[ニュースレター] 2011年11月号

─2011年11月号─「アクティブ・リスニングがどのように私の親友の人生を救ってくれたか?」

L.E.T.修了者の皆さま
  
ドラマチックに聞こえますか?そうかも知れませんし、実際そうでした。
 
2日前の夜、34年にわたる私の親愛なる友人が『今まで経験したことがないような心痛を味わっています』と携帯でメールしてきました。
 
(これがその背景です。彼は12ステップというプログラムを受講していました。それが原因で彼は私との友達関係を長い付き合いの年月の中で何度か断ち切りました。また、友達関係の再構築を試みているのかもしれませんが、私にはどうしたらいいかよくわかりません。ちょうど3週間前、8年間の空白の時間の後、彼から連絡がありました。彼はサンディエゴに戻ってきていました。彼は関係を修復してまた元の友達に戻りたいのです。私は躊躇して、少し考えてから『ええ、もちろん』と答えました。私たちは1度話して、2-3度携帯メールを交換し、また音信不通になってしまいました。彼は、私には実際はいないのですが、弟のような存在です。子供時代は離れることがありませんでした。大学も一緒でした。この人は近い存在で、私が心から大切にしている人です。)
 
それでは、2日前の夜に来た携帯メールに戻しましょう。私は試しにアクティブ・リスニング/ドアオープナーの返答をメールで返すことにしました。私のメッセージ:『なんだかあまりいい状況ではないようだけど…話してみてくれる?』
 
3秒後、彼は私に電話をしてきました。夜の8時半でした。舌がもつれているのに気がつきました。4か月の禁酒期間を破ってしまったようです。彼はそうだと認めました。そこで私は違うドアオープナーで聴き返してから、私はアクティブ・リスニングをしながら5時間も話し込みました。彼は泣き崩れて、今まで誰にも話したことのないようなこともシェアしてくれました。私たちは過去の出来事でおかしかったことを交えて話しました(彼のリクエストで)。『あなたと私があの時やったこと覚えている?』とかいいながら、笑ったり泣いたり、リスニング、リスニング、リスニング。
 
彼は海にドライブしてそのままいなくなってしまうことを恐れて、自分の車のカギを自分で隠したことも告白しました。アクティブ・リスニングが試されるところです!それを聞いた時、警察を呼んでと彼に頼みたかったほどです。私の直感で彼の傍にいようと思いました。彼は始終、『ああ、そうなんだ』…『そう感じているんだよ』…『君と話して気持ちがすっきりしたよ』…『車のカギを持たないって約束するよ』、『一緒にいてくれてありがとう』とずっと繰り返していました。
 
私は考えました。『彼はこの話が終わると自分の車のカギを探しに行くかしら?もし次回同じようなことがあり、どん底に突き落とされた時、私に電話をかけてこなかったらどうなるのかしら?そうなったら、どうなるの?ミシェル、深呼吸をして、深呼吸を。今この時間を彼とともに過ごしましょう。』もう午前2時になっていました。彼がもっと話そうとしているかを確認して(いいえ、彼はもう眠りたいと言っていました)、朝様子を見るために電話するわと彼に告げました。
 
昨日、彼は電話に出てくれました。あまり元気そうではなかったけれど、彼はそこにいました。
 
そして、また3時間ほど話しました。彼はとても苦しい経験をしていましたが、深い洞察もありました。私と自分の人生についてシェアしたように、彼は今まで誰とも自分の人生についてシェアしたことがないと言いました。そして私に訊きました。『どうして自分は他の人とこんな風に話すことがないのだろう?』電話の最後に、彼は『今、希望が見えた感じだ。そんなに打ちのめされていないよ…うわぁ、こんなに自由に君と話ができるなんて…本当に本当にもう永久にいなくなろうとしていたのに。もし君がいてくれなかったらどうなっていたんだろう』と言い、泣きだし、何度も何度も感謝の言葉を口にしていました。
 
次はどうなるのかわかりません。わかっているのは、このような時に彼は聴いてもらいたかったのだということ。彼は苦しんでいる時に誰かに一緒にいて欲しかったのです。そうしてもらえた時(何時間も)、もう打ちのめされたり、希望がなくなったりしなくなるのです。彼には手を差し伸べてくれる人がいることを知ったのです。今のところ(一週間が経ちますが)、彼は毎日電話をしてきたり携帯メールをしてきたりしています。彼は、トンネルの向こう側に光を見たようです。そして、彼自身も私にアクティブ・リスニングをしようとしてくれています。
 
ここで一言いいたいのは、彼とこんな時間を過ごした『私ってすごくない?』と言いたいのでも聖人でもなく、そんなことを言いたいのではないのです。それは、このニューズ・レターの意図ではありません。
 
私を驚かせたのは、このスキルのパワーです…それは解決策ではありません…それは治療法でもありません。でも言わずにはいられません。それは奇跡です。驚くべきことに、これはワークするのです。確信しています。

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[ニュースレター] 2015年2月号

─2015年2月号─「権力中毒: 悪いリーダーシップの習慣を絶つことが難しいのは、どうしてか?」

Date: January 20th, 2015
Blog Post By: William D. Stinnett, Ph.D.

 『毎回、上司のところに新しいアイデアを持って行くと、話を途中で遮ってうまく行かない理由を言われ、ボツにされます。上司は私のアイデアを全部聞いてくれません。わざわざ新しいアイデアを考える必要なんてあるんでしょうか?』この上司の下で働くチーム・メンバーのほとんどの人が同じ話をします。この上司は前回のフィードバック・セッションでも同じような不満を聞いて、本当に一生懸命自分の行動を変えようとしてみたと答えていました。『私はそのような上司にはなりたくないんです。自分のチーム・メンバーの話に耳を傾けたい。彼らのアイデアを聞きたい。彼らにとって、苛立たしいことはわかっていますが、私にとっても同様に苛立たしいんです。』と上司は言いました。私は彼女の言っていることは本当だと思います。

 問題は、この上司が変わりたくないのではありません。彼女はクラスをとってみたり、別のコーチについてみたり、別のフィードバック・プロセスを始めてみたりしますが、2-3週間経つと、また同じ昔の癖に戻ってしまいます。喫煙を止めようとしたり、もっと運動をしようとしたり、痩せようとしたり、長く続いた癖を永久に直そうとした人なら誰でも、それがどれだけ大変なことかお分かりでしょう。これが新年の抱負のジレンマです。意図するところがどれだけ誠実であろうと、実行するのは耐え難いほど難しいのです。
 
 ナショナル・パブリック・ラジオで放送していた習慣(癖)についてのプログラムで、ベトナム戦争に行ったアメリカ兵の間のヘロイン中毒に関わる調査について紹介していました。『1971年5月、二人の下院議員、コネチカット州のロバート・スティールとイリノイ州のモーガン・マーフィーは公式訪問でベトナムに出向き、非常に憂慮すべきニュースを持ち帰りました。ベトナム駐留のアメリカ軍人の15%がヘロイン中毒であるというのです。』ニクソン大統領は薬物撲滅を宣言し、ベトナム戦争に行って帰還した人たちの追跡調査を依頼しました。リー・ロビンズが追跡調査をした結果、帰還した5%の人しかヘロイン中毒を再発していませんでした。多くの人は、特別に治療などを受けていませんでした(彼らは皆、ベトナムにいた頃には、何がしかの治療を受けていました。)ヘロインはもちろん、とても中毒性の高い薬物です。
 
 では、なぜベトナム帰還兵は、ほとんど中毒にならなかったのでしょうか?アメリカでヘロイン中毒になっている人たちで、同様の治療を受けていた人でも90%の確率で再発しています。あるグループは変わりたいと思っていて、別のグループは変わりたいと思っていなかったのでしょうか?その可能性は低いでしょう。行動変容に関する以前の調査では、意図や態度を修正することにフォーカスしていました。ですから、広告のキャンペーンやセラピー、コーチングなどが新しい行動に影響を与えるものとして、主軸のツールとなって使われていました。このような戦略は、人々が献血をしたり、ボランティア活動に参加したりする程度の頻度で行う行動についてはOKでしたが、喫煙や過食など、毎日あるいは毎時学習され、リピートされる習慣では、説得やセラピーのみに頼る方法は、あまり効果的ではありません。
 
 デイビッド・ニールという心理学者がこう説明しています。『行動が何回も繰り返される時、特にその人が同じ設定でその行動を繰り返す時、人がしたいと思うことを変えさせることに成功します。しかし、人がその行動をし過ぎると、その行動は人の意図に反して行われます。』これは、前述の上司の例のようです。新しいアイデアを持ったチーム・メンバーの話を、うまく行かないと言って長年にわたって遮ってきたため、その行動を変えたいと思うだけでは、トレーニングやコーチングを使ってもダメなのです。
 
 上手く行くのは、環境を変えることです。喫煙がガンを誘発するとわかった時、公に『喫煙を止めよう』キャンペーンが大々的に行われました。しかし、実際に禁煙した人はわずかしかいませんでした。喫煙率が減少し始めたのは、環境が変化した時だったのです。今日、レストラン、バー、飛行機、空港、公の建物、ほとんどの職場、ホテルなどは禁煙です。ほとんどの人は、車内や自宅での喫煙ができません。多くのビルは建物前の歩道での喫煙を禁止しています。環境が根本的に変わりました。
 
 ですから、喫煙者が喫煙の危険性を理解して変わろうとしているだけでなく、喫煙者にたばこの時間だと長年思い起こさせたきっかけが取り払われ、顕著に変えられたのです。(他に誰もたばこを吸っていません。灰皿はどこにもありません。臭いもなくなりました。)
 
 ホームレスに関連した多くの悪い習慣があります。ドラッグ中毒、アルコール中毒、家庭内暴力、人生全般についての悪い意思決定。慈善事業のいくつかが、ホームレスを路上から引き離したり、ご飯を食べさせたり、きれいにして町に帰したり、ホームレスの人たちの『手当て』をしようとしました。時々、仮設住宅やシェルターを紹介しました。ホームレスの人たちは仕事を探す、問題を解決すると約束します。数人は約束を守ります。しかひ、多くの人たちはまた路上生活に戻り、そしてシェルターに戻ってきます。サイクルは繰り返されます。
 
 彼らはホームレスでいたいのでしょうか?多分そうではないでしょう!何人かはもちろん精神の病に侵されているかも知れません。何人かは、自分でもほとんどコントロールの効かない状況に直面しているのでしょう。しかし、多くの人はまともで、能力がある人たちですが、私たちのほとんどが経験する『普通の』生活に耐えられないのです。私は何年も、ホームレスの家族を路上生活から立ち直らせ、戻らせないように支援してきた組織と仕事をしてきました。その組織の手段は隠すまでもありません。
 
 その組織は、クライエントの環境を完全に変えたのです。きちんとした住宅、家具、衣服、食料、訓練、保育園、就職支援、多くのサービスや管理を、1年、2年、あるいはもっと長く提供しました(クライエントは薬物やアルコールを止める責任を負い、自分の家の世話をしているか、子供たちを学校に行かせているかなどについて、検査を受けることを条件としています)。その組織は、クライエントが自分たちの人生を現実に変えるために必要なスキル(そして習慣)を開発するまで、充分な期間、寄り添いました。

 リーダーの行動を変えることにも同じ原理が応用できます。一つのワークショップ、一つのチーム・ビルディング・セッション、一つのコーチングの予定、一つの新たなリーダーシップ・トレーニング・プログラムだけでは、リーダーの側の持続的な行動変容を起こすことはほとんどありません。だからと言って、そのような努力が無益だとか重要ではないということではありません。より組織的な変化の過程には、不可欠な部分だと言えるでしょう。肝心なのは、古い習慣が育った環境を生み出した全ての要素と取り組む努力をすることです。ミーティング、報酬体系、目標、企業のビジョン、トレーニング、上下関係、業績測定、チームの自主性、新しいチーム・メンバーを採用するために使用される要因などは全て、望まれるリーダーシップの種類と一貫性がなければなりません。
 
そして、これらの変化は長期間にわたって促進されなければなりません。どれくらい長くというのは、もちろん、色々な要因によります。商品やプロセスの複雑性、市場の成長力、組織のサイズ、階層の数、説明責任の配分など。変わりたいということは、第一歩です。新しいスキルを学習することは、良い考えです。しかし、権力を持つ人たちが、全ての要因が考慮されるよう、最後までやり遂げるコミットメントがある環境で、前述の要因がなされなければなりません。
 
リーダーは、他の人たちがついて行こうと決めた人のことです。リーダーは権限を持っています。リーダーは他の人、組織、ビジネスに重要な影響を及ぼす決定をすることができます。そのような決定の結果はあっと驚くものである可能性があります。ことは起こります。人々はビックリして飛び上ります。あなたはすぐに結果を見ます。色々な意味で、それは薬物のようです。リーダーは、権限によって『High』になれるのです。即座に結果がでることは、ヘロインで『High』になるのと同様にスリリングかも知れません。しかし、薬は切れてきます。リーダーが決定をしなければならない時は毎回、同じ種類の結果、同じ種類の興奮を達成するためには、以前より強い権限を使わなければなりません。それは、同じウキウキ気分を味わうためには、より多くのヘロインやコカインが必要であるのと同じ原理です。
 
 協力的なリーダーシップは、同じような即効性のある元気づけにはなりません。効果を見るのには、もっと長くかかります。喫煙者は、たばこが癌の原因になることを知っています。中毒者は、ヘロインが危険であることを知っています。しかし、それは習慣になってしまったのです。悪影響はどこか、遠い将来に起こること。諦めることは、それに伴って起こる高揚感を諦めることを意味します。あなたが、リーダーシップ・トレーニングの受講に登録して、自分のリーダーシップ・スタイルを変えたいと思っても、それは簡単ではありません。より協力的な、チーム中心のアプローチのリーダーシップが、長期的には優れた成果をあげることができるとわかっていても、リーダーが仕事をやり遂げるために、権限を使う習慣への依存を止めるのには充分ではありません。結局、悪い習慣の影響は、遠い将来に起こること。
 
 チーム・メンバーが新しいアイデアを説明しようとする時に、それを遮る習慣があるリーダーは、リーダーの解決策を手にして立ち去るチーム・メンバーを見る時の満足感をギブアップしなければなりません。『やれやれ、すぐに解決できたわ。あの説明を全部聞かなくて済んだじゃない。』物事がすぐに起こるのを見る快感を、あなたはギブアップしなければなりません。時として引き下がらなければならないかも知れません。違和感があるかも知れません。心配に感じるかも知れません。2-3週間、あるいは数ヶ月は、あなたの組織、チーム、あなた自身の低水準のパフォーマンスに我慢しなければならないでしょう。皆が新しい行動を学習して、それを習慣化させられるまで我慢が必要です。それには費用がかかります。それは投資です。専念して、やる気がないと、組織の文化を変えるのに必要なこと全てを成し遂げられません。そして、組織のリーダーと他の皆が新しい習慣を形成しようと、充分な期間、努力を維持する粘り強さが必要です。
 
 もし、あなたがこのような環境に必要な変化を作り出すなら、不適切な権力の乱用は完全に場違いになるでしょう。それは、飛行機の中や病院で煙草に火をつけるようなものです。間違っていると感じるでしょう。このような状況に辿り着くには、忍耐が必要です。それは、新年の抱負より、はるかに多大な忍耐が必要です。

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[ニュースレター] 2018年5月号

─2018年5月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.1」

Date: May 9th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon   
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
一般的なリーダーシップ
Page 2: 
もしも、リーダーであることがこのように不快な経験を伴うのであれば、それはほとんどの場合、リーダー自身の非効果性に原因があります。そして、リーダーとして効果的であることに特化した研修などを受ける機会がほとんどないことを考慮すると、いかにリーダーであることが、多くの場合に難しく、消耗し、失望してしまうものであるかは理解できます。
Page 8:
権力を使うことなくどのように人々に影響を与えるかがリーダーとしての効果を高める鍵となります。
 
Pages 17 – 18:
リーダーとは何か?
「リーダーは育てられるものではなく、生まれつくもの。」社会科学者がわずか60年~70年前に徹底的な調査の本格的な主題にし始めるまでは、ほとんどの人がそう考えていました。その昔、リーダーとなる人があまりにも頻繁に恵まれた同一の家系から出現していたことから、ほとんどの人がリーダーシップは受け継がれるものだと考え、社会的に根強い階級差別があったことから、誰でもがリーダーになれるわけではありませんでした。階級差別が撤廃され、リーダーが社会のあらゆる階層から出てくるのが明らかになると、リーダーシップは優秀な遺伝子を持って生まれたり立派な家庭から生まれたりするよりも、もっと複雑なものであるということが常識になりました。
遺伝子の適切な組み合わせでリーダーが生まれるわけではないとすれば、恐らく、全てのリーダーはしつけや教育を通して習得した特定の特性や特徴を持ち合わせているのではないでしょうか。この考え方によってリーダーの普遍的な特性の調査が始まりました。しかし、何百という研究によって、リーダーとそうでない人との間には何の特性の違いもないということが判明し、リーダーシップがリーダーの中に備わっている特定の属性の産物であるという仮説は消えてなくなりました。
社会科学者たちが、リーダーとフォロワーとの間のインタラクションという観点でリーダーシップを調べ始めた時、大きな進展が見られました。
 
問題の所有権
Page 37:
「行動の窓」はどんな時でも、どの人が満たされないニーズを持つのか――生産的な仕事を妨げる問題を持つのは誰なのかをあなたが決めるのを助けてくれます。
その目的は、問題が存在していることにリーダーがいち早く気づき、その問題を診断し、人間関係を安定させ生産的な仕事を続けることができるようにするためには、どのスキルを使うべきかを知ることにあります。
 
Page 39:
グループのリーダーになる過程において、手綱をきつく掴み、最高のスタートを切り、全ての問題を自分一人で解決してやろうという誘惑をはねのけられる人はほとんどいません。ほとんどの新しいリーダーにとっては、任命した人たちに、その選択が正しかったことをできるだけ早く証明することが最初の懸念であることはもっともなことです。自分をよく見せたい、それも早ければ尚よい。結局のところ、すぐにでも介入して、「実権を握る」のでないなら、リーダーは何のためにいるのでしょうか?軍用語ではそれを、「指揮を執る」と表現します。
残念なことに、急いで実権を握ろうとすると、リーダーはひどい目に遭うかも知れません。急な改革や速攻治療、生産性の劇的な向上に熱心で、グループの前任のボスが残した問題を綺麗に後始末して欲しいという高い期待があると、リーダーはよく知られる「改革に積極的な新任者」の誘惑に負けてしまいます。しかし、グループ・メンバーの意欲と協力がなければ、自分の力だけではリーダーは滅多に改革はできませんし、即座にメンバーからの協力を得られるものでもありません。グループは変化に抵抗し、慣れ親しんだ方法を続けることに固執します。これらの「グループの規範」は、グループ・メンバーの行動に強い影響を与えます。
 
 
Pages 41 – 42:
効果的なリーダーを問題解決能力のある人として考え直してみると、リーダーは問題解決の全責任を一人で負う必要はないということを強調しておく必要があるでしょう。むしろ、グループ・メンバーの支援をリソースとして得ても良いのです。少なくとも理論上は、問題に直面した際、最善の解決策を導くためにグループ・メンバー全員の創造的リソース(もちろんリーダーも含めて)を結集するのが理想的なグループと言えます。メンバーの全員が全ての問題解決に関わる必要はなく、理想的なグループでは、適材適所でメンバー全員のリソースを活用できるのです。

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[ニュースレター] 2009年10月号

─2009年10月号─「本当は苦手な人達とうまくやっていく方法」

L.E.T.修了者の方々へ

皆様は今月のニューズレターのタイトルについて少し奇妙に感じたかもしれません。それに加えておそらく興味を持ったのではないでしょうか。最近のL.E.T.ワークショップ開催中に一人の参加者がこの話題を持ち出していました。(本当によく話題にでていました)私はよく考えるのにとてもよい題材だと思い、これを選びました。

私と同様、あなたも今まで、もしくは今も、一緒に働くにはゾッとしてしまうような同僚がいるのではないかと思うのですが、いかがですか?あなたを怒らせるまでやりあう人、できれば避けたい人。でも、あなたの仕事をうまく遂行するにはその人と仕事をしなければならない。あなたは仕事を効果的に進める上でとてもハイレベルな専門的技術を持っているかもしれません。しかし、同僚とうまく関係を構築できないと――あなたが気に入らない人であっても――あなたの生産性、そしてあなたの会社の生産性はダメージを受けかねません。

それでは、どうやってあなたはこのような同僚と仕事上、効果的な関係を保っていけばよいかわかりますか?どうしたら彼らとの人間関係を確立し、維持し、さらには固い絆にするためにエネルギーと時間を費やしたい、なんてあなた自身は思えますか?

私の考えをご紹介します。

もし私たちに仕事が必要であるならば(必要でないという人がいるのでしょうか?)、それは同僚との人間関係を尊重し、維持していきたいということ意味しますよね。たとえ間接的にであっても。

私についていうと、まさに苦手な人に出会い、それでもその人と仕事をする必要があった場合、私の仕事を効果的にするには彼らに頼ることだと自分自身に言い聞かせることが役にたっています。そしてそれは、私も分かっていますが簡単なことではありません。でも、それ以外の方法は回避や怒り、欲求不満、不安、ストレスなどしかありません。私はこのように考えます。『オッケー、私はこの状況あるいはこの人があまり好きではないわ。でもゴードン・モデルのスキルを忠実に使えば、効果的に機能できるし仕事を達成させることができるわ』と。

実際、これらのスキルがより価値あるものとなるのはこのような時です。なぜなら率直で生産的、相手への尊重といったレベルで人と関わることができるツールだからです。

あなたのお考えはどうですか?

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[ニュースレター] 2012年11月号

─2012年11月号─「アクティブ・リスニングの原理?」

L.E.T.修了者の方々へ

リーダーが有能なアクティブ・リスナーになる努力をする理由は、個人対個人でのコミュニケーションでの誤解を回避したり最小限にしたりすることであればりっぱな理由だといえます。しかし、他の理由もやむを得ずあります。

ここ数十年間、心理学者たちが人間の中にある個人的成長やこころの健康を促す重要な要素を特定しようと試みています。

このような研究は当初効果的なプロフェッショナル支援組織(カウンセラーや心理学者)の特徴や行動を特定することに焦点を当てていましたが、最終的には効果的な教師、効果的な結婚相手、効果的な親の個人的な資質を研究するに至りました。ある人がもう一方の人の成長や精神の健康を促すような人間関係では、少なくとも2つの要素が必要であるという、どちらかというと結論に至る証拠が現れてきました。それは共感と受容です。

共感は相手の立場に立って考え、『その人が感じている世界』――その人が現実をどのように見ているか、そして物事をどのように感じているかを理解する能力です。アクティブ・リスニングはまさにこの機能を果たします。人が共感的に理解されたと頻繁に感じる環境は、その人のメンタル・ヘルスと個人的な成長全てに貢献します。このような環境は人のニーズを満たす結果につながり、問題解決を促すので人の成長に貢献すると思います。人が問題を解決し、ニーズが満たされる時、その人は解放され、マズローのピラミッドの更に高いレベルのニーズへと上がっていきます。達成感と自己啓発を見つける新しい方法を発見します。

覚えていると思いますが、受容は相手がしていることについて良い感情を抱くことです。『受容できる行動』は行動の窓の上のエリアに属します。

明らかに私たちは受容できる行動を変える必要はありません。その時の相手をあるがままに受け入れることができます(行動が私たちのニーズを満たすことを邪魔することはありません)。パッシブ・リスニング、承認の応答、そして特にアクティブ・リスニングは受容したということを伝える言語的応答(手段)です。なぜなら、それらは明確にそれを伝えるからです。

・  あなたが何を感じているかわかります。
・ あなたが今どう見ているか理解できます。
・ あなたの今、あるがままを見ています。
・  興味がありますし、心配しています。
・  あなたが今どんな立場にいるか理解しています。
・  あなたを変えようと望んではいません。
・  あなたを批判したり評価したりしません。
・  私は批判しませんから、怖がる必要はありません。

パッシブ・リスニング、承認の応答、アクティブ・リスニングとは対照的に、その他の一定のメッセージは通常、助けようとする人を変えようという聴き手の願望や意図を伝えます――その人の行動を一定方向に向かせる必要、あるいはその人に影響を与えて異なる行動をとらせようとするなどです。これらの反応は問題解決を遅らせたり、阻止したりします。ですから、私はそれらを・・・と呼んでいます。それは何だと思いますか??

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[ニュースレター] 2016年5月号

─2016年5月号─「それで、今誰が問題を持っているのですか?」

Date: May 10th, 2016
By: Dr. Bill Stinnett
 
私は今、I-メッセージを送りました。相手は少し防衛的に見えます。私たちは行動の窓のどこにいるでしょうか?この質問は、L.E.T.ワークショップの間、しばしばあがってきます。私はたった今、私の問題を相手に渡したのでしょうか?あるいは、そこには新しい問題が存在しているのでしょうか?

明確にするために例を挙げてみましょう。私には信頼し尊敬する同僚のシルビアがいます。彼女は素晴らしい同僚です。一生懸命に働くし、協力的で快く助けてくれます。チーム・メンバーに期待する全てが整っているのです。でも最近、彼女は私を怒らせるようなことをするのです。私は彼女に3つの質問をメールでしようと思います。

例えば、「金曜日の1時からミーティングできますか?クラークへの入札に対する回答は出ましたか?私が月曜日に送った資料に目を通してもらえましたか?」一日が経って、彼女から返事が来ました。「金曜日なら大丈夫!その時に話しましょう。」OK。でもクラークへの入札や資料の件は?この件はここ2-3週間で2-3回起こっているのです。ですから、私はもう一度、他の2つの質問を繰り返す形でメールを彼女宛て、送りました。さらに加えて、3つ目のメールを3つ目の質問だけを入れて送りました。念のため!小さいことのように思うでしょうが、私にとっては余計な仕事が増える原因で、時々、必要な情報を入手するのが遅れてしまうのです。

彼女の行動が私の行動の窓の中の受容ラインの下に落ちてきたと思ったので、対決的I-メッセージを作り、金曜日のミーティングで送ってみようと決意しました。こんな感じです。「シルビア、先週2-3回、私はあなたにいくつかの質問をメールでしました。あなたは最初の質問だけに返信してきました。それは、今日私たちがミーティングをするというメールだけです。(私はクラークへの入札と以前に送った資料についても聞きました)あなたがそういうことをすると、回答のない質問を繰り返し送らなければならないか、あなたに電話をかけなければなりません。余計時間がかかりますし、私は困ります。本音を言えば、ある種フラストレーションなのです。」

短い間があって、彼女はこう言いました。「ごめんなさい。私ほんとうに忙しかったの。あなたからの他の2つの質問のメールにも回答しました。それに、今日、ミーティングがあることはわかっていたし、そこで話すことができると思いました。回答するにはある種複雑でしたし、会って話した方がいいと思いました。どうして、あなたはそんなに大騒ぎするのですか?」

それで、今、誰が問題を持っているのですか?

私はこう理解しています。私がまだ、もともとの問題を持っています。シルビアは、自分の行動を喜んで変えると示唆するものは何もしていませんし、言っていません。彼女は私のメールを全部読むとか、私の質問に全部答えるとは同意していません。将来、私が複数のメールを彼女に送らなくても良いという確信はありません。

それどころか、シルビアの私への返事は新しい問題です。彼女は私の対決に少し驚いています。少し防衛的になっています。シルビアは応答(返事)を「持っています」(それは新しい「行動」です)。私の行動の窓で、彼女の防衛的な応答はシグナル・行動のようです。私の行動の窓で「相手が問題を持つ」セクションに入ります。私が何をするかはわかっています。なぜなら、L.E.T.リーダー研修で学びました。アクティブ・リスニングにギア・シフトします。この時点では、まだ「私たちが」問題を持つには至っていません。シルビアは行動を変えて私のニーズに応えてくれるかも知れません。
そこで、私は次のように言います。「そうですね。色々なことが起こっていて、すぐには全てに返信できないのですね。それに、私が聞きたいことは、少し考える時間が必要かも知れませんからね。今日、私たちがこうして話す時間を持つとわかっていたから、メールで複雑なことを書く必要性を感じなかったのですね。実際に会って話した方がよっぽどいいですものね。こんな風にこの問題を取り上げている私に少しうんざりしているでしょうね。」

シルビア:「ええ。私が全てやり遂げることはわかっているでしょ。私たちは本当にうまく協力しあっているじゃないですか。」もっとアクティブ・リスニングをします。「私たちの職場での人間関係は、あなたにとって大切なのですね。あなたは私にもっと信頼して欲しい。小さなことをいちいち言われる必要もないと感じているのですね。少し傷ついたというか。」
I-メッセージに戻って、「それはよくわかりました。でも、あなたが私のメッセージ全てに返信しないと、どうしていいかわからなくなることをわかって欲しいのです。あなたがランチ・ミーティングでそれを議論するつもりなのかもわからないので、時間を割いて再度メールしなければなりません。私のメッセージの最後の部分を見ていないのではないかと心配になりました。」

この時点で、シルビアは次のように言うかも知れません。「わかりました。つまり、あなたは私が何を考えているか読めないのですね?では、今後は全ての質問に対して何か答えるようにしましょう。例え、すぐに即答できなくても、そのようにあなたにお伝えします。会う予定にするか、何か考えます。」
「いいですね。」と私は言います。さて、シルビアが約束通りのことをしてくれると私が信頼するなら、「B」は両方ともなくなります。

その一方、それはそんなに簡単ではないかも知れません。シルビアは「今、私がどれだけ忙しいか、あなたは全く理解していません。私は永遠にこのようなメールをもらい続けるのです。全て、最後まで読んでいたら、何もできません。ほとんどの場合、新しいことは冒頭の文章の一つ二つにしか書いてありません。残りは以前のメッセージの繰り返しです。問題の要点を早く言って欲しいのです。」(シグナル行動が更に見られる)

私はまた、アクティブ・リスニングをします。「ということは、あなたにとって私が全体像を見えていない人ということなのですね。メールを全て最後まで読むのは現実的ではないと。あなたは今、仕事量にとても圧倒されているのですね。それに、メールを読み進めても、何か新しいことが書いてある訳ではないので、時間の無駄だと感じているのですね。」
シルビアは「その通り。あなたの仕事をしづらくしようとしているのではないのです。でも、どうやって改善できるのかわからないのですよ。」

さて、今、誰が問題を持っているのでしょうか?私はL.E.T.リーダー研修を受講したので、これは「私たち」が問題を持つのだとわかります。メソッドⅢの対立解決法を行うチャンスです。シルビアと私には、この時点で異なるニーズがあります。お互いのニーズ全てを満たす明らかな解決策はありません。

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[ニュースレター] 2019年4月号

─2019年4月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.12」

Date: April 30, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

どのような人になりたいか?パート1

 

あなたが選ぶリーダーシップのスタイルは、あなたが将来どんな人になるかに大きく影響するでしょう。リーダーとしてのあなたと、人としてのあなたの2つを切り離すことはできないのです。なぜなら、あなたはリーダーとして多くの時間を費やすため、その役割であなたがどのように振舞うかが、人としてのあなたを容赦なく形成するでしょう。

具体的に言うと、威圧的な権力に基づくリーダーシップ・スタイルを選ぶと、あなたは一貫して懐疑と不信の態度をとり続ける必要があるでしょう。人に話をするときも慎重でなければなりませんし、あなたが行使した権力に対する抵抗の兆し(あるいは、あからさまな不服従)を見抜くように警戒していなければなりません。このように警戒するとともに、独裁主義的リーダーにとって他の人たちは皆、限られた能力しか持ち合わせず、自己決定したり、建設的な変化や個人的成長をしたり、自主的に考えたりする潜在能力も低いとみなされます。

あなたが威圧的な権力を自分のリーダーシップのスタイルとして選択するならば、それが異なる形であなたの個人的な生活に影響を与えるでしょう。前にも指摘したように、グループの意思決定の責任を一手に引き受けたり、ポリシーや規定を実施したり、強制したりする全負担を負うことで、あなたの緊張、悩み、不安が増大し、そして究極的には肉体的にも精神的にも健康を害してしまうという代償を払うことになるでしょう。

一方、あなたは他人に対してオープンで、正直で、率直な人でありたいですか?心理学者は「自己一致」という専門用語を用いて、人が内面で考えていること、あるいは感じていることとその人が外部に向かって伝えていることの間の類似性に言及しています。あなたは、思ったままを話し、話したままを思っている人でいたいですか?それとも、嘘っぽくて他人から信頼されない人でありたいですか?正直で、率直なI-メッセージを送って、自分の立場を正確に人々に伝える人でありたいですか?

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[ニュースレター] 2010年12月号

─2010年12月号─「皆さまにご多幸を!」

L.E.T.修了者の方々へ

さあ、2010年も残り少なくなりました。全く信じられません。だって、2010年のニューズレターにやっと慣れてきたところなのに!仕方ありません。

新年と新しい始まりにあたって、新しいスキルをどうやって学ぶか、あるいは昔習ったスキルをリフレッシュするかについての情報(記事、ブログ、ワークショップなどを通して)が満載のリンクをいくつか紹介したいと思います。

とびっきり特別な『リーダーシップ・トレーニング』のセクションが私たちのウェブサイトにもあります。そこにはリーダーシップ・トレーニングやゴードン・トレーニング・インターナショナル社のことに精通した様々な人達が書いた山のような記事やブログが掲載されており、皆さまにも非常に役立つ情報だと思います。

12月は与える季節ですから、ご自身に、お友達に、同僚に、妻(夫)に、パートナーに、上司に新しく生まれ変るためのリンクを差上げて下さい。

下記のリンクを訪れてみて下さい。新しい情報世界に導いてくれるでしょう。

http://www.gordontraining.com/leadership-training.html

役に立つ、面白い情報であることを願っています。

私たち全員、歓びに満ちた平和なホリデー・シーズンでありますように!

良い新年をお迎え下さい!

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2014年3月号

─2014年3月号─「ゴードン・モデルがいつもあなたと共にありますように」

 あなたがより上手く人と関われるように助けるメッセージを詩にのせてここに掲げます。それはキビキビした言葉ではなく親切な言葉を使って、あなたに平安が訪れる機会を増やしてくれるでしょう。

 私たちの窓は『行動』がどこにあるのかを見えるようにしてくれます。今、あなたは問題があなたのものなのか、私のものなのか、それとも私たちのものなのかを識別する方法を学びました。

 誰かが(話を聞いてほしくて)耳を必要としている時、あなたはその人の話を聞いてあげ、その人が疑いや恐れに対する解決策を見つける手助けをします。

 あなたが大丈夫だと思っていないことを伝える必要がある時には、非難しないであなたのニーズを満たすための異なるスキルがあります。

 メソッドⅢは怒鳴ったり責めたりする代わりに使うスキルです。あなたと友達、上司あるいは母親がNo-Lose解決策を見つける支援となります。

 今日は聖パトリック祭です。以上が皆さんに言いたいことです。ただ単に生き残るためではなく、あなたはユニークで個性的な方法で目標に向かって前進できますように。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2017年5月号

─2017年5月号─「ニーズを認識する」

Date: May 19th, 2017 | BY Brian K. Miller

ニーズの対立はビジネスの世界では日常茶飯事です。ビジネスをするということは、実際には利益を得るためにニーズを解決するプロセスなのです。ほとんどのビジネス・ディールでは、皆が何かを得るけれど、同時に何かを失います。私たちがビジネスの交渉術を同僚、部下、上司とのパーソナルな人間関係に適用しようとすれば、結果としては、その日をやり過ごすことができるかも知れません。しかし、憤りや不満も増幅するでしょう。日々のTo-Do-Listの目標とは違って、憤りや不満は日々の課題をクロス・オフすることでなくなるということはありません。

人々の間の人間関係は、企業間の関係と同じではありません。私たちは、ビジネスの案件にアプローチするようにパーソナルな人間関係にアプローチすることはできません。なぜならば、そうすることで憤りや不満が鬱積して、私たちがコミュニケーションをする能力を破壊してしまうでしょう。もし、私たちがコミュニケーションできなければ、皆の日々のTo-Do-Listにある目標を達成するために一緒にワークすることはできません。2人の人の間に沸き起こるニーズの対立を解決するより良い方法が必要です。

メソッドⅢの対立解決法は、皆が満足する方法でパーソナルな対立を解決するためのフレームワークを提供します。これが、私たちが「win-win」対立解決法と呼ぶ理由です。最も重要なステップは最初のステップ、「ニーズを特定する」です。

ニーズは現実的で具体的な人生の避けがたい事実です。人々は時々医者にかかる必要があります。人々は、給料が遅滞なく払われることを知る必要があります。ニーズは通常、以下の3つのカテゴリーのうちの1つに入ります。時間、労力、お金です。これら3つのうちのどれかを失うと、憤りや不満が爆発寸前のレベルまで蓄積して、日々のTo-Do-Listの中の項目をクロス・オフすることが難しくなります。

対立が起こり、メソッドⅢを使う必要が出てきた時には、各人のニーズを正確に描写することが重要です。
 
²医者に診てもらいたいニーズ
²家族休暇を取りたいニーズ
²隣に座っている人を信頼したいというニーズ
²営業のノルマを達成、あるいは超えるニーズ
²利益を出したいというニーズ
²誰かに重要な顧客と会ってもらいたいニーズ
²良い第一印象を与えたいというニーズ
 
これらは本当のニーズです。それらは正確です。もし、ニーズが満たされなければ、本当の損失に見舞われ、憤りや職場環境への信頼の喪失という結果になるでしょう。
 
²毎年、ラグジュアリー・カーを新車で買うニーズ
²時々、怒りを爆発させて「ガス抜き」をするニーズ
²「午後をやり過ごすために」ランチ・タイムでお酒を飲むニーズ
²社交的になる時間がないので、職場でイチャつきたいニーズ
²裕福な結婚相手を見つけたいというニーズ
²公開日初日にひいきにしているパフォーマーが出ている新作映画を観たいニーズ
²同僚とのデートの支払いのために交際費を使うニーズ
 
これらは本当のニーズではありません。これらのほとんどはある種の価値観の衝突です。これらのケースのほとんどでは、従業員と企業文化との間での関係に関して、何らかの思い込みがあるようです。このような種類の思い込み(前提)は、従業員、同僚、雇用者間の人間関係の現実的なアセスメントからではなく、価値観に基づく信念から来ています。もし、メソッドⅢがステップⅠでリストアップされたこれらの「ニーズ」の1つから始まるならば、解決策には到達しないでしょうし、解決策はより根深い憤りや不満を引き起こすでしょう。このようなことが起こるのは、本当のニーズの対立を解決する代わりに、メソッドⅢがある価値観を他の価値観を持つ人に押し付けることを正当化するものになってしまったからです。

結論は、メソッドⅢを始めようと座る時、現実的な世界のニーズを注意深く特定します。何が一体失われているのでしょうか?時間?お金?労力?この喪失は現実のもので、パーソナルなものですか?それとも、これは、個人と企業文化の間の関係についての異なる思い込みから起こっていますか?この種の区別をするのはとても難しいです。価値観に取り組んで、本当のニーズを見つけるために、たくさんのアクティブ・リスニング、訓練されたI-メッセージの使用、ギア・シフトの繰り返しが必要かも知れません。もし、実際の喪失がなければ、ある時点でメソッドⅢを諦めて、価値観の衝突のツールを採用しなければなりません。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

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〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺