[ニュースレター] 2016年11月号

─2016年11月号─「電子的に対決することは有益ですか?」

Date: November 16th, 2016 | by Brian K. Miller
 
 昔、ビジネス・コミュニケーションのほとんどが対面で行われていました。マネジャーは直接チーム・メンバーに話し、チーム・メンバーは直接顧客に話していました。今日の世界では、ほぼ全てのコミュニケーションは電子的なものです。マネジャーはE-メールやテキスト・メッセージなどのアプリケーションを通してチームと話します。そして、チーム・メンバーも同じようなツールを使って顧客と対処します。契約ですら紙面による直筆サインより電子サインを使用しています。

 L.E.T.スキルはテキスト・ベースのコミュニケーションのためのデザインにはなっていません。注意深い配慮なしにE-メールやテキスト・メッセージで使用しようとするのは扱いにくいですし、不自然です。しかしながら、それが役に立たないという意味ではありません。それは、ただ単に少しだけ注意深く考えなければならないということです。

 例えば、あなたの会社のブラックベリーやスマホから安全なメッセージ・アプリケーションで送られる典型的なテキスト・メッセージは以下のように書かれるかも知れません。
 
「Mtg @ 11. pp?」
 
 これがあなたのマネジャーから届いたとします。最初は、謎めいているように思います。なんておかしな暗号なのか?あなたのマネジャーが、あなたに話しかけたとしたら、こう言うでしょう。「重要な顧客とのミーティングが11時にあるから忘れないで下さい。私はまだパワーポイントのプレゼンを見ていないのだけど、もう完成しましたか?」

 あなたがマネジャーの電子的速記に精通しているなら、ブラックベリーのメッセージは完璧に意味をなすものでしょう。しかし、意味がわからないのであれば、読み解くのに時間を浪費しなければなりません。一旦意味がわかったなら、返事を書かなければなりません。要するに、パワーポイントのプレゼンを仕上げるのに使えた時間を10分~15分も無駄にしてしまうということです。

 当然ながら、第一の課題はパワーポイントのプレゼンを仕上げて、あなたのマネジャーに送ることです。それをした後、マネジャーの謎めいたメッセージについて彼に対決します。これには適切な対決的I-メッセージが必要です。しかし、「あなたが謎めいたテキスト・メッセージを送る時、課題を終わらせる前に私はメッセージを解読するのに時間をとられ、混乱してしまいます」というのは魅力的なアプローチではありません。あなたがどれだけ注意深くI-メッセージを作成しても、簡単に誤解を招きます。

 あなたのメッセージ送信のアプリを通してI-メッセージを送る代わりに、受話器を取って直接マネジャーに電話をし、あなたのI-メッセージを伝える方がよいでしょう。これをすることで、テキスト・メッセージのアプリによる遅れもなく、すぐに対面でギア・シフトをする機会が訪れるでしょう。もし、あなたのマネジャーが電話嫌いな人ならば、他の選択肢としてテキスト・メッセージを送ってミーティングをするのに都合のいい時間を聞くことです。そのミーティングで直接会って対決的I-メッセージを送ることができます。

 現代のテキスト・メッセージやE-メールでのペースの速い世界でさえも、対決は対面で行うか、電話で行うのが最善です。明確化が今も尚、良いコミュニケーションの最も重要なクオリティです。誰かに対してひどい電子的コミュニケーション・スキルについて対決する時、昔からの方法、つまり対面で行うことで最も効果的に達成できます。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2019年8月号

─2019年8月号─「地位に就くだけではリーダーではない③」

Date: August 12, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーとは何か?

 

「リーダーは育てられるものではなく、生まれつくもの。」社会科学者がわずか60 年~70 年前にリーダーシップを徹底的な調査の正当なテーマにし始めるまでは、ほとんどの人がそう考えていました。その昔、リーダーとなる人があまりにも頻繁に恵まれた同一の家系から出現していたことから、ほとんどの人がリーダーシップは受け継がれるものだと考え、社会的に根強い階級差別があったことから、誰でもがリーダーになれるわけではありませんでした。階級差別が撤廃され、リーダーが社会のあらゆる階層から出てくるのが明らかになると、リーダーシップは優秀な遺伝子を持って生まれたり立派な家庭から生まれたりするよりも、もっと複雑なものであるということが常識になりました。

遺伝子の適切な組み合わせでリーダーが生まれるわけではないとすれば、恐らく、すべてのリーダーはしつけや教育を通して習得した特定の特性や特徴を持ち合わせているのではないでしょうか。この考え方によってリーダーの普遍的な特性の調査が始まりました。しかし、何百という研究によって、リーダーとそうでない人との間には何の特性の違いもないということが判明し、リーダーシップがリーダーの中に備わっている特定の属性の産物であるという仮説は消えてなくなりました。

社会科学者たちが、リーダーとフォロワーとの間のインタラクションという観点でリーダーシップを調べ始めた時、大きな進展が見られました。結局のところ、リーダーの影響を受け入れるのも、拒否するのも、最終的にはフォロワーなのだと結論付けました。肝心かなめの問題は、次のようなものに変わりました。それは、どのような理由からフォロワーが受け入れたり、拒否したりするのか?このインタラクションの中で何が起きているのか?というものです。

フォロワーがいなければ、リーダーになれないのは明らかです。グループ・メンバーが、あなたの影響や指導、指示を受け入れようとしなければ、そう長くはリーダーとしていられないでしょう。しかし、リーダーはどのようにしてフォロワーの心をつかむのでしょうか?この基本的な質問の答えは、私たちが、すべての人間が持っているニーズを理解し、それらのニーズを満たすために努力する時に初めて、はっきりとわかるのです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2009年1月号

─2009年1月号─「あなたの『自由の領域』は何ですか?」

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

以下はトマス・ゴードン博士著の“Leader Effectiveness Training” から引用したものです。皆さんがゴードン・モデルのプログラムのどれを受講したとしても当てはまると感じることだと思います。問題解決する気満々であれば、もの凄く役立ちます。あなたもそれを実感できることを願っています。

No-Lose 解決法を、対立した状況下でリーダーがすべての人に(もちろんリーダーも含みます)権限委譲することだと考えると、リーダーは実際には自分が持っている意思決定の権限以上のものを委任することができないのは明らかです。

製品の価格に関しては企業の経営陣によって事前に決定されている場合、営業チームのスーパーバイザーは、その製品についてどれだけの金額で顧客に販売すべきかをめぐる対立にNo-Lose対立解決法を使うべきではありません。よってスーパーバイザーの自由になる領域からは外れています。月給からどのくらい所得税を天引きするか(連邦法)とか、消費税をどのくらい顧客が支払うかも同様です(州法)。

どんなリーダーであっても、意思決定の自由度には限界があり、問題解決プロセスを通して交渉できる問題の数には制限があります。No-Lose 対立解決法についての多くの誤解の原因は、この現実に対する理解不足です。例えば、 “リーダーは彼らとグループメンバーとのすべての違いや不一致を問題解決するのはとても無理だろう”という見地で、ワークショップで幾人かのリーダーはメソッドⅢの考えに抵抗します。もちろん、無理に決まっています。試す必要もありません。多くの問題点はリーダーの権限外であり、それゆえに話し合いで解決できないのです。

以下の四角形はリーダーの自由の領域のすべてだと仮定してください。(本当に全く制限がない場合)
 

※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。

リーダーの権限の多くは連邦法によって制限されています。–例えば、最低賃金法:


※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。

州法による制限があります。–例えば労働者は作業場では保護眼鏡をつけなければならない、又は、一日8時間を超した労働時間はどれも時間外労働とみなされる。


※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。

もちろん労働時間や休憩の回数が就業規則に記されているものもあります。


※図は添付ファイル「2009年1月号」からご覧いただけます。

その上、部長たちは、彼らの上司の方針に従わされ、監督者は彼らの上司の方針に従わされるといった具合です。

現実として、殆どのリーダーは比較的小さな範囲での権限しか持っていません。このより小さな権限の中で彼らは従業員に対してNo-Lose 対立解決法を使っています。組織での地位が低ければ低いほど、この自由の領域は小さくなります。

このような観点である問題について考える手助けとして、ここにいくつかの質問を用意しました。自分自身やあなたのグループに問いかけてみてください。

1.      この問題に取り組む自由の領域が私(私たち)にはありますか?
2.      6つのステップのうち、いくつが私(私たち)の自由の領域にありますか?
3.      どのような決定や行動が私(私たち)の自由の領域の外にありますか?
4.      必要な自由の領域は誰が持っていますか?
5.      私(私たち)は今、その人に入ってもらいましょうか?それとも後で?

もしリーダーの権限が及ばないところでグループが問題に巻き込まれ、その中で対立が生じていたら、リーダーは何ができるでしょうか?いくつか提案してみます。

1.      問題が交渉不可であることおよびその理由をグループ・メンバーに伝えます。
2.      彼らにどのようなニーズがあり、何故それが満たされないのかをよく理解するために、彼らの不平をアクティブ・リスニングします。
3.      もっとよい方法について彼らにアイデアを出すよう勧めてみましょう。
4.      あなたが同意するなら、組織の中でその改革案の主張を買って出ることができます。
5.      もし上司からその案が断られたら、グループに戻りその理由を彼らに話してください。そして彼らの気持ちをアクティブ・リスニングします。

最後の2つは重要な原則を含んでいます。リーダーがグループ・メンバー(直属の上司のマネージメント・グループにおいて)に対して強くもなく有能でない主張者だと、強く有能な主張者であるリーダーの場合に比べて、従業員の士気は下がり生産性も落ちる、と研究が示しています。このことは私がかねてよりずっと強調していたことが間違いないことをはっきりとさせています。有能なリーダーとはグループのメンバーによって、彼らのニーズを満たすことができるとみなされる人です。そのような訳で、チームメンバーのことをより高い経営層レベルに対して十分に表現しないリーダーは愚かであり、彼らが必要な物を与えることのできないリーダーだと思われてしまいます。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2011年11月号

─2011年11月号─「アクティブ・リスニングがどのように私の親友の人生を救ってくれたか?」

L.E.T.修了者の皆さま
  
ドラマチックに聞こえますか?そうかも知れませんし、実際そうでした。
 
2日前の夜、34年にわたる私の親愛なる友人が『今まで経験したことがないような心痛を味わっています』と携帯でメールしてきました。
 
(これがその背景です。彼は12ステップというプログラムを受講していました。それが原因で彼は私との友達関係を長い付き合いの年月の中で何度か断ち切りました。また、友達関係の再構築を試みているのかもしれませんが、私にはどうしたらいいかよくわかりません。ちょうど3週間前、8年間の空白の時間の後、彼から連絡がありました。彼はサンディエゴに戻ってきていました。彼は関係を修復してまた元の友達に戻りたいのです。私は躊躇して、少し考えてから『ええ、もちろん』と答えました。私たちは1度話して、2-3度携帯メールを交換し、また音信不通になってしまいました。彼は、私には実際はいないのですが、弟のような存在です。子供時代は離れることがありませんでした。大学も一緒でした。この人は近い存在で、私が心から大切にしている人です。)
 
それでは、2日前の夜に来た携帯メールに戻しましょう。私は試しにアクティブ・リスニング/ドアオープナーの返答をメールで返すことにしました。私のメッセージ:『なんだかあまりいい状況ではないようだけど…話してみてくれる?』
 
3秒後、彼は私に電話をしてきました。夜の8時半でした。舌がもつれているのに気がつきました。4か月の禁酒期間を破ってしまったようです。彼はそうだと認めました。そこで私は違うドアオープナーで聴き返してから、私はアクティブ・リスニングをしながら5時間も話し込みました。彼は泣き崩れて、今まで誰にも話したことのないようなこともシェアしてくれました。私たちは過去の出来事でおかしかったことを交えて話しました(彼のリクエストで)。『あなたと私があの時やったこと覚えている?』とかいいながら、笑ったり泣いたり、リスニング、リスニング、リスニング。
 
彼は海にドライブしてそのままいなくなってしまうことを恐れて、自分の車のカギを自分で隠したことも告白しました。アクティブ・リスニングが試されるところです!それを聞いた時、警察を呼んでと彼に頼みたかったほどです。私の直感で彼の傍にいようと思いました。彼は始終、『ああ、そうなんだ』…『そう感じているんだよ』…『君と話して気持ちがすっきりしたよ』…『車のカギを持たないって約束するよ』、『一緒にいてくれてありがとう』とずっと繰り返していました。
 
私は考えました。『彼はこの話が終わると自分の車のカギを探しに行くかしら?もし次回同じようなことがあり、どん底に突き落とされた時、私に電話をかけてこなかったらどうなるのかしら?そうなったら、どうなるの?ミシェル、深呼吸をして、深呼吸を。今この時間を彼とともに過ごしましょう。』もう午前2時になっていました。彼がもっと話そうとしているかを確認して(いいえ、彼はもう眠りたいと言っていました)、朝様子を見るために電話するわと彼に告げました。
 
昨日、彼は電話に出てくれました。あまり元気そうではなかったけれど、彼はそこにいました。
 
そして、また3時間ほど話しました。彼はとても苦しい経験をしていましたが、深い洞察もありました。私と自分の人生についてシェアしたように、彼は今まで誰とも自分の人生についてシェアしたことがないと言いました。そして私に訊きました。『どうして自分は他の人とこんな風に話すことがないのだろう?』電話の最後に、彼は『今、希望が見えた感じだ。そんなに打ちのめされていないよ…うわぁ、こんなに自由に君と話ができるなんて…本当に本当にもう永久にいなくなろうとしていたのに。もし君がいてくれなかったらどうなっていたんだろう』と言い、泣きだし、何度も何度も感謝の言葉を口にしていました。
 
次はどうなるのかわかりません。わかっているのは、このような時に彼は聴いてもらいたかったのだということ。彼は苦しんでいる時に誰かに一緒にいて欲しかったのです。そうしてもらえた時(何時間も)、もう打ちのめされたり、希望がなくなったりしなくなるのです。彼には手を差し伸べてくれる人がいることを知ったのです。今のところ(一週間が経ちますが)、彼は毎日電話をしてきたり携帯メールをしてきたりしています。彼は、トンネルの向こう側に光を見たようです。そして、彼自身も私にアクティブ・リスニングをしようとしてくれています。
 
ここで一言いいたいのは、彼とこんな時間を過ごした『私ってすごくない?』と言いたいのでも聖人でもなく、そんなことを言いたいのではないのです。それは、このニューズ・レターの意図ではありません。
 
私を驚かせたのは、このスキルのパワーです…それは解決策ではありません…それは治療法でもありません。でも言わずにはいられません。それは奇跡です。驚くべきことに、これはワークするのです。確信しています。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2014年11月号

─2014年11月号─「ホリデーの間、平和を保つ方法」

November, 2014
By: Michelle Adams

L.E.T. 修了者の方々へ、

 ホリデー・シーズンに影を落としたくはないけれど...しかし、現実を見据えましょう。ホリデー・シーズンは時として一緒にいるのが難しい家族の人たちと一緒に過ごさなければならないので、私たちの幾人かはホリデー・シーズンに怯えています。
 
 オーケー、思った通り、感謝祭のディナーをあなたは自分の家で振舞うことになり、キッチンで働いています。キッチンではあなたの叔母のメリッサ、あなたの姪のヴァネッサも働いています。2人は長年様々な話題でぶつかってきました。

 あなたは自分の手作りのグレイビーが焦げないように注意しながら、言い争いが白熱するのを聞いています。アイデアがあります。仲裁者になってみてはいかがでしょうか?
あなたはゴードン・モデルのスキルを持っています。それらのスキルを試してみましょう!下に示すのは仲裁者になるための指針です。お役に立つといいです:

仲裁者とは何か:
 中立的な立場の第三者で、対立関係にある人たちに相互に受容できる解決策を見つける支援をする特別なスキルを持っている人です。

仲裁者は以下のことはしません:
– アドバイスや意見を言う
– どちらかの肩を持つ
– 解決策を評価する
– 最善策を決定する
– 誰が正しくて誰が間違っているかを解明しようとする
– 他の人たちに仲裁について話す
– どちらかを非難する

仲裁者は以下のことをします:
– 対立関係にある双方から仲裁者として受け入れられている
– 対立関係にある双方の人が、相手を非難しないでそれぞれの感情を表現できるように支援する
– 対立関係にある、口論中の人たち双方に対してアクティブ・リスニングをし、お互いが相手の見解に対して耳を傾ける支援をする
– お互いの間に起こった対立を明確に定義するよう助ける
– 対立関係にある人を対立解決の6つのステップへと導く
– 仲裁のセッションについては極秘に扱う
– 中立の立場を貫く
 
 楽しく、平和な感謝祭を皆さまが過ごせるよう、ゴードン・トレーニング・インターナショナル社およびセカンド・ウィンド株式会社一同、お祈り申し上げます。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2017年10月号

─2017年10月号─「ゴードン・モデル用語集:いつでも使える10個の用語と概念」

Date: October 27th, 2017 | BY Brian K. Miller
 
ゴードン・モデルはスキルと知識の複雑なシステムです。4つの学習段階を進み、システムをマスターするためにはかなりたくさんの時間と練習が求められます。システムの主要な構成要素を思い出してもらうためには、簡単な用語集があると助かります。ゴードン・トレーニング・インターナショナル社はゴードン・モデルの10個の主要な構成要素を定義しました。それらは以下の通りです。
 
アクティブ・リスニング
感謝のI-メッセージ
行動の窓
コミュニケーションのロードブロック
対決的I-メッセージ
宣言的I-メッセージ
ギア・シフト
メソッドⅢ
予防的I-メッセージ
問題の所有権
 
アクティブ・リスニングは、あなたが相手の言っていることを理解したことを時折フィードバックすることで確認する作業です。話し手の言っていることをよく聴く技術と科学です。このフィードバックは相手の言っていることの内容と、その時相手が感じている気持ちをあなたが解釈した通りに返すことを含みます。 感謝のI-メッセージは、役に立った行動への応答として、感謝の気持ち、称賛、報恩の念を簡素に表現することです。感謝のI-メッセージは、行動の描写とあなたがどうしてその行動を役に立ったと感じたのかを描写します。 行動の窓は想像上の窓で、私たちはそれを使って一人の人の一つの直接的な行動が、相手が問題を持つのか、相手が問題を生じさせているのか、あるいは職場で何らインパクトがないのかのどれを示唆しているのかを分類します。 コミュニケーション・ロードブロックは私たちが投げかけている普通の、毎日使っている表現です。ロードブロックは相手が自身の問題について話すのを阻みます。 対決的I-メッセージは3つのパートからなる文章で、相手のある一つの直接的な行動が問題を生じさせていると相手に伝えるために使います。この文章は問題を生じさせている行動、その行動の私への影響、私の気持ちを含みます。 宣言的I-メッセージは、誰も問題を経験していないけれど、私たちの意見が聞かれなければならないニーズを感じる時に使われます。それらは私たちが誠実に信じているもの、誠実な感情の応答、誠実な意見を、相手を脅したり攻撃したりしない方法で表現します。 ギア・シフトはI-メッセージとアクティブ・リスニングの間の動きで、どんな種類のI-メッセージでも、それを送った後には相手に否定的で感情的な反応を生じさせる可能性があります。その時にはアクティブ・リスニングへとギア・シフトします。 メソッドⅢは6つのステップからなるメソッドで、自分自身と相手との間のニーズの対立を解決するために使われます。対決的I-メッセージを送ったことによって、相手にも譲れないニーズがあることがわかった場合、まずはギア・シフトによって相手の感情を静めた上でメソッドⅢが使われます。 予防的I-メッセージは、対立以前に送られる簡単な文章です。それらは、ニーズの対立を生み出す可能性のある状況に対する自分の感情と行動にフォーカスしています。 問題の所有権は、誰が満たされないニーズを持っているのかを行動の窓によって特定することで明らかとなります。誰かが問題を持っているのか、誰も問題を持っていないのか、その状況に応じて適切なスキルがアクティブ・リスニングであったり、対決的I-メッセージであったり、感謝のI-メッセージ、宣言的I-メッセージ、予防的I-メッセージであったりします。  
これらの定義はとてもシンプルで、一般的なものです。しかしながら、ゴードン・モデルの主要な構成要素をすぐに利用できるように便利なリストにしておくと役に立ちます。このような理由で、L.E.T.ワークショップではこれらの主要な構成要素を図表で表したウォレットカードをパッケージに含めて配布しているのです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2009年12月号

─2009年12月号─「ゴードン・モデルのスキルは単なる“テクニック”でしょうか?」

L.E.T.修了者の方々へ

ゴードン・モデルを習っていると、それはチームのメンバーや同僚を上手く操るために作られた計算づくのテクニックのように思われることもあります。ですから、ゴードン・モデルは、マネージャーのトレーニングコースでその価値が疑わしいととられてしまうこともあります。

ゴードン・モデルのスキルは確かにテクニックのように見えます。スキルを使って良い時と使ってはいけない時、どのようにスキルを磨くか、など、そこにはこのスキルを駆使するための規則があります。

しかし、実際にはこれらの規則は単に、ゴードン・モデルのスキルを習得しやすいように細分化しているに過ぎません。ゴードン・モデルのスキル自体は、健康的・協力的で、相互に満足できる人間関係の根底にあるダイナミクスを学習可能な部分に細分化しているだけです。

私たちがこれらのダイナミクスを学習しなければならない理由としては、複雑な歴史的な理由が存在していますが、人類は長年にわたり、非常に防御的で弱肉強食という態度に縛られてきました。そこから今私たちは解放されようとしています。その解放を早めるものは何でも価値があります。なぜならば、古い態度はそれがもつ価値以上に社会の全てのレベルにおいて問題を引き起こしているからです。

L.E.T.ワークショップの目的はL.E.T.受講者が演習に加え、このゴールに到達しようという意図を通して最終的にチーム・メンバーも含む全ての人間関係において競争や敵対する方法ではなく、むしろ協力的で相互に満足のいく方法でふるまうことです。

この考え方では“テクニック”は、しばしば機械的で人工的な望まざる方法に見えますが、音楽に例えると理解できるかもしれません。それは、学生とプロフェッショナルとの違いだといえます。

トランペット奏者の学生は、どのように唇をあて、マウスピースに息を吹きかけるのか、どのようにバルブピストンを指で押して演奏するのか、違う音に移った時の息づかい、楽譜の読み方、などのたくさんのルールとテクニックを学ばなくてはなりません。熱心に練習した後、学生は完璧な旋律でC音階を演奏できるようになります。それはトランペットが奏でるべきすばらしい音となります。

トランペットを演奏する学生が音階を奏でるのを聞いた人なら誰でも、その学生は音楽を作ることではなく、ルールとテクニックとに奮闘しているのだなと明らかにわかります。
もし、最終目的が単に、いつバルブを押し下げて息を強く吹き込むかを学ぶことだとしたら誰も楽器を勉強しようとは思わないでしょう。

同様に、もし、最終目的が、相手がいつ問題を持ったのかを認識し、彼らの考えや感情をフィードバックし始める時を知ることなのだったら、誰もゴード・モデルのスキルを学ぼうとはしないでしょう。

プロのトランペット演奏者は楽器のルールやテクニックを習得した人達であり、その上で彼らは自分たちの注意を、楽器を美しく演奏することに向けることができます。

プロのマネージャーは効果的な対人関係スキルのルールやテクニックを習得した上で、大切な人達と効果的に関わり合っていくことができる人達です。目的はテクニックではなく、よりすぐれた人間関係です。

Season’s Greetings to you! 

幸せで、平和で楽しい休暇をお過ごしください!

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2012年10月号

─2012年10月号─「そのアクティブ・リスニングっていうのを私に使わないで!」

L.E.T.修了者の方々へ

誰かがあなたにそんなことを言ったことがありますか?あるいは、あなたが誰かにそんなことを言ったり、言いたくなったりしたことがありますか?

私が先週フィーニックスで参加したL.E.T.養成講座では、このトピックがまたもや持ち上がりました。話を聴こうとすると、どうして人はこのような反応をするのでしょうか?

いくつか理由があります。例えば、スキルを丁度学んだばかりの人が試してみようとしている時。聴き手の心が本当に聴こうという気持ちになっていない時、相手にそれが伝わってしまいます。稀に、相手が問題について話したくない時にも反発を買います。

最初の例を見てみましょう。あなたは丁度ゴードン・モデルのコースを受講したばかりだとします。(L.E.T., the Conflict Resolution Workshop or Synergistic Selling) そこで、あなたはアクティブ・リスニングの方法を学びます。少なくとも要点はつかんだと思っています。少し緊張しまつつも、試してみようと心待ちにします。そして試してみます。最善を尽くします。相手が問題を持つとあなたに知らせてきた時、そのシグナルに気づきアクティブ・リスニングをしようと決心します。最大のチャレンジはあなたの心に湧き上がるロードブロックを回避することです。あなたは必死にロードブロックを使いたい衝動を抑えます。ぎこちなさを感じながらも相手の感情に耳を傾け理解しようとします。

相手はあなたを変だなぁというように見て言います。『そうじゃないの。私はそんな風に感じているのではなく、それは…な感じなの。』とか、『あなたは私が言っていることをどうしてオウム返ししているの?』と聞いてくるかも知れません。あるいは、『私にアクティブ・リスニングを使わないで!』と返されるかも知れません。

それで?これが2-3回起こると、ある人は失望し、時にはアクティブ・リスニングが使えない、少なくとも自分には…と思ってしまうでしょう。

最初はアクティブ・リスニングを自然に滑らかに行うことが難しいものです。ワークショップで習った学習の段階の図を思い出して下さい。最善でも『意識していればスキルが使える』あるいは『意識しているがスキルが使えない』に近いレベルでしょう。新しいスキルではそうであるように、アクティブ・リスニングが上手くできるようになるには、練習と経験がたくさん必要になります。古い習慣を断つのみならず、役に立たない、ダメージを与えるような応答を避け、あなたの受容と共感を相手に伝える方法で応答する必要があります。それは当初は難題かも知れません。

しかし元気を出しましょう!アクティブ・リスニングはゴードン・モデルの中でも一番難しいスキルなのですから。そして、それは一番パワフルで重要な、そして最も役に立つスキルでもあります。あなたがこのスキルを身につければ、あなたとあなたの人生に関わる相手が――職場でも家庭でも――とても大きな利益を得るでしょう。

アクティブ・リスニングは最も重要なスキルで、あなたとシェアしたいコツや洞察がまだたくさんありますから、このトピックをいくつかに分けて紹介したいと思います。ですから、来月もこのトピックでお届けします。

質問などあれば、送って下さい。喜んでお手伝いします!

ありがとうございました!

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2016年1月号

─2016年1月号─「全てのリーダーが知っておくべきことが何か、あなたはわかりますか?」

リズ・カーター氏は勤務する銀行で業務部のスーパーバイザーに任命されました。同じ頃、ウェイン・ハワード氏がサービス・クラブの社長に選任されました。アンドレア・マーティン氏は会社で遂に、生涯を賭けた野心、営業でのヴァイス・プレジデントになりました。メーカー会社の最前線でのスーパーバイザーとして6年間勤務した後、エリック・モリソンは工場長に昇進しました。アナ・ヴィテールは大学の選挙を経て、学生会長に選ばれました。
 
友達は彼らの功績を祝ってくれて、新しいポジションがどれだけ彼らにふさわしいか言ってくれました。ある人は自分の夫に電話して、自分に起こった良い知らせを興奮しながら伝えていました。またある人は、自分の家族を夕食に連れ出してお祝いしました。全員、自分たちの功績をとても誇りに感じていました。内心、全員が『達成した』『とんとん拍子に出世した』『トップに登りつめた』と感じていました。
 
これらは、リーダーシップのポジションに任命された人たちの普遍的なリアクションです。彼らは、『やり遂げた』と感じています。
 
Click here to continue reading this article via a PDF (that you can print and read later if you wish).

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2018年10月号

─2018年10月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.6」

Date: October 14th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
I-メッセージとギア・シフト パート2
 
あなたのI-メッセージに対するChangee(変えられる人)の一般的な応答は、以下の2つの例のように、不安になったり、動揺したり、防衛的になったり、傷ついたり、申し訳ない気持ちになったり、反発的になったりします。
 
1.   Changer(変える人):あなたの報告書にいくつかの致命的なミスを見つけた時、私は本当に動揺しました。なぜならば、取締役会で、それをプレゼンしていた私は馬鹿みたいに見えたからです。
2.   Changee(変えられる人):そうですか。でもあなたは急ぎでそれを必要としていたので、私は全ての計算結果をダブル・チェックする暇がありませんでした。
3.   Changer(変える人):あなたが患者の呼び出しライトにすぐに応答しないという苦情を患者から受けると、私は困ってしまいます。なぜなら、私たちの患者の一人にでも何か重大なことが起こって責任を取らされるのは嫌だからです。

Changee(変えられる人):私は2つの場所に同時にいることは不可能です。それに、私たちの患者の何人かは、自分でできることにも関わらずナースコールをしてきます。
 
 上記の状況は二つとも、十分すぎるほど良いI-メッセージを送ったにも関わらず、防衛反応と、ある程度の敵意を誘発しました。あなたのI-メッセージがChangee(変えられる人)に問題を引き起こしたのです。全くありふれたことです――たとえどんな言葉で表現されたとしても、たいていの人は自分の行動が受容できないと言われたくありません。人が変わることを拒む場合、その後も続けてI-メッセージを送り続けることは一般的に役に立ちません。そのような時に必要なことは、アクティブ・リスニングへと素早くシフトすることです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺