[ニュースレター] 2016年11月号

─2016年11月号─「電子的に対決することは有益ですか?」

Date: November 16th, 2016 | by Brian K. Miller
 
 昔、ビジネス・コミュニケーションのほとんどが対面で行われていました。マネジャーは直接チーム・メンバーに話し、チーム・メンバーは直接顧客に話していました。今日の世界では、ほぼ全てのコミュニケーションは電子的なものです。マネジャーはE-メールやテキスト・メッセージなどのアプリケーションを通してチームと話します。そして、チーム・メンバーも同じようなツールを使って顧客と対処します。契約ですら紙面による直筆サインより電子サインを使用しています。

 L.E.T.スキルはテキスト・ベースのコミュニケーションのためのデザインにはなっていません。注意深い配慮なしにE-メールやテキスト・メッセージで使用しようとするのは扱いにくいですし、不自然です。しかしながら、それが役に立たないという意味ではありません。それは、ただ単に少しだけ注意深く考えなければならないということです。

 例えば、あなたの会社のブラックベリーやスマホから安全なメッセージ・アプリケーションで送られる典型的なテキスト・メッセージは以下のように書かれるかも知れません。
 
「Mtg @ 11. pp?」
 
 これがあなたのマネジャーから届いたとします。最初は、謎めいているように思います。なんておかしな暗号なのか?あなたのマネジャーが、あなたに話しかけたとしたら、こう言うでしょう。「重要な顧客とのミーティングが11時にあるから忘れないで下さい。私はまだパワーポイントのプレゼンを見ていないのだけど、もう完成しましたか?」

 あなたがマネジャーの電子的速記に精通しているなら、ブラックベリーのメッセージは完璧に意味をなすものでしょう。しかし、意味がわからないのであれば、読み解くのに時間を浪費しなければなりません。一旦意味がわかったなら、返事を書かなければなりません。要するに、パワーポイントのプレゼンを仕上げるのに使えた時間を10分~15分も無駄にしてしまうということです。

 当然ながら、第一の課題はパワーポイントのプレゼンを仕上げて、あなたのマネジャーに送ることです。それをした後、マネジャーの謎めいたメッセージについて彼に対決します。これには適切な対決的I-メッセージが必要です。しかし、「あなたが謎めいたテキスト・メッセージを送る時、課題を終わらせる前に私はメッセージを解読するのに時間をとられ、混乱してしまいます」というのは魅力的なアプローチではありません。あなたがどれだけ注意深くI-メッセージを作成しても、簡単に誤解を招きます。

 あなたのメッセージ送信のアプリを通してI-メッセージを送る代わりに、受話器を取って直接マネジャーに電話をし、あなたのI-メッセージを伝える方がよいでしょう。これをすることで、テキスト・メッセージのアプリによる遅れもなく、すぐに対面でギア・シフトをする機会が訪れるでしょう。もし、あなたのマネジャーが電話嫌いな人ならば、他の選択肢としてテキスト・メッセージを送ってミーティングをするのに都合のいい時間を聞くことです。そのミーティングで直接会って対決的I-メッセージを送ることができます。

 現代のテキスト・メッセージやE-メールでのペースの速い世界でさえも、対決は対面で行うか、電話で行うのが最善です。明確化が今も尚、良いコミュニケーションの最も重要なクオリティです。誰かに対してひどい電子的コミュニケーション・スキルについて対決する時、昔からの方法、つまり対面で行うことで最も効果的に達成できます。

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[ニュースレター] 2019年10月号

─2019年10月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑤」

Date: October 22, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーのジレンマ

 

グループ・メンバー* のニーズを満たすことを通じてフォロワーの心をつかむことだけが効果的なリーダーシップのすべてではありません。反面では、リーダー自身も自分自身のニーズを上手く満たさなければならないのです。

グループ・メンバーのニーズを満たすためだけにリーダーシップのポジションに就きたいと思う人はめったにいません。リーダーも人間です。彼らもまた、地位、業績、より高い給料、承認、自尊心、保障、そして受容といった普通の人間としてのニーズを持っています。実際のところ、大抵はグループ・メンバーと同じニーズです。リーダーシップのポジションにいながら、これらのニーズを満たす方法が見出せなければ、その地位に長く留まりたいとは思わないでしょう。たとえ、リーダーが自分のニーズの多くが満たされないことがわかっていながら、我慢して長くその職を続けようとしても、すぐに、自分のグループ・メンバーのニーズが満たされるようすべきことを全力で努力しようとしても、それができない自分に気づくはずです。

 その説明は単純明快です。人は「お互いの利益」が得られると感じた時にのみ、他人のためになることに労力を使い続けます。人間関係において一方だけが利益を得るのには必ず限界があります。「魚心あれば水心」ということわざからも、この原則が理解できます。

 「満たされたコップの原則」もまた、ここでは作用しています。他人に与え続けることを可能にする(自分のコップから他人に水を飲ませ続ける)ためには、私は水が満たされたコップを持っていなければならず、また、水を補給し続ける(自分のコップを相対的に満たしておく)方法を見つけなければなりません。この原則の重要性については、援助を専門とするプロの間でよく理解されています。というのも、彼ら自身が私生活でのトラブルや、ニーズが満たされずに欠乏状態を経験している時、他人を援助する能力が非常に低下することに気づくからです。ですから、多くのプロのセラピストたちは、自分たちのコップを相対的に満たしておけるように、自分のためのセラピストを雇う必要性を感じているのです。

 

 

* この本を通して、私は「グループ・メンバー」「チーム・メンバー」「従業員」という言葉を同義語として使用しています。また、リーダーについても「スーパーバイザー」「マネジャー」「上司」など様々な用語を使用しています。「上司」という用語は私としては好ましくありませんが、通用性があり、使用しないというのも全く非現実的なので、この本でも使用しています。

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[ニュースレター] 2011年7月号

─2011年7月号─「私はメソッドIを使ってもいいですか?」

L.E.T.修了者の皆さま

L.E.T.ワークショップの参加者は「メソッドIは二度と使ってはいけないのですか?」とよく訊きます。この質問の裏に潜む思いや感情は複雑で、答えてあげないといけないと思っています。

質問の1つの意味は、「私はただ単に“ボス”であってはだめですか?」ということです。この質問は、質問者が自分のニーズを満たすため強制力を使い続けた結果支払わなければならない大きな代償に気付いたにも関わらず、自分の仕事の仕方を変えることに気が進まないことを表明しているように思えます。

質問のもう1つの意味は、「私は二度と自分で決定する方法に戻ってはいけないのですか?私は今後起こる全ての問題に対して、未来永劫、座って全員とメソッドIIIをする運命にあるのですか?」ということです。

2つ目の質問に対する答はもちろん「No」です。そんなことをしたら時間が取られて仕方ありません。1つ目の質問に対する答は「もちろん」です。メソッドIIIは一分刻みで意思決定をする方法ではなく、対立を解決する方法に過ぎません。

効果的なマネジャーは毎日自分で多くの意思決定をしています。そのような意思決定が抵抗に遭い、対立が起こった時にメソッドIIIが必要になります。

「メソッドIは二度と使ってはいけないのですか?」という質問のもう1つの意味は、「メソッドIを使わなければならない場面はないのですか?」ということです。答は「はい、あります」です。その場面は以下の通りです。

1.      正真正銘の緊急事態、あるいは苦境にある時
2.      チーム・メンバーにはない特別な知識(開示されていない知識)をリーダーが有していて、論理的にメソッドIIIに従うことが不可能な場合
3.      リーダーのニーズが非常に強く、他のオプションを全て打ち消すような場合

このような解釈はあまり使い過ぎないことが重要です。現実に起きている対立を解決しない言い訳になりかねないからです。

リーダーがメソッドIを使った後、以下のオプションの全てあるいはいくつかを使って逆効果を緩和することができます。

1.     どうしてメソッドIを使ったかを慎重に説明する
2.     心から謝罪する
3.     相手の感情にアクティブ・リスニングをする
4.     何かを提案する
5.     適切であれば、将来類似した苦境に陥らないための計画を始める

リーダーも長期間責任を持ってメソッドIIIを人間関係に使っているならば、時折理由があってメソッドIを使用することがあっても、上記の5つのオプションの全てあるいはいくつかが緩和剤となって、リーダーが頼りにしている価値ある職場での人間関係を傷つけるリスクは小さくなるでしょう。

Sent by Michelle Adams, VP of Gordon Training Int’l.

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[ニュースレター] 2014年10月号

─2014年10月号─「ゴードン・モデルがどのようにあなたの会社を成功に導く支援となるのでしょう – 2顧客の事例」

Date: October 13th, 2014
Blog post by: Michelle Adams


 ひとたび人がゴードン・モデル(LET, Synergistic Selling, etc.)を自分で経験してしまうと、彼らはイエス、これは本当にうまく行くと言います。周りの人も会社もより生産的になれる、本当に。
以下の人たちが言うことを聞いてみて下さい。9つの証言だからではなく、彼らは物事の実態を見抜き、それはとても素晴らしい注意喚起としてシェアしてくれているからです。役に立つことを望みます!

 『私たちの職場はまるで自分の家のようなところ。ということは私たちの同僚や顧客は私たちの職場での家族を意味します。好むと好まざるとにかかわらず、その中間のもの全てに当てはまります。私たちの違いは組織やビジネスの協力的なファブリックを織りなす助けとなります。完璧な世界では、コミュニケーションしてお互いに上手くやる能力は、それらの人間関係や職場のファブリックの豊かさを強化してくれるはずです。L.E.T.は人が人と関わる時に起こる現実の浮き沈みを助けてくれるインタラクティブな手法です。

 リスニング・スキルづくしの3日間集中トレーニングに参加するように人にお願いするのは非現実的のようです。多くの人は自分の現在のコミュニケーション・スキルの障害に気づいていないので、コミュニケーションの基本に取り組ませるにはどうしたらいいのでしょうか?悪い習慣はなかなか死なないのに、新しいスキルはとてつもない練習努力が必要です。長年、私が受け持った多くのクラスで、幾人かの人は当初、懐疑心、無関心、クラスに出るのに気が進まないのだということを訴えましたが、最後にはとても熱心な受講者になりました。

 L.E.T.は小さなステップを踏みながら、学習する人を教え、基本的なスキルをインタラクティブな演習やディスカッションを通して復習し、開発します。その際、コミュニケーションの何故、どうしてという理由を説明します。

 各クラスで私は豊かな学習経験と、組織で働く人々に対するより深い尊敬の念と理解を経験する機会を得ました。人間関係は深まり、傷は癒え、L.E.T.に参加した人たちの間で友情が芽生えました。完全な世界はありませんが、L.E.T.は確かに私たちをより尊重できる立派な職場社会へと移行する手助けとなります。』―トレーニング・コーディネーター、フェデラル・コート・システム、テキサス州
——————————————————————-
 『私たちは製造環境に置かれており、私たちの部署に対して9か月前にL.E.T.を紹介しました。それ以前には、私たちには多くの従業員関連の問題がありました。例えば、お互いにコミュニケーションをとるのが不可能である、当事者意識がない、問題に対処しない等に及ぶ問題です。私たちがスーパーバイザーにL.E.T.を提供してからは、自分たちの部下を管理できるようになり、物事が悪化したりせず、アクティブなコミュニケーションができるようになりました。従業員とのアクティブ・リスニングを通して、問題に耳を傾け、同僚との問題を自分自身で解決できるように従業員を支援しています。

 私たちの従業員が上手く行く度合いが確実に増えました。会社でのコミュニケーションの量が増えました。私たちは以前、とても独裁的なタイプの組織でした。一人の人が物事を決定し、それが下に降りていきます。今は、可能な限り、コミュニケーションに関わり、私たちはコミュニケーションをとるようにしています。私たちは問題解決に従業員を参加させるようにしています。従業員は会社に投資し、会社に自分たちの居場所があると感じるようになりました。それは、自分たちが会社に対して所有権を持っていると感じているからです。それは単なる仕事とか給料だけではありません。決定に同意できない従業員がいる場合は、少なくとも決定に参加した従業員が「会社は全員に意見を言う機会を解放してくれていたんですよ。皆、意志決定するチャンスはあったんですよ。あなたは参加しようとしなかったんだから、諦めなさい。次回、関わりたかったら、声をあげて発言して下さい。」私たちの会社では全てのドアが本当の意味で開かれています。
―人事部ディレクター、インターナショナル・マニュファクチャリング社、英国

 皆さんも、何かシェアしたい話、助けが必要なチャレンジ、質問があれば、伺いますよ。

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[ニュースレター] 2017年11月号

─2017年11月号─「関連性を見つける」

Date: November 16th, 2017 | BY Brian K. Miller
 
ハーバードビジネスレビューは最近、リーダーシップ・トレーニングと企業文化の間の関係性を理解することに特化した特集号を出版しました。この特集号に記事を書いた多くのリサーチャーたちは、現代のリーダーシップ・トレーニング・プログラムが企業文化に何ら影響を与えていなかったことを危惧していました。記事は、多くのグローバル企業で問題を生み出している真の問題点については直接言及しませんでした。つまり、近年の非常に多くの新卒採用者が、現代のグローバル企業で働くために必要な基本的なソーシャル・スキルが欠如しているということです。

リーダー・エフェクティブネス・トレーニングは核であり、基本的なコミュニケーション・スキルの上に構築されています。セミナーでは、実際に使うスキルを繰り返し演習する方法に基づく実用的なトレーニング手法を重視します。この体験的な手法はハーバードビジネスレビューのリサーチャーによって取り上げられた多くの問題に答えています。しかしながら、この可能性を最大限にするためには、グローバル企業はシニア・マネジメントが養成してきた企業の主要なビジネス・コミュニケーション・チャネル、従業員の査定システム、企業文化の裏にある前提を近代化しなければならないとハーバードビジネスレビューは指摘しています。

どの企業も利益追求の事業をしています。これは従業員なら誰でも持つ最も基本的な前提でしょう。全てのグローバル企業は欲に支配されており、そしてこの欲が企業の利益追求の動機を推進するのだということを、多くの若者が高校の先生や大学の教授に教えられてきました。その結果、企業に入ってくる若者は、今まで悪だと教えられてきたことをしなければならないように感じるのです。それは、つまり株主のために利益を生み出さなければならないということです。

このような企業環境では、どのように、またどうしてすべての企業が利益追求ベースで運営されなければならないか、ということを新卒採用者に学んでもらうため、アクティブ・リスニングやギア・シフトが確実に重要となります。彼らの悩み事にアクティブ・リスニングし、それらの悩み事を反射して新卒採用者に良いフィードバックで返し、また、マネジメントの現実問題をI-メッセージで伝えることで、新卒採用者とマネジャーの双方の前提が対等な状態となり、それによって企業のニーズと新卒採用者の悩み事の両方を解決することができます。

価値観の衝突は、現代のグローバル企業において新たな物差しになりつつあります。初めて企業に入る新卒採用者の場合、これらの価値観の衝突は以前には経験したことのないほどの極端なものと感じられます。現在、自分のチームに新卒採用者を抱えるすべてのマネジャーにとってリーダー・エフェクティブネス・トレーニングで教えられるスキルをマスターすることが、未だかつてないほど重要になっています。投資利益率を最大限にするためには、シニア・マネジャーやエグゼクティブは、このような価値観の衝突が起こっていることを認識する必要があります。シニア・マネジャーと個々のチーム・リーダーの双方は、新卒採用者が自分たちの心配事をマネジメントに自由に話せ、その心配事が誠実さと共感の両方で対処される企業文化を育むために準備しておく必要があります。

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[ニュースレター] 2009年5月号

─2009年5月号─「"救助者の落とし穴"をどのように回避したらいいのか」

L.E.T.修了者の方々へ

救助者の落とし穴をどのように回避したらいいのか

– By Dr. Thomas Gordon

私たちは皆、人が抱えている問題や痛みを和らげてあげたいと思っています。自然なことです。コンピュータの専門家はこのように言うのでしょうか:私たちは愛する人たちを守ったり世話をしたりするためには、できることは何でもするようにプログラミングされているのです。愛する人たちに苦しみを味わって欲しくないからです。ところが、時として起こってしまうのは、痛みを和らげて、問題を解決してあげよう、排除してあげよう、痛みを防いであげようと試みているだけなのに、私たちは結局相手を救助してしまうのです。

私たちは『救助』を『誰かのために何かをしてあげること。その人は自分でできるにもかかわらず。多分、自分でやった方が上手くできるのに。』救助するという態度は私たちの人間関係すべてに引き継がれており、それは全ての人に負の効果あります。救助するという行為は救助されている人が犠牲になります。救助者は相手を無能で、何もできず、役に立たない犠牲者であると無意識にみています。その犠牲者は援護を必要としています。この態度が救助者を有能で、効果的で、できる人という一つ上のランクに据えます。

私たちが援助すればするほど、援助される側はもっと無力になっていきます。救助者の援助と救助者ではない人の力添えには大きな違いがあります。例えば、誰かが溺れていて、あなたはその人を救助するとします。その時、あなたは溺れている人を水から引き上げます。しかし、そのような援助を必要とする場面はほとんどありません。逆に、人はもっと頻繁に力添え――誰かのために何かをしてあげる――を必要としています。援助と救助は本当は同じことだということを覚えておいて下さい。

・救助することは相手の問題の所有権を引き受けることです。
・相手の問題の所有権を引き受けることは、相手のことを無能で自分の問題を解決できない人だと思っていることを伝えてしまいます。
・無能だとみなせば、人を怒らせてしまいます。
・善意ある救助者は、どうして相手と馬が合わないのか知りたいと思っています。

問題の所有権の復習

人は問題を抱えています。誰かの問題、例えば、私の同僚が禁煙したくてもできないという問題を持っているとします。私には具体的な影響はありません。それは明らかに彼女の問題です。彼女が問題を所有しています。もし彼女の行動が私に影響を与えるなら、例えば、彼女が私のオフィスで喫煙をするとしたら、それは私の問題になります。私がその問題を所有しています。それがルールなのです。問題を持っている人が解決しなければなりません。他の人からのアシスタンスや協力が必要になるかも知れませんが、問題を解決するか否かは問題の所有者次第です。

私(ミシェルですが)は、皆さんの考えやコメントを聞きたいです!

ありがとうございました。

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[ニュースレター] 2012年7月号

─2012年7月号─「あなたは査定がどれくらい「好き」ですか?なくなればいいのにと思いませんか?」

L.E.T.修了者の方々へ

リーダーシップ・スタディに特化している社会科学者は一般的に生産性の高いグループにはグループ・メンバーに高いレベルのモラールやモチベーションを育成する能力のあるリーダーがいると言っています。組織で最も効果的なリーダーは、アンフェアで不可能な結果をグループ・メンバーに要求せず、組織のトップ・マネジメントの目標や要求を実現させます。これらのリーダーが示す行動パターンは共感的リスニング、非難しないI-メッセージ、参加型意思決定、各グループ・メンバーの個々人のニーズを考慮する等々の基本的リーダー・メソッドに留まりません。
 
つまり、敬意をもって部下を扱い、フラストレーションの根源を取り除くだけではグループの生産性や達成率を最大限にするには十分ではありません。効果的なリーダーは目的を達成し、良い人間関係を維持することの両方に特化していなければなりません。このようなリーダーはグループ・メンバーに対して組織の生産性の目標の重要性やこれらの目標がどのようにグループ・メンバーひとりひとりに影響を与えるかを伝えます。リーダーが生産性の目標を伝える時の行動や態度は、グループ・メンバーがどうそれらの目標を受け入れ、達成されるかを決定づけます。
 
良い人間関係スキルはこのようなレベルの成功を収めるのに重要な役割を果たします。もしリーダーがグループからのインプットを許さず、組織の目標をグループに押し付けるなら、あるいは、リーダーが組織が設定した目標に対するグループ・メンバーの考えや気持ちを聞きもせず考慮もせず、生産性目標を達成できない時にはペナルティを課すだけならば、グループ・メンバーはリーダーからも組織からも利用されているだけだと感じるでしょう。グループ・メンバーは組織と不公平な関係であると感じ、組織の生産性目標達成の意欲がなくなるでしょう。
 
一方、組織が本当にグループ・メンバーのニーズに配慮して、尊敬の念をもって組織が対応していると確信するなら、組織が不公平な要求を押し付けているとは思わないでしょう。査定の効果的な方法を開発し、グループ・メンバーが生産性目標を達成した時に実際に目で見てわかる報酬を与えることは組織の効果的リーダーが示すべき重要なスキルです。
 
グループ・メンバーはしばしば査定を恐ろしいものと感じています。切迫した運命みたいな感覚は、リーダーと組織に対する嫌悪感に通じているかもしれません。もちろん、リーダーもルーチンの査定を恐れるようになります。次回は、通常の査定のやり方の欠陥がどのようにリーダーの役割を複雑にしているのかを指摘し、ルーチンの査定を行う新しい方法を紹介します。この新しい方法は『定期的プランニング・カンファレンス』と呼ばれています。リーダーがルーチンの査定を人間関係強化のためのツールに変化させ、チーム・メンバーが自分の生産性を最大限に引き出す学習の手助けをします。

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[ニュースレター] 2016年1月号

─2016年1月号─「全てのリーダーが知っておくべきことが何か、あなたはわかりますか?」

リズ・カーター氏は勤務する銀行で業務部のスーパーバイザーに任命されました。同じ頃、ウェイン・ハワード氏がサービス・クラブの社長に選任されました。アンドレア・マーティン氏は会社で遂に、生涯を賭けた野心、営業でのヴァイス・プレジデントになりました。メーカー会社の最前線でのスーパーバイザーとして6年間勤務した後、エリック・モリソンは工場長に昇進しました。アナ・ヴィテールは大学の選挙を経て、学生会長に選ばれました。
 
友達は彼らの功績を祝ってくれて、新しいポジションがどれだけ彼らにふさわしいか言ってくれました。ある人は自分の夫に電話して、自分に起こった良い知らせを興奮しながら伝えていました。またある人は、自分の家族を夕食に連れ出してお祝いしました。全員、自分たちの功績をとても誇りに感じていました。内心、全員が『達成した』『とんとん拍子に出世した』『トップに登りつめた』と感じていました。
 
これらは、リーダーシップのポジションに任命された人たちの普遍的なリアクションです。彼らは、『やり遂げた』と感じています。
 
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[ニュースレター] 2018年12月号

─2018年12月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.8」

Date: December 8th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

ロードブロック

 これら聴き手の応答の12カテゴリに含まれる暗黙の(時として非常に露骨な)意味合いは、話し手を受け入れるというよりも、むしろ話し手に変わってほしいという要望や意図になります。ロードブロックというのは、支援される人に対して考え方や感じ方、あるいは態度を変えてほしいという要望(しばしば圧力)を伝えてしまうのです。これら12種類の応答は、そのため、非受容を伝えるための手段として機能してしまいます。そして、非受容の雰囲気というのが、個人の成長や発展、そして心理的健康の促進にはほとんど役に立たないことは、もうご存知のはずです。
  では、なぜなのでしょうか? 人は、彼らを変えさせようとして恣意的な権力に恐れている時や、彼らを変えさせようとする脅威にさらされていたり、批判されていたり、こき下ろされていたり、もしくは分析されていたりすると感じている時、あまり効果的に問題解決をしようとはしないように思われます。こうした雰囲気は変化に対する防衛反応や抵抗を生み出します(レベルⅡの安全と安心のニーズを守るのです)。それと同時に、自己表現や自己探求──どちらも問題を解決するのには必要不可欠なもの──を阻害します。
 リスニングは、グループ・メンバーが彼らの問題を解決するための支援をする上で、もう一つ、問題解決の責任をメンバー(当然ながら「問題を所有する」人)に持たせ続けるという、とても重要な機能を果たします。12のロードブロックは、打って変わって、さまざまな度合いで問題の所有者からその責任を奪い取り、リーダーの手中に置きかえる傾向にあります。
 責任の中心を問題の所有者に据えておくことは、次のような理由から重要になります。
 第一に、チーム・メンバーに自分の問題を自分で解決させるリーダーは、たくさんの利益を生み出すための堅実な投資をしています。チーム・メンバーのリーダーに対する依存は少なくなり、より自律的に、より自立して、よりうまく自分で自分の問題を解決できるようになります。
 第二に、リーダーは、グループ・メンバーが仕事のオンとオフを問わず彼らの生活圏内で直面する、幅広いさまざまな個人的問題とその複雑さについて、充分に理解していることはめったにありません。そのため、問題解決の責任の中心を支援される人に据えておくためのスキルは、わずかな情報しかない問題についての答えを導き出すという不可能な課題からリーダーを解放してくれます。たとえ、相手の問題についての理解が通常どの程度制限されているかを認識している、熟練したプロのカウンセラーでも、しばしば重たいプレッシャーを感じていながら、それでもクライアントの解決策を導き出す責任を担うことはしません。

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[ニュースレター] 2010年8月号

─2010年8月号─「対立を協力に変える」

L.E.T. 修了者の皆さま

以下に挙げる内容はトマス・ゴードン博士のL.E.T.の教科書からの抜粋で、職場のパワーについて深い考察をしています。

今月(正確には8月26日ですが)、ゴードン博士が逝去してから8年が経ちます。ゴードン博士は物理的にはもう私たちとは一緒におりませんが、彼の考えやライフタイム・ワークは献身と情熱をもって世界中で受け継がれています(ありがとう、ゴードン博士!)。

個人的な経験から2つのWin-Lose対立解決法は人間関係を破壊し、組織の効率性を減少させるリスクが高いことをほとんどの人は知っています。しかし、この2つのWin-Lose対立解決法はほとんどのリーダーが選択する方法なのです。

これにはいくつかの説明があると思いますが、2つの説明が最もそれらしいと思います。まず一つには、人々は対立解決法の他のアプローチの経験則がないことです。それでほとんどの人の気持ちの中には、大きな影響は最も強いパワーを得ることとイコールであると考えている節があります。

ほとんどの子供は、子供がすべきことと大人が思っていることをさせるために親または両親がアメとムチを頻繁に使っている家庭で育てられました。

家庭内暴力の有名な全国調査で、80%の親はお尻を叩く、ひっぱたくなど普通の体罰を使っていると答えています。30%近くの親は暴行で逮捕されるような暴力行為を行っていることが分かりました。

同様に、学校でもアメとムチが教室で『規律』を守らせるために教師によって重要な方法として使用されています。この習慣はもう700年ほど変わっていません。それが私には驚きです。

これが意味するところは、子供たちが大人になる頃には大人と子供の対立解決法として大人が子供を従順にさせるために使用してきた方法以外のモデルを知らないで来ている人がほとんどであるということです。

ですから、子供たちは権力を使わない大人との関係を構築する機会をほとんど持ち合わせていません。彼らが経験しているのは強制力と支配力です。以前私も聞いたことがありますが、「どうして権力を使われても教師や親の言うことに従わないのか」と若者に聞くと、ほとんどの場合、「もっと権力を使うべきだったのかも」という答えが返ってきます。

この50年間、ゴードン・モデルのワークショップに来る人のうち10人に9人はWin-Lose対立解決法に代わる代替案があることを知って、実際に驚かされています。

このようなリーダーは、権力を使うと影響力を失うという考えを提示すると、全く信じられないというような不信を表しますが、なるほど無理もありません。実は、リーダーの中には私たちのワークショップに参加する時、もっと賢く権力を使う方法を学べると期待して来る人もいるくらいです‐‐‐権力を使わない方法を学ぶなどとは夢にも思っていません。

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