[ニュースレター] 2017年8月号

─2017年8月号─「世界的な価値観の衝突が職場に入り込んできたとき」

Date: August 31st, 2017 | BY Brian K. Miller
 
 私たちの生きている世界は今、深刻な価値観の衝突で満ちています。多くの場所で、価値観の衝突は激しい対立へと続きます。例えば、イスラム教徒によるテロは田舎地方にあるアラブ世界とグローバル経済の現代世界の間の中核になる価値観の衝突から始まっています。最近アメリカ合衆国では、いくつかの都市でドナルド・トランプ大統領を支持する人たちとドナルド・トランプ大統領はファシズム支持の独裁者であると信じている人たちとの間で暴動が起きています。日本を脅かす一つの価値観の衝突は、社会主義の韓国政府が同盟国であるアメリカ合衆国によって支持されていることに対抗して、北朝鮮の支配者である金正恩総書記が攻撃的な態度をとっていることです。このようなグローバルな価値観の衝突に関して、個人ができることはほとんどありません。あなたと私が直面する問題は、このようなグローバルな価値観の衝突が職場にまで進出する場合です。

 日本では私生活での倫理感は、職場では完全に分離されることが要求されるという思い込みが前提にあります。日本にいる多くの人たちは、職場で個人的な価値観について話すことを避けます。個人的な価値観について会話を始めようと試みるだけで、上司からの逆襲にあう羽目になるかもしれません。これはメソッドⅠの形式です。トップダウンで権力に基づくリーダーシップです。価値観の衝突が手に負えない問題になるのを回避する一助にはなりますが、憤りを生み出し、職場環境に更なるストレスを加えることにもなります。このストレスを軽減し、優秀な社員をキープし、より良い職場環境を生み出すためには、価値観の衝突を管理する多様で異なるスキルを習得することは役に立ちます。

 ゴードン・モデルでは、価値観の衝突に対処するいくつかの異なるスキルを識別し、それらをヒエラルキーで整理しています。ヒエラルキーの上の方にあるスキルは価値観の衝突を鎮圧するのに非常に効果的ですが、それらは深刻な憤りを生み出します。ヒエラルキーの下の方にあるスキルは、時として価値観の衝突で分裂を引き起こしますが、それらは憤りを最小限に抑え、人々が自分たちの個人的な価値観について自由に議論できる環境を生み出します。
 
権力を使う 偽りの受容 価値観を変えないで行動を問題解決する コンサルタントになる 対決とリスニング 予防的に教える モデリング あなた自身の価値観を変える 変えられないものを受けとめる(違いを受容する)  
ダメージが少なく、人々が自分たちの問題を自由に議論することができるオープンな環境を生み出すので、私は5番の対決とリスニングにフォーカスしたいと思います。

 異なる個人的な価値観をもつ人に対決することは、いろいろな意味で全てのゴードン・モデルの中でマスターすることが最も難しいスキルです。直感的には、常に私たちの倫理感と異なる倫理的モデルを持つ人は誰であっても拒否したくなります。私たちはそういう人たちを信頼できない、不自然な、ことによると正気とは思えない人と捉えます。私たちの個人的な価値観は他の全ての価値観より優れていると常に思っています。私たちがこの前提を職場に持ち込むとき、不愉快に思う人たちを私たちは避けます。残念ながら、時として私たちは嫌いな人と特定のプロジェクトに取り組まざるを得ないことがあります。その場合はどうしたらよいでしょうか?
まず、その人に対決します。

 「北朝鮮には核ミサイルを開発して維持する権利があるとあなたが言う時、私はギクリとさせられます。何故ならば、それらのミサイルが日本を狙っているのではないかと心配だからです。」
ここで、あなた自身の防衛や恐怖、心配について考えるのは止めましょう。相手の話を聴きましょう。相手の論理、事実、彼らが自身の意見をどのように支持しているのかについて注意を払いましょう。この人はあなたではないことを認識するのに足りるほどの共感を示しましょう。彼らはあなたではないのですから、彼らは信じたいと思うことを何でも信じていいのです。彼らの意見の中に価値を見つけましょう。良い点を見つけ、認識しましょう。

 「そうですね。良いポイントですね。どの国も自己防衛する権利がありますね。私は、核ミサイルは防衛的な武器だとは思いません。核ミサイルのたった一つの目的は攻撃して破壊することです。」
相手に同意する必要はありません。しかし、判断を下さず、批判しないで相手に意見を表明してもらうことは常に重要です。相手を攻撃しないで、あなたの個人的な価値観を防衛しましょう。

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[ニュースレター] 2009年1月号

─2009年1月号─「あなたの『自由の領域』は何ですか?」

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

以下はトマス・ゴードン博士著の“Leader Effectiveness Training” から引用したものです。皆さんがゴードン・モデルのプログラムのどれを受講したとしても当てはまると感じることだと思います。問題解決する気満々であれば、もの凄く役立ちます。あなたもそれを実感できることを願っています。

No-Lose 解決法を、対立した状況下でリーダーがすべての人に(もちろんリーダーも含みます)権限委譲することだと考えると、リーダーは実際には自分が持っている意思決定の権限以上のものを委任することができないのは明らかです。

製品の価格に関しては企業の経営陣によって事前に決定されている場合、営業チームのスーパーバイザーは、その製品についてどれだけの金額で顧客に販売すべきかをめぐる対立にNo-Lose対立解決法を使うべきではありません。よってスーパーバイザーの自由になる領域からは外れています。月給からどのくらい所得税を天引きするか(連邦法)とか、消費税をどのくらい顧客が支払うかも同様です(州法)。

どんなリーダーであっても、意思決定の自由度には限界があり、問題解決プロセスを通して交渉できる問題の数には制限があります。No-Lose 対立解決法についての多くの誤解の原因は、この現実に対する理解不足です。例えば、 “リーダーは彼らとグループメンバーとのすべての違いや不一致を問題解決するのはとても無理だろう”という見地で、ワークショップで幾人かのリーダーはメソッドⅢの考えに抵抗します。もちろん、無理に決まっています。試す必要もありません。多くの問題点はリーダーの権限外であり、それゆえに話し合いで解決できないのです。

以下の四角形はリーダーの自由の領域のすべてだと仮定してください。(本当に全く制限がない場合)
 

※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。

リーダーの権限の多くは連邦法によって制限されています。–例えば、最低賃金法:


※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。

州法による制限があります。–例えば労働者は作業場では保護眼鏡をつけなければならない、又は、一日8時間を超した労働時間はどれも時間外労働とみなされる。


※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。

もちろん労働時間や休憩の回数が就業規則に記されているものもあります。


※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。

その上、部長たちは、彼らの上司の方針に従わされ、監督者は彼らの上司の方針に従わされるといった具合です。

現実として、殆どのリーダーは比較的小さな範囲での権限しか持っていません。このより小さな権限の中で彼らは従業員に対してNo-Lose 対立解決法を使っています。組織での地位が低ければ低いほど、この自由の領域は小さくなります。

このような観点である問題について考える手助けとして、ここにいくつかの質問を用意しました。自分自身やあなたのグループに問いかけてみてください。

1.      この問題に取り組む自由の領域が私(私たち)にはありますか?
2.      6つのステップのうち、いくつが私(私たち)の自由の領域にありますか?
3.      どのような決定や行動が私(私たち)の自由の領域の外にありますか?
4.      必要な自由の領域は誰が持っていますか?
5.      私(私たち)は今、その人に入ってもらいましょうか?それとも後で?

もしリーダーの権限が及ばないところでグループが問題に巻き込まれ、その中で対立が生じていたら、リーダーは何ができるでしょうか?いくつか提案してみます。

1.      問題が交渉不可であることおよびその理由をグループ・メンバーに伝えます。
2.      彼らにどのようなニーズがあり、何故それが満たされないのかをよく理解するために、彼らの不平をアクティブ・リスニングします。
3.      もっとよい方法について彼らにアイデアを出すよう勧めてみましょう。
4.      あなたが同意するなら、組織の中でその改革案の主張を買って出ることができます。
5.      もし上司からその案が断られたら、グループに戻りその理由を彼らに話してください。そして彼らの気持ちをアクティブ・リスニングします。

最後の2つは重要な原則を含んでいます。リーダーがグループ・メンバー(直属の上司のマネージメント・グループにおいて)に対して強くもなく有能でない主張者だと、強く有能な主張者であるリーダーの場合に比べて、従業員の士気は下がり生産性も落ちる、と研究が示しています。このことは私がかねてよりずっと強調していたことが間違いないことをはっきりとさせています。有能なリーダーとはグループのメンバーによって、彼らのニーズを満たすことができるとみなされる人です。そのような訳で、チームメンバーのことをより高い経営層レベルに対して十分に表現しないリーダーは愚かであり、彼らが必要な物を与えることのできないリーダーだと思われてしまいます。

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[ニュースレター] 2012年2月号

─2012年2月号─「バラは赤、スミレは青紫---私はどうやってあなたに感謝していると言ったらいいですか?」

L.E.T.修了者の方々へ

チョコレート、カード、花—それらはみな、あなたのバレンタイン(あるいは友達、同僚、子供など)があなたにとってどれだけ大切かを伝える素晴らしい、心温まる手段です。
 
皆さんはそこに感謝のI-メッセージも付け加えるでしょうね!
 
このようなタイプのI-メッセージは(レッテル貼りや判断を使う称賛とは異なり)、相手の行動に焦点を当てつつあなたへのポジティブな影響をも織り込みます。それは他の人たちの貢献に感謝するための優れた方法です(それはまた、あなたは何が好きであるかを知らせますし、相手も感謝のI-メッセージを受け取れば、その行動を繰り返したいと思う傾向にあります)。ですから、称賛をやめてこんなのを代わりに試してみたらいかがでしょうか!
 
いくつか例を紹介しましょう。 
 
『あなたが遅くまで残ってあの注文を処理してくれて、私は本当に感謝しています。期日にも間に合ったので、私はとてもホッとしています。』
 
『あなたと話して楽しませていただきました。私はあなたの洞察力を高く評価しています。』
 
『あなたが今日、無事に帰宅したと連絡をくれた時、私はホッとして仕事のプロジェクトに集中することができました。』
 
『私はあなたとハイキングに行くのが本当に楽しくて好きです。いつも喋っていなくてもいいし、とてもリラックスできてあなたと一緒にいることが楽です。』
 
『一週間会社を離れていても、私が通常する業務をあなたがこなしてくれることを私は本当に評価しています。旅行中も助かっています。』
 
Happy Valentine’s Day to you! 皆さまが一日中、誰かに感謝されることをお祈りします。

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[ニュースレター] 2015年7月号

─2015年7月号─「あなたはヘリコプター・リーダーですか?」

Date: July 13th, 2015
Blog posted by:  Michelle Adams (from the L.E.T. book)
 
 グループのリーダーになると、ほとんどの人は手綱をとって、好調なスタートを切り、自分ひとりで全ての問題解決をしようと課題に飛び込みたい誘惑を拒めないようです。当然のことながら、ほとんどの新米リーダーの最初の懸念事項は、なるべく早く、自分をリーダーに任命してくれた人たちに、その選択が間違っていなかったことを正当化することです。一刻も早く、良く見せたいと思っています。結局は、すぐに介入して『実権を握る』ことをしないなら、何のためのリーダーなのでしょうか?軍隊では、『指揮を執る』という表現をします。

 残念ながら、指揮を執ろうと急ぎすぎるとひどい目に遭うかも知れません。素早い改革、速攻解決、生産性の劇的増加を達成することに躍起になり、リーダーは前任者のグループ・リーダーが残したゴタゴタを一掃してくれるだろうという高い期待に応えようと、良く知られている『新任者』の誘惑に負けます。しかし、リーダーはほとんどグループ・メンバーのやる気と協力がなければ、自分だけでは改革などは成し遂げられません。そして、グループ・メンバーのやる気や協力は、すぐには得られるものではありません。グループは変化を拒否し、執拗にこれまでの習慣的やり方に固執します。これらの『グループの基準』がグループ・メンバーの行動に強い影響を与えます。
 
 例えば、グループは一般的に『普通の日の仕事』や『生産性の基準』とは何かという彼ら自身の基準を創り出しており、それらは明確にメンバーに理解されており、グループ内で非公式に強化されています。リーダーのアクションで、この基準の維持に脅威になるとみなされるものは、特にリーダーのアクションが任意のものとみなされるなら尚のこと、強硬に拒否されます。
 
 グループ内にあるこれらの抵抗勢力を、『等価交換』という観点から見てみましょう。公平な費用便益比のグループでの定義を動揺させるリーダーのアクションをグループは強硬に拒否します。つまり、仕事に費やしたエネルギー(費用)の量に関連した公平な利益(例えば、給与等)です。新任のリーダーは、この費用便益比を脅かす可能性があるとみられており、グループは組織による悪用から身を守りたいと思っています。
 
 グループは、新しい方法や手段が紹介されることにも強く拒否します。特に、それらが任意に、そして一方的にリーダーによって開始される場合。私たちは皆、どのように人が物事を一定の方法でやることに慣れているか、よくわかっています。ですから、新しい方法を覚えなければならない時には、グループ・メンバーが費やしても構わないと思っているエネルギー出力以上が求められているように思えるのです。

 多くの熱心な新リーダーは、用心深い『民生委員』のような態度を取ります。グループ・メンバーを監視して、間違いが何も起こらないように『全てを把握して』いるため、ミスも起こりません。このような『過剰監視』(あるいは、ヘリコプターのように従業員の周りをうろつくこと)には、次のような多くの事例があります。
 
– 詳細なアクティビティ、あるいは進捗状況報告書を求める
– 契約書を送る前、計画を実行する前、あるいは何かを決定する前にリーダーの承認を得るようにグループ・メンバーに要求する
– グループ・メンバーに既に割り当てられた課題を『正しく』行われたか確認するために引き継ぐ
– グループの外とのコンタクトを始める前には、メンバーは『リーダーを通して』から行かなければならない
 
 過剰監視の不可避の影響の一つは、リーダーの任意の権力行使に対する憤りです。もう一つの影響は、新しい要求に対する受動的な抵抗です(アクティビティ・レポートが、どうしてか提出されない)。グループにとって、もっと悪いのは、過剰監視はメンバーのリーダーに対する依存度を高めることです。メンバーは、全ての問題をリーダーに持ってくるようになります。メンバーの自発性が無くなります。イニシアティブが押さえつけられます。仕事での成長が止まります。リーダーは仕事が増え過ぎて、全てを自分でやらなければならなくなり、負担に感じます。ワーク・グループは、今となっては『ワンマン・オペレーション』となっています。新しい職務で、過剰監視しようとする新リーダーは、グループが持つ全ての資源の恩恵を受けずに、本当に一人でやらなければならないことに気づきます。時既に遅しです。

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[ニュースレター] 2018年8月号

─2018年8月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.4」

Date: August 11th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
私が問題をもつ時
 
Pages 101 – 104:
相手を効果的に支援する方法について理解したところで、今度はあなた自身を支援する方法を知る必要があります。他者との人間関係において自分たちのニーズを上手く満たすことができる人がいますが、それはなぜでしょう? 相手の行動があなたに問題を引き起こす時、どうやったらその人があなたに対して憤りを感じず、メンツを失わないで、行動を変えるような影響を与えることができるでしょうか?
私たちは皆、相手の行動が受容できないとか、私たちに問題をもたらしているとかいうメッセージを相手に伝えることを躊躇します。相手が傷ついたり、怒ったり、私たちを嫌いになったりするリスクがあります。そのような恐怖には正当な理由がない訳ではありません。誰が、あなたの行動は受容できないと言われたいでしょうか?人は高い頻度で、対決に対して、聞きたくないという否定的な反応を示します。そこから口論になるかもしれません。あるいは、相手は批判的なメッセージで報復するかも知れません。あるいは、相手は傷ついたり怒ったりして、その場を立ち去るかも知れません。あるいは、相手は防衛的になったり不愉快になったりするかも知れません。ですから、相手に対して自らを主張して対決するには、ある程度の勇気が必要です。
さらに、リーダーが対決することに不安を覚えるもう一つの重要な理由は、彼らが使用する特定の言葉が、もともとは彼らが子供だった頃、彼らに対決した大人たちから学習したもので、それが抵抗や報復を引き起こしたり、対決した相手との人間関係を傷つけたりする可能性が高いからなのです。私たちのL.E.T.ワークショップでは、インストラクターは簡単な演習を行い、その結果は一貫して、リーダーが問題を引き起こす相手に対決する時、対決のメッセージで使われる言葉は、不快だったり、脅迫的だったり、批判的だったり、道を説くものだったり、見下していたり、皮肉っぽいものだったり、対決された方の自尊心を傷つけたりするということを示します。

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[ニュースレター] 2010年1月号

─2010年1月号─「I-メッセージを送る時にしたいこと」

L.E.T.修了者の方々へ

– チーム・メンバーや他の人に、彼らがその問題を解決するべきだ、というのではなく、何故、彼らが私の問題を引き起こしているのか、を伝えたいです。彼らに私を助けてくれる人となるチャンスを与えてください。

– あなたの本当の気持ちに触れる練習をしてください。もしあなたのI-メッセージがいつも怒ったようであれば、あなたは問題を持った時に自分の感じている本当の気持ちをおそらく知らずにいるでしょう。

(これは実に重要なポイントです!)『私は何を恐れているの?』と、あなた自身に問いかけてください。なぜならば、多くの場合、あなたが受容できないと思う行動はあなたが必要としている何かを妨げる恐れがあるからです。

– 無視されていると感じたり、もし最初のI-メッセージが上手くいかなかったりした時、より強い2度目のI-メッセージを送ってみてください。

– 彼らが問題を持っている時は彼らの話をよく聴きましょう。そうすればあなたが問題を持っている時にあなたのI-メッセージに対して建設的な答えが返ってくる機会が増えるでしょう。助けたいと願う気持ちは相互になければなりません。一方通行はそんなに長くは続きません。

– 他の人に対決する時に通常耳にする心配ごとや動揺は注意深く聴き、アクティブ・リスニングにギア・シフトします。その後機をみて再度I-メッセージを送ります。

I-メッセージを送る時にしてはいけないこと

– その行動によって起きる実際の影響を彼らに言わないのであれば、彼らが行動を変えることを期待してはいけません。彼らに本当の理由を伝えましょう。なぜならば、行動を変えるべき論理的な理由があれば彼らは納得するはずだからです。他に行動を変える理由があるでしょうか?

対決的 I-メッセージが持つ3つの部分を思い出してみましょう。=行動(相手がしたり言ったりする何か)、影響(具体的で明確な私への影響)、気持ち(あなた自身の気持ち)

– どんなI-メッセージでも上手く行くと思ってください。職場の仲間が対決してきた時、あなたは毎回必ずしも変わる必要があると思わなくても構いません。

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[ニュースレター] 2013年2月号

─2013年2月号─「愛はリーダーシップと何の関係があるの?」

Date: February 13th, 2013
Blog Post by Bill Stinnett

あなたは自分のチームの人間を好きにならなくてもいいですが、愛する必要があります–言葉の深い意味として。愛とは最も重要なことを尊重することです。品位、尊敬、信頼、公平等々。本当に偉大なリーダーは違いが分かっています。

私がコーチングしているクライエントで、自分が何故ひどい360度評価をいつもされてしまうか理解できない人がいます。「結局、私はわざわざ皆に優しくしているのに」と彼はこぼします。そして、それは事実です。彼はいつも周りの人の分の食事代を出したり、特別な時には美味しいワイン付きの高い夕食をおごったりしていました。彼は何人かの人とゴルフやテニスもしていました。彼らの配偶者や子供たちの誕生日にはカードも送っていました。チーム・メンバーがいる時には彼はいつも機嫌が良かったのです。悪い知らせで動揺させたくありませんでした。物事が悪い方向に行っていても、彼は幸せそうな顔を見せてきました。」(そうです、彼がこう言ったのです)いつでも話に来てもらえるように自分のオフィスのドアを開放していました。彼はハグするのが好きで、しすぎる時も時としてありました。

一方で、彼が嫌がることをチーム・メンバーがした時には、彼はそういうメンバーを解雇していました。チーム・メンバーは自分の携帯が使えなくなって初めて解雇を知らされるのです。オフィスに戻るまでには、彼らの荷物は箱に入れられ、コンピュータはロックがかかっていました。プライベートで彼は自分のチーム・メンバーが「泣きごとを言ったり、愚痴を言ったり」して子供のように振舞い、我慢できないとこぼしていました。

事実は、彼のチーム・メンバーは彼の表面的な社交辞令を見透かしていたのです。彼らは信頼、公平、尊敬の念は彼にはないとわかっていました。これは愛のない人間関係で、それは明らかでした。

もう一人コーチングしているクライエントで、自分でも認めているように社会的な礼節があまりできない人がいます。彼女は時々ぶっきらぼうで、せこい人でした。誕生日も時々忘れてしまいます。彼女は時として何週間も誰もランチに誘わず、一日中オフィスのドアを閉め切って仕事をしています。パーティも開かず、高いワインもチーム・メンバーのために買うことはありません。しかし、チーム・メンバーは皆彼女のために全力で戦います。締め切りのある時は、彼女が頼まなくても皆会社に出てきて残業をしてくれます。彼女はどうやってそれができたのでしょうか?彼女は真実を話していました。必要とあれば、皆の話に耳を傾けました。非難しないように心がけました。対立が起きた時はWin-Win解決法を一生懸命探しました。何人かは彼女のことがあまり好きではありませんでしたが、いやはや、それでも彼女を称賛し、尊敬し、信頼していました。彼らは彼女を愛しており、彼女も彼らを愛していました。どちらのチームが仕事ができたかわかりますか?

ゴードン・トレーニングのメンバーよりHappy Valentine’s Day!

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[ニュースレター] 2016年8月号

─2016年8月号─「拡張現実がゴードン・モデルと出会う」

Date: August 11th, 2016
Blog Post by: Brian K. Miller
 
ポケモンGO、新しい拡張現実ゲームがこの携帯電話を取り込んで、嵐のように私たちの世界を振り回しています。今、ポケモンGOはツイッターを上回り、ネットフリックスよりも多くの処理能力を食います。職場、家庭、街の中でのインターパーソナルな関係に直接インパクトを与えています。

ゲームや注意をそらす他のもののコミュニケーション・フローに与える影響を吟味する時、重要なポイントは価値観の衝突と本当のニーズの対立との違いを認識することです。当然、ポケモンGOのような人気のある人を惹きつけるゲームであっても、誰もプレイする必要はありません。しかし、人は余暇、レジャー・タイム活動をする必要があります。レジャー・タイムがどのように予定され、どのような活動を人々が一緒になって求めるかは、本当のニーズの対立を生み出しかねません。
 
営業チームの2人のメンバーが、しばしばオフィスを出て顧客訪問に行っていると仮定しましょう。ポケモンGOがリリースされてから、彼らの昼休みが午後の就業時間に食い込んで長引いており、そして午後の営業訪問の後、オフィスにほとんど戻ってこないことに上司は気づき始めました。上司がチーム・メンバーに対決した時、彼らは自分たちの仕事の時間にゲームすることを許してしまっていたと認めました。彼らはしばしばオフィスを離れて営業に出ていましたし、彼らが稼いだ売り上げも落ちてはいなかったため、二人はどちらもこのことを問題だと思っていませんでした。
 
明らかに、二人のチーム・メンバーは営業目標を達成しています。しかし、売り上げ以外に会社では説明責任を負っています。会社は、従業員である営業の人たちがどこにいるのか、何をしているのか、顧客との間で問題が起きた時にどのように彼らと連絡をとるのか等、知る必要があります。上司はこの二人の営業マンに対決し、会社のニーズを強調する必要があります。対決的I-メッセージは以下のようなものになるでしょう。「あなたがデスクから離れて長い昼休みをとったり、営業回りから帰ってこなかったりする時、顧客が問題を抱えて電話して来たら、どのようにあなた方にコンタクトしたらいいかわかりません。私は多大なるストレスと不安を抱えることになります。」

上記の事例のように、二人の営業マンはオフィスに戻る代わりに、ポケモンGOをやっていたことを即座に認めました。この場合、ギア・シフトはかなり短くてよいでしょう。営業マンが勤務時間中に自分の居場所について説明責任を負っていることを担保する方法を見つけるためには、メソッドⅢが主要なツールになるでしょう。勤務時間中にゲームをすることに対する、より厳しい時間要件や禁止事項が決められる結果になるか否かはわかりません。より厳しい時間要件や禁止事項が最終結果であると仮定するなら、全てのメソッドⅢのプロセスは無効になり、二人の従業員は会社への貢献が全く感謝されず、報酬が与えられないと感じるでしょう。ですから、問題が解決されると事前に仮定しない方がいいと思います。ブレーンストーミングの時に挙げられる解決策全てに対してオープンでいましょう。ステップとステップの間では必要に応じてギア・シフトをし、プロセスが自然と結論に到達していくようにします。会社のニーズにフォーカスしつつ、そのニーズが満たされるための代替的選択肢をシャットアウトしないで下さい。
 
拡張現実ゲームは、レジャー活動がどのような形態であっても、なくならないでしょう。それらは今よりさらに普及するでしょうし、ポケモンGO以上に対立を生み出すことでしょう。ゴードン・モデルは、職場や家庭、あるいは私たちの地域でこのような対立を解決するための最善のツールです。

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[ニュースレター] 2019年7月号

─2019年7月号─「地位に就くだけではリーダーではない②」

Date: July 27, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

以下のリストの中のコーピング・メカニズムの多くは、皆さんも覚えがあるはずです。子供の頃に最も頻繁に使っていた特定のコーピング・メカニズムや、大人になった今でも使っているコーピング・メカニズムを確認したくなるでしょう。

 

  1. 抵抗、挑戦的態度、謀反、否定主義
  2. 憤り、怒り、敵意
  3. 攻撃、報復、反撃、権力者への嘲笑
  4. 嘘をつく、感情を隠す
  5. 他人を非難する、告げ口をする、騙す
  6. 支配する、威張る、弱い者いじめをする
  7. 勝ちにこだわる、負けず嫌い、完璧主義
  8. 同盟を組む、権力者に抵抗する組織をつくる
  9. 服従、従順、追従、おべっか
  10. 権力者にへつらう、ご機嫌をとる
  11. 同調、新しいことや創造的なことへの恐れ、事前に成功の保証を求める、権力者への依存
  12. 引きこもる、逃避する、空想をめぐらせる、退行する
  13. 病気になる
  14. 泣く

 

なぜ、リーダーになっただけでは成功したとは言えないのかが、よりはっきりしてきたでしょうか?事実上、リーダーという地位をつかんだぞ!ということは言えるかも知れません。たとえあなたがグループのリーダーシップをとる機会を得る前であっても、グループ・メンバーの目には、あなたは潜在的な管理者や支配者という新しいアイデンティティを持った人物として映るのですから。そして、あなたが権力と権限を実際に行使する前から、グループ・メンバーはすでにこれらのコーピング・メカニズムを組み合わせて使用することで対処する準備ができており、そうするようプログラムされているのです。

 もちろん、私はリーダーを志している人を落胆させるつもりはありません。むしろ、リーダーとグループ・メンバーとの間の人間関係を左右する独特のダイナミクスについて、私はただただ現実的でありたいのです。第一に私はこの本の論点を強調したいと思いますが、リーダーという地位にいるだけではリーダーとは言えません。なぜなら、リーダーは自動的にグループ・メンバーから尊敬され、受容されるわけではないからです。ですから、グループのリーダーシップを発揮して、グループ・メンバーにポジティブな影響を与えるためには、リーダーは特定のスキルとメソッドを学ばなければなりません。

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[ニュースレター] 2011年3月号

─2011年3月号─「もしそれがそんなに重要ならば、あなたはどうしてやっていないのですか?」

L.E.T.修了者の方々へ、

リーダーシップ・トレーニングのほとんどはマネジャーがどのように自分のチーム・メンバーに積極的に成果をあげる行動をさせるかに重点を置いています。しかし、しばしば忘れられている力学は、『モデリング』の概念です。簡単に言うと、モデリングは他者にやってほしい行動を自分自身がやってみせるということです。これは基本的考えで、本質的にはゴードン・ルールが変化したもの(バリエーション)ですが、言うは易し、行うは難しなのです(私のするようにではなく、言うようにしなさい)!

ほとんどの組織ではそれぞれのレベルのメンバーが必要な行動を回避するのに都合のよい体制や仕事上の役割を構築しています。例えば、仕事の時間です。『適用除外』のポジションですが、報酬の計算が時給ではない場合は、時間ではなく仕事によって支払われます。このような人達は職務上時間のフレキシビリティ(柔軟性)があり、個人的なアポをスケジュールすることも可能ですし、『正式な』勤務時間中に子供のサッカーの試合を見に行くことも出来ますが、残業代ももらわずに夜勤をしたり、週末出勤をしたりします。ですから、このような体制には賛否両論あります。これがモデリングとどう関係しているのでしょうか?

通常このようなフレキシビリティを持っている上司が、頻繁に仕事に遅刻してくるなら、チームはそれに気づき、どうしてこれが受容できるのだろうかと疑問に思うでしょう。『もし自分たちが8時半きっかりに出社することがそんなに重要ならば、どうしてそれがあの上司には適用されないのだろうか?』とチーム・メンバーは疑問に思うでしょう。ここで重要なのは、遅刻に値する理由があるならば、それは受容されてもよいとみなされるということです。しかし、職務上フレキシビリティが既に組み込まれているので、上司が理由もなく遅刻しても受容されると思っているのです。

これがスタッフが認知している現状ならば、上司の信頼性が危うくなったのも理解できます。もし上司が来たい時に会社に来ているとチームの人たちが思うなら、決められた時間に出社することがそんなに重要ではなくなるでしょう。ここには不平等感が存在します。これは小さな例ですが、このような原則が毎日どのように行われているか考えてみて下さい。私たちが他者と関わる方法はどうでしょうか?言葉遣いはどうでしょうか?噂話をしたり他人を軽蔑したりするのはどうでしょうか?真実を言ってみてはどうでしょうか?会社が設定した規則に我々が従うというのはどうでしょうか?我々の子供たちに設定した行動規範を我々自身がやっているでしょうか?

もしリーダーシップ・トレーニングが他者の行動に影響を与えるスキルを身につけるためのものならば、モデリングの明らかにパワルフな影響に触れる必要があります。他者の行動に影響を与える唯一最善の方法は、その行動をあなた自身がモデリングすることです。あなたが上司がするように行い、それがうまく行くのを見ることで、他者も上司がするようにやってみようと思うのです。

L.E.T.マスター・トレーナー、スティーブ・クランドール氏執筆

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