[ニュースレター] 2024年6月号

─2024年6月号─「いかにして職場での対立を減らすか」

Date: April 4th, 2024 | BY Michelle Adams

 

対立と言えば。

 

  • 世界共通で、誰もが経験し、避けることはできず、必要なことで、自然なことです。
  • 人と人、グループとグループ、国と国。あらゆる関係性の中で起こります。
  • 重役会議、研究所内、生産ライン、どこでも勃発します。
  • 建設的なこともあれば破壊的なこともあり、ポジティブに働くこともあればネガティブに終わることもあります。

 

対立の重要な特徴はインタラクションに基づいていることです。対立している人同士は相互依存状態──すなわち、互いに助け合うことも妨害し合うこともできる状態なのです。

 

では、いったい何が問題解決の妨げとなるのかを考えてみましょう。

 

対立している人はそれぞれ、自身が思う最良の解決策をすでに持っています。そのため、互いのニーズを満たす解決策に達することが往々にして難しいことがあります。

 

お互いに一歩も引かず、自身の本当のニーズが何なのかを考えないで自分の解決策にばかり固執してしまうと、対立解決は行き詰まり、前進することができなくなってしまいます。こうしたことから、自身のニーズを満たすためにすでに見出した解決策から離れ、自分の本当の欲求やニーズが何なのかを認識することが重要になります。

 

ニーズを明確に理解するためのカギとなるのは、どのようにして自身のニーズや欲求を満たす結果を得るのかを考えることではなく、自身が本当に必要なことは何なのか、本当の欲求は何なのかということを理解することです。そうしたらそれらを(対決的、予防的、宣言的、感謝の)I-メッセージを使って相手に伝えるのです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2023年6月号

─2023年6月号─「負けない...ほんとですか?②」

Date: April 11th, 2023 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(前号よりつづく)

 

より温かい人間関係

 

No-Lose対立解決法の最も予測可能な結果の1つは、対立の当事者がお互いについてよい感情を抱くようになることです。通常、Win-Lose対立解決法のいずれかに付いて回る憤りは、メソッドⅢにはありません。代わりに、No-Loseの決定が成功した後、お互いを好きになるという前向きな気持ちが生まれます――はい、お互いを愛するようになるのです。それはおそらく、お互いが自分たちのニーズに配慮することをいとわず、お互いを幸せにする解決策を探すのに時間をかけたことを一人一人が感謝していることから来ています。これ以上に思いやりの行動はありますか?

 

より迅速な意思決定

 

誰かと対立し、その対立が数週間または数ヶ月間解決されず、どうしても解決策を見つけられなかったことを経験したことがありますか?そしてあなたは勇気を出して相手に近づき、それを解決するためにあなたと一緒に解決策を見つけるプロセスに参加するように招待します。驚いたことに、あなたはほんの数分で友好的で相互に受け入れられる解決策を見つけることができました。

 

これは珍しいことではありません。No-Loseメソッドは、対立している人々が自分の気持ちやニーズをオープンに出し、問題に正直に立ち向かい、可能な解決策を模索するのに役立ちます。問題解決プロセスを開始すると、別々に模索していたどちらの当事者も利用できなかった多くのデータ(事実と感情)を引き出すのに役立つため、すぐに失うことのない解決策につながる可能性があるのです。

 

また、特に複雑な技術的問題、デリケートな財務問題、および厄介な人間関係の問題をめぐって違いが生じる組織では、人々の間の対立は非常に複雑です。多くの場合、これらの対立は、関連するデータを所有している、または決定の影響を受ける可能性のあるすべての人を関与させることで、はるかに迅速に解決されます。

 

「売り込み」は必要ありません

 

メソッドⅠは通常、リーダーが単に決定を下すのにかかる時間に加えて、決定を実行しなければならない人々に決定事項を売り込むことに時間を費やすことを思い出してください。この第2のステップは、明らかに、対立のすべての当事者によって受け入れられた最終決定では、売り込みは必要なく、誰もがすでに受け入れているため、メソッドⅢではほとんど必要とされません。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2022年6月号

─2022年6月号─「リーダー・エフェクティブネス・トレーニングで最大限に効率化(Lean)する方法」

Date: May 11th, 2022 | BY Linda Adams

 

リーン・マネジメント(Lean Management)とリーダー・エフェクティブネス・トレーニング(L.E.T.)のプログラムは、ビジネスの2つのまったく異なる側面を扱います。リーン・マネジメントの目標は、ビジネスがより収益性の高いものになるために、無駄な活動を減らして排除することです。L.E.T.の目標 は、チーム・メンバーとのコミュニケーションと対立を解決するために必要な対人関係スキルをマネジャーに教えることで、従業員の満足度、生産性、収益性を向上につながります。

 

リーン・マネジメント(無駄がないマネジメント)

 

リーン・マネジメントの焦点は、無駄の排除です。これは、最低限必要なリソースを超えるものはすべて無駄であり、無駄な活動は価値を付加しない製品コストを追加することになるという考えに基づいています。リーン・マネジメントは、無駄を特定、削減、排除するための体系的なアプローチを提供します。これにより、顧客満足度の向上、リードタイムの短縮、コストの削減、初回の正しい操作、利益の増加につながります。リーン・マネジメントを実行するには、トップ・マネジメントの賛同が必要です。

 

このシステムは人々が変わる必要があるため、マネジャーはそれを機能させるために優れた対人関係スキルを必要とします。これには、人々を参加させるために明確にコミュニケーションをとる能力と、従業員が懐疑的になっていたりその他の変化への恐怖を表明したりしたときに耳を傾ける能力の両方が含まれます。また、問題があったときに効果的に相手と対決し、対立が発生したときに解決できることも意味します。対人関係スキルの欠如は、リーン実行プログラムが失敗する主な理由の1つです。

 

リーダー・エフェクティブネス・トレーニング (L.E.T.)

 

L.E.T.は、トーマス・ゴードン博士によって開発された集中的なスキルベースのトレーニング・プログラムであり、マネジャーとスーパーバイザーの対人関係のコミュニケーションと対立解決能力を開発します。それは、人々は自分たちのニーズが考慮され、自分たちに影響を与える決定に発言権を持っている雰囲気の中で働くとき、人々は目標に向かって前進するという前提に基づいています。L.E.T.を通じて、リーダーは、明確で非難しない自己開示、共感的なリスニング、No-Lose対立解決など、強力なツール・セットをいつ、どのように適用するかを学び、実践し、理解します。

 

これらのスキルを知り、使用することで、対立が減少し、仕事の時間が増え、人々の問題に費やされるコストが削減されます。経営陣とスタッフが基本的なコミュニケーションと人間関係のスキルを備えている場合、企業の成功を向上させるための特定のトレーニングやイニシアチブを受け入れて実行できる可能性がはるかに高くなります。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2021年6月号

─2021年6月号─「自分でやるのか、グループの助けを得てやるのか③」

Date: June 12, 2021 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

細かい管理による必然的な弊害の1 つは、リーダーが恣意的に行使する権力に対しての憤りです。もう1 つは、新しい要求に対する消極的抵抗です(活動報告がなぜか提出されないなど)。グループにとってさらに悪影響なのは、細かく管理をすることでメンバーのリーダーに対する依存度を高めてしまうことです。グループ・メンバーは、次第にすべての問題をリーダーのところへ持ち込むようになってしまいます。彼らはやる気を失い、イニシアチブも抑圧されます。彼らが仕事で成長しなくなる一方で、リーダーはすべてを自分で行わなければならず過重労働となり、大変な負担を抱え込みます。そのワーク・グループは、ここまでくると、もはや「ワンマン・オペレーション」です。新しい仕事において細かい管理をしようとするリーダーは、グループにおけるすべてのリソースを有効活用することなく、仕事をすべて自分一人でしなければならない状況に陥ります。そして、それに気づいた頃にはもう後の祭りとなってしまうのです。

 

<グループの知恵>

効果的なリーダーを問題解決能力のある人として考え直してみると、リーダーは問題解決の全責任を一人で負う必要はないということを強調しておく必要があるでしょう。むしろ、グループ・メンバーの支援をリソースとして得ても良いのです。少なくとも理論上は、問題に直面した際、最善の解決策を導くためにグループ・メンバー全員の創造的リソース(もちろんリーダーも含めて)を結集するのが理想的なグループと言えます。メンバーの全員がすべての問題解決に関わる必要はなく、理想的なグループでは、適材適所でメンバー全員のリソースを活用できるのです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2020年6月号

─2020年6月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑫」

Date: June 7, 2020 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

人がグループに求めるもの

 

 

 (前出の関連箇所)「不満要因」がないことそれ自体ではめったに満足感を生み出しません。たとえば、労働条件がいいからといってそこから満足感が生まれるということはめったにないでしょう。しかしながら、劣悪な労働条件は実際に不満の感情を生み出しました。そして、満足要因(達成、承認など)があることでのみ、満足感がもたらされたのです。(前出の関連箇所、終わり)

このような顕著な研究結果は、組織の下のレベルで働く人たちには全く同じようには適用できないかもしれません。レベルⅠやⅡの欲求が満たされていない(低賃金、不安定な仕事である)場合、彼らは恐らく非常に強い欠乏感を抱くはずです。その結果、このようなグループのリーダーは、グループ・メンバーが賃金に不公平感を抱いていたり、雇用の安定について不安を感じていたりするかも知れず、その徴候を無視することが絶対にできないのです。

 ハーツバーグの調査結果に匹敵するものに、テキサス・インスツルメンツの産業心理学者M・スコット・マイヤーズの6 年間にわたる動機づけ行為に関する研究があります。 その結果は、「ハーバード・ビジネス・レビュー」において次のように要約されています。

 

従業員が効果的に働くよう動機づけるものは何でしょうか?それは達成感、責任感、成長、昇進、仕事そのものの面白さ、そして承認を得られたと感じることができるようなチャレンジングな仕事です。従業員に不満を与えるものは何でしょうか?ほとんどの場合、それは仕事の周辺の要因で、就業規則、照明、休憩時間、肩書、年功序列、賃金、福利厚生といったものです。

従業員が不満を感じるのはどのような時でしょうか?それは、有意義な成果を挙げる機会を奪われてしまったり、職場環境に敏感になったり、あら探しをし始めたりする時などです。

 

 マイヤーズはハーツバーグと同様に、スーパーバイザーが満たしてあげなければならない従業員のニーズで同じ種類のもの2 つを特定しました。それらは、モチベーション・ニーズとメンテナンス・ニーズです。前者は課題中心で、後者は相対的に仕事の周辺に関わるものです。

 マイヤーズの研究は、私がずっと強調してきたポイントの有効性を確認してくれました。すなわち、効果的なスーパーバイザーは、仕事のスペシャリストとしてのスキル(仕事のプランニングと整理をするスキル)だけでなく、人間関係のスペシャリストとしてのスキル(メンバーの不満の原因を見つけ解決するスキル)も持たなければなりません。効果的なリーダーは、仕事中心であると同時に、人間中心でもあるのです。グループ・メンバーは誰でも勝ち組にいたいと思っていますが、そのために自分の価値や自尊心を犠牲にしようなどとは、決して思ってはいません。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺