[ニュースレター] 2018年7月号

─2018年7月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.3」

Date: July 7th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

感情 part 1
Pages 81 – 83:
 
人は、およそ幼少の頃から感情を良くないものであり危険なもの─良い人間関係の敵─というふうに見なすよう教え込まれています。人は、自分自身の感情または自分を取り巻く他人の感情を恐れながら育ちます。なぜなら、彼らは生活の中で、大人たちから次のようなメッセージをたくさん受け取ってきたからです。

  
「自分の弟を嫌いだなんて、二度と言わないでちょうだい。」
  
「起こったことに、がっかりすべきじゃないよ。」
  
「何か良いことが言えないなら、何も言わないでちょうだい。」
  
「そのことを後悔しないで。明日はきっと良くなるよ。」
  
「恐れるものなんて、何もないよ。」
  
「そんなに気を落とさないで。」
  
「プライドを捨てなさい。」
  
「口を慎みなさい、お嬢さん。」

 
やがて、私たちは感情を表現することをこの上さらに固く禁止される事態に遭遇します。それは、仕事の世界です。私たちはそこで、感情が職場には全くもってふさわしくないと警告を受けるのです。どういうわけか、感情や喜怒哀楽は、私たちが職場で望む人間関係に要求される合理性や希薄さとは正反対のものとみなされています。心配事を職場に持ち込まず、口を閉ざす行動が、職場で働く人間としてふさわしいものと考えられています。人は、これらの行動が高く評価され、長い目でみれば報いられると感じているのです。

感情 part 2
 
この蔓延している抑圧的なグループ規範は、心理的健康を損ねることに寄与するに留まらず、組織的な有効性において逆効果です。誰でもよく知っているように、人々と仕事をしていると、必然的に穏やかなものから強いものまで、ありとあらゆる感情が発生します。焦燥、怒り、フラストレーション、失望、痛み、恐れ、つまらなさ、絶望、憎悪、苦痛、落胆などなど。こういった感情を経験することが不健康なのではなく、それを抑制することのほうが不健康なのです。あなたの感情を絶えず押し殺すことは、間違いなく「あなたの健康に害をなすもの」で、最終的に潰瘍、頭痛、胸焼け、高血圧症、けいれん性結腸または他のあらゆる心因性の問題を引き起こします。抑制された感情は、仕事からあなたの気を散らせ、あなたの有効性も減少させます。

Page 85:
 
感情は一時的なものです。誰かが、「こんな仕事は大嫌いだ!」「サラとは一緒に仕事できない」「ここでは、誰も私の仕事を評価してくれない!」などと言った場合、ほとんどの人はこうした感情が、どちらかと言えば永続的で変えられないもののように思うことが多いようです。そして通常、感情が強ければ強いほど、それはより決定的で取り消せないように聞こえます。たとえば、もし私の妻が玄関で私を迎えながら「私はあなたにひどく腹を立てているの!」と言ったとしたら、私の咄嗟の反応は、何か気に障ることを言ったようだな、妻は二度と私に対して今までと同様の気持ちを抱かないだろうな、といったものになるでしょう。「もう二度と一緒には、どこへも行かないから」と子供が思わず口走ったとしたら、親御さんたちもまた似たような反応をするでしょう。

 
幸いにも、ネガティブな感情はかなり一時的なことがあります。その理由の一つは、「あなたの注意を十分に引きたいの」とか「あなたがどれくらい私に嫌な思いをさせたかを知って欲しいの」といった気持ちを伝えるために、人々はわざと強い否定的な感情をコミュニケーションの記号として選択するからです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2018年8月号

─2018年8月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.4」

Date: August 11th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
私が問題をもつ時
 
Pages 101 – 104:
相手を効果的に支援する方法について理解したところで、今度はあなた自身を支援する方法を知る必要があります。他者との人間関係において自分たちのニーズを上手く満たすことができる人がいますが、それはなぜでしょう? 相手の行動があなたに問題を引き起こす時、どうやったらその人があなたに対して憤りを感じず、メンツを失わないで、行動を変えるような影響を与えることができるでしょうか?
私たちは皆、相手の行動が受容できないとか、私たちに問題をもたらしているとかいうメッセージを相手に伝えることを躊躇します。相手が傷ついたり、怒ったり、私たちを嫌いになったりするリスクがあります。そのような恐怖には正当な理由がない訳ではありません。誰が、あなたの行動は受容できないと言われたいでしょうか?人は高い頻度で、対決に対して、聞きたくないという否定的な反応を示します。そこから口論になるかもしれません。あるいは、相手は批判的なメッセージで報復するかも知れません。あるいは、相手は傷ついたり怒ったりして、その場を立ち去るかも知れません。あるいは、相手は防衛的になったり不愉快になったりするかも知れません。ですから、相手に対して自らを主張して対決するには、ある程度の勇気が必要です。
さらに、リーダーが対決することに不安を覚えるもう一つの重要な理由は、彼らが使用する特定の言葉が、もともとは彼らが子供だった頃、彼らに対決した大人たちから学習したもので、それが抵抗や報復を引き起こしたり、対決した相手との人間関係を傷つけたりする可能性が高いからなのです。私たちのL.E.T.ワークショップでは、インストラクターは簡単な演習を行い、その結果は一貫して、リーダーが問題を引き起こす相手に対決する時、対決のメッセージで使われる言葉は、不快だったり、脅迫的だったり、批判的だったり、道を説くものだったり、見下していたり、皮肉っぽいものだったり、対決された方の自尊心を傷つけたりするということを示します。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2018年9月号

─2018年9月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.5」

Date: September 17th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
I-メッセージとギア・シフト パート1
 
Pages 112 – 114:
 
「問題の所有権」の基本的な概念を覚えておくことは最も重要です。相手の行動があなたのニーズを満たそうとする妨げになり、あなたはその相手を変えようと試みることを決心する時、「changee(変えられる人)」ではなく、あなたが問題を所有します。「changee(変えられる人)」は問題を持ちません。実際、あなたのニーズを満たす妨げになる、まさにその行動をすることで彼女は自分のニーズを満たしているのです。あなたは彼女が自分のニーズを満たすことを非難できません――人はそのように機能するのです。ですから、たとえあなたが問題を持つという事実について腹を立てるのも全くもって当然のことではありますが、あなたに問題を生じさせる行動をする、その人については怒らないで下さい。これが、人を非難するYou-メッセージとは対極にある、人を非難しないで伝えるI-メッセージの態度です。
あなたが問題を持つという事実をchangee(変えられる人)に伝えて対決する責任をあなたが負っているとしても、結局のところ変わるか変わらないかの決断をするのは最終的にはchangee(変えられる人)です。責任の所在はchangee(変えられる人)にあります。なぜなら、あなたが問題を持っているのであり、実際にあなたがchangee(変えられる人)に左右されるからなのです。再度言いますが、I-メッセージは効果的かつ正確に次の考え方を伝えます。すなわちそれは、あなたの問題の提示であり、changee(変えられる人)に変わるべきであるとか、どのように変わるべきであるといったことを伝えるものではないというものです。しつこいようですが、I-メッセージは助けを求める訴えであり、これが時として驚くほど説得力を持つ要因なのです。ほとんどの人は、要求、脅し、解決策、説教に対するより、助けを求める率直な訴えに対しては、より良い形で反応します。I-メッセージはYou-メッセージに比べて相手に行動変容をしてもらいやすいですが、changee(変えられる人)にとって行動を変えなければならない可能性に直面することが、しばしば不安に感じられるのも事実です。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2018年10月号

─2018年10月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.6」

Date: October 14th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
I-メッセージとギア・シフト パート2
 
あなたのI-メッセージに対するChangee(変えられる人)の一般的な応答は、以下の2つの例のように、不安になったり、動揺したり、防衛的になったり、傷ついたり、申し訳ない気持ちになったり、反発的になったりします。
 
1.   Changer(変える人):あなたの報告書にいくつかの致命的なミスを見つけた時、私は本当に動揺しました。なぜならば、取締役会で、それをプレゼンしていた私は馬鹿みたいに見えたからです。
2.   Changee(変えられる人):そうですか。でもあなたは急ぎでそれを必要としていたので、私は全ての計算結果をダブル・チェックする暇がありませんでした。
3.   Changer(変える人):あなたが患者の呼び出しライトにすぐに応答しないという苦情を患者から受けると、私は困ってしまいます。なぜなら、私たちの患者の一人にでも何か重大なことが起こって責任を取らされるのは嫌だからです。

Changee(変えられる人):私は2つの場所に同時にいることは不可能です。それに、私たちの患者の何人かは、自分でできることにも関わらずナースコールをしてきます。
 
 上記の状況は二つとも、十分すぎるほど良いI-メッセージを送ったにも関わらず、防衛反応と、ある程度の敵意を誘発しました。あなたのI-メッセージがChangee(変えられる人)に問題を引き起こしたのです。全くありふれたことです――たとえどんな言葉で表現されたとしても、たいていの人は自分の行動が受容できないと言われたくありません。人が変わることを拒む場合、その後も続けてI-メッセージを送り続けることは一般的に役に立ちません。そのような時に必要なことは、アクティブ・リスニングへと素早くシフトすることです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2018年11月号

─2018年11月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.7」

Date: November 16th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

I-メッセージとギア・シフト パート3

1.   changer(変える人):あなたは時間の束縛があって、自分の数字をチェックする時間がとれなかった、ということで合っていますか?
2.   changer(変える人):他の患者の病室にいる時は呼び出しライトに気づかないということでしょうか。そして、患者が自分でできることをあなたにやってもらおうとナースコールをすると、あなたは苛立ってしまうということですね。

伝える姿勢から聴く姿勢にシフトすることは、私たちのL.E.T.ワークショップでは、「ギア・シフト」と呼んでおり、対決する状況においていくつかの非常に重要な機能を果たします。

1.   changer(変える人)がchangee(変えられる人)の立場――彼女の感情、防衛、理由を理解し、受容していること(もちろん、同意した訳ではありません)を伝えます。これにより、changee(変えられる人)が快くchanger(変える人)の立場を理解し、受容しようとする可能性を高めます(「彼女は私の話を聴いてくれている。私も彼女の話を聴こう)。
2.   ギア・シフトは、changee(変えられる人)の感情的な応答(傷ついた、恥ずかしい、怒り、後悔の念)をなくすのに役立ち、行動変容の可能性のための道を開いたり、後程説明しますが、相互に問題解決するための道を開いたりします。
往々にして、changer(変える人)の態度に変化をもたらす結果となります。以前は、相手の行動が受容できないものであったのが、それを受容できるようになります。(「あぁ、あなたがなぜ患者の呼び出しライトに気づかなかったのかわかりました。見えなかったのですね。」)

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2018年12月号

─2018年12月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.8」

Date: December 8th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

ロードブロック

 これら聴き手の応答の12カテゴリに含まれる暗黙の(時として非常に露骨な)意味合いは、話し手を受け入れるというよりも、むしろ話し手に変わってほしいという要望や意図になります。ロードブロックというのは、支援される人に対して考え方や感じ方、あるいは態度を変えてほしいという要望(しばしば圧力)を伝えてしまうのです。これら12種類の応答は、そのため、非受容を伝えるための手段として機能してしまいます。そして、非受容の雰囲気というのが、個人の成長や発展、そして心理的健康の促進にはほとんど役に立たないことは、もうご存知のはずです。
  では、なぜなのでしょうか? 人は、彼らを変えさせようとして恣意的な権力に恐れている時や、彼らを変えさせようとする脅威にさらされていたり、批判されていたり、こき下ろされていたり、もしくは分析されていたりすると感じている時、あまり効果的に問題解決をしようとはしないように思われます。こうした雰囲気は変化に対する防衛反応や抵抗を生み出します(レベルⅡの安全と安心のニーズを守るのです)。それと同時に、自己表現や自己探求──どちらも問題を解決するのには必要不可欠なもの──を阻害します。
 リスニングは、グループ・メンバーが彼らの問題を解決するための支援をする上で、もう一つ、問題解決の責任をメンバー(当然ながら「問題を所有する」人)に持たせ続けるという、とても重要な機能を果たします。12のロードブロックは、打って変わって、さまざまな度合いで問題の所有者からその責任を奪い取り、リーダーの手中に置きかえる傾向にあります。
 責任の中心を問題の所有者に据えておくことは、次のような理由から重要になります。
 第一に、チーム・メンバーに自分の問題を自分で解決させるリーダーは、たくさんの利益を生み出すための堅実な投資をしています。チーム・メンバーのリーダーに対する依存は少なくなり、より自律的に、より自立して、よりうまく自分で自分の問題を解決できるようになります。
 第二に、リーダーは、グループ・メンバーが仕事のオンとオフを問わず彼らの生活圏内で直面する、幅広いさまざまな個人的問題とその複雑さについて、充分に理解していることはめったにありません。そのため、問題解決の責任の中心を支援される人に据えておくためのスキルは、わずかな情報しかない問題についての答えを導き出すという不可能な課題からリーダーを解放してくれます。たとえ、相手の問題についての理解が通常どの程度制限されているかを認識している、熟練したプロのカウンセラーでも、しばしば重たいプレッシャーを感じていながら、それでもクライアントの解決策を導き出す責任を担うことはしません。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2019年1月号

─2019年1月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.9」

Date: January 26th, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

メソッドⅢ/権力 part 1

時間の代償


権力は人々の中に強い抵抗を生み出し、それを行使するリーダーに挑戦するよう人々を挑発するため、そのような反応に対処するのに多大な時間と労力をリーダーが使わなければならないのも無理はありません。それでもなお、リーダーは他の権力以外の問題解決法あるいは対立解決法よりも時間がかからないという理由でしばしば自身の権力行使を正当化します。この主張は、半分事実です。メソッドⅠによる意思決定は、グループでの意思決定よりも時間がかからない一方、一方的に決められた決定を受け入れさせるのにはとてつもない時間がかかります。
権力を得ることでリーダーはより大きな影響力を持つようになるという一般的な考え方とは裏腹に、権力はリーダーのグループ・メンバーに対する影響力を喪失させます。
ほとんどの人たちは、個人的な経験から2つのWin-Lose対立解決法が人間関係を壊し、組織の有効性を下げるリスクが高いことを知っていますが、ほとんどのリーダーにとって、これらの対立解決法が最適な方法であり続けます。これに関しては多くの説明があり得ますが、以下の2つの説明がもっともらしいと思います:人は対立解決へのアプローチに対する個人的な経験がほとんどありません。ほとんどの人にとっては、最も大きい影響があることが最も大きな権限があることと同じだと考えられています。
ほとんどの子供たちは、大人が決めたことをするためにアメとムチを頻繁にたっぷりと親が投与する家庭で育ってきています。家庭内暴力についての有名な全国的な研究では、80%の親はお尻を叩いたり、ひっぱたいたりという普通の体罰手段を使っていることがわかっています。30%近くの親たちは暴力で逮捕されていたかも知れない暴力行為を子供たちに行っていました!同様に、学校でもアメとムチは教師が教室で「規律」を保つために常に使っている重要なツールです。そのような慣例は数百年の間、ほとんど変わっていません。それは、私にとっては驚きの源泉です。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2019年12月号

─2019年12月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑦」

Date: December 22, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーのジレンマ

 

階層制の組織におけるリーダーシップに関した数多くの研究では、効果的なリーダーは、自分自身のニーズ(そして、彼らの上司のニーズである生産性と効率性)を満たすためのスキル・セットが1つ必要であり、グループ・メンバーのニーズを満たすためにはもう1 つのまったく異なるスキル・セットが必要であると強く指摘しています。さしあたり、これら2 つのスキル・セットを非常に一般的な言葉で表現してみましょう。

 

 A. グループ・メンバーのニーズを満たすスキル

   (1) グループ・メンバーの自尊心と個人的な価値を高める行動

   (2) グループの結束力とチーム精神を強める行動

  B. 組織のニーズを満たすスキル

   (1) 生産性とグループ目標の達成を刺激する行動:生産性を刺激してグループ目標達成意欲を高める行動

   (2) グループ・メンバーの目標達成を支援する行動:プランニング、スケジューリング、調整、問題解決、資源の提供

 

効果的なリーダーは「人間関係のスペシャリスト」(メンバーのニーズを満たすこと)だけであっても、あるいは「生産性のスペシャリスト」(組織のニーズを満たすこと)だけであっても十分ではありません。効果的なリーダーは、その両方でなくてはならないのです。さらに重要なこととして、効果的なリーダーは、グループ・メンバーのニーズとリーダーのニーズの両方を満たすためには、いつ、どこでこれらの多様なスキルを使うのかということを知るだけの柔軟性やセンシティビティといったものも習得しなければなりません。最後に、効果的なリーダーは、これら2 つの競合するニーズの源泉の間に生じる、避けられない対立を解決するためのスキルを学ぶ必要があります。

 『リーダー・エフェクティブネス・トレーニング』(2019)は、相互ニーズの充足という最も重要な状態を作るのに、どのようにしたらより効果的に作れるようになれるのか、上司や自分のグループ・メンバーとのより誠実なコミュニケーションの醸成を通じて、どのようにしたらより柔軟でセンシティブになれるのか、他者との人間関係における憤り、敵意、疎外感を大幅に軽減するための公平な(あるいは「No-Lose」の)対立解決法を用いるにはどうしたらよいかをリーダーの方々に示すことを目的としています。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2012年6月号

─2012年6月号─「リーダーの奥深い問題」

L.E.T.修了者の方々へ

リーダーとして、あなたは強制的であるか、服従的であるか、あるいは問題解決に集中した正直なリーダーであるかを選ばなければなりません。あたなが選ぶリーダーシップのスタイルは、家庭での、あるいは職場でのあなたの人間関係の質に直接インパクトを与えます。これらの人間関係が最終的にはあなたがリーダーとしてどれくらい成功するかを左右します。
 

例えば、あなたが力づくで部下に行動を起こさせるリーダーになることを選択すれば、公私ともにいつも警戒していなければなりません。不服従なことにはどんなことでも絶えず用心しなければなりません。あなたの部下はあなたの判断を信用しなくなりますが、あなたも部下が自分の直接的指導がなければ仕事を遂行することができないと思ってしまいます。あなたのストレス・レベルは上がって、精神的にも肉体的にも参ってしまいます。
 
一方で、オープンで正直なリーダーになることを選択することもできます。あなたの考えや感情を発言と行動に一致させる『自己一致』を目指します。そうすることであなたと部下の間に大きな信頼関係が生まれ、ストレスを軽減し、精神的・肉体的健康を改善することが出来ます。I-メッセージはオープンで正直で自己一致したリーダーシップを開発する重要なツールです。
 
アクティブ・リスニングはオープンで正直で自己一致したリーダーになるためのもう一つの価値あるツールです。アクティブ・リスニングには勇気が要ります。なぜなら、アクティブ・リスニングをする時、あなたは自分の個人的な考えや意見、判断を一旦脇に置いておき、相手の意見を支持するからです。あなたが相手に対してこのように自分を開示する時、あなた自身の(現実に対する)意見を強制的に再評価する絶好のチャンスになります。それは簡単なことではありませんが。
 
要するに、リーダーであるには、部下と接する時にどのようなスタイルのリーダーシップを選択するかを問われます。そのスタイルがあなたの私生活にも職業人生にもインパクトを与えます。I-メッセージやアクティブ・リスニングを使うオープンで正直で自己一致したリーダーシップのスタイルは、あなたの個人的なストレスを軽減し、精神的・肉体的健康を改善し、家庭でも職場でもよりより人間関係を築く助けになります。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2011年7月号

─2011年7月号─「私はメソッドIを使ってもいいですか?」

L.E.T.修了者の皆さま

L.E.T.ワークショップの参加者は「メソッドIは二度と使ってはいけないのですか?」とよく訊きます。この質問の裏に潜む思いや感情は複雑で、答えてあげないといけないと思っています。

質問の1つの意味は、「私はただ単に“ボス”であってはだめですか?」ということです。この質問は、質問者が自分のニーズを満たすため強制力を使い続けた結果支払わなければならない大きな代償に気付いたにも関わらず、自分の仕事の仕方を変えることに気が進まないことを表明しているように思えます。

質問のもう1つの意味は、「私は二度と自分で決定する方法に戻ってはいけないのですか?私は今後起こる全ての問題に対して、未来永劫、座って全員とメソッドIIIをする運命にあるのですか?」ということです。

2つ目の質問に対する答はもちろん「No」です。そんなことをしたら時間が取られて仕方ありません。1つ目の質問に対する答は「もちろん」です。メソッドIIIは一分刻みで意思決定をする方法ではなく、対立を解決する方法に過ぎません。

効果的なマネジャーは毎日自分で多くの意思決定をしています。そのような意思決定が抵抗に遭い、対立が起こった時にメソッドIIIが必要になります。

「メソッドIは二度と使ってはいけないのですか?」という質問のもう1つの意味は、「メソッドIを使わなければならない場面はないのですか?」ということです。答は「はい、あります」です。その場面は以下の通りです。

1.      正真正銘の緊急事態、あるいは苦境にある時
2.      チーム・メンバーにはない特別な知識(開示されていない知識)をリーダーが有していて、論理的にメソッドIIIに従うことが不可能な場合
3.      リーダーのニーズが非常に強く、他のオプションを全て打ち消すような場合

このような解釈はあまり使い過ぎないことが重要です。現実に起きている対立を解決しない言い訳になりかねないからです。

リーダーがメソッドIを使った後、以下のオプションの全てあるいはいくつかを使って逆効果を緩和することができます。

1.     どうしてメソッドIを使ったかを慎重に説明する
2.     心から謝罪する
3.     相手の感情にアクティブ・リスニングをする
4.     何かを提案する
5.     適切であれば、将来類似した苦境に陥らないための計画を始める

リーダーも長期間責任を持ってメソッドIIIを人間関係に使っているならば、時折理由があってメソッドIを使用することがあっても、上記の5つのオプションの全てあるいはいくつかが緩和剤となって、リーダーが頼りにしている価値ある職場での人間関係を傷つけるリスクは小さくなるでしょう。

Sent by Michelle Adams, VP of Gordon Training Int’l.

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺