[ニュースレター] 2017年2月号

─2017年2月号─「権力の多様化」

Date: February 26th, 2017 | BY Brian Miller
 
 人間関係の権力は思ったほど簡単な概念ではありません。多くの人間関係で、権力の役割は明確ですが、一部の人間関係ではあいまいで定義するのが難しいのです。「権力」という言葉ですら、人によっては異なる意味に捉えられます。ゴードン・モデルでは、私たちは通常権力による人間関係を2種類に分類して対処しています。それらを「メソッドI」と「メソッドⅡ」と呼んでいます。
 メソッドⅠはトップダウン型の権力による人間関係です。一人の人間が意思決定をし、他の人(あるいはチームの全員)がその決定に従います。トップダウン型のメソッドⅠのリーダーは通常、役職だからということでチームの責任を負っています。しかしながら、これは必ずしも真実ではありません。あるグループでは、責任者は一貫してある一人のグループ・メンバーの意見に従います。グループ・リーダーがどう感じていようが、グループは一人のメンバーの決定や意見に従います。最初は、グループ・リーダーは弱くて能力のないリーダーのように思えますが、それはグループ・ダイナミックスの正しい解釈ではありません。リーダーのタイトルを持っている人が他の人のフォロワーになります。自然と、あるケースでは、このようなことが起こります。なぜならば、本当のグループ・リーダーは役職だからリーダーになっている人よりも、より仕事ができるからです。ほとんどの場合、このようなことが起こる理由は、本当のリーダーはアグレッシブで支配的なパーソナリティを持ち合わせており、グループに対して命令ができるのです。もし、グループが自分たちの課題をやり遂げて、自分たちの目標に達するならば、この状況は受容できる状況かも知れません。残念ながら、時間とともに役職だからグループ・リーダーになっている人は本当のリーダーからだけでなく、他のグループ・メンバーからも拒否され、軽蔑されたと感じるでしょう。役職だからリーダーである人は、いつかけんか腰の態度やいじめによって支配を再度主張しようとします。そうなった時、生産的なチームも突然非生産的になってしまいます。
 メソッドⅡはボトムアップ型の権力による人間関係です。この状況はほとんどの人たちが「弱いリーダーシップ」と解釈しているものです。人間関係で権力を保有している(あるいは役職からチームのリーダー)と思われている人は、ほとんど、あるいは全く自分の個人的な考えをグループに主張しません。その代わり、アイデアはいつもグループから出され、グループは議論したり投票したりして、どのアイデアを採択するかを決定します。この状況は多くの人たちにとって、グループ・リーダーとしてもグループ・メンバーとしても、とても生産的で心地よいものです。上記の状況のように、役職からリーダーになった人ではない真のリーダーの場合、徐々にグループから仲間はずれに感じ始めます。グループ・リーダーは不必要で快く受け入れられていないと感じます。このようなネガティブな感情がピークに達し始めると、グループ・リーダーはグループ・ディスカッションからもっと引きこもってしまうでしょう。このようなことが起こると、グループは明らかに目指すべき目標もなくなり、生産性が劇的に低下してしまいます。
 権力が人間関係の土台になっている時はいつでも、権力者から従うように強要されている人は拒絶感を経験します。この拒絶の感覚は、やがて無気力感(欲望の欠如)や倦怠感(意欲の欠如)を生み出します。無気力感や倦怠感がひとたび人の心を支配し始めると、回復するのはとても難しいのです。職場に現れない人、しばしば自分の上司と口論する人、予定より遅れてしまう人、あるいは頻繁に病気になる人は、無気力感あるいは倦怠感、またはその両方に深く陥ります。
 対立は時としてこのような権力に基づいた人間関係の中で起こります。ゴードン・モデルの強みに一つは、このような人間関係を上手く切り抜けるためのツールを提供します。実際の権限ではなく、役職から権限を持っている人は、どのようにグループの中の権限が均衡を失したのかについてのグループの認識を高めるために、対決的I-メッセージ、アクティブ・リスニング、ギア・シフトを使うことができます。メソッドⅢの対立解決法は、権力のバランスを取り戻し、生産性を回復させるための仲立ちとして使われます。同様に、権力の基づいた人間関係によって抑圧され、疎外されたグループ・メンバーは、対決的I-メッセージを使って権力を使っている人に自分自身の感情を伝えて気づかせることができます。グループ・メンバーはアクティブ・リスニングやギア・シフトを使って、人間関係を権力によってコントロールしようとする人の理不尽な要求に対して反応することができます。
 私たちが力関係が不均衡な人間関係にある時、L.E.T.で学んだスキルが権力のバランスを回復させるためのロードマップとなります。

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[ニュースレター] 2017年1月号

─2017年1月号─「ニーズとリーダーシップ: 権力の使用・悪用の対価」

Date: January 9th, 2017 | BY Marie Bryson
 
今年の1月、私は明らかな理由で新しい門出に思いを馳せていました。思いを馳せていたら、効果的なリーダーシップについての基本的な仮説は多くの場合、語られないままであることに驚きました。
アブラハム・マズローのニーズのヒエラルキーの理論が1943年に開発された時(これは多分偶然ではないでしょうが、第二次世界大戦の真っただ中と合致しますが)、私たちは最も基本的なレベルでほとんどの人を動機付けるものが何なのかについての洞察を得ました。
復習しますと、マズローは次のような理論を展開しました。人は一般的に、「プラミッド」あるいはヒエラルキーの上の方のニーズを満たすことに労力を向ける以前に、一番下のレベルのニーズを満たす必要があります。生理学的で安全性のニーズがピラミッドの基本的な2つのレベルを形成しています。第二次世界大戦以前のボスたちは、これらの2つのレベルのニーズをレバレッジした権力を使って、例えば、生理学的で安全性のニーズを提供したり取り上げたりする方法で人々を引っ張っていました。
前世紀の大半は、権力のみを行使することで人々を導くことが「最善の方法」なのかどうかを北米の人はほとんど疑問に思いませんでした。
少なくともほとんどの組織環境において、私たちはそのようなリーダーシップをなくしました。
しかし、明らかに「おまえはクビだ!」の魅力は完全にはなくなりませんでした。結局――そのアプローチの方が速いのです。即座に目に見える「人間関係の問題」を取り除いてくれるほど効果があります。
そして、それは言うことを聞かないと次はあなたですよということを人々に通告します。上司は上司!時間と労力を使って部下との人間関係を構築するより、その権力を持って、時として鞭をふるったらどうでしょうか?
 
人はどのように権力に反応するのか
「誰でも負けるのは嫌いです。相手に有利な人間関係を喜ぶ人はいません。自分から何かをはく奪するようなことを強要されることは、誰も望んでいません。権力が人々に様々なリアクションを引き起こすのも納得できます――権力と戦い、回避し、権力から防衛し、その影響を無効にしようと試みます。」(Dr. Thomas Gordon, Leader Effectiveness Training, p. 171)
どのようにリーダーとして導くかは常に究極的には個々人のリーダーの裁量です。しかし、対立を解決するために権力を使う選択肢(メソッドⅠのWin-Lose解決法)の結果は予見できます。
 
上に向かって行うコミュニケーションの削減
面白くないニュースを持ってきたメッセンジャーをリーダーが叩き潰すなら、当然、リーダーが受け取れるニュースの量は減るでしょう――それは激減するでしょう。怒りや報復のための権力使用を引き起こす恐怖から、トップに伝えられる情報の正確性も損なわれます。ゲームの名前は「上司には聞きたいことを伝えなさい」というもので、それがうまく行かないことはないでしょう。
 
おだてたり、ご機嫌をとったりする反応
おだてたりするYes-menやYes-womenが増加しています。権力行使に頼るリーダーは、自分が望むフォロワーを作り出します。通常、それはお気に入りの排他的小集団で地位を得るためには何でも言ったりしたりする人たちの集団です。
 
服従と適合
特に上司に頼まれたことを正確に行うことは、多かれ少なかれフォロワーが罰を回避するために使うコーピング・メカニズムです。この行動は、命令が理にかなっていない、あるいは明らかに間違っていたとしても持続します。
 
抵抗と反抗的な態度
権力の悪用に対する一つのコーピング・メカニズムは、指示・命令全てに対して、それがどんなに小さなことでも文字通り質問したり抵抗したり、グループ・プロジェクトでモラールの損失や障害になることです。
 
同盟や連立を組む
権力が定期的に使われ、悪用される時、アメとムチで脅される人たちは、非公式に互いにコミュニケーションを取り合い始めます。仕事の遅滞、病欠、回避方法、妨害行為、労働組合が職場での非公式なコミュニケーションの事例です。
 
引きこもりと逃避
限界まで追い込まれた時、人は有害な権限を振りかざす人を避けようとします。
 
権限の使用に代わる選択肢
リーダーが、マズローのニーズのヒエラルキーの高いレベルに人々を導くための方法があることは証明されています。最も基本的なニーズを拒否することで恐怖心を植え付ける方法ではなく、相互信頼、自尊心の確立、自己実現の自由を求める心にアピールすることで達成できます。リーダーシップのNo-Lose対立解決法に投資する組織は、本当の意見の一致、健全な人間関係、離職率の低さによって達成される質の高い意思決定、その決定をやり遂げるコミットメントの増加という恩恵を受けるでしょう。

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[ニュースレター] 2016年12月号

─2016年12月号─「大統領選挙について話すのが辛いですか?(GLOPの指導書)」

Date: December 13th, 2016 | BY Marie Bryson
 
そうですね。

あなたがどちらの側についていたかに関わらず(今回は投票を見送ろうと思っていたとしても)、皆さんも同感だと思いますが、非常に醜くてアメリカを分断した衝撃的な18か月間の政権運動でした。そして、どちらが勝ってもそれは変わりません。

どこに行ってもGlop, Glop。
 
“人種差別主義者.”
“偏屈者”
“リベラルと称する間抜け”
“嘆かわしい”
“急進的フェミニスト”
“独裁者.”
“ナチス”
“共産主義者”
“犯罪者”
“正気とは思えない”
“悪党”
“反逆者”
“社会正義を守る戦士SJW (Social Justice Warrior).” (あたかも悪いことのように言われますが…)
 
GLOP(General Labeling of People)の教科書的例を探すとしたら、今回の選挙でお互いを誹謗中傷した事例以上のものはないでしょう。

GLOPは猿の檻の中の排泄物のように飛び交った――ソーシャル・メディア、インターネット画像、集会で、会議で、落書きで、飛行機の中で毎日アメリカ人によって捕らえられる問題のあるビデオで、公共交通機関で、手芸店で、コーヒーショップで。礼拝の場所にも純粋にGLOPに基づく脅迫文が届きます。

ヘイ、アメリカ。これよりは上手くできるでしょう。

GLOPが何か、どうして人々はGLOPに頼ってしまうのでしょう。

L.E.T.でいうGLOPとは、誰かにレッテルを貼る方法(あるいはグループ全体に対して)で、それは他の誰かが言ったことややったことの解釈です。それに飛び乗ってパッと手っ取り早く判断を下すことに他なりません。軽蔑的で、敵対的で、破壊的です。GLOP(レッテルを貼られた)されているその人あるいはグループと共有する心理的な共通の特徴を取り除きます。人々を対立する派閥に分断してしまいます。

(そして、私自身もGLOPPINGをたくさんしていることを認めます。特に大統領選挙の結果が出た夜は、何度も飲み物を流しました。誰も完ぺきではありません。)

しかし、最終的にはGLOPはオープンで正直で建設的なコミュニケーションの可能性を取り除いてしまいます。――それは私たちが来年以降是が非でも必要なものです。

私たちは努力を倍増させなければならないでしょう――政府の世界だけでなく、個人、家族、公共の場、職場で――私たちはGLOPなしにお互いに臨むようにします。

GLOPはトーマス・ゴードン博士の対立解決法の最初のステップである、満たされないニーズの観点から対立を定義するという基礎をなす原則を根本的に無視します。

私たちは単に不愉快なだけなので、深い意見の不一致がある訳ではありません――私たちは意見の不一致の根底にあるニーズを表明する方法をまだ見つけていないので意見の不一致をみているのです。
 
アサーティブ vs. アグレッシブなコミュニケーション
予想される家族間での政治的議論を避けるため、私は今年、休暇に家族で集まることをしない選択をした人たちを知っています。彼らは通常不愉快ではあるものの扱いやすいです。しかし、今年に限っては実際に殴り合いになったり完全に人間関係が終わったりしてしまうことを恐れたのです。

お願いだから、アメリカ人たち。もっとうまくできるはずでしょう?

まずはリフレッシャーです。アサーティブ・コミュニケーションとアグレッシブ・コミュニケーションには違いがあります。

アサーティブ・コミュニケーションは、私たちのニーズが究極的に満たされることを期待して、私たちのニーズを他の人たちに伝えるためにデザインされています。ある意味、それは同時に相手の感情やニーズに敬意を表し、敏感である方法によります。I-メッセージは満たされないニーズについてのアサーティブ・コミュニケーションを形成する熟考されたシステマティックな方法です。

アグレッシブ・コミュニケーションは、逆にコミュニケーションをしている人のニーズを満たすことを求めて相手の感情を無視します。それは敵対的で、無神経で、コミュニケーションの流れを中断してしまいます。それは正直かも知れませんが、相手に恥をかかせたり、傷つけたり、辱めたり、脅かしたりすることもいとわない、「正直」の種類です。アグレッシブ・コミュニケーションは「Dirty Dozen」のコミュニケーション・ロードブロックのいくつかを定期的に採用します:命令する、指図する、警告する、脅かす、批判する、判断を下す、悪口をいう。

大統領選挙に関連して、あなたも心当たりがあるならば、話しましょう。

レッテルではなく、行動に焦点を当てましょう。

自分がアグレッシブ・コミュニケーションを受ける側にいたら、状況を悪化させないように応答することは、時として難しいです。とても難しいです。しかし、L.E.T.のスキルをもった熟練したコミュニケーターであるということは本当に役に立ちます。

ここで少し、予想される家族内での政治的議論について話し合ってみましょう。「人種差別主義者、同性愛嫌悪者、女性嫌悪者、逆行する人、こぶしを引きずる不愉快な奴」ということで同意できない親戚の人たちを切り捨てる前に、(精神的にもそれ以外にも)その他にも自由に使えるツールがいろいろあります。

例えば、行動の窓があります。

休暇の集まりでマッシュポテトを回している間、勝ち誇ったからかいを含む喜びに沸いた勝利のダンスを見る側にいたとします。その時、その行動が受容エリアにあるのか非受容エリアにあるのかを決めることができます。それは、結局ある日の食事風景です。誰も人の気持ちを変えられることはほとんどなく、対決は非生産的であると認識しつつ、受容エリアを広く持ってこの集まりのイベントの中に入っていくこともできます。

私たちには宣言的I-メッセージ、予防的I-メッセージがあります。全てが失敗に終わったとしても、価値観の衝突が常にあることを認識しています。

全てが失敗した時には、信条があります。

最終的なGLOP反対者のメディテーションです。
 
私の人間関係に関する信条

あなたと私は、私が尊重し維持したいと考える人間関係にあります。私たちそれぞれは、個別の価値観とニーズを持つ人間です。
 
私たち各々が何を尊重し、欲しているのかをよく知り理解するために、私たちのコミュニケーションにおいては常にオープンで正直でいましょう。
 
あなたが人生において問題を経験している時、私の解決策を押し付けないで、あなた自身の解決策を見出せるように、私は誠実な受容と理解の態度であなたの話に耳を傾けます。そして、私が自分の問題の解決策を見つける必要がある時には、あなたも私の話に耳を傾けて欲しいのです。
 
私自身のニーズを満たすために私がすべきことを、あなたの行動が妨げる時には、私はあなたの行動がどのように私に影響を与えているかを隠さず正直にお話しします。何故なら、あなたが私のニーズや感情を充分尊重してくれていて、私にとって受容できない行動を変える努力をしてくれると信じていますから。また、私の行動をあなたが受容できない時は、あなたも隠さず正直に話してくれることを望みます。私も自分の行動を変えるように努力します。
 
そして、人間関係において私たちが対立を経験する時、一方が他方を犠牲にして勝つために権力に訴えることがないよう、一つひとつの対立を一緒に解決するようにしましょう。私はあなたのニーズを尊重しますが、私自身のニーズも尊重しなければなりません。ですから、いつもお互いが受容できる解決策を一緒に探す努力をしましょう。あなたのニーズも私のニーズも満たされる―――どちらも負けることなく、お互いが勝つのです。
 
このように、あなたはあなたのニーズを満たすことで人間として成長し続けることができます。そして、私自身も同様です。よって、私たちの人間関係は健全な人間関係で、お互いが実現可能な存在になるよう努力することができるのです。そして、私たちはお互いに尊重し合い、愛し合い、平和的に関わり続けることができるのです。
 
                                                                                             トーマス・ゴードン博士

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[ニュースレター] 2016年11月号

─2016年11月号─「電子的に対決することは有益ですか?」

Date: November 16th, 2016 | by Brian K. Miller
 
 昔、ビジネス・コミュニケーションのほとんどが対面で行われていました。マネジャーは直接チーム・メンバーに話し、チーム・メンバーは直接顧客に話していました。今日の世界では、ほぼ全てのコミュニケーションは電子的なものです。マネジャーはE-メールやテキスト・メッセージなどのアプリケーションを通してチームと話します。そして、チーム・メンバーも同じようなツールを使って顧客と対処します。契約ですら紙面による直筆サインより電子サインを使用しています。

 L.E.T.スキルはテキスト・ベースのコミュニケーションのためのデザインにはなっていません。注意深い配慮なしにE-メールやテキスト・メッセージで使用しようとするのは扱いにくいですし、不自然です。しかしながら、それが役に立たないという意味ではありません。それは、ただ単に少しだけ注意深く考えなければならないということです。

 例えば、あなたの会社のブラックベリーやスマホから安全なメッセージ・アプリケーションで送られる典型的なテキスト・メッセージは以下のように書かれるかも知れません。
 
「Mtg @ 11. pp?」
 
 これがあなたのマネジャーから届いたとします。最初は、謎めいているように思います。なんておかしな暗号なのか?あなたのマネジャーが、あなたに話しかけたとしたら、こう言うでしょう。「重要な顧客とのミーティングが11時にあるから忘れないで下さい。私はまだパワーポイントのプレゼンを見ていないのだけど、もう完成しましたか?」

 あなたがマネジャーの電子的速記に精通しているなら、ブラックベリーのメッセージは完璧に意味をなすものでしょう。しかし、意味がわからないのであれば、読み解くのに時間を浪費しなければなりません。一旦意味がわかったなら、返事を書かなければなりません。要するに、パワーポイントのプレゼンを仕上げるのに使えた時間を10分~15分も無駄にしてしまうということです。

 当然ながら、第一の課題はパワーポイントのプレゼンを仕上げて、あなたのマネジャーに送ることです。それをした後、マネジャーの謎めいたメッセージについて彼に対決します。これには適切な対決的I-メッセージが必要です。しかし、「あなたが謎めいたテキスト・メッセージを送る時、課題を終わらせる前に私はメッセージを解読するのに時間をとられ、混乱してしまいます」というのは魅力的なアプローチではありません。あなたがどれだけ注意深くI-メッセージを作成しても、簡単に誤解を招きます。

 あなたのメッセージ送信のアプリを通してI-メッセージを送る代わりに、受話器を取って直接マネジャーに電話をし、あなたのI-メッセージを伝える方がよいでしょう。これをすることで、テキスト・メッセージのアプリによる遅れもなく、すぐに対面でギア・シフトをする機会が訪れるでしょう。もし、あなたのマネジャーが電話嫌いな人ならば、他の選択肢としてテキスト・メッセージを送ってミーティングをするのに都合のいい時間を聞くことです。そのミーティングで直接会って対決的I-メッセージを送ることができます。

 現代のテキスト・メッセージやE-メールでのペースの速い世界でさえも、対決は対面で行うか、電話で行うのが最善です。明確化が今も尚、良いコミュニケーションの最も重要なクオリティです。誰かに対してひどい電子的コミュニケーション・スキルについて対決する時、昔からの方法、つまり対面で行うことで最も効果的に達成できます。

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[ニュースレター] 2016年10月号

─2016年10月号─「問題解決のミーティングのために必要な7つのベスト・プラクティス」

ミーティングは現代社会でビジネスを行う呪いです。多くの問題は一人の人間が自分で解決するには複雑過ぎます。大企業の中の異なる部署、それぞれがある問題の違う分野に対する責任、あるいは部署の中にある異なるチームが同じ問題に対する解決策を見つけ遂行する責任を持つのかも知れません。これは、企業の業務をシステム・アップグレードすることで大規模にオートメーション化する時、あるいは新製品ラインを導入する際に起こりえます。ミーティングは現代社会でビジネスを行う呪いですが、必要不可欠なものでもあります。では、どうやってミーティングをより効率的にすることができるでしょうか?
 
トーマス・ゴードン博士はミーティングの生産性を改善するための17の異なる方法を開発しました。そのうち、最も重要な7つの方法は以下の通りです。
 
ミーティングは同じ時間に同じ場所で行う。特定の問題に特化したミーティングは、いつものスケジュールで行い、毎回目的を持って行う。 ミーティングは小規模で行う(15名を超えない。5名なら尚良い)。問題に関連する各部署を代表して意思決定を行える権限を持つ人を一名特定して出席させる。同時に、その代表者が出席できない時に意思決定を委任されている代替者を選出しておく。 ミーティングは、リーダーではなくメンバーが当日のアジェンダのもっとも重要な項目が何なのかの優先順位をつけることから始める。リーダーはゴールを設定するが、グループが優先順位をつける。 不変のグラウンド・ルールを作り、ミーティングでは全ての人が貢献するチャンスを与え、誰もミーティングを独占しないようにする。 ミーティングのゴールに直接関連したアジェンダの項目にフォーカスする。当該ミーティングのゴールに関連しない問題の側面的議論へと脱線しないようにする。 お互いの得意分野をメンバーから根拠もなく推測されないようにする。ミーティングに出席する人は、代表している部署の専門知識を持ち、他のメンバーから信頼され選出される。 目的が1つ達成されたらチェックし、次のミーティングでの明らかな目的を設定する。  
トーマス・ゴードン博士の著書「Leader Effectiveness Training」では、これらのポイントの一つ一つに関してより詳細に解説しています。ここでは言及していませんが、著書ではミーティングの企画・司会について10の特徴についても書いています。しかし、これらのたった7つの原則を遂行しただけでも、ミーティングは飛躍的に効率化し、生産性が向上します。最も重要なことは、メンバーはミーティングを短く終わらせることができ、皆、ビジネスの本当の仕事――ミーティングで合意した解決策の遂行――に戻れることです。

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[ニュースレター] 2016年9月号

─2016年9月号─「悪いリーダーシップをよく観察:ケーススタディ」

Date: September 6th, 2016 | BY Marie Bryson
 
もし、私の人生の中で一つだけ真実なものがあるとしたら、これです。その人と私は全てにおいて全く正反対であるということです。私はステーキが好きで、彼は牛挽肉が好きです。私はものすごいレア肉を注文するので、キッチンでは温めたオーブンに肉を滑らせるだけでOKです。彼はすごいウェルダンの肉を注文するので、真っ黒になるまでオーブンに入れておかなければなりません。私は極めてカジュアルで、彼はものすごくカッチリしています。
 
そして、仕事です。
 
私は生きるために仕事をするタイプの人間です。彼は仕事をするために生きています。彼の自然の生息地はオフィスです。休暇?休暇は彼をストレスで参らせます。なぜなら、彼は職場を離れなければならないからです。
 
最近、私は口をぽかんとあけて彼を見ることがありました。なぜなら、「今週末、上司が車にひかれてしまえばいいのに・・・」と呟いたからです。
 
この時は本当に人が変わってしまった感じで、一皮むいてサイボーグである本当の自分を見せた方がいいのではないかと思うほどでした。
 
人は仕事ではなく上司を去る
 
私たちは皆、こんなことを耳にしたことがあるはずです。案の定、最近のGallupの調査によると、半数のアメリカの労働者は人生において上司が原因で仕事を辞めたことがあると言っています。数か月前、上司が新しくなったという人を知っています。彼は新しいレポーティング・ライン(新しい上司との関係)を疎ましく思っていたことも私は知っていました。しかし、彼の口からあの言葉を聞くまでは、状況がそんなにひどいということを知りませんでした。
 
こいつは、私が生きてきたのと同じくらい長く職場にいる奴なんだ。優しい人ではないね。ほとんどの期間、彼は週に60時間は働くことを期待しているマルチ・ナショナル企業で働いてきたんだ。そして、彼はそれをこなしてきた。喜んでだよ。
 
私:「車にひかれたの?うわぁ、あなた本当に上司のことが嫌みたいだね」と言いました。相手が問題を抱えていることを認識したので、アクティブにシフトしました。
 
彼:「あいつはあれをやっているんだよ。何をするか、どうやってするかを逐一指示するんだ。あいつは皆をクズ扱いするんだ。」
 
私:「あなたの上司はあなたをマイクロマネージして、あなたの同僚に対する扱いもひどくて、あなたを苛立たせるのね。」と私はフィードバックしました。
 
彼:「そうなんだ。例えば、私は会議の席ではノートパッドでメモを取るんだよ。紙のノートだよ。いつもそうしてきた。永遠に。今日奴は文字通り、会議を止めて、グループ全員の前で私に言ったんだ。このメモを取る行為が奴をとてもいらつかせると。そして、それは具体的な何かに影響を与えている訳ではないんだ。全く何も。奴はただ単にメモ取りが嫌いなんだ。なぜなら…えっと、奴は嫌いなだけなんだ。他の皆はラップトップでメモを取っているんだけど、それがなんだっていうんだ?私は違う。私は紙に書く。会議で議論したことを覚えていないという訳ではないよ。準備しないで行くことはないから。私の仕事の質に影響はない。これが私のやり方なんだ。今、それを変えるつもりはないし、奴にどんな影響があるっていうのかサッパリわからない。」
 
私:「そうね。あなたは、上司がただ単に嫌いという以外、何も特定の理由があるわけでもなく、権限をあなたに振りかざそうとしていると感じているみたいね。」と私は言いました。
 
彼は相槌を打ち、「それでもう一つ思い出した。相槌だよ。」
 
私:「相槌…それについてもっと詳しく話してくれる?」
 
彼:2-3ヶ月前に私たちは大きなグループで会議をしていたんだ。奴は仕上げなければならないある仕事について話していたんだ。私は奴の言っていることを理解したということを承認するために、相槌を打っていたんだ。奴は私の方をまっすぐ見て言ったんだ。「私は君に相槌を打ってもらわなくてもいいんだよ。私は君に理解して欲しいだけなんだ。」
 
神聖なロードブロック8番、バットマン
 
「そして、一ヶ月前に奴が持ち出したことがあるんだ。小さな部署だし、私たちは皆、ユニークな責任がある。別の会議で、奴はプレゼンで私たちがやっていること全てをリストアップしたスライドを見せたんだ。スライドでは1つのボックスにチェックマークがなく、奴はチェックマークが入っているところについては全て素晴らしい仕事をしていると言ったんだ。チェックマークがないものについて、一体誰の責任か皆わかっていた。公の場で侮辱したんだ。それに、奴以外の皆は同意していないよ。私たちはチェックマークがないものについて責任を負っている人と彼の仕事ぶりを尊敬しているんだ。上司はどういう訳か、それを持ち出した。信じられないほど、不愉快だったよ。」
 
私たちは話し続けました。彼の元上司からの人事考課は輝かしいものでしたから、彼は心配しています。しかし、間違いなく職場のハラスメントとも思えるような上司の下での次回の人事考課について、彼は心配しています。
 
私は彼の心配について話せる人は誰かいないのか聞きました。「人事部は従業員の側に立っていると考えれば、話に行くかも。でも、わからないから最悪なんだ。」
 
もし状況が改善しないなら――そして、人事考課が去年に比べて輝かしいものではないなら――彼は新しい仕事を探し始めるかも知れません。そして、そうなってしまったら、悲しいです。なぜなら、彼はこの上下関係になるまではこの仕事に満足していたからです。
 
これは、不幸にも、悪いリーダーが認められて、大事にされ過ぎた職場の現状です。彼らが最初に感情的に健康な職場を作る責任について教育され、その責任を負わされていなければ、不必要な離職率の高さ、従業員の仕事に対する熱意の欠如、生産性の悪さというコストが組織にかかります。

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─2016年8月号─「拡張現実がゴードン・モデルと出会う」

Date: August 11th, 2016
Blog Post by: Brian K. Miller
 
ポケモンGO、新しい拡張現実ゲームがこの携帯電話を取り込んで、嵐のように私たちの世界を振り回しています。今、ポケモンGOはツイッターを上回り、ネットフリックスよりも多くの処理能力を食います。職場、家庭、街の中でのインターパーソナルな関係に直接インパクトを与えています。

ゲームや注意をそらす他のもののコミュニケーション・フローに与える影響を吟味する時、重要なポイントは価値観の衝突と本当のニーズの対立との違いを認識することです。当然、ポケモンGOのような人気のある人を惹きつけるゲームであっても、誰もプレイする必要はありません。しかし、人は余暇、レジャー・タイム活動をする必要があります。レジャー・タイムがどのように予定され、どのような活動を人々が一緒になって求めるかは、本当のニーズの対立を生み出しかねません。
 
営業チームの2人のメンバーが、しばしばオフィスを出て顧客訪問に行っていると仮定しましょう。ポケモンGOがリリースされてから、彼らの昼休みが午後の就業時間に食い込んで長引いており、そして午後の営業訪問の後、オフィスにほとんど戻ってこないことに上司は気づき始めました。上司がチーム・メンバーに対決した時、彼らは自分たちの仕事の時間にゲームすることを許してしまっていたと認めました。彼らはしばしばオフィスを離れて営業に出ていましたし、彼らが稼いだ売り上げも落ちてはいなかったため、二人はどちらもこのことを問題だと思っていませんでした。
 
明らかに、二人のチーム・メンバーは営業目標を達成しています。しかし、売り上げ以外に会社では説明責任を負っています。会社は、従業員である営業の人たちがどこにいるのか、何をしているのか、顧客との間で問題が起きた時にどのように彼らと連絡をとるのか等、知る必要があります。上司はこの二人の営業マンに対決し、会社のニーズを強調する必要があります。対決的I-メッセージは以下のようなものになるでしょう。「あなたがデスクから離れて長い昼休みをとったり、営業回りから帰ってこなかったりする時、顧客が問題を抱えて電話して来たら、どのようにあなた方にコンタクトしたらいいかわかりません。私は多大なるストレスと不安を抱えることになります。」

上記の事例のように、二人の営業マンはオフィスに戻る代わりに、ポケモンGOをやっていたことを即座に認めました。この場合、ギア・シフトはかなり短くてよいでしょう。営業マンが勤務時間中に自分の居場所について説明責任を負っていることを担保する方法を見つけるためには、メソッドⅢが主要なツールになるでしょう。勤務時間中にゲームをすることに対する、より厳しい時間要件や禁止事項が決められる結果になるか否かはわかりません。より厳しい時間要件や禁止事項が最終結果であると仮定するなら、全てのメソッドⅢのプロセスは無効になり、二人の従業員は会社への貢献が全く感謝されず、報酬が与えられないと感じるでしょう。ですから、問題が解決されると事前に仮定しない方がいいと思います。ブレーンストーミングの時に挙げられる解決策全てに対してオープンでいましょう。ステップとステップの間では必要に応じてギア・シフトをし、プロセスが自然と結論に到達していくようにします。会社のニーズにフォーカスしつつ、そのニーズが満たされるための代替的選択肢をシャットアウトしないで下さい。
 
拡張現実ゲームは、レジャー活動がどのような形態であっても、なくならないでしょう。それらは今よりさらに普及するでしょうし、ポケモンGO以上に対立を生み出すことでしょう。ゴードン・モデルは、職場や家庭、あるいは私たちの地域でこのような対立を解決するための最善のツールです。

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[ニュースレター] 2015年5月号

─2015年5月号─「世間は良く言います: 1オンスの予防は1ポンドの治療に匹敵する」

Date: May 12th, 2015
Blog post by: Linda Adams
 
 対立を防ぎたい人は挙手して下さい!たくさんの手が挙がりましたね。まさにそれをするのを助けてくれるツールがこれです!私たちのワークショップでは、I-メッセージをいつ、どのように送るかを教えています。対決的I-メッセージの概念は、トーマス・ゴードン博士によって開発されました。リンダ・アダムズ氏が、追加説明をしており、とても役に立ちますので、是非読み進めて下さい!
 
 予防的I-メッセージは人間関係における問題や対立を予防する一つの方法です。
 
 予防的I-メッセージによって、あなたのニーズと欲求を相手に知ってもらうことができます。
 
 予防的I-メッセージの背後にある理論は、あなたが何を欲しているのか、明確なイメージがあれば、相手はあなたのニーズを満たす手伝いをしやすくなります。
 
 予防的I-メッセージは、他のI-メッセージ同様、率直、明確で自己一致しています。
 
 予防的な表明を送る3つの主要なステップは以下の通りです:
 
1.      あなたが何を欲しているのか、あるいは必要としているのか、そしてそれは何故なのかを知らなければなりません。そして、あなたのニーズを満たす可能性のある解決策に辿り着かなければなりません。
2.      あなたは自分のニーズを満たす個人的な責任を負います。
3.      あなたは自分のニーズを満たすために行動します。あなたが必要としている協力をしてくれる相手の人たち(人)に、あなたは表明します。
 

 予防的I-メッセージは2つの要素を含んでいます(3つの要素――行動、感情、影響を含む対決的I-メッセージとは異なり)。
 
1.      主張(アサーション)――あなたが何を欲しているのか、何を必要としているかの表明、そして
2.      理由――あなたのニーズの理由
 
予防的I-メッセージは、以下の場合に送ることができます。
a.     他の人が以前、あなたのニーズを満たすのをブロックした
b.     相手の人が以前、あなたがこのニーズを満たすのを促してくれた
c.     あなたのニーズに関して、その人と何らやりとりした経験がない
 
事例: あなたは絵を描くのが好きだとします。最近、あなたは絵を描くことに時間を費やしたいと思っています。あなたは、週中は仕事をしているので、時間に余裕があるのは週末だけです。静かで、妨げられることのない絵画の時間を持つことがあなたにとっては重要です。
 
あなたの自己開示:「今週、自分のための時間が欲しいです...」
 
あなたの理由:「...何故なら、今製作中の絵を終わらせたいのです。」
 
他のケースで、あなたはもっと情報を提供したい、相手にもっと自分のニーズについて話したいと思うかも知れません。
 
事例: 「体重を減らしたいので、私はエクササイズ・プログラムを始めたいと思います。」
 
いかがでしょうか?

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[ニュースレター] 2015年4月号

─2015年4月号─「マズローの欲求段階説」

Blog Post by: Brian K. Miller
 
2015年4月ニューズレター
 
 L.E.T.の目的は、『行動の窓』の生産的な仕事の時間(『問題のないエリア』と呼びます)を最大限にすることです。時間と資源がビジネスのニーズを満たすことに向けられる時、ビジネスに関わる全ての人が成功します。もし、個人的な問題、リーダーシップの欠如、非効率な業務習慣が組織のニーズの妨げになるなら、ビジネスは赤字になり、給料を支払えなくなり、従業員を解雇せざるを得なくなり、全く最悪のケースでは、完全に解散し、残余財産を切り売りすることになります。生産的で居続ける鍵は、組織の中の全ての人のニーズが満たされる手段をとることです。しかし、時として、その『ニーズ』の厳密な本質を定義するのは難しいのです。
 
 アブラハム・マズロー(Abraham Maslow)は人間の基本的欲求(ニーズ)を説明するピラミッド構造を考案しました。マズローのピラミッドでは、低次から高次まで5つの階層があります。各階層は、個人の生活の質の高いレベルを徐々に表していきます。自己実現の欲求は、5段階のピラミッド構造の最上階にあり、ピラミッドのベースにあるのは生理的欲求です。各階層を簡単に見ていきましょう。
 
1.    生理的欲求: これは基本的で、ファンダメンタルな生命維持に必要な欲求です。例えば、食べ物、水、衣服など。
2.    安全の欲求: 野生では、人は野生生物から身を守るためにフェンスが、そして自然の力から守るためにシェルターが必要です。現代では、犯罪の被害者になったり事故でけがをしたりすることなく、自宅と会社を往復できると信じる必要があります。
3.    社会欲求と愛の欲求: 友達や家族は、私たちが悲しい時には慰めてくれ、私たちが幸せな時には一緒に喜んでくれ、自分の存在が重要であるという考えを強化してくれる社会環境を、私たちに提供してくれます。
4.    承認の欲求: 成功は満足と承認の両方をもたらします。私たちは、重要な目標に到達すると、もっと高い目標を設定する権限が与えられたように感じます。その目標に到達したことで拍手喝采を浴び、報酬を得ると、この達成感が強化され、達成し続けようと私たちをやる気にさせます。
5.    自己実現の欲求: 私たちは自分の最終目標に到達すると、どのようにそれを達成したかに他の人たちに教える権限が与えられたように感じます。私たちは、同じ道を苦労して進んでいる他の人たちに支援の手を差し伸べ、また、同じ道を歩み始めたばかりの人たちを指導します。時として、本を書いたり、同じ目標を達成しようとしている人たちを支援する学校を始めたりします。
 
 リーダーが部下やフォロワーをやる気にさせるためには、彼ら自身がどの階層の欲求を満たしたのか、彼らのチーム・メンバーはまだどの階層に取り組んでいるのかを認識できなければなりません。ある欲求はとても難しく、プロの支援を通してしか達成できないかも知れません。アルコール中毒、怒ると狂暴になる性格、仕事に対する怠慢なアプローチは、しばしば、個人がピラミッド構造のどこか低いレベルで身動きが取れなくなっているサインです。このような問題の場合、その個人を適切なプロフェッショナルに紹介することで、最善の対応ができます。
 
 習慣的に遅刻する、一時的にやる気を喪失する、あるいは過剰な労働時間などの普通の問題は、個人が目標達成のための努力をしている時に、複雑な事態を経験しているシグナルです。このような場合、アクティブ・リスニングが相手に『声に出しながら考え』、自分自身の解決策を見つける機会を提供します。
 
 もしリーダーが、気が短くて、怒りっぽく、不安を抱いているならば、リーダーは仕事で不愉快にも中断を余儀なくさせられ、現在の目標を達成して次の段階に移ることを妨害されている可能性があります。この場合、リーダーは問題を引き起こしている相手に、対決的I-メッセージで対決するべきです。私たちは誰かに対決する時にはいつも、私たちの問題が相手に問題を引き起こす現実的な可能性があることを、心に留めておく必要もあります。ゆえに、リーダーはアクティブ・リスニングにギア・シフトし、場合によってはメソッドⅢの対立解決法をする必要があります。
 
 これら3つの状況全てにおいて、最初のステップは、どの種類のニーズが満たされていないのか、どの目標が達成できていないのか、その人はどの欲求段階に到達しようと悪戦苦闘しているのかを特定することです。ほとんどの場合、第1段階の生理的欲求と第2段階の安全の欲求には問題がありません。現代のほとんどの人は、食べ物、シェルター、適度に個人の安全性が確保されています。
 
 職場では、問題を引き起こす満たされないニーズのほとんどは、第3段階か第4段階のニーズです。人が頑張ってやった良い仕事が気づかれないと、感謝されていないと感じるため、第3段階や第4段階のニーズが満たされない結果となります。もし部下や同僚が、自分の仕事が失敗したとか不公平に失敗のレッテルを貼られたと感じるならば、問題について充分な時間を割き、心を開いて話してもらうことが、自身の解決策を考え出す重要な鍵です。ゆえに、アクティブ・リスニングは常にリーダーの最もパワフルで、頻繁に使われるツールであり続けます。対決的I-メッセージの後にギア・シフトが続きます。必要に応じて、メソッドⅢの対立解決法がリーダーにとってその次に重要なツールとなります。何故ならば、リーダーは常にチーム・メンバーに組織とチーム・メンバー一人ひとりのニーズの両方について、コミュニケーションする責任があるからです。
 
 マズローの欲求のピラミッドは、チームあるいはチーム・メンバー自身のどのようなニーズがまだ満たされていないのかを、リーダーが特定するのを助けます。どのように満たされないニーズが、ある種類の行動を引き起こすのかを特定すれば、特定の行動が『行動の窓』のどこに属するかが簡単にわかります。特定の行動を『行動の窓』に正確に位置づけることで、L.E.T.のスキルの何を使えば問題解決を支援できるかが決まります。ゆえに、リーダーも部下も両者が生産的なエリアに留まることができます。個人個人が、より生産的であればある程、会社はより儲かり、社員全員が成功することが容易になります。

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[ニュースレター] 2015年2月号

─2015年2月号─「権力中毒: 悪いリーダーシップの習慣を絶つことが難しいのは、どうしてか?」

Date: January 20th, 2015
Blog Post By: William D. Stinnett, Ph.D.

 『毎回、上司のところに新しいアイデアを持って行くと、話を途中で遮ってうまく行かない理由を言われ、ボツにされます。上司は私のアイデアを全部聞いてくれません。わざわざ新しいアイデアを考える必要なんてあるんでしょうか?』この上司の下で働くチーム・メンバーのほとんどの人が同じ話をします。この上司は前回のフィードバック・セッションでも同じような不満を聞いて、本当に一生懸命自分の行動を変えようとしてみたと答えていました。『私はそのような上司にはなりたくないんです。自分のチーム・メンバーの話に耳を傾けたい。彼らのアイデアを聞きたい。彼らにとって、苛立たしいことはわかっていますが、私にとっても同様に苛立たしいんです。』と上司は言いました。私は彼女の言っていることは本当だと思います。

 問題は、この上司が変わりたくないのではありません。彼女はクラスをとってみたり、別のコーチについてみたり、別のフィードバック・プロセスを始めてみたりしますが、2-3週間経つと、また同じ昔の癖に戻ってしまいます。喫煙を止めようとしたり、もっと運動をしようとしたり、痩せようとしたり、長く続いた癖を永久に直そうとした人なら誰でも、それがどれだけ大変なことかお分かりでしょう。これが新年の抱負のジレンマです。意図するところがどれだけ誠実であろうと、実行するのは耐え難いほど難しいのです。
 
 ナショナル・パブリック・ラジオで放送していた習慣(癖)についてのプログラムで、ベトナム戦争に行ったアメリカ兵の間のヘロイン中毒に関わる調査について紹介していました。『1971年5月、二人の下院議員、コネチカット州のロバート・スティールとイリノイ州のモーガン・マーフィーは公式訪問でベトナムに出向き、非常に憂慮すべきニュースを持ち帰りました。ベトナム駐留のアメリカ軍人の15%がヘロイン中毒であるというのです。』ニクソン大統領は薬物撲滅を宣言し、ベトナム戦争に行って帰還した人たちの追跡調査を依頼しました。リー・ロビンズが追跡調査をした結果、帰還した5%の人しかヘロイン中毒を再発していませんでした。多くの人は、特別に治療などを受けていませんでした(彼らは皆、ベトナムにいた頃には、何がしかの治療を受けていました。)ヘロインはもちろん、とても中毒性の高い薬物です。
 
 では、なぜベトナム帰還兵は、ほとんど中毒にならなかったのでしょうか?アメリカでヘロイン中毒になっている人たちで、同様の治療を受けていた人でも90%の確率で再発しています。あるグループは変わりたいと思っていて、別のグループは変わりたいと思っていなかったのでしょうか?その可能性は低いでしょう。行動変容に関する以前の調査では、意図や態度を修正することにフォーカスしていました。ですから、広告のキャンペーンやセラピー、コーチングなどが新しい行動に影響を与えるものとして、主軸のツールとなって使われていました。このような戦略は、人々が献血をしたり、ボランティア活動に参加したりする程度の頻度で行う行動についてはOKでしたが、喫煙や過食など、毎日あるいは毎時学習され、リピートされる習慣では、説得やセラピーのみに頼る方法は、あまり効果的ではありません。
 
 デイビッド・ニールという心理学者がこう説明しています。『行動が何回も繰り返される時、特にその人が同じ設定でその行動を繰り返す時、人がしたいと思うことを変えさせることに成功します。しかし、人がその行動をし過ぎると、その行動は人の意図に反して行われます。』これは、前述の上司の例のようです。新しいアイデアを持ったチーム・メンバーの話を、うまく行かないと言って長年にわたって遮ってきたため、その行動を変えたいと思うだけでは、トレーニングやコーチングを使ってもダメなのです。
 
 上手く行くのは、環境を変えることです。喫煙がガンを誘発するとわかった時、公に『喫煙を止めよう』キャンペーンが大々的に行われました。しかし、実際に禁煙した人はわずかしかいませんでした。喫煙率が減少し始めたのは、環境が変化した時だったのです。今日、レストラン、バー、飛行機、空港、公の建物、ほとんどの職場、ホテルなどは禁煙です。ほとんどの人は、車内や自宅での喫煙ができません。多くのビルは建物前の歩道での喫煙を禁止しています。環境が根本的に変わりました。
 
 ですから、喫煙者が喫煙の危険性を理解して変わろうとしているだけでなく、喫煙者にたばこの時間だと長年思い起こさせたきっかけが取り払われ、顕著に変えられたのです。(他に誰もたばこを吸っていません。灰皿はどこにもありません。臭いもなくなりました。)
 
 ホームレスに関連した多くの悪い習慣があります。ドラッグ中毒、アルコール中毒、家庭内暴力、人生全般についての悪い意思決定。慈善事業のいくつかが、ホームレスを路上から引き離したり、ご飯を食べさせたり、きれいにして町に帰したり、ホームレスの人たちの『手当て』をしようとしました。時々、仮設住宅やシェルターを紹介しました。ホームレスの人たちは仕事を探す、問題を解決すると約束します。数人は約束を守ります。しかひ、多くの人たちはまた路上生活に戻り、そしてシェルターに戻ってきます。サイクルは繰り返されます。
 
 彼らはホームレスでいたいのでしょうか?多分そうではないでしょう!何人かはもちろん精神の病に侵されているかも知れません。何人かは、自分でもほとんどコントロールの効かない状況に直面しているのでしょう。しかし、多くの人はまともで、能力がある人たちですが、私たちのほとんどが経験する『普通の』生活に耐えられないのです。私は何年も、ホームレスの家族を路上生活から立ち直らせ、戻らせないように支援してきた組織と仕事をしてきました。その組織の手段は隠すまでもありません。
 
 その組織は、クライエントの環境を完全に変えたのです。きちんとした住宅、家具、衣服、食料、訓練、保育園、就職支援、多くのサービスや管理を、1年、2年、あるいはもっと長く提供しました(クライエントは薬物やアルコールを止める責任を負い、自分の家の世話をしているか、子供たちを学校に行かせているかなどについて、検査を受けることを条件としています)。その組織は、クライエントが自分たちの人生を現実に変えるために必要なスキル(そして習慣)を開発するまで、充分な期間、寄り添いました。

 リーダーの行動を変えることにも同じ原理が応用できます。一つのワークショップ、一つのチーム・ビルディング・セッション、一つのコーチングの予定、一つの新たなリーダーシップ・トレーニング・プログラムだけでは、リーダーの側の持続的な行動変容を起こすことはほとんどありません。だからと言って、そのような努力が無益だとか重要ではないということではありません。より組織的な変化の過程には、不可欠な部分だと言えるでしょう。肝心なのは、古い習慣が育った環境を生み出した全ての要素と取り組む努力をすることです。ミーティング、報酬体系、目標、企業のビジョン、トレーニング、上下関係、業績測定、チームの自主性、新しいチーム・メンバーを採用するために使用される要因などは全て、望まれるリーダーシップの種類と一貫性がなければなりません。
 
そして、これらの変化は長期間にわたって促進されなければなりません。どれくらい長くというのは、もちろん、色々な要因によります。商品やプロセスの複雑性、市場の成長力、組織のサイズ、階層の数、説明責任の配分など。変わりたいということは、第一歩です。新しいスキルを学習することは、良い考えです。しかし、権力を持つ人たちが、全ての要因が考慮されるよう、最後までやり遂げるコミットメントがある環境で、前述の要因がなされなければなりません。
 
リーダーは、他の人たちがついて行こうと決めた人のことです。リーダーは権限を持っています。リーダーは他の人、組織、ビジネスに重要な影響を及ぼす決定をすることができます。そのような決定の結果はあっと驚くものである可能性があります。ことは起こります。人々はビックリして飛び上ります。あなたはすぐに結果を見ます。色々な意味で、それは薬物のようです。リーダーは、権限によって『High』になれるのです。即座に結果がでることは、ヘロインで『High』になるのと同様にスリリングかも知れません。しかし、薬は切れてきます。リーダーが決定をしなければならない時は毎回、同じ種類の結果、同じ種類の興奮を達成するためには、以前より強い権限を使わなければなりません。それは、同じウキウキ気分を味わうためには、より多くのヘロインやコカインが必要であるのと同じ原理です。
 
 協力的なリーダーシップは、同じような即効性のある元気づけにはなりません。効果を見るのには、もっと長くかかります。喫煙者は、たばこが癌の原因になることを知っています。中毒者は、ヘロインが危険であることを知っています。しかし、それは習慣になってしまったのです。悪影響はどこか、遠い将来に起こること。諦めることは、それに伴って起こる高揚感を諦めることを意味します。あなたが、リーダーシップ・トレーニングの受講に登録して、自分のリーダーシップ・スタイルを変えたいと思っても、それは簡単ではありません。より協力的な、チーム中心のアプローチのリーダーシップが、長期的には優れた成果をあげることができるとわかっていても、リーダーが仕事をやり遂げるために、権限を使う習慣への依存を止めるのには充分ではありません。結局、悪い習慣の影響は、遠い将来に起こること。
 
 チーム・メンバーが新しいアイデアを説明しようとする時に、それを遮る習慣があるリーダーは、リーダーの解決策を手にして立ち去るチーム・メンバーを見る時の満足感をギブアップしなければなりません。『やれやれ、すぐに解決できたわ。あの説明を全部聞かなくて済んだじゃない。』物事がすぐに起こるのを見る快感を、あなたはギブアップしなければなりません。時として引き下がらなければならないかも知れません。違和感があるかも知れません。心配に感じるかも知れません。2-3週間、あるいは数ヶ月は、あなたの組織、チーム、あなた自身の低水準のパフォーマンスに我慢しなければならないでしょう。皆が新しい行動を学習して、それを習慣化させられるまで我慢が必要です。それには費用がかかります。それは投資です。専念して、やる気がないと、組織の文化を変えるのに必要なこと全てを成し遂げられません。そして、組織のリーダーと他の皆が新しい習慣を形成しようと、充分な期間、努力を維持する粘り強さが必要です。
 
 もし、あなたがこのような環境に必要な変化を作り出すなら、不適切な権力の乱用は完全に場違いになるでしょう。それは、飛行機の中や病院で煙草に火をつけるようなものです。間違っていると感じるでしょう。このような状況に辿り着くには、忍耐が必要です。それは、新年の抱負より、はるかに多大な忍耐が必要です。

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