[ニュースレター] 2024年5月号

─2024年5月号─「「ノー」と言いたいのに「イエス」と言う理由」

Date: May 1st, 2024 | BY Linda Adams

 

あなたは、心底やりたくないことに何度「イエス」と言ったことがありますか?「イエス」と言うことに慣れきっている場合は特に、「ノー」と言うことがとても難しい場合があります。

 

正直に「ノー」と言わずに「イエス」と言うと、自分を失望させると同時に、質問した人に憤慨することがよくあります。

 

受け入れがたい要求に「イエス」と答えてしまう理由はたくさんあります。

 

それらのいくつかを次に示します。

 

  • 喜ばせたいという欲求。「彼女は私のことをどう思うだろう?」「きっと喜んでくれるでしょう」
  • 誰かを傷つけることへの恐れ。「彼女を失望させたくない」「従わないと彼の気持ちを傷つけてしまうのではないか」
  • 罪悪感。「わがままな気がする」「断るわけにはいかない」
  • 意外性。「まぁ、やってみてもいいかも」「わかんないけど…まぁ、いいか」
  • 権威への服従。「彼女がボスだ」「イエッサー!」
  • 助け合い。「いつか同じことを頼むかも」「彼女ならやってくれるかも」
  • 義務。「私の義務だ」「私がやらなきゃ…」「彼らには借りがあるからな」
  • 権力への渇望。「ここで『ノー』と言えば私にはできないと思われてしまう」「これで1つ貸しにできる」

 

私たちは、自他ともに認める「良い人」、他人を気遣い、快く人を助け、自ら貢献する人でありたいというニーズがあります。同時に、私たちは自分自身と私たちの重要なニーズと欲求を大事にしたいと思っています。心の底からやりたくないことをやることに同意すると、ストレスの増加、気力の減少、憤り、自尊心の低下など、非常に高い代償を払うことになります。一方、「イエス」と言い、本気でそう思っているときは、最大限の努力、気力、モチベーション、創造性を発揮します。

 

ここでカギとなるのは、あなたが自分のニーズを満たすことと、あなたが他の人のニーズを満たす助けとなることのバランスを見つけることです。「自分のニーズは何か」と自問してみてください。「それらを満たすために、どれだけの時間、エネルギー、リソースが必要なのか?」「自分が心から人のためにしたいことは何か?」「他の人のニーズを満たすために、自分の時間をどれだけ捧げたいか?」

 

これらの質問に対する答えは人それぞれです。大事なのは、自分に合ったバランスを見つけることです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2023年5月号

─2023年5月号─「負けない...ほんとですか?①」

Date: April 11th, 2023 | BY Dr. Thomas Gordon

 

当然のことながら、リーダーは、No-Lose対立解決法を効果的に使用する方法を学ぶ努力をする前に、その解決法の利点を知りたいでしょう。最初に、このNo-Lose対立解決法にはトレードオフが伴うことを強調しなければなりません。概念化することは簡単ですが、この対立解決法を適用する能力を獲得することは容易ではありません。多くの場合、2つのWin-Lose対立解決法よりも適用には時間がかかります。そして、リーダーがそれを使用するときに遭遇する特別な問題があります。私は後ほどこれらの問題を取り上げます。まず、No-Lose対立解決法の利点は何でしょうか?

 

決定を実行するためのコミットメントの向上

 

誰もが、その決定の策定に参加する機会があったため、決定を実行するという強いコミットメントを感じた経験があるでしょう。意思決定プロセスに発言権があると、他の誰かが一方的に決定を下すよりも、どういうわけか決定を実行する動機が高くなります。心理学者はこの常識的な考えを「参加の原理」と呼んでいます。それは、人々が問題解決プロセスに参加し、相互に受け入れられる解決策を開発するとき、それが「彼らの」決定であると感じるというよく知られた現象を確認します。彼らは決定を形作るのを助ける責任があったので、彼らはそれが機能することを確認する責任を感じています。

 

この責任感やコミットメントの高まりは、決定に従わせるように強制するというリーダーの労力が不要になることを意味します。私が以前に指摘したように、リーダーが警官を演じる必要性が少なくなります(L.E.T.の書籍を参照のこと)。明らかに、これによりリーダーの時間が節約され、より「生産的な仕事」の時間が増えて活用できるようになります。関連する利点は、組織の効率が向上することです。決定が下されると、それは実行されます。対立が解決されると、解決されたままになります。

 

より質の高い意思決定

 

メソッドⅢは、対立に関与するすべての当事者の創造性、経験、および頭脳を必要とします。したがって、この方法では、多くの場合、高品質の決定が得られます。「三人寄れば文殊の知恵」は、双方(またはすべて)の当事者のニーズを正確に表す必要があるため、対立解決において特に理にかなっています。また、両当事者が解決策を生み出すプロセスに参加しているため、より多くの創造的な解決策をブレーンストーミングする可能性があります。最後に、どの解決策がニーズに最も適しているかを判断できるように、双方の当事者が参加する必要があります。

 

例えば、私と私の子供の一人(または私の妻、または私のグループメンバーの一人)との間の対立を、彼らの積極的な参加なしに解決しようとすることは考えられません――彼らがニーズを述べ、私のニーズを理解し、彼らが解決策を提案し、私の解決策を聞き、彼らの経験に基づいて各解決策を評価し、私自身の経験に基づいて私も評価します。私が他の人と対立していることに気付いたとき、私たちは誰も負けずにその対立から抜け出す方法を彼らの助けを借りて見つけ出すことができます。そのような助けがあれば、私は完全に自分だけで選択した解決策よりもはるかに解決策のクオリティが信頼できます。

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[ニュースレター] 2022年5月号

─2022年5月号─「これらの I-メッセージは人間関係にどのように役立つでしょうか?」

Date: April 18th, 2022 | BY Michelle Adams

 

感謝のI-メッセージは、感謝、ありがとう、安堵、幸せのようなポジティブな感情を相手に伝えます。

 

 レッテル貼りや判断を使用する賞賛とは異なり、感謝のI-メッセージは相手の行動に焦点を当て、あなたへのポジティブな影響を含めることができます。

 

 You-メッセージと賞賛について一言添えます。人は時として、批判されているとか見下された態度で話されていると感じるので、ポジティブなYou-メッセージでも不快に思うものです。

 

 以下のような善意のYou-メッセージでさえ、相手に不安な気持ちを残すことがあります。このようなメッセージは非常に曖昧であり、間違っている可能性があります。

 

  • 「あなたは素晴らしいチーム・プレーヤーです」(チームを助けるために何をしましたか?詳細をお願いします!)
  • 「あなたはフェアに戦う人ですね」(あなたはフェアに戦う人でしたか?これは一体どういう意味ですか?)
  • 「ねぇ、素晴らしい仕事ぶりですね!」(もし、あなたが素晴らしい仕事をしなかったことをわかっていたら、どうなりますか?何がそんなに素晴らしかったのですか?この賞賛は何か続きがあるんじゃない?でも、次は~してくれますか?)

 

 一方、感謝のI-メッセージは相手の貢献を認める方法です。

 

  1. 「その会議であなたが私の意見を求めてきてくれたことに感謝します。私は評価されていると感じ、貢献できてよかったと感じました。」
  2. 「今月あなたが書いたブログから、私は多くのことを得ました。本当に考えさせられました。」
  3. 「昨日の国際大会でのあなたの発表に、私は感銘を受けました。聴衆のほぼ30%が私たちについてもっと情報を得るためにサインアップしました。」

 

 感謝のI-メッセージは、チームメンバーの行動を操作したり「形作ったりする」ために使用しないことが重要です。そのような隠された動機は、必ずチームメンバーに伝わり、あなたの誠実さが疑われます。

 

 感謝のI-メッセージは、受容と承認の「無条件の」表現でなければなりません。

 

 相手を変えることが動機であってはなりませんが、チームメンバーに対して多くのポジティブな感情を表現するリーダーは、受容できない行動を減らし、より信頼できる相互に尊重し協力することで自動的に報われることがよくあります。

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[ニュースレター] 2021年5月号

─2021年5月号─「自分でやるのか、グループの助けを得てやるのか②」

Date: May 3, 2021 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

たとえば、グループは一般的に彼ら自身の「公正な一日の仕事量」、または「生産性のノルマ」について基準を設定しており、メンバー間で明確に理解され、暗黙のうちにグループ内で強制力を持っています。このノルマの維持を脅かすものとして認知されるリーダーのあらゆる行動、特に恣意的とみなされるリーダーの行動は、強い抵抗に遭います。

グループ内におけるこれらの抵抗力を理解する他の方法としては、「公平な交換」の観点から見てみることです。コスト・利益の割合が公平であるというグループの定義をひっくり返す可能性のあるリーダーの行動に対して、グループは強い抵抗を示します。それは、すなわち仕事にかけるエネルギー(コスト)量に対して、公平な利益(たとえば、給与など)を得ることです。改革に積極的な新任のリーダーは、この割合を乱すものとみられる可能性があります。そして、グループは組織から悪用されることに対して自らを守りたいと考えます。

 グループは、新しい方法や手順の導入にもまた強く抵抗します。特にそれらがリーダーによって恣意的に、そして一方的に実施されようとしたときには、なおさら抵抗は強くなります。人が特定のやり慣れた方法でものごとを進めることは周知の事実です。そのため、新しい方法を学ばなければならないとき、グループ・メンバーが費やしても良いと思っているよりも多くのエネルギーが必要なのです。

 熱心な新任のリーダーの多くは、慎重な「監督者」の姿勢を取ります。グループ・メンバーに目を光らせ、リーダーの目を逃れられるものは何もないほどで、失敗は起こり得ません。何故なら、すべてを把握しているからです。このような細かい管理は様々な形式を取ります。

たとえば:

 

 詳細な活動報告や進捗状況報告を要求する。

 契約や計画実行、意思決定の前には必ずリーダーの承認を得るようにグループ・メンバーに求める。

 グループ・メンバーに割り当てられた仕事が「正しく」行なわれるように、リーダーが引き受けてしまう。

 グループ以外の人にコンタクトをし始める前に、グループ・メンバーは必ず「リーダーを通す」ようにしなければならない。

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[ニュースレター] 2020年5月号

─2020年5月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑪」

Date: May 16, 2020 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

人がグループに求めるもの

 

 

ニーズを満たすのに障害となるもの(「不満要因」)には、次のようなものがあります。

 

  1. 上司とのよくない人間関係
  2. 同僚とのよくない人間関係
  3. 不適切な技術的指導
  4. 劣悪な社内規定やアドミニストレーション
  5. 劣悪な労働条件
  6. 従業員の個人的生活における問題

 

ニーズを満たすもの(「満足要因」)には、次のようなものがあります。

 

  1. 達成
  2. 承認
  3. 仕事そのもの
  4. 責任
  5. 昇進

 

 「不満要因」がないことそれ自体ではめったに満足感を生み出しません。たとえば、労働条件がいいからといってそこから満足感が生まれるということはめったにないでしょう。しかしながら、劣悪な労働条件は実際に不満の感情を生み出しました。そして、満足要因(達成、承認など)があることでのみ、満足感がもたらされたのです。

 これらの研究がはっきりと示唆していることは─―そしてこれは、リーダーにとって非常に重要なことですが─―グループ・メンバーが高い生産性へと動機づけられ、同時に仕事に満足するためには、仕事自体がやりがいのあるものでなければならないということです。その仕事は成長、責任、承認、そして昇進の機会を与えるものでなければなりません。これらの必要条件は、マズローのレベルⅢ、Ⅳ、そしてⅤの欲求に非常に類似しており、効果的なリーダーは、グループ・メンバーが最高レベルのニーズ――仕事上の達成や、その達成の承認から得られる自尊心、そして自己実現(自分の可能性が役に立っているという感覚)――を満たすのを可能にするスキルとメソッドを十分に学ぶ必要があるという前述の私の主張をサポートしています。これらのスキルとメソッドについては後の章で詳しく紹介いたします。

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