[ニュースレター] 2015年2月号

─2015年2月号─「権力中毒: 悪いリーダーシップの習慣を絶つことが難しいのは、どうしてか?」

Date: January 20th, 2015
Blog Post By: William D. Stinnett, Ph.D.

 『毎回、上司のところに新しいアイデアを持って行くと、話を途中で遮ってうまく行かない理由を言われ、ボツにされます。上司は私のアイデアを全部聞いてくれません。わざわざ新しいアイデアを考える必要なんてあるんでしょうか?』この上司の下で働くチーム・メンバーのほとんどの人が同じ話をします。この上司は前回のフィードバック・セッションでも同じような不満を聞いて、本当に一生懸命自分の行動を変えようとしてみたと答えていました。『私はそのような上司にはなりたくないんです。自分のチーム・メンバーの話に耳を傾けたい。彼らのアイデアを聞きたい。彼らにとって、苛立たしいことはわかっていますが、私にとっても同様に苛立たしいんです。』と上司は言いました。私は彼女の言っていることは本当だと思います。

 問題は、この上司が変わりたくないのではありません。彼女はクラスをとってみたり、別のコーチについてみたり、別のフィードバック・プロセスを始めてみたりしますが、2-3週間経つと、また同じ昔の癖に戻ってしまいます。喫煙を止めようとしたり、もっと運動をしようとしたり、痩せようとしたり、長く続いた癖を永久に直そうとした人なら誰でも、それがどれだけ大変なことかお分かりでしょう。これが新年の抱負のジレンマです。意図するところがどれだけ誠実であろうと、実行するのは耐え難いほど難しいのです。
 
 ナショナル・パブリック・ラジオで放送していた習慣(癖)についてのプログラムで、ベトナム戦争に行ったアメリカ兵の間のヘロイン中毒に関わる調査について紹介していました。『1971年5月、二人の下院議員、コネチカット州のロバート・スティールとイリノイ州のモーガン・マーフィーは公式訪問でベトナムに出向き、非常に憂慮すべきニュースを持ち帰りました。ベトナム駐留のアメリカ軍人の15%がヘロイン中毒であるというのです。』ニクソン大統領は薬物撲滅を宣言し、ベトナム戦争に行って帰還した人たちの追跡調査を依頼しました。リー・ロビンズが追跡調査をした結果、帰還した5%の人しかヘロイン中毒を再発していませんでした。多くの人は、特別に治療などを受けていませんでした(彼らは皆、ベトナムにいた頃には、何がしかの治療を受けていました。)ヘロインはもちろん、とても中毒性の高い薬物です。
 
 では、なぜベトナム帰還兵は、ほとんど中毒にならなかったのでしょうか?アメリカでヘロイン中毒になっている人たちで、同様の治療を受けていた人でも90%の確率で再発しています。あるグループは変わりたいと思っていて、別のグループは変わりたいと思っていなかったのでしょうか?その可能性は低いでしょう。行動変容に関する以前の調査では、意図や態度を修正することにフォーカスしていました。ですから、広告のキャンペーンやセラピー、コーチングなどが新しい行動に影響を与えるものとして、主軸のツールとなって使われていました。このような戦略は、人々が献血をしたり、ボランティア活動に参加したりする程度の頻度で行う行動についてはOKでしたが、喫煙や過食など、毎日あるいは毎時学習され、リピートされる習慣では、説得やセラピーのみに頼る方法は、あまり効果的ではありません。
 
 デイビッド・ニールという心理学者がこう説明しています。『行動が何回も繰り返される時、特にその人が同じ設定でその行動を繰り返す時、人がしたいと思うことを変えさせることに成功します。しかし、人がその行動をし過ぎると、その行動は人の意図に反して行われます。』これは、前述の上司の例のようです。新しいアイデアを持ったチーム・メンバーの話を、うまく行かないと言って長年にわたって遮ってきたため、その行動を変えたいと思うだけでは、トレーニングやコーチングを使ってもダメなのです。
 
 上手く行くのは、環境を変えることです。喫煙がガンを誘発するとわかった時、公に『喫煙を止めよう』キャンペーンが大々的に行われました。しかし、実際に禁煙した人はわずかしかいませんでした。喫煙率が減少し始めたのは、環境が変化した時だったのです。今日、レストラン、バー、飛行機、空港、公の建物、ほとんどの職場、ホテルなどは禁煙です。ほとんどの人は、車内や自宅での喫煙ができません。多くのビルは建物前の歩道での喫煙を禁止しています。環境が根本的に変わりました。
 
 ですから、喫煙者が喫煙の危険性を理解して変わろうとしているだけでなく、喫煙者にたばこの時間だと長年思い起こさせたきっかけが取り払われ、顕著に変えられたのです。(他に誰もたばこを吸っていません。灰皿はどこにもありません。臭いもなくなりました。)
 
 ホームレスに関連した多くの悪い習慣があります。ドラッグ中毒、アルコール中毒、家庭内暴力、人生全般についての悪い意思決定。慈善事業のいくつかが、ホームレスを路上から引き離したり、ご飯を食べさせたり、きれいにして町に帰したり、ホームレスの人たちの『手当て』をしようとしました。時々、仮設住宅やシェルターを紹介しました。ホームレスの人たちは仕事を探す、問題を解決すると約束します。数人は約束を守ります。しかひ、多くの人たちはまた路上生活に戻り、そしてシェルターに戻ってきます。サイクルは繰り返されます。
 
 彼らはホームレスでいたいのでしょうか?多分そうではないでしょう!何人かはもちろん精神の病に侵されているかも知れません。何人かは、自分でもほとんどコントロールの効かない状況に直面しているのでしょう。しかし、多くの人はまともで、能力がある人たちですが、私たちのほとんどが経験する『普通の』生活に耐えられないのです。私は何年も、ホームレスの家族を路上生活から立ち直らせ、戻らせないように支援してきた組織と仕事をしてきました。その組織の手段は隠すまでもありません。
 
 その組織は、クライエントの環境を完全に変えたのです。きちんとした住宅、家具、衣服、食料、訓練、保育園、就職支援、多くのサービスや管理を、1年、2年、あるいはもっと長く提供しました(クライエントは薬物やアルコールを止める責任を負い、自分の家の世話をしているか、子供たちを学校に行かせているかなどについて、検査を受けることを条件としています)。その組織は、クライエントが自分たちの人生を現実に変えるために必要なスキル(そして習慣)を開発するまで、充分な期間、寄り添いました。

 リーダーの行動を変えることにも同じ原理が応用できます。一つのワークショップ、一つのチーム・ビルディング・セッション、一つのコーチングの予定、一つの新たなリーダーシップ・トレーニング・プログラムだけでは、リーダーの側の持続的な行動変容を起こすことはほとんどありません。だからと言って、そのような努力が無益だとか重要ではないということではありません。より組織的な変化の過程には、不可欠な部分だと言えるでしょう。肝心なのは、古い習慣が育った環境を生み出した全ての要素と取り組む努力をすることです。ミーティング、報酬体系、目標、企業のビジョン、トレーニング、上下関係、業績測定、チームの自主性、新しいチーム・メンバーを採用するために使用される要因などは全て、望まれるリーダーシップの種類と一貫性がなければなりません。
 
そして、これらの変化は長期間にわたって促進されなければなりません。どれくらい長くというのは、もちろん、色々な要因によります。商品やプロセスの複雑性、市場の成長力、組織のサイズ、階層の数、説明責任の配分など。変わりたいということは、第一歩です。新しいスキルを学習することは、良い考えです。しかし、権力を持つ人たちが、全ての要因が考慮されるよう、最後までやり遂げるコミットメントがある環境で、前述の要因がなされなければなりません。
 
リーダーは、他の人たちがついて行こうと決めた人のことです。リーダーは権限を持っています。リーダーは他の人、組織、ビジネスに重要な影響を及ぼす決定をすることができます。そのような決定の結果はあっと驚くものである可能性があります。ことは起こります。人々はビックリして飛び上ります。あなたはすぐに結果を見ます。色々な意味で、それは薬物のようです。リーダーは、権限によって『High』になれるのです。即座に結果がでることは、ヘロインで『High』になるのと同様にスリリングかも知れません。しかし、薬は切れてきます。リーダーが決定をしなければならない時は毎回、同じ種類の結果、同じ種類の興奮を達成するためには、以前より強い権限を使わなければなりません。それは、同じウキウキ気分を味わうためには、より多くのヘロインやコカインが必要であるのと同じ原理です。
 
 協力的なリーダーシップは、同じような即効性のある元気づけにはなりません。効果を見るのには、もっと長くかかります。喫煙者は、たばこが癌の原因になることを知っています。中毒者は、ヘロインが危険であることを知っています。しかし、それは習慣になってしまったのです。悪影響はどこか、遠い将来に起こること。諦めることは、それに伴って起こる高揚感を諦めることを意味します。あなたが、リーダーシップ・トレーニングの受講に登録して、自分のリーダーシップ・スタイルを変えたいと思っても、それは簡単ではありません。より協力的な、チーム中心のアプローチのリーダーシップが、長期的には優れた成果をあげることができるとわかっていても、リーダーが仕事をやり遂げるために、権限を使う習慣への依存を止めるのには充分ではありません。結局、悪い習慣の影響は、遠い将来に起こること。
 
 チーム・メンバーが新しいアイデアを説明しようとする時に、それを遮る習慣があるリーダーは、リーダーの解決策を手にして立ち去るチーム・メンバーを見る時の満足感をギブアップしなければなりません。『やれやれ、すぐに解決できたわ。あの説明を全部聞かなくて済んだじゃない。』物事がすぐに起こるのを見る快感を、あなたはギブアップしなければなりません。時として引き下がらなければならないかも知れません。違和感があるかも知れません。心配に感じるかも知れません。2-3週間、あるいは数ヶ月は、あなたの組織、チーム、あなた自身の低水準のパフォーマンスに我慢しなければならないでしょう。皆が新しい行動を学習して、それを習慣化させられるまで我慢が必要です。それには費用がかかります。それは投資です。専念して、やる気がないと、組織の文化を変えるのに必要なこと全てを成し遂げられません。そして、組織のリーダーと他の皆が新しい習慣を形成しようと、充分な期間、努力を維持する粘り強さが必要です。
 
 もし、あなたがこのような環境に必要な変化を作り出すなら、不適切な権力の乱用は完全に場違いになるでしょう。それは、飛行機の中や病院で煙草に火をつけるようなものです。間違っていると感じるでしょう。このような状況に辿り着くには、忍耐が必要です。それは、新年の抱負より、はるかに多大な忍耐が必要です。

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[ニュースレター] 2018年1月号

─2018年1月号─「社会的帰属意識」

Date: January 20th, 2018 | BY Brian K. Miller

 セカンド・ウィンド株式会社では1日コースを2つ提供しています。1つは「Effective Communication at Work (EC@W) 職場での効果的なコミュニケーション研修」で、もう1つは「Conflict Resolution at Work (CR@W) 職場でのNo-Lose対立解決法」です。これら2つのコースは通常3日間かけて行う「リーダー・エフェクティブネス・トレーニング」(L.E.T.リーダー研修)の3分の2の内容をカバーします。一見、チームをこれら2つのコースに送る方が、週中に3日間を割いてL.E.T.リーダー研修に送るより、より効率的に思えるでしょう。もっと理想的なのは、これら2つの研修を簡単なコンピュータ・ベースのトレーニング・プログラムに凝縮し、半日くらいで終わらせることでしょう。しかし、時間を短縮すればよいという問題でもありません。
 Abraham Maslowの「人間の欲求の段階」は人間のニーズを分類する簡潔な方法として広く引用されています。マズローのピラミッドの土台には「生理的欲求」があり、その上に「安全の欲求」、3番目に「社会的欲求」があります。マズローによると、人間関係は私たちの最もファンダメンタルなニーズです。ですから、良い人間関係が築けないと、私たちは簡単に落ち込みます。落ち込むと寝ることもできなくなるだけでなく、過食症になったり拒食症になったりして、深刻な健康問題に発展することもあります。人々は往々にして腹立たしい存在だったり癪に触ったりしますが、私たちの人生で彼らの存在は必須なのです。
 職場での人間関係は現実の人間関係です。一般的に、私たちの職場での人間関係は二次的な(補助的な)人間関係で、家族や友達に置き換わるものではないと思われがちです。しかし、職場での人間関係はしばしば私たちの基本的な人間関係を補完するものです。ある人にとっては、職場での人間関係が基本的な人間関係であることもあります。幸運にも、L.E.T.のスキルは私たちの人間関係の全てを結合する糊のような役割をします。職場での人間関係に留まらず、です。対立を乗り越えて、ニーズを交渉するスキルは、基本的な人間関係や二次的な人間関係で私たちが必要としている「社会的欲求」の基礎です。
 最近、多くの異なる形式のオンライン・トレーニングが職場関連のトレーニングの未来として認知されています。幅広く多様な機能的・技術的なスキルは、よくデザインされたコンピュータ・ベースのトレーニング・プログラムによって素早く効率的に教えることができます。コンピュータ・ベースのトレーニングはビデオやインタラクティブな演習、インタラクティブなテストから成ります。しかしながら、コンピュータ・ベースのトレーニングだけでは、私たちの同僚、家族、友達と上手く関わるのに必要なスキルを提供することはできません。L.E.T.やその他のゴードン・モデルに基づくプログラムで教えているスキルを演習してマスターするには、私たちはトレーニング期間中と期間が終了してからも実際の人たちとのインタラクションがなければなりません。
 EC@WとCR@Wは2つの異なるスキル・セットを組み込んでいます。EC@Wはほとんどのフォーカスをアクティブ・リスニングに置いていますが、CR@WはほとんどメソッドⅢにフォーカスしています。L.E.T.と同様、これら2つのプログラムは多くの異なる種類のロールプレイとその他インタラクティブな演習を含んでいます。これら3つのセミナーはインタラクションとロールプレイに重きを置いているため、同レベルの信頼が置けるコンピュータ・ベースのトレーニングを開発するのは不可能に近いのです。確かに、本当の意味でスキルをマスターするのには受講者が意識的に職場や日常生活でスキルを練習することが必要です。しかしながら、ほんの少しの信頼でもなければ、誰も人間関係でこれらのスキルを応用しようとは思いません。彼らの人間関係を結合する糊の役割をするものが欠如しているのです。
 社会的欲求は基本的な人間の欲求です。L.E.T.やEC@WやCR@Wで教えているスキルは、人が職場や家庭や、そして全ての人間関係で経験する社会的欲求のクオリティを改善することができます。コンピュータ・ベースのトレーニングはプログラミング言語を学んだり、会社の反ハラスメント規定を暗記したりすることは支援できるかも知れませんが、ライブ・セミナーで提供されるパーソナルなインタラクションや集中したロールプレイや演習だけが、日常生活で使えるアクティブ・リスニングやI-メッセージなどのスキルを習得するために信頼できる方法であり、近道です。

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[ニュースレター] 2010年5月号

─2010年5月号─「新しいスキルを学ぶ・・・言うは易し行うは難し」

L.E.T.ワークショップ修了者の方々へ

ビジネスのある側面を改善することを目的として特定のトレーニングやイニシアチブを始める前に、あなたの上司やチーム・メンバーに基本的なコミュニケーション・スキルや対人関係マネジメント・スキルが備わっていることを確かめなければなりません。

数多くの研究で明らかになったことは、協力、コミュニケーション、インターパーソナル・スキル、リスニングや要約するスキルがより高次なチームの成功には重要な意味をもつということです。『リーダーシップ・チャレンジ』という本の中で、「全てのリーダーは言い換え、要約、感情表現、個人的な情報の開示、過ちを認める、防衛的でない応答、不明点の明確化を求める、異なる見方を促す、等々をする方法を知らなければならない」とKouzes and Posnerは言っています。

これらのスキルは心の知能指数の本質です。マネジャーや従業員の心の知能指数を高めることがトレーニングや能力開発が役に立つための秘訣です。異なるレベル間で生産的に、そして機能的にコミュニケーションが取れていて、対立を創造的に、また有益に管理できる組織では、高次なトレーニングや学習を心得ています。

新しいスキルを学習する4つの段階

どのような新しいスキルを学習するにしても、誰しもが通らなければならない4つの学習段階*があります。これらの段階を知ることで、学習は進みの遅い、しばしば不愉快なプロセスであるということを受容できるのです。

1段階 – 意識しておらず、スキルの存在すら知らない。 私たちが何を知らないのかすらわかっていない。 能力がないのに、それすら気づいていない。この原則を職場のコミュニケーション・トレーニングに適用すると、リーダーはしばしばチーム・メンバーを遮ったり、人間関係を傷つけたりする方法でコミュニケーションをとっているのに、それに気づいていないのです。

2段階 – 意識しているが、スキルが使えない。私たちは知らないものが何なのかを知っています。私たちがあることをどれだけ下手にやっているかについて突然気付いた時、私たちはこのレベルから学習を始めます。私たちはどれほど学ぶ必要があるかということに気付かされます。

L.E.T.ワークショップに参加すると、リーダーは効果的および非効果的なコミュニケーション法が何なのかを認識します。チーム・メンバーが問題を持つシグナルを示す時に、私たちが通常とってしまう応答の仕方を意識し始め、これらの『ロードブロック』が職場の人間関係に及ぼすネガティブな影響に気付きます。そして、リーダーは共感的リスニングの効果に気付きます。また、消極的あるいはアグレッシブなコミュニケーションの代替策として、明確で直接的な自己開示の重要性について学びます。しかし、この段階では、リーダーはこれらのスキルを使うには至っていません。以前のコミュニケーションがチーム・メンバーに与えたであろう影響を考えて罪悪感を感じるかも知れません。

3段階 – 意識していればスキルが使える スキルを試したり、実験してみたり、演習してみたりします。私たちはスキルの正しい使い方を理解しますが、それを実際に使うにはよく考えて一生懸命集中しないとできません。

コミュニケーション・スキルを学習するこの段階では、リーダーはスキルを意識して使おうとします。役に立たない、人間関係を傷つける応答を回避し、その代わり、共感的に聴こうと意識します。ということは、リーダーは何度も口をつぐんでしまいます!自分の意見・ニーズ・問題を述べる際には明確に心から非難しない言葉で話そうと意識します。対立が起こった時には、リーダーの目的は双方にとって納得のいく解決策を見つけることになります。スキルを使うこと自体、策略っぽく、時々、インチキくさく感じることもあります。他の人達には、リーダーが意識的に異なる方法でコミュニケーションしようと努力しているとわかります。

4段階 – 無意識でもスキルが使える もし私たちが新しいスキルを練習し、使おうと努力し続ければ、最終的にはそれが簡単になり、時を経てそれが自然になってきます。

リーダーがスキルを使おうと貫き通せば、スキルに対する違和感はなくなります。そして、アクティブ・リスニング、自己一致した自己開示、No-lose対立解決法がより自然になってきます。チーム・メンバーや他の人達は聴いてもらった、理解された、感謝された、満足したと感じるので、リーダーに対して好意的に応答してくれるようになります。リーダーはこれらのスキルが人生のあらゆる場面で応用できることに気付き、スキルが彼らのインターアクション全てに取り入れられ、他人といるときに自然に出てくるようになります。

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[ニュースレター] 2013年1月号

─2013年1月号─「社員に気に入られる7つの方法」

Date: January 2nd, 2013
Blog Post by Scott Seroka

社員が『あなたの側』についてくれることは素敵なことです。あなたに気を配ってくれ、結果を出すために一貫して骨を折ってくれます。しかし、ほとんどのマネジャーは勝つためのコツを知らず、常に全ての社員に気に入られるということはありません。

どのように社員が『あなたの側』についてくれるか知りたければ、以下のスキルを使ってみて下さい。

1.        誠実でいます。つまり、人間的でいます。社員はエゴイスティックなマネジャーと仕事をすることを嫌います。誠実とは自分でも個人的にしないようなことを彼らに頼むようなことをしない、それを実践することです。誠実は共感と理解を持って人を導くことも意味します。
2.        大切にされているとあなたの社員たちが思えるようにしなさい。社員は毎日毎日会社に来て、直属の上司とのコンタクトが少なければ、熱意も徐々に消えていきます。社員はどのレベルの人でも、彼らの貢献、洞察、意見、創造力が組織の成功に重要であるということを言われることが必要です。
3.        社員は名前で呼びます。デール・カーネギー(アメリカの実業家)は社員にとって世の中で一番美しい響きはその人自身の名前の響きです。人を名前で呼ぶことでラポールが形成され、会話に親しみやすさが増します。
4.        社員が休暇をとりたいというニーズを尊重します。ほとんどの会社は少ない人員で多くのことをこなさざるを得ません。社員の中には給料も上がらないまま1.5人以上の量の仕事をしています。これではすぐに燃え尽きてしまいます。社員は機械ではありません。休暇をリクエストすることに罪悪感を感じるのは変です。
5.        アクティブ・リスニングを練習しましょう。これはリーダーシップ・トレーニングで習ったスキルです。アクティブ・リスニングは聴き手が話し手から聞いたことを話し手にフィードバックする時に起こります。その時、聴き手は自分が聞いた通りを自分の言葉で言い直したり、言い換えたりして、自分の理解を確認します。私が知っているあるマネジャーは、自分のラップトップ・コンピュータを閉じて、机から離れ、話し手の横に座って相手に向き合います。これほどの興味と誠実さはないと思います。
6.        一貫性を練習します。マネジャーとして私たちのほとんどは、ある社員を他の社員より個人的に気に入っています。マネジャーのチャレンジは、他の社員がそれを嗅ぎつけないようにすることです。エコひいきが少しでもわかったら尊敬の念や信頼性が損なわれます。特に、あなたが気に入っている人からの。
7.        誤りをおかした時は認めなさい。再度言いますが、人間的でいなさい。リーダーができる最も勇気あることは、社員の前で自分のミスを認めることです。責任を転嫁したり、見え透いた言い訳をしたりすると、状況は更に悪化します。社員には同じことをしても全く大丈夫だと教えることになります。

これは、EQ対IQリーダーシップです。人は会社に加わり、リーダーから離れていくという事実をより支持しています。社員の信頼を快く勝ち取るのはテクニカル・スキルではなく、人間関係スキルに尽きます。

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[ニュースレター] 2016年4月号

─2016年4月号─「オンライン・モジュールを通してより良いコミュニケーション・スキルを学べないのは何故?」

Date: April 12th, 2016
By:  Marie Bryson
 
オンライン学習が始まったのは1990年代です。最初は、ビデオ、オーディオ、テキストをスクロールするスクリーンが、学ぶべき全てのものを手早く簡単に学習できるニューエイジが来るのだという楽観主義がありました。残念ながら、20年が経った今、現実は当初の楽観主義に沿うものではありませんでした。『International Journal of Training and Distance Learning』で発表された研究によると、不正確に報告されている完了率だけがオンラインによる学習モジュールの脱落率を抜かしていました。研究によると、家、職場、出先ではオンライン・モジュールに集中するには注意を逸らすものが多すぎるのです。注意を逸らすものとしては、顧客訪問、公私の予定が重なってしまうなど、90%の回答者がオンライン学習プログラムからドロップアウトしたり、教材を見もせず、完了したと報告したりしていました。オンライン・モジュールを終了する時間を作った10%の人でも、学んだことを2-3日以上覚えていられた人はほとんどいませんでした。
 
一人で学習するには危険なスキルが多くあります。ピストルで撃つ、たき火で調理する、車の運転、飛行機の操縦、近代製造機械の操作を学ぶというようなことは、オンライン・ビデオを見て短いテストをするだけでは危険すぎます。大方の予想とは裏腹に、コミュニケーション・スキルは慎重に扱うべき状況で間違って使われると危険です。危険度が高いスキル・セットは、受講者の安全と受講者がトレーニングを終了した時、関わる他の方々の安全を担保するために、個人的なガイダンスのある組織化された環境が必要です。

L.E.T.プログラムは学習の3つの特徴があります:理論の紹介、スキル自体のデモンストレーション、そして学習直後のスキル演習。アクティブ・リスニング、対立解決法の理論を紹介するオンライン・ビデオ・モジュールを使うことは可能ですが、これらのスキルを学ぶことは十分にリハーサルしたスキルのプレゼンテーションが実戦でできること、スキルを使用するための演習が指導者によりなされることが必要です。理想的には、これらのスキルのデモンストレーションは、習得することに悪戦苦闘している人に対してスキルを使える熟練したインストラクターがいることが重要です。インストラクターの注意深いスキルの使用と受講者の最初のぎこちない試みとのコントラストが、受講者にスキルの重要性と日々の練習の必要性の両方を明らかにする助けとなります。この種類のインタラクティビティは、オンライン学習モジュールではいまだに不可能です。

自分の運命を、2-3回オンライン・モジュールを終了し、飛行シミュレーターを通して2-3回飛行訓練をしただけのエアラインのパイロットに託すというのは、想像できないほど危険です。知りつつ、そのようなパイロットの飛行機に乗る人はいないと思います。同様に、企業の命運を対立解決法をマスターしていないマネジャーに託すことは、シニア・マネジメント・チームが考える以上に高リスクです。対立解決法をマスターする唯一の方法は、まずアクティブ・リスニングをマスターすることです。アクティブ・リスニングをマスターする唯一の方法は、それを理解し、それが行われている場面を見て、実際に演習してみることです。アクティブ・リスニングと対立解決法の両方をマスターする最善の方法は、L.E.T.リーダー研修などのワークショップに参加する時間を設け、それらのスキルを毎日練習することです。

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[ニュースレター] 2019年1月号

─2019年1月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.9」

Date: January 26th, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

(L.E.T. bookからの引用)

メソッドⅢ/権力 part 1

時間の代償


権力は人々の中に強い抵抗を生み出し、それを行使するリーダーに挑戦するよう人々を挑発するため、そのような反応に対処するのに多大な時間と労力をリーダーが使わなければならないのも無理はありません。それでもなお、リーダーは他の権力以外の問題解決法あるいは対立解決法よりも時間がかからないという理由でしばしば自身の権力行使を正当化します。この主張は、半分事実です。メソッドⅠによる意思決定は、グループでの意思決定よりも時間がかからない一方、一方的に決められた決定を受け入れさせるのにはとてつもない時間がかかります。
権力を得ることでリーダーはより大きな影響力を持つようになるという一般的な考え方とは裏腹に、権力はリーダーのグループ・メンバーに対する影響力を喪失させます。
ほとんどの人たちは、個人的な経験から2つのWin-Lose対立解決法が人間関係を壊し、組織の有効性を下げるリスクが高いことを知っていますが、ほとんどのリーダーにとって、これらの対立解決法が最適な方法であり続けます。これに関しては多くの説明があり得ますが、以下の2つの説明がもっともらしいと思います:人は対立解決へのアプローチに対する個人的な経験がほとんどありません。ほとんどの人にとっては、最も大きい影響があることが最も大きな権限があることと同じだと考えられています。
ほとんどの子供たちは、大人が決めたことをするためにアメとムチを頻繁にたっぷりと親が投与する家庭で育ってきています。家庭内暴力についての有名な全国的な研究では、80%の親はお尻を叩いたり、ひっぱたいたりという普通の体罰手段を使っていることがわかっています。30%近くの親たちは暴力で逮捕されていたかも知れない暴力行為を子供たちに行っていました!同様に、学校でもアメとムチは教師が教室で「規律」を保つために常に使っている重要なツールです。そのような慣例は数百年の間、ほとんど変わっていません。それは、私にとっては驚きの源泉です。

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[ニュースレター] 2011年4月号

─2011年4月号─「ゴードン・モデルが職場のストレス状況下でどのように支援してくれるか」

L.E.T.修了者の方々へ

ストレスはビジネスの状況が困難な時にはより増幅します。マネジャー、スーパーバイザー、チーム・メンバーが自分たちの感情に効果的に対応する能力、あるいは大人の対応ができる能力は、彼らにとっても会社にとっても大きな利益となります。ゴードン・モデルは人々がややもするとコストのかかる人事あるいは法的問題に発展しかねない問題に気づき、効果的に対処することを支援する基本原則を教えています。

コミュニケーション手段がオープンで、効果的に活用されている時、人々はあまり抵抗しません。権力の乱用がなされていると認知した時、人々は情報を引っ込め、開示することを控えてしまいます。これは、ある種権力のバランスを保とうとする正常な方法なのです。ゴードン・モデルはリーダーシップの役割を担う人々が自分たちの力をより建設的に使う方法を理解ための支援をしてくれます。

人々が恐れれば恐れるほど、より多くのミスを犯します。より多くの仕事を小さなチームに頼らざるを得ない時には、ミスが増えてより多くのコストがかかります。明確さが非常に重要になります。ゴードン・トレーニング・ワークショップで教えているコミュニケーション・スキルは人々が相手の話を聴き、より明確でダイレクトな方法で相手に影響を与え、のちのちに起こりうる費用のかかるゴタゴタを軽減する手助けをしてくれます。

これらのワークショップはチーム・メンバーにも安全で、建設的で、促進された環境ではっきりとモノを言う機会を与えてくれます。人々が会社の廊下で『これってひどくない?』と文句を言い合う時間を減少させてくれます。

ゴードン・トレーニング・プログラムを通じて提供されるスキルは組織の中に流れる噂の数々を減らしてくれます。参加者が他の人たちの動機や意図について憶測している事実に気づき、それらの行為を回避する支援をすることで、参加者は自分の上司やスーパーバイザーの行動を誤解してしまう確率を減らしてくれます。

By Bill Stinnett, Master L.E.T. Trainer for Gordon Training International.

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[ニュースレター] 2014年4月号

─2014年4月号─「コミュニケーション、リスニング、対立解決などに役立つ7 つのブログと記事」

L.E.T. ワークショップ修了者の方々へ、

 皆様の住まわれている地域でも春が訪れ、すべてが順調に行っていることを祈願いたします 🙂
 
 今回のL.E.T.ワークショップ修了者コネクションはいくつかのブログや記事のリンクをご紹介しています。皆様に役立つ、興味深いものだと自信を持っています。
 
 こちらがリンクのリストです。
 
1. もっと効果的に対決する必要がありますか?そんなあなたにはこちらをどうぞ:
http://www.gordontraining.com/leadership-training/totally-mess-confrontation/

2. 問題がない時にアクティブ・リスニングを使う:
http://www.gordontraining.com/leadership-training/psst-active-listening-just-problems/

3. Win-WinはメソッドⅢと同じですか?:
http://www.gordontraining.com/leadership-training/isnt-method-iii-win-win/

4. より良いリスニングのための10個のヒント:
http://www.gordontraining.com/leadership-training/10-helpful-tips-better-active-listening/

5. あなたの人間関係のスタイルは何ですか?:
http://www.gordontraining.com/leadership-training/relationship-style/

6. 学習段階 – 新しいスキルを学ぶ時のヒント:
http://www.gordontraining.com/leadership-training/competent/

7. 最後に大事なことを言い忘れていましたが、私たちのL.E.T.ワークショップ修了者のためのモバイル・サイトもご覧ください。ゴードン・モデルのどのワークショップを取られたとしても、このサイトは役立つヒント、記事、クイズやビデオでいっぱいです:
http://mobile.gordonmodel.com/

 良い一週間をお過ごしください!

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[ニュースレター] 2017年3月号

─2017年3月号─「リーダーシップへようこそ!Good...Luck?」

Date: March 14th, 2017 | BY Marie Bryson
 
 聖パトリック祭は全世界が一週間、アイリッシュになります(あるいは一週間以上かも知れません)。全てを緑色に着飾って、もちろんアイリッシュの幸運をお祝いします。
 幸運とは面白いものです。あなたにも起こりえます。目を見張るほどのルックス、巨額なトラスト・ファンド、王族の血筋に生まれるようなもので、幸運とは完全に徹底的にあなたのコントロール外です。
新しく採用された初めてのマネジャーに「グッド・ラック」を願う単純な気持ちに誰が反対できるでしょうか?
 答は「新しいマネジャーの上司」です。少なくとも、上司が新人マネジャーの役割での成功を現実に願うならです。

それは幸運ではありません――スキルです
 新人マネジャーは、初めてリーダーシップの役割を担う時、マナーや期待される新しい責任に関してトレーニングを受けます。
 損益計算書を一度も見たことがない?在庫管理システムに全く不慣れ?一般的に受け入れられている会計原則について何も知らない?あなたのインボックスになだれ込んでくるレポートの意味を、一体どうやって理解するのかぼんやりしてしまう?いい知らせです!あなたは自分自身の上司、あるいは他の誰かが自身の慌ただしいスケジュールでも時間を割いて、あなたがスピードを上げて慣れるようにしてくれることは100%間違いありません。結局、上司はあなたを採用したのですから、あなたが成功するためのスキルを確実に持てるよう投資します。
 しかし、「ソフトな側面」に関して――ピープル・マネジメント――新しいマネジャー・トレーニングがほとんどの組織でグニャッとしたものか、驚くばかりです。形式的な準備があるとしたら、通常、それは人事部や法務部の側のものです。「攻撃しない。差別しない。違法行為や非倫理的行為をしない。あなたの部下たちがお互いに攻撃したり、差別したりしないようにする。訴訟されないようにする。さあ、出て行って、あなたの部下たちを管理しなさい!…グッド・ラック」
 もし、あなたが管理するチームが既に難しいチームだという噂があったとしたら?業績不振者ばかりなら?その時点で、「グッド・ラック」は不吉な兆候です。なぜなら、あなたの以前からあるチームに、あなたが成功するか失敗するかを聞くなど――おみくじの「幸運」に単に頼ることはできないからです。
マネジャーとして成功するにはもっと多くの「幸運」が必要になるでしょう。リーダーシップは幸運の問題ではありません。スキルの問題です。いいですか?それは良い知らせです――なぜなら、幸運と違ってスキルは定年後にやってくるというようなものではないからです。ピープル・スキルは特にマジックでも神秘でもありません。

新しいマネジャーのスキル・キット:基礎編
 もし、あなた、あるいはあなたの知っている誰かが最近、高いスキルをもったチーム・メンバーはからスキルを持たないチーム・リーダーへと飛躍したら、認識すべき最も重要なことは:初日から全ての職務の責任を遂行できる訳ではありません。それは、あなたのピープル・スキルも含みます――あなたがこの宇宙で、自然と最も社交的で、支援する、分別のある、人を励ます「ピープル・パーソン」な人だとしても。
それは、人の管理が難しいからです。
 しかし、何度も何度も証明された、よりやりがいのある、より生産的な、そして「幸運」のようなコントロールできない外的要因に頼らない幾つかのスキルが存在します。

– アクティブ・リスニング:全ての「ソフト・スキル」の基礎であるアクティブ・リスニングは、誰かの前にただ単に座って、頷いて「あなたが言っていることは…ということですね」と言うことだけではありません(頻繁に誤解され、こんな風にパロディにされますが)。アクティブ・リスニングは自制心です。他の人の話を聴くことを学ぶ――本当に聴くのです――自分自身の考えや課題が相手の人の言葉を競ってさえぎらないように聴くことは、武術で黒帯を締めるように厳格なことです。しかし、それは協力的で尊敬の念を持った、オープン・コミュニケーションを認めているリーダーシップの必須条件です。そして、人を罵倒する、トップダウン型の権力狂のマネジメントから得られる結果より良いものを生み出します。
– 問題の所有権の認識と対立解決:アクティブ・リスニングの習慣的な自制心を通して、一旦相互の信頼と強い人間関係を構築したら、次のステップに移行するのは短いステップになります。問題を認識し、誰が問題を所有しているのかを特定し、そして問題があなたに所属する時には、あなた自身と対立している相手のニーズを両方満たす方法で対立を解決する方向に最初のステップを踏み出します。
– I-メッセージ:あなたが問題を持っている行動に対決するための何度も試された脅しではない手法、I-メッセージは会話で最初のステップとなります。それは必ずしも最後のステップではありませんが、確かにI-win-You-loseメソッドに代わる改善策です。悪影響になったり恐怖や憤りを引き起こす感情的な反応を部下に持たせたりすることは、長い目で見て部署の生産性をあげる「幸運」とは言えません。
 
 Leader Effectiveness Training は、実績があります。新リーダーにピープル・マネジメントへと移行するのを支援することができます――新しく昇進したマネジャーの最もチャレンジングな義務であると頻繁に言われています。私たちは決して新しく採用した人や新たに昇進したリーダーに、幸運だけでインボックスにあふれるスプレッドシートに対処する方法を学べといって見捨てたりしません。彼らの部下への対処方法に関しては構造化された、エキスパートの支援を提供することは理にかなっています。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

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[ニュースレター] 2019年12月号

─2019年12月号─「地位に就くだけではリーダーではない⑦」

Date: December 22, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

リーダーのジレンマ

 

階層制の組織におけるリーダーシップに関した数多くの研究では、効果的なリーダーは、自分自身のニーズ(そして、彼らの上司のニーズである生産性と効率性)を満たすためのスキル・セットが1つ必要であり、グループ・メンバーのニーズを満たすためにはもう1 つのまったく異なるスキル・セットが必要であると強く指摘しています。さしあたり、これら2 つのスキル・セットを非常に一般的な言葉で表現してみましょう。

 

 A. グループ・メンバーのニーズを満たすスキル

   (1) グループ・メンバーの自尊心と個人的な価値を高める行動

   (2) グループの結束力とチーム精神を強める行動

  B. 組織のニーズを満たすスキル

   (1) 生産性とグループ目標の達成を刺激する行動:生産性を刺激してグループ目標達成意欲を高める行動

   (2) グループ・メンバーの目標達成を支援する行動:プランニング、スケジューリング、調整、問題解決、資源の提供

 

効果的なリーダーは「人間関係のスペシャリスト」(メンバーのニーズを満たすこと)だけであっても、あるいは「生産性のスペシャリスト」(組織のニーズを満たすこと)だけであっても十分ではありません。効果的なリーダーは、その両方でなくてはならないのです。さらに重要なこととして、効果的なリーダーは、グループ・メンバーのニーズとリーダーのニーズの両方を満たすためには、いつ、どこでこれらの多様なスキルを使うのかということを知るだけの柔軟性やセンシティビティといったものも習得しなければなりません。最後に、効果的なリーダーは、これら2 つの競合するニーズの源泉の間に生じる、避けられない対立を解決するためのスキルを学ぶ必要があります。

 『リーダー・エフェクティブネス・トレーニング』(2019)は、相互ニーズの充足という最も重要な状態を作るのに、どのようにしたらより効果的に作れるようになれるのか、上司や自分のグループ・メンバーとのより誠実なコミュニケーションの醸成を通じて、どのようにしたらより柔軟でセンシティブになれるのか、他者との人間関係における憤り、敵意、疎外感を大幅に軽減するための公平な(あるいは「No-Lose」の)対立解決法を用いるにはどうしたらよいかをリーダーの方々に示すことを目的としています。

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