[ニュースレター] 2017年8月号

─2017年8月号─「世界的な価値観の衝突が職場に入り込んできたとき」

Date: August 31st, 2017 | BY Brian K. Miller
 
 私たちの生きている世界は今、深刻な価値観の衝突で満ちています。多くの場所で、価値観の衝突は激しい対立へと続きます。例えば、イスラム教徒によるテロは田舎地方にあるアラブ世界とグローバル経済の現代世界の間の中核になる価値観の衝突から始まっています。最近アメリカ合衆国では、いくつかの都市でドナルド・トランプ大統領を支持する人たちとドナルド・トランプ大統領はファシズム支持の独裁者であると信じている人たちとの間で暴動が起きています。日本を脅かす一つの価値観の衝突は、社会主義の韓国政府が同盟国であるアメリカ合衆国によって支持されていることに対抗して、北朝鮮の支配者である金正恩総書記が攻撃的な態度をとっていることです。このようなグローバルな価値観の衝突に関して、個人ができることはほとんどありません。あなたと私が直面する問題は、このようなグローバルな価値観の衝突が職場にまで進出する場合です。

 日本では私生活での倫理感は、職場では完全に分離されることが要求されるという思い込みが前提にあります。日本にいる多くの人たちは、職場で個人的な価値観について話すことを避けます。個人的な価値観について会話を始めようと試みるだけで、上司からの逆襲にあう羽目になるかもしれません。これはメソッドⅠの形式です。トップダウンで権力に基づくリーダーシップです。価値観の衝突が手に負えない問題になるのを回避する一助にはなりますが、憤りを生み出し、職場環境に更なるストレスを加えることにもなります。このストレスを軽減し、優秀な社員をキープし、より良い職場環境を生み出すためには、価値観の衝突を管理する多様で異なるスキルを習得することは役に立ちます。

 ゴードン・モデルでは、価値観の衝突に対処するいくつかの異なるスキルを識別し、それらをヒエラルキーで整理しています。ヒエラルキーの上の方にあるスキルは価値観の衝突を鎮圧するのに非常に効果的ですが、それらは深刻な憤りを生み出します。ヒエラルキーの下の方にあるスキルは、時として価値観の衝突で分裂を引き起こしますが、それらは憤りを最小限に抑え、人々が自分たちの個人的な価値観について自由に議論できる環境を生み出します。
 
権力を使う 偽りの受容 価値観を変えないで行動を問題解決する コンサルタントになる 対決とリスニング 予防的に教える モデリング あなた自身の価値観を変える 変えられないものを受けとめる(違いを受容する)  
ダメージが少なく、人々が自分たちの問題を自由に議論することができるオープンな環境を生み出すので、私は5番の対決とリスニングにフォーカスしたいと思います。

 異なる個人的な価値観をもつ人に対決することは、いろいろな意味で全てのゴードン・モデルの中でマスターすることが最も難しいスキルです。直感的には、常に私たちの倫理感と異なる倫理的モデルを持つ人は誰であっても拒否したくなります。私たちはそういう人たちを信頼できない、不自然な、ことによると正気とは思えない人と捉えます。私たちの個人的な価値観は他の全ての価値観より優れていると常に思っています。私たちがこの前提を職場に持ち込むとき、不愉快に思う人たちを私たちは避けます。残念ながら、時として私たちは嫌いな人と特定のプロジェクトに取り組まざるを得ないことがあります。その場合はどうしたらよいでしょうか?
まず、その人に対決します。

 「北朝鮮には核ミサイルを開発して維持する権利があるとあなたが言う時、私はギクリとさせられます。何故ならば、それらのミサイルが日本を狙っているのではないかと心配だからです。」
ここで、あなた自身の防衛や恐怖、心配について考えるのは止めましょう。相手の話を聴きましょう。相手の論理、事実、彼らが自身の意見をどのように支持しているのかについて注意を払いましょう。この人はあなたではないことを認識するのに足りるほどの共感を示しましょう。彼らはあなたではないのですから、彼らは信じたいと思うことを何でも信じていいのです。彼らの意見の中に価値を見つけましょう。良い点を見つけ、認識しましょう。

 「そうですね。良いポイントですね。どの国も自己防衛する権利がありますね。私は、核ミサイルは防衛的な武器だとは思いません。核ミサイルのたった一つの目的は攻撃して破壊することです。」
相手に同意する必要はありません。しかし、判断を下さず、批判しないで相手に意見を表明してもらうことは常に重要です。相手を攻撃しないで、あなたの個人的な価値観を防衛しましょう。

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[ニュースレター] 2017年7月号

─2017年7月号─「I-メッセージ:「有害な」人たちへの最善の応答」

Date: July 26th, 2017 | BY  Brian K. Miller

 アメリカとヨーロッパでは、ここ2-3年の間、「有害な」人たちを描写した自己啓発本が爆発的な人気です。「有害な」人たちに対処する時に起きる最初の問題は、彼らが誰なのかを定義することです。自然と、「有害な」人の定義は、自己啓発本の著者の世界観によるところが大きい。これは常に、通俗心理の問題です:それは既存のステレオタイプ(既成概念)を強化します。

 一方で、現実社会では、私たちはどんな人でも、人生で単に馬が合わないという人間が少なくとも一人はいるものです。彼らの価値観と私たちの価値観は一貫して正反対です。私にとって「有害な」人は、他の誰かのベスト・フレンドかも知れません。私が親愛なる友達だと思っている人が、他の誰かにとって「有害な」人かも知れません。「有害な」人たちの広義のカテゴリーはありません。しかしながら、私たちは少なくとも「有害な」人と思う人を一人は知っています。私たちの自然な反応は、あらゆる機会でこの人を避けようということですが、それは本当に最善の戦略でしょうか?

 宮本武蔵はその著書『五輪書』で、「すべてにタイミングがある。戦略のタイミングは、大きな練習なしにはマスターすることができません。」と書いています。「有害な」人に対してI-メッセージで応答する方法を学習することは、私たちの日々の人間関係をマネージする重要な戦略です。私たちがこのような方法でI-メッセージを使い始めると、I-メッセージをどのように構成するのかと、それをどのようにデリバーするのかについて多くのミスを犯すでしょう。これらはタイミングのエラーです。そして、この戦略をマスターするたった一つの方法は、練習をし続けることです。

 例として、あなたが職場のデスクに座っているとしましょう。あなたは新製品の様々なマーケティング戦略の結果の可能性を計算する新しいスプレッドシートを作成しています。あなたが予測、マーケット・バイアス、マーケットの要求等々をまとめ始めて、既に3日目です。突然、あなたの背後から、あなたがオフィスで一番嫌いな人が肩越しに現れ、次のように言います。「あなたが既存のマーケット・プロトコルの両側性転移の軸を定義しないなら、どうやって新市場を開拓できるのですか?」

 あなたは彼が何を言っているのかサッパリわかりません。わかったとしても、あなたが3日もかかって開発したスプレッドシートとは何の関係もありません。ほとんどの人にとって、最初の応答は苛立たしさです。しかし、この人は突然後ろから何の警告もなしに現れて、このような意味のない提案を大声でする傾向があります。この苛立たしい習慣は腹立たしい毎日の儀式のようになって、集中力を乱しモチベーションを下げます。対決する時が来ました。それはI-メッセージを送る時が来たという意味です。

 最初のステップは、あなたが言おうとしている直感的な応答を止めます。単に言うのを止めます。「有害な」人が一緒にいて居心地を悪くしているのは、彼らの異なる価値観です。全ての「有害な」人間関係はある種の価値観の衝突です。私たちは、価値観の衝突には解決がないことを知っています。ゆえに、この特定の時間にフォーカスします。どうして、この特定の人との遭遇が心をかき乱すのか?

 例えば、私の応答は次のようなものかも知れません。「あなたが突然、私の肩越しに現れて、鋭い批判をする時、私の最初の気持ちはあなたを完全に無視したいということです。少なくとも、あなたが私を批判する前に、少しだけ警告があるといいのですが。簡単な何か、例えば友好的な挨拶など。」

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[ニュースレター] 2017年9月号

─2017年9月号─「基本的なリスニング対アクティブ・リスニング」

Date: September 25th, 2017 | BY Brian K. Miller
 
私たちのほとんどは人の話を聞きません。私たちの人間関係の多くが難しく、厄介なのは、主に人の話を聞かないからです。話を聞く代わりに、反論したり、心の中で他の人から聞いた要点を復唱したり、更に悪いことに、私たちが話し始める機会を得るまで完全に相手を無視することもあります。一部には、注目の的になりたいという人間の現実的なニーズの結果ですが、ほとんどがただ単に相手の問題に関してどうでもいいと思っている結果であります。それは彼らの問題で、私たちの問題ではないので、最優先課題は彼らが問題について話すのを止めさせることです。
残念なことに、職場での人間関係では、このような姿勢は直接相手の人が私たちに非常に現実的な問題を引き起こす何かをしたり言ったりする原因になります。その時すぐには起こらないかも知れませんが。多くの場合、私たちが人の話を聞くことを拒否するなら、数日間あるいは数週間も相手の人の中に苦痛を与えます。そして、可能な限り最悪のタイミングで、とても破壊的な行動という形で、職場で爆発するのです。
そのような瞬間が起こらないようにするためには、他の人が発しているシグナル行動で、深くその人を困らせている何かに気づくことが重要です。シグナル行動は多くの種類がありますが、それらの種類の多くは滅多に起こらないことから見分けがつきます。例えば、いつも会社に早く来ている人が、朝会を欠席したり、通常毎日同じ時間にランチに行く人が突然早く出て遅く戻って来たりする、などです。他にも泣く、大きなため息など、明らかなシグナル行動があります。頼れる人が思いがけなく報告書を遅く提出したり、いつもは遅くまで働いている人が突然早く帰ったりもシグナル行動です。行動が突然変化するなどは、ある種のシグナル行動である可能性があります。
私たちが一度シグナル行動を認識したなら、備えなければなりません。より同情的で共感的な態度をとるか否かを意識的に選択することが重要です。この問題がどのようなものであれ、私たちの問題ではないということを言い聞かせることが必要です。ですから、私たちはアドバイスや解決策を提供する資格は有していません。私たちは意識的に相手の話を注意深く聴く選択をしなければなりません。私たちがすぐにでも使い始められる4つの基本的なリスニング・スキルがあります。
 
1. 注意を払う:ペンを置き、キーボードから手を離し、電話を遠ざけたり切ったりします。

2. 沈黙:考えなしに応答しないと決心します。相手の言葉とボディーランゲージによく注意を払うことにフォーカスすると決心します。話を聴き、アドバイスを提供しないと決心します。

3. ドア・オープナー:相手の人を尋問したり、相手の問題についての事実を引き出したり、詳細な説明を求めたりすることは、全て壊滅的なロードブロックです。その代わりに、相手の人が話し続けてもいいように奨励することが重要です。相手を尋問しないで話すように奨励します。

4. 承認の応答:相手が喜んで話し続けることができるなら、そうさせてあげます。小さくささやくような言葉で相槌を打つだけで、あなたがよく聴いていることを知らせるのに十分です。「うわぁ」「本当に?」「そうですか」「それは面白いですね」など、短く、簡単な、しかし妨げない、尋問しない応答です。
 
もし、相手が解決策を見つけていないのに話すのを止めたり、相手の顔の表情から、明らかにあなたが共感的であるとは信じていないとわかったりしたら、アクティブ・リスニング・モードに移行することが必要になります。この方法では、私たちの応答はより絞られます。相手の言葉の意味と感情を私たちが理解した通りに、私たち自身の言葉で伝えます(または、私たちが誤解したことを確認するために)。
アクティブ・リスニングのフィードバックには2つの要素があります:相手の心の状態の反射と相手の言葉の意味の反復。ここで気づいていただきたいのは、私たちが返しているのは相手の言葉の意味であって言葉ではないのです。相手の言葉をただ単に繰り返すのはオウム返しです。それは、コミュニケーションにとって重大な障害となります。
 
「それはとても痛そうですね」
「あなたはとても気を悪くしたようですね」
「あなたは拒否されて孤立感を感じているように私には聞こえるのですが。」
「あなたが彼を『傲慢』と呼ぶとき、あなたが意味するところは、彼があなたを理解していない、あるいはあなたの話に耳を傾けないということですか?」
「あなたは全てを試してみたけれど、何ひとつ上手く行かないように私には聞こえます。あなたの言っていることを私は正しく聴いていますか?」
 
どのような会話でも、基本的なリスニング・スキルとアクティブ・リスニングが使われるでしょう。あなたの応答をドア・オープナーにしようかアクティブ・リスニングのフィードバックにしようかを決めかねて時間を浪費しないでください。疑わしいときには、黙ってリスニングをし続けましょう。重要なポイントは、どんな応答をしようかと時間と労力を使うより、心を開いて相手が何を言っているかを吸収します。あなたが応答にフォーカスしているなら、あなたは聴いていないということです。

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[ニュースレター] 2017年10月号

─2017年10月号─「ゴードン・モデル用語集:いつでも使える10個の用語と概念」

Date: October 27th, 2017 | BY Brian K. Miller
 
ゴードン・モデルはスキルと知識の複雑なシステムです。4つの学習段階を進み、システムをマスターするためにはかなりたくさんの時間と練習が求められます。システムの主要な構成要素を思い出してもらうためには、簡単な用語集があると助かります。ゴードン・トレーニング・インターナショナル社はゴードン・モデルの10個の主要な構成要素を定義しました。それらは以下の通りです。
 
アクティブ・リスニング
感謝のI-メッセージ
行動の窓
コミュニケーションのロードブロック
対決的I-メッセージ
宣言的I-メッセージ
ギア・シフト
メソッドⅢ
予防的I-メッセージ
問題の所有権
 
アクティブ・リスニングは、あなたが相手の言っていることを理解したことを時折フィードバックすることで確認する作業です。話し手の言っていることをよく聴く技術と科学です。このフィードバックは相手の言っていることの内容と、その時相手が感じている気持ちをあなたが解釈した通りに返すことを含みます。 感謝のI-メッセージは、役に立った行動への応答として、感謝の気持ち、称賛、報恩の念を簡素に表現することです。感謝のI-メッセージは、行動の描写とあなたがどうしてその行動を役に立ったと感じたのかを描写します。 行動の窓は想像上の窓で、私たちはそれを使って一人の人の一つの直接的な行動が、相手が問題を持つのか、相手が問題を生じさせているのか、あるいは職場で何らインパクトがないのかのどれを示唆しているのかを分類します。 コミュニケーション・ロードブロックは私たちが投げかけている普通の、毎日使っている表現です。ロードブロックは相手が自身の問題について話すのを阻みます。 対決的I-メッセージは3つのパートからなる文章で、相手のある一つの直接的な行動が問題を生じさせていると相手に伝えるために使います。この文章は問題を生じさせている行動、その行動の私への影響、私の気持ちを含みます。 宣言的I-メッセージは、誰も問題を経験していないけれど、私たちの意見が聞かれなければならないニーズを感じる時に使われます。それらは私たちが誠実に信じているもの、誠実な感情の応答、誠実な意見を、相手を脅したり攻撃したりしない方法で表現します。 ギア・シフトはI-メッセージとアクティブ・リスニングの間の動きで、どんな種類のI-メッセージでも、それを送った後には相手に否定的で感情的な反応を生じさせる可能性があります。その時にはアクティブ・リスニングへとギア・シフトします。 メソッドⅢは6つのステップからなるメソッドで、自分自身と相手との間のニーズの対立を解決するために使われます。対決的I-メッセージを送ったことによって、相手にも譲れないニーズがあることがわかった場合、まずはギア・シフトによって相手の感情を静めた上でメソッドⅢが使われます。 予防的I-メッセージは、対立以前に送られる簡単な文章です。それらは、ニーズの対立を生み出す可能性のある状況に対する自分の感情と行動にフォーカスしています。 問題の所有権は、誰が満たされないニーズを持っているのかを行動の窓によって特定することで明らかとなります。誰かが問題を持っているのか、誰も問題を持っていないのか、その状況に応じて適切なスキルがアクティブ・リスニングであったり、対決的I-メッセージであったり、感謝のI-メッセージ、宣言的I-メッセージ、予防的I-メッセージであったりします。  
これらの定義はとてもシンプルで、一般的なものです。しかしながら、ゴードン・モデルの主要な構成要素をすぐに利用できるように便利なリストにしておくと役に立ちます。このような理由で、L.E.T.ワークショップではこれらの主要な構成要素を図表で表したウォレットカードをパッケージに含めて配布しているのです。

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[ニュースレター] 2017年11月号

─2017年11月号─「関連性を見つける」

Date: November 16th, 2017 | BY Brian K. Miller
 
ハーバードビジネスレビューは最近、リーダーシップ・トレーニングと企業文化の間の関係性を理解することに特化した特集号を出版しました。この特集号に記事を書いた多くのリサーチャーたちは、現代のリーダーシップ・トレーニング・プログラムが企業文化に何ら影響を与えていなかったことを危惧していました。記事は、多くのグローバル企業で問題を生み出している真の問題点については直接言及しませんでした。つまり、近年の非常に多くの新卒採用者が、現代のグローバル企業で働くために必要な基本的なソーシャル・スキルが欠如しているということです。

リーダー・エフェクティブネス・トレーニングは核であり、基本的なコミュニケーション・スキルの上に構築されています。セミナーでは、実際に使うスキルを繰り返し演習する方法に基づく実用的なトレーニング手法を重視します。この体験的な手法はハーバードビジネスレビューのリサーチャーによって取り上げられた多くの問題に答えています。しかしながら、この可能性を最大限にするためには、グローバル企業はシニア・マネジメントが養成してきた企業の主要なビジネス・コミュニケーション・チャネル、従業員の査定システム、企業文化の裏にある前提を近代化しなければならないとハーバードビジネスレビューは指摘しています。

どの企業も利益追求の事業をしています。これは従業員なら誰でも持つ最も基本的な前提でしょう。全てのグローバル企業は欲に支配されており、そしてこの欲が企業の利益追求の動機を推進するのだということを、多くの若者が高校の先生や大学の教授に教えられてきました。その結果、企業に入ってくる若者は、今まで悪だと教えられてきたことをしなければならないように感じるのです。それは、つまり株主のために利益を生み出さなければならないということです。

このような企業環境では、どのように、またどうしてすべての企業が利益追求ベースで運営されなければならないか、ということを新卒採用者に学んでもらうため、アクティブ・リスニングやギア・シフトが確実に重要となります。彼らの悩み事にアクティブ・リスニングし、それらの悩み事を反射して新卒採用者に良いフィードバックで返し、また、マネジメントの現実問題をI-メッセージで伝えることで、新卒採用者とマネジャーの双方の前提が対等な状態となり、それによって企業のニーズと新卒採用者の悩み事の両方を解決することができます。

価値観の衝突は、現代のグローバル企業において新たな物差しになりつつあります。初めて企業に入る新卒採用者の場合、これらの価値観の衝突は以前には経験したことのないほどの極端なものと感じられます。現在、自分のチームに新卒採用者を抱えるすべてのマネジャーにとってリーダー・エフェクティブネス・トレーニングで教えられるスキルをマスターすることが、未だかつてないほど重要になっています。投資利益率を最大限にするためには、シニア・マネジャーやエグゼクティブは、このような価値観の衝突が起こっていることを認識する必要があります。シニア・マネジャーと個々のチーム・リーダーの双方は、新卒採用者が自分たちの心配事をマネジメントに自由に話せ、その心配事が誠実さと共感の両方で対処される企業文化を育むために準備しておく必要があります。

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[ニュースレター] 2017年12月号

─2017年12月号─「L.E.T.は競争上の優位性をもたらしますか?」

Date: December 13th, 2017 | BY Joseph Wilmot
 
1990年代後半、私はゴードン・トレーニング・インターナショナル(”GTI”)社で働いていました。私はリーダー・エフェクティブネス・トレーニング(”Leader Effectiveness Training” or “L.E.T.”)を採用していた企業のケース・スタディをまとめ、公表しました。長年お付き合いのある顧客(現在もGTI社の顧客を継続中)は、製造業の大きな民営企業です。その企業は活気が溢れ、健康的で多忙な従業員がいることでよく知られた企業です。インタビューをする中で、彼らはL.E.T.が「秘密の手段」「競争上の優位性」であると考えていることを大っぴらに認めてくれました。ドカーン!私が必要としていた引用でした。そして彼らは、素早くこう付け加えました。「他言は無用ですよ」

ガッカリ!その企業について私は公表するに至りましたが、最も価値ある情報の一部は省かざるを得ませんでした。しかし、私が言えることは、この企業はフォーチュン・マガジンの「働きがいのある会社ベスト100」のリストに載るほど有名だということです。現在に話を戻すと、私と私の妻は、2006年にハワイ州マウイ島で始めたファッション・ブティックのチェーン店を14店舗所有しています。今となっては遠慮なく、L.E.T.が私たちの会社の競争上の優位性であると言うことができます。

では、それがどのように私たちの競争優位性なのでしょうか?私たちの会社はとても複雑な何百ものパーツでできたエンジンで走る会社だと考えています。その複雑さに加えて、このエンジンのパーツには感情やニーズ、自身のマインドが存在しているのです。対立や誤解、憤りが多く噴出する機会でもあります。厄介な人たちの問題に対処するためのツールをL.E.T.は与えてくれます。それによってパーツがお互いを苦しめることなく、全ての業務を遅らせることもなく、崩壊することもありません。

嬉しいことに、私のビジネス・パートナーは妻です。ということは、私たちのパーソナルな部分も仕事上の部分も時として不鮮明になります。お互いが燃え尽きるリスクが絶えず存在しているということです。L.E.T.は私たちが問題解決に必要なツールを提供し、お互いの神経を逆撫ですることがありません。一緒に協力して働けるということはアドバンテージです。従業員との対立を解決できることもアドバンテージです。顧客や業者との対立を解決できること、健全な人間関係を維持できることもアドバンテージです。働くことが実際に楽しいと感じ、人の問題に悩まされずに生きることができるのもアドバンテージです。
今年はL.E.T.の世界に飛び込み、深く関わることができました。私は自分の会社のインハウス・トレーナーになったのです。それは、L.E.T.の価値への信頼の証しです。それゆえに、私は個人的に私たちの従業員にワークショップを教える時間を作ろうと決心したのです。そうすることで、メッセージが明確になると期待しています。私たちはL.E.T.を本当に価値あるものと認め、そしてどのレベルにいようが全ての人に学んで欲しいと思っています。

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[ニュースレター] 2017年2月号

─2017年2月号─「権力の多様化」

Date: February 26th, 2017 | BY Brian Miller
 
 人間関係の権力は思ったほど簡単な概念ではありません。多くの人間関係で、権力の役割は明確ですが、一部の人間関係ではあいまいで定義するのが難しいのです。「権力」という言葉ですら、人によっては異なる意味に捉えられます。ゴードン・モデルでは、私たちは通常権力による人間関係を2種類に分類して対処しています。それらを「メソッドI」と「メソッドⅡ」と呼んでいます。
 メソッドⅠはトップダウン型の権力による人間関係です。一人の人間が意思決定をし、他の人(あるいはチームの全員)がその決定に従います。トップダウン型のメソッドⅠのリーダーは通常、役職だからということでチームの責任を負っています。しかしながら、これは必ずしも真実ではありません。あるグループでは、責任者は一貫してある一人のグループ・メンバーの意見に従います。グループ・リーダーがどう感じていようが、グループは一人のメンバーの決定や意見に従います。最初は、グループ・リーダーは弱くて能力のないリーダーのように思えますが、それはグループ・ダイナミックスの正しい解釈ではありません。リーダーのタイトルを持っている人が他の人のフォロワーになります。自然と、あるケースでは、このようなことが起こります。なぜならば、本当のグループ・リーダーは役職だからリーダーになっている人よりも、より仕事ができるからです。ほとんどの場合、このようなことが起こる理由は、本当のリーダーはアグレッシブで支配的なパーソナリティを持ち合わせており、グループに対して命令ができるのです。もし、グループが自分たちの課題をやり遂げて、自分たちの目標に達するならば、この状況は受容できる状況かも知れません。残念ながら、時間とともに役職だからグループ・リーダーになっている人は本当のリーダーからだけでなく、他のグループ・メンバーからも拒否され、軽蔑されたと感じるでしょう。役職だからリーダーである人は、いつかけんか腰の態度やいじめによって支配を再度主張しようとします。そうなった時、生産的なチームも突然非生産的になってしまいます。
 メソッドⅡはボトムアップ型の権力による人間関係です。この状況はほとんどの人たちが「弱いリーダーシップ」と解釈しているものです。人間関係で権力を保有している(あるいは役職からチームのリーダー)と思われている人は、ほとんど、あるいは全く自分の個人的な考えをグループに主張しません。その代わり、アイデアはいつもグループから出され、グループは議論したり投票したりして、どのアイデアを採択するかを決定します。この状況は多くの人たちにとって、グループ・リーダーとしてもグループ・メンバーとしても、とても生産的で心地よいものです。上記の状況のように、役職からリーダーになった人ではない真のリーダーの場合、徐々にグループから仲間はずれに感じ始めます。グループ・リーダーは不必要で快く受け入れられていないと感じます。このようなネガティブな感情がピークに達し始めると、グループ・リーダーはグループ・ディスカッションからもっと引きこもってしまうでしょう。このようなことが起こると、グループは明らかに目指すべき目標もなくなり、生産性が劇的に低下してしまいます。
 権力が人間関係の土台になっている時はいつでも、権力者から従うように強要されている人は拒絶感を経験します。この拒絶の感覚は、やがて無気力感(欲望の欠如)や倦怠感(意欲の欠如)を生み出します。無気力感や倦怠感がひとたび人の心を支配し始めると、回復するのはとても難しいのです。職場に現れない人、しばしば自分の上司と口論する人、予定より遅れてしまう人、あるいは頻繁に病気になる人は、無気力感あるいは倦怠感、またはその両方に深く陥ります。
 対立は時としてこのような権力に基づいた人間関係の中で起こります。ゴードン・モデルの強みに一つは、このような人間関係を上手く切り抜けるためのツールを提供します。実際の権限ではなく、役職から権限を持っている人は、どのようにグループの中の権限が均衡を失したのかについてのグループの認識を高めるために、対決的I-メッセージ、アクティブ・リスニング、ギア・シフトを使うことができます。メソッドⅢの対立解決法は、権力のバランスを取り戻し、生産性を回復させるための仲立ちとして使われます。同様に、権力の基づいた人間関係によって抑圧され、疎外されたグループ・メンバーは、対決的I-メッセージを使って権力を使っている人に自分自身の感情を伝えて気づかせることができます。グループ・メンバーはアクティブ・リスニングやギア・シフトを使って、人間関係を権力によってコントロールしようとする人の理不尽な要求に対して反応することができます。
 私たちが力関係が不均衡な人間関係にある時、L.E.T.で学んだスキルが権力のバランスを回復させるためのロードマップとなります。

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[ニュースレター] 2017年1月号

─2017年1月号─「ニーズとリーダーシップ: 権力の使用・悪用の対価」

Date: January 9th, 2017 | BY Marie Bryson
 
今年の1月、私は明らかな理由で新しい門出に思いを馳せていました。思いを馳せていたら、効果的なリーダーシップについての基本的な仮説は多くの場合、語られないままであることに驚きました。
アブラハム・マズローのニーズのヒエラルキーの理論が1943年に開発された時(これは多分偶然ではないでしょうが、第二次世界大戦の真っただ中と合致しますが)、私たちは最も基本的なレベルでほとんどの人を動機付けるものが何なのかについての洞察を得ました。
復習しますと、マズローは次のような理論を展開しました。人は一般的に、「プラミッド」あるいはヒエラルキーの上の方のニーズを満たすことに労力を向ける以前に、一番下のレベルのニーズを満たす必要があります。生理学的で安全性のニーズがピラミッドの基本的な2つのレベルを形成しています。第二次世界大戦以前のボスたちは、これらの2つのレベルのニーズをレバレッジした権力を使って、例えば、生理学的で安全性のニーズを提供したり取り上げたりする方法で人々を引っ張っていました。
前世紀の大半は、権力のみを行使することで人々を導くことが「最善の方法」なのかどうかを北米の人はほとんど疑問に思いませんでした。
少なくともほとんどの組織環境において、私たちはそのようなリーダーシップをなくしました。
しかし、明らかに「おまえはクビだ!」の魅力は完全にはなくなりませんでした。結局――そのアプローチの方が速いのです。即座に目に見える「人間関係の問題」を取り除いてくれるほど効果があります。
そして、それは言うことを聞かないと次はあなたですよということを人々に通告します。上司は上司!時間と労力を使って部下との人間関係を構築するより、その権力を持って、時として鞭をふるったらどうでしょうか?
 
人はどのように権力に反応するのか
「誰でも負けるのは嫌いです。相手に有利な人間関係を喜ぶ人はいません。自分から何かをはく奪するようなことを強要されることは、誰も望んでいません。権力が人々に様々なリアクションを引き起こすのも納得できます――権力と戦い、回避し、権力から防衛し、その影響を無効にしようと試みます。」(Dr. Thomas Gordon, Leader Effectiveness Training, p. 171)
どのようにリーダーとして導くかは常に究極的には個々人のリーダーの裁量です。しかし、対立を解決するために権力を使う選択肢(メソッドⅠのWin-Lose解決法)の結果は予見できます。
 
上に向かって行うコミュニケーションの削減
面白くないニュースを持ってきたメッセンジャーをリーダーが叩き潰すなら、当然、リーダーが受け取れるニュースの量は減るでしょう――それは激減するでしょう。怒りや報復のための権力使用を引き起こす恐怖から、トップに伝えられる情報の正確性も損なわれます。ゲームの名前は「上司には聞きたいことを伝えなさい」というもので、それがうまく行かないことはないでしょう。
 
おだてたり、ご機嫌をとったりする反応
おだてたりするYes-menやYes-womenが増加しています。権力行使に頼るリーダーは、自分が望むフォロワーを作り出します。通常、それはお気に入りの排他的小集団で地位を得るためには何でも言ったりしたりする人たちの集団です。
 
服従と適合
特に上司に頼まれたことを正確に行うことは、多かれ少なかれフォロワーが罰を回避するために使うコーピング・メカニズムです。この行動は、命令が理にかなっていない、あるいは明らかに間違っていたとしても持続します。
 
抵抗と反抗的な態度
権力の悪用に対する一つのコーピング・メカニズムは、指示・命令全てに対して、それがどんなに小さなことでも文字通り質問したり抵抗したり、グループ・プロジェクトでモラールの損失や障害になることです。
 
同盟や連立を組む
権力が定期的に使われ、悪用される時、アメとムチで脅される人たちは、非公式に互いにコミュニケーションを取り合い始めます。仕事の遅滞、病欠、回避方法、妨害行為、労働組合が職場での非公式なコミュニケーションの事例です。
 
引きこもりと逃避
限界まで追い込まれた時、人は有害な権限を振りかざす人を避けようとします。
 
権限の使用に代わる選択肢
リーダーが、マズローのニーズのヒエラルキーの高いレベルに人々を導くための方法があることは証明されています。最も基本的なニーズを拒否することで恐怖心を植え付ける方法ではなく、相互信頼、自尊心の確立、自己実現の自由を求める心にアピールすることで達成できます。リーダーシップのNo-Lose対立解決法に投資する組織は、本当の意見の一致、健全な人間関係、離職率の低さによって達成される質の高い意思決定、その決定をやり遂げるコミットメントの増加という恩恵を受けるでしょう。

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[ニュースレター] 2016年12月号

─2016年12月号─「大統領選挙について話すのが辛いですか?(GLOPの指導書)」

Date: December 13th, 2016 | BY Marie Bryson
 
そうですね。

あなたがどちらの側についていたかに関わらず(今回は投票を見送ろうと思っていたとしても)、皆さんも同感だと思いますが、非常に醜くてアメリカを分断した衝撃的な18か月間の政権運動でした。そして、どちらが勝ってもそれは変わりません。

どこに行ってもGlop, Glop。
 
人種差別主義者.”
偏屈者
リベラルと称する間抜け
嘆かわしい
急進的フェミニスト
独裁者.”
ナチス
共産主義者
犯罪者
正気とは思えない
悪党
反逆者
社会正義を守る戦士SJW (Social Justice Warrior).” (あたかも悪いことのように言われますが…)
 
GLOP(General Labeling of People)の教科書的例を探すとしたら、今回の選挙でお互いを誹謗中傷した事例以上のものはないでしょう。

GLOPは猿の檻の中の排泄物のように飛び交った――ソーシャル・メディア、インターネット画像、集会で、会議で、落書きで、飛行機の中で毎日アメリカ人によって捕らえられる問題のあるビデオで、公共交通機関で、手芸店で、コーヒーショップで。礼拝の場所にも純粋にGLOPに基づく脅迫文が届きます。

ヘイ、アメリカ。これよりは上手くできるでしょう。

GLOPが何か、どうして人々はGLOPに頼ってしまうのでしょう。

L.E.T.でいうGLOPとは、誰かにレッテルを貼る方法(あるいはグループ全体に対して)で、それは他の誰かが言ったことややったことの解釈です。それに飛び乗ってパッと手っ取り早く判断を下すことに他なりません。軽蔑的で、敵対的で、破壊的です。GLOP(レッテルを貼られた)されているその人あるいはグループと共有する心理的な共通の特徴を取り除きます。人々を対立する派閥に分断してしまいます。

(そして、私自身もGLOPPINGをたくさんしていることを認めます。特に大統領選挙の結果が出た夜は、何度も飲み物を流しました。誰も完ぺきではありません。)

しかし、最終的にはGLOPはオープンで正直で建設的なコミュニケーションの可能性を取り除いてしまいます。――それは私たちが来年以降是が非でも必要なものです。

私たちは努力を倍増させなければならないでしょう――政府の世界だけでなく、個人、家族、公共の場、職場で――私たちはGLOPなしにお互いに臨むようにします。

GLOPはトーマス・ゴードン博士の対立解決法の最初のステップである、満たされないニーズの観点から対立を定義するという基礎をなす原則を根本的に無視します。

私たちは単に不愉快なだけなので、深い意見の不一致がある訳ではありません――私たちは意見の不一致の根底にあるニーズを表明する方法をまだ見つけていないので意見の不一致をみているのです。
 
アサーティブ vs. アグレッシブなコミュニケーション
予想される家族間での政治的議論を避けるため、私は今年、休暇に家族で集まることをしない選択をした人たちを知っています。彼らは通常不愉快ではあるものの扱いやすいです。しかし、今年に限っては実際に殴り合いになったり完全に人間関係が終わったりしてしまうことを恐れたのです。

お願いだから、アメリカ人たち。もっとうまくできるはずでしょう?

まずはリフレッシャーです。アサーティブ・コミュニケーションとアグレッシブ・コミュニケーションには違いがあります。

アサーティブ・コミュニケーションは、私たちのニーズが究極的に満たされることを期待して、私たちのニーズを他の人たちに伝えるためにデザインされています。ある意味、それは同時に相手の感情やニーズに敬意を表し、敏感である方法によります。I-メッセージは満たされないニーズについてのアサーティブ・コミュニケーションを形成する熟考されたシステマティックな方法です。

アグレッシブ・コミュニケーションは、逆にコミュニケーションをしている人のニーズを満たすことを求めて相手の感情を無視します。それは敵対的で、無神経で、コミュニケーションの流れを中断してしまいます。それは正直かも知れませんが、相手に恥をかかせたり、傷つけたり、辱めたり、脅かしたりすることもいとわない、「正直」の種類です。アグレッシブ・コミュニケーションは「Dirty Dozen」のコミュニケーション・ロードブロックのいくつかを定期的に採用します:命令する、指図する、警告する、脅かす、批判する、判断を下す、悪口をいう。

大統領選挙に関連して、あなたも心当たりがあるならば、話しましょう。

レッテルではなく、行動に焦点を当てましょう。

自分がアグレッシブ・コミュニケーションを受ける側にいたら、状況を悪化させないように応答することは、時として難しいです。とても難しいです。しかし、L.E.T.のスキルをもった熟練したコミュニケーターであるということは本当に役に立ちます。

ここで少し、予想される家族内での政治的議論について話し合ってみましょう。「人種差別主義者、同性愛嫌悪者、女性嫌悪者、逆行する人、こぶしを引きずる不愉快な奴」ということで同意できない親戚の人たちを切り捨てる前に、(精神的にもそれ以外にも)その他にも自由に使えるツールがいろいろあります。

例えば、行動の窓があります。

休暇の集まりでマッシュポテトを回している間、勝ち誇ったからかいを含む喜びに沸いた勝利のダンスを見る側にいたとします。その時、その行動が受容エリアにあるのか非受容エリアにあるのかを決めることができます。それは、結局ある日の食事風景です。誰も人の気持ちを変えられることはほとんどなく、対決は非生産的であると認識しつつ、受容エリアを広く持ってこの集まりのイベントの中に入っていくこともできます。

私たちには宣言的I-メッセージ、予防的I-メッセージがあります。全てが失敗に終わったとしても、価値観の衝突が常にあることを認識しています。

全てが失敗した時には、信条があります。

最終的なGLOP反対者のメディテーションです。
 
私の人間関係に関する信条

あなたと私は、私が尊重し維持したいと考える人間関係にあります。私たちそれぞれは、個別の価値観とニーズを持つ人間です。
 
私たち各々が何を尊重し、欲しているのかをよく知り理解するために、私たちのコミュニケーションにおいては常にオープンで正直でいましょう。
 
あなたが人生において問題を経験している時、私の解決策を押し付けないで、あなた自身の解決策を見出せるように、私は誠実な受容と理解の態度であなたの話に耳を傾けます。そして、私が自分の問題の解決策を見つける必要がある時には、あなたも私の話に耳を傾けて欲しいのです。
 
私自身のニーズを満たすために私がすべきことを、あなたの行動が妨げる時には、私はあなたの行動がどのように私に影響を与えているかを隠さず正直にお話しします。何故なら、あなたが私のニーズや感情を充分尊重してくれていて、私にとって受容できない行動を変える努力をしてくれると信じていますから。また、私の行動をあなたが受容できない時は、あなたも隠さず正直に話してくれることを望みます。私も自分の行動を変えるように努力します。
 
そして、人間関係において私たちが対立を経験する時、一方が他方を犠牲にして勝つために権力に訴えることがないよう、一つひとつの対立を一緒に解決するようにしましょう。私はあなたのニーズを尊重しますが、私自身のニーズも尊重しなければなりません。ですから、いつもお互いが受容できる解決策を一緒に探す努力をしましょう。あなたのニーズも私のニーズも満たされる―――どちらも負けることなく、お互いが勝つのです。
 
このように、あなたはあなたのニーズを満たすことで人間として成長し続けることができます。そして、私自身も同様です。よって、私たちの人間関係は健全な人間関係で、お互いが実現可能な存在になるよう努力することができるのです。そして、私たちはお互いに尊重し合い、愛し合い、平和的に関わり続けることができるのです。
 
                                                                                             トーマス・ゴードン博士

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[ニュースレター] 2016年3月号

─2016年3月号─「ルールがワークしない時どうするか」

March 14th, 2016
By: Dr. Thomas Gordon
 
全ての組織にはルールがあります。全てのレベルのリーダーは自分の部下がルールを守るよう指導する責任があります。そのようなルールはグループ・メンバーが組織に入る以前から施行されていて、上層部により設定されたため、下のレベルのリーダーの『自由領域』を超えています。そのようなルールの多くは明らかにルールを守るべき人たちの参加がないまま設定されています。
 
ワーク・グループのメンバーがルールを破ったら、リーダーはどうすべきでしょうか?このような違反に対処しつつ、No-Loseの視点で対処する方法はありますか?
 
以下、ステップ・バイ・ステップの方法を箇条書きにしました。あなたのグループ・メンバーであるパットがあるルールを破ったと仮定して下さい。
 
1.      パットがルール違反をしたことが確かであるならば、彼女がルールを知っていて理解していたか確認します。もし、そうでなければ、ルールを説明し、ルールを実施する責任があなたにあることを説明します。
2.      何らかの理由でパットがルールを守れないと感じているならば、共感的に聴きます。しかし、あなたには彼女に自由を与える権限がないことを説明します。それは、あなたの自由の領域、影響の範囲を超えています。
3.      もし、パットが再度ルールを守らなかったら、あなたの行動の窓で彼女のルールを守らないという行動がどこに入るか決定しなければなりません。受容できる行動のエリア(あなたへの具体的な影響がない)にあるのか、受容できない行動のエリア(あなたへの具体的な影響がある)のか。
4.      パットがルールを守らないという行動があなたにとって本当に受容できるなら、あなたは何もアクションをとらず、彼女にその結果責任とってもらいます(彼女が問題を「持つ」)。例:もし従業員が自分の車を別の人が契約しているスペースに止めても、あなたに影響はないので何もしない。
5.      パットの行動があなたにとって受容できないなら(あなたが問題を「持つ」)、明瞭なI-メッセージを送ります。例:グループ・メンバーは機密文書を保護することができません。「パット、機密文書が保護されていない時、私はとても不安になります。何故なら、私は上司から責任を負わされているので、私の立場も危うくなるからです。」あなたはギア・シフトをして彼女の反応にアクティブ・リスニングする必要があるかも知れません。
6.      もし、パットが依然行動を変えようとしないなら、あなたはニーズの対立に気づき、メソッドⅢを始めるでしょう。そこで、あなたはどのようなニーズがあって彼女はルールを破っているのかに気づくかも知れません。
7.      もし、メソッドⅢでもあなたが受容できる解決策を見つけられないなら、以下の代替案の一つを選ぶことができます。
(a)    彼女に次回同じことが起こった際の重要性を正確に伝えます(それが何であったとしても――例えば、解雇、降格など)。
(b)    今回、その重要性がもたらす結果責任を果たさせます。
(c)    変えるのはルールの方であると決定し、あなたの上司にこの問題を報告します。
 
このアプローチには幾つかの仮定が存在します。人は時として、違反しているルールについて知りません。人がルールを破るのは、何かニーズを満たそうとしているからです。人は通常、訴えに応じて、あなたのニーズに慎重に対処します。ルールを破り続けるならば、人はその行動によってもたらされる結果を受け入れなければなりません。これらの仮定と、私がアウトラインした手順はリーダー・エフェクティブネスの概念と一貫しています。

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