバードだと思うでしょう?え~っと、その鳥のメドレーが求愛の鳴き声で、一番高い位置に陣取ってその歌声で最も相応しい相手を探しているということを知って、その鳥もただ単に生き延びようとしているのだと気付いたのです。この世の中でできることを彼なりにやっている。それでピカッと閃いたのです。その鳥に対する新たな感謝の気持ち。

あなたをイライラさせる人で、どこかへ行ってしまえと思うような人は周りにいますか?もちろんいますよね。そんな人たちに近寄って行って話しかけ、彼らの言い分は何なのかを知ることで少しでも彼らを好きになれるでしょうか?多分、彼らはあなたの政治的見解に同意しないでしょう。彼らは異なる人種で、あなたが安心できない、あるいはあなたは全く知らないのかも知れません。彼らはホモセクシュアルだからあなたを神経質にさせるのかも知れませんし、彼らの宗教があなたの信じるものと全く正反対かも知れません。あるいは、全く信仰のない人かも知れません。これらは大きな問題で、私たちを分裂させたり結びつけたりします。

そうですね、『鳥に感謝する』から『対極に位置する人たちと上手くやる』へとちょっと飛躍しすぎました。でも、この鳥がきっかけで、人についてまた彼らとの違い、またゴードン・モデルがどのように尊敬の念、誠実さ、感謝の意をもって互いに関わっていくのを助けてくれるかについて考えさせてくれました。例え彼らが私たちをイライラさせるとしても。

相手の人に宣言的I-メッセージを送って、こんなようなことを言えると思います。『あなたについて、あなたがどんな人なのかもっと知りたいです。』そのI-メッセージに多分ポジティブな応答をするでしょうから、私はアクティブ・リスニングを使います。(これはもちろん行動の窓の問題のないエリアで行われるものです)あなたのゴードン・モデルのスキルは今まで関わったことのないような人とも人間関係を構築できるように助けてくれます。現代、私たちはE-メールやツイッタ―やiフォンなどで、益々は関係性を断ち切っているようです。プラグを抜いてあなたが避けてきたその人に耳を傾けてみては?思考の糧になるといいです。

これが私の話で、私もそれに忠実にやってみます。もしよければ、やってみてください。あなたのフィードバックを楽しみにしています:)

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[ニュースレター] 2010年6月号

─2010年6月号─「5つのリスニング・ツール」

トマス・ゴードン博士・ノエル・バンチ氏の共著『T.E.T.』と元GTI社員からの抜粋。

L.E.T.ワークショップ修了者の方々へ、

習得できる最も重要なリスニング・ツールの一つは明らかに疑う余地がありません。それを人にアドバイスすると、皆、そんな甘いことを言って…みたいに私を見ます。そうです。静かにする、です。

そうです。静かにして下さい。あなたが話をしていたり、次に言うことを考えていたりしたら、効果的に聴くなどということは不可能です。

さあ、次に2つ目のツールを紹介しましょう。静かにしている間、あなたは話し手に注意を払う必要があります。あなたは話し手に寄り添う必要があります。彼あるいは彼女と向かい合います。アイコンタクトをしましょう。彼女/彼を見ましょう。開かれた姿勢をとります。『安全地帯』と呼ばれる話し手のスペースのすぐ外に位置します。

ほとんどの人にとっては、その距離はおおよそ90センチ~180センチ位になります。これは人によって異なりますので、私は話し手のパーソナル・スペースに入るまで近づいて、話し手がのけ反ったり後退したりすることでこの距離をチェックしています。そこで私は止まって、30センチほど後ろに下がります。そうすることで私は話し手のパーソナル・スペースから離れ、お互いがより快適な距離感を保つことができます。

時々、聴き手として要求されていることは黙ってそこにいるだけということもあります。しかし、もし私がただ黙っているだけだと、話し手は私が本当に聴いているかわかりませんので、私は3つ目のツールを使います。そしてそれには名前があります。それは簡単受容です。しかし、それは単に低いうめき声、相槌、本当?、驚愕あるいは評価しないで発する雑音の別名なのです。

時として、人はアクティブ・リスニングをスタートさせるのを難しく感じることがあります。相手は何も言わないけれど、ボディランゲージから何か言いたげであることが明らかな時。泣くかもしれません、しかめっ面をするかもしれません、頭を抱えるかもしれません、足を引きずりながら歩くかもしれません、他にもいくつか目印になることがあります。何か普通と違うことがあると私に知らせてくれます。このような場合に使うツールは、『悲しそうですねとか不安そうですね。それについて話してみたいですか?』などの開かれた質問です。あるいは、『何があったか話してみて』というような文章です。それらは話してもらうためのお誘いです。それ以上でもそれ以下でもありません。私はそれを『ドア・オープナー』と呼んでいます。なぜなら、それは明らかに話すための機会を開くものだからです。

役に立つにも関わらず、無言で注意を払うこと、ドア・オープナー、共感的唸り声などは私が理解しているということを表しません。ただ単に私がそこにいて、注意を払っているということだけを示しています。それゆえに、私は5つ目のリスニング・ツールを必要とします。それはフィードバックです。

フィードバックは難しいものではありません。人が発する言葉は普通暗号(コード)であるということを覚えておきましょう。例えば、空港で小さな女の子が「飛行機には乗りたくない。行きたくない。家にいたい。」と言ったとします。そのような言葉を聞くと、私は次のように自問します。「彼女の内的世界はどんなものだろう。そこで彼女はどんなところに住んでいるのだろう。」私は読心術者ではありません。良くても推測することしかできません。ですから、一番良い推測をしてみます。私の推測では、小さな女の子は怖いのではないかと。

ここにいくつかの暗号を列挙します。本当のメッセージは何なのか推測してみて下さい。

1.       困惑した隣人が、「仕事が嫌いだわ。面白くないし、辞めたいわ。でも子供たちは大学だし、支払いも色々あるし。。。それにこんなに給料をもらえる仕事なんて他にどこにあるの?」と言う。


2.       緊張した同僚が、「何百回も禁煙をしようとしたよ。でもできないんだ。どうしたらいいんだ?」


3.       泣き顔の娘が、「もうクリスと2年も付き合っているのに、彼ったら他の女の子とも付き合いたいっていうのよ。どうしたらいいの?」

私の推測は以下の通りです。最初の例では、「あなたはもっと面白い仕事があればいいのにと思っているけど、責任がいろいろあって、仕事を変わるなんてリスクがあると思っているのですね。」というのがその人の考えや感情なのかもしれません。

2つ目の例では、「あなたは何度も禁煙をしようとしたのに失敗して、落胆しているのですね。」と言うかもしれません。

私の娘に対しては、「傷ついているのね。どうしていいかわからなくなっているのね。」というかもしれません。

上記の3つの例で、話し手は質問で終わっていることに気付きましたか?しかし、聴き手からの答えはほとんどの場合求められていませんし必要ではありません。

効果的な聴き手になるのに立ちはだかる壁は、人を「治して」あげようと話し手の質問の答えを出そうとする傾向です。どんな状況においても私は一番いい解決策を知っているのだと振舞ってしまうことです。もし私が聴きながら、解決策や治療法、答えを探っていたら、私は間違った方向に行ってしまうでしょう。話し手を理解するためには、私の考えは話し手が経験していること、考え、気持ちに集中していなければなりません。それが近道であり、ロバート・フロストの言葉を借りれば、「それが最も効果がある」のです。

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[ニュースレター] 2010年5月号

─2010年5月号─「新しいスキルを学ぶ・・・言うは易し行うは難し」

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ビジネスのある側面を改善することを目的として特定のトレーニングやイニシアチブを始める前に、あなたの上司やチーム・メンバーに基本的なコミュニケーション・スキルや対人関係マネジメント・スキルが備わっていることを確かめなければなりません。

数多くの研究で明らかになったことは、協力、コミュニケーション、インターパーソナル・スキル、リスニングや要約するスキルがより高次なチームの成功には重要な意味をもつということです。『リーダーシップ・チャレンジ』という本の中で、「全てのリーダーは言い換え、要約、感情表現、個人的な情報の開示、過ちを認める、防衛的でない応答、不明点の明確化を求める、異なる見方を促す、等々をする方法を知らなければならない」とKouzes and Posnerは言っています。

これらのスキルは心の知能指数の本質です。マネジャーや従業員の心の知能指数を高めることがトレーニングや能力開発が役に立つための秘訣です。異なるレベル間で生産的に、そして機能的にコミュニケーションが取れていて、対立を創造的に、また有益に管理できる組織では、高次なトレーニングや学習を心得ています。

新しいスキルを学習する4つの段階

どのような新しいスキルを学習するにしても、誰しもが通らなければならない4つの学習段階*があります。これらの段階を知ることで、学習は進みの遅い、しばしば不愉快なプロセスであるということを受容できるのです。

1段階 – 意識しておらず、スキルの存在すら知らない。 私たちが何を知らないのかすらわかっていない。 能力がないのに、それすら気づいていない。この原則を職場のコミュニケーション・トレーニングに適用すると、リーダーはしばしばチーム・メンバーを遮ったり、人間関係を傷つけたりする方法でコミュニケーションをとっているのに、それに気づいていないのです。

2段階 – 意識しているが、スキルが使えない。私たちは知らないものが何なのかを知っています。私たちがあることをどれだけ下手にやっているかについて突然気付いた時、私たちはこのレベルから学習を始めます。私たちはどれほど学ぶ必要があるかということに気付かされます。

L.E.T.ワークショップに参加すると、リーダーは効果的および非効果的なコミュニケーション法が何なのかを認識します。チーム・メンバーが問題を持つシグナルを示す時に、私たちが通常とってしまう応答の仕方を意識し始め、これらの『ロードブロック』が職場の人間関係に及ぼすネガティブな影響に気付きます。そして、リーダーは共感的リスニングの効果に気付きます。また、消極的あるいはアグレッシブなコミュニケーションの代替策として、明確で直接的な自己開示の重要性について学びます。しかし、この段階では、リーダーはこれらのスキルを使うには至っていません。以前のコミュニケーションがチーム・メンバーに与えたであろう影響を考えて罪悪感を感じるかも知れません。

3段階 – 意識していればスキルが使える スキルを試したり、実験してみたり、演習してみたりします。私たちはスキルの正しい使い方を理解しますが、それを実際に使うにはよく考えて一生懸命集中しないとできません。

コミュニケーション・スキルを学習するこの段階では、リーダーはスキルを意識して使おうとします。役に立たない、人間関係を傷つける応答を回避し、その代わり、共感的に聴こうと意識します。ということは、リーダーは何度も口をつぐんでしまいます!自分の意見・ニーズ・問題を述べる際には明確に心から非難しない言葉で話そうと意識します。対立が起こった時には、リーダーの目的は双方にとって納得のいく解決策を見つけることになります。スキルを使うこと自体、策略っぽく、時々、インチキくさく感じることもあります。他の人達には、リーダーが意識的に異なる方法でコミュニケーションしようと努力しているとわかります。

4段階 – 無意識でもスキルが使える もし私たちが新しいスキルを練習し、使おうと努力し続ければ、最終的にはそれが簡単になり、時を経てそれが自然になってきます。

リーダーがスキルを使おうと貫き通せば、スキルに対する違和感はなくなります。そして、アクティブ・リスニング、自己一致した自己開示、No-lose対立解決法がより自然になってきます。チーム・メンバーや他の人達は聴いてもらった、理解された、感謝された、満足したと感じるので、リーダーに対して好意的に応答してくれるようになります。リーダーはこれらのスキルが人生のあらゆる場面で応用できることに気付き、スキルが彼らのインターアクション全てに取り入れられ、他人といるときに自然に出てくるようになります。

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