[ニュースレター] 2010年8月号

─2010年8月号─「対立を協力に変える」

L.E.T. 修了者の皆さま

以下に挙げる内容はトマス・ゴードン博士のL.E.T.の教科書からの抜粋で、職場のパワーについて深い考察をしています。

今月(正確には8月26日ですが)、ゴードン博士が逝去してから8年が経ちます。ゴードン博士は物理的にはもう私たちとは一緒におりませんが、彼の考えやライフタイム・ワークは献身と情熱をもって世界中で受け継がれています(ありがとう、ゴードン博士!)。

個人的な経験から2つのWin-Lose対立解決法は人間関係を破壊し、組織の効率性を減少させるリスクが高いことをほとんどの人は知っています。しかし、この2つのWin-Lose対立解決法はほとんどのリーダーが選択する方法なのです。

これにはいくつかの説明があると思いますが、2つの説明が最もそれらしいと思います。まず一つには、人々は対立解決法の他のアプローチの経験則がないことです。それでほとんどの人の気持ちの中には、大きな影響は最も強いパワーを得ることとイコールであると考えている節があります。

ほとんどの子供は、子供がすべきことと大人が思っていることをさせるために親または両親がアメとムチを頻繁に使っている家庭で育てられました。

家庭内暴力の有名な全国調査で、80%の親はお尻を叩く、ひっぱたくなど普通の体罰を使っていると答えています。30%近くの親は暴行で逮捕されるような暴力行為を行っていることが分かりました。

同様に、学校でもアメとムチが教室で『規律』を守らせるために教師によって重要な方法として使用されています。この習慣はもう700年ほど変わっていません。それが私には驚きです。

これが意味するところは、子供たちが大人になる頃には大人と子供の対立解決法として大人が子供を従順にさせるために使用してきた方法以外のモデルを知らないで来ている人がほとんどであるということです。

ですから、子供たちは権力を使わない大人との関係を構築する機会をほとんど持ち合わせていません。彼らが経験しているのは強制力と支配力です。以前私も聞いたことがありますが、「どうして権力を使われても教師や親の言うことに従わないのか」と若者に聞くと、ほとんどの場合、「もっと権力を使うべきだったのかも」という答えが返ってきます。

この50年間、ゴードン・モデルのワークショップに来る人のうち10人に9人はWin-Lose対立解決法に代わる代替案があることを知って、実際に驚かされています。

このようなリーダーは、権力を使うと影響力を失うという考えを提示すると、全く信じられないというような不信を表しますが、なるほど無理もありません。実は、リーダーの中には私たちのワークショップに参加する時、もっと賢く権力を使う方法を学べると期待して来る人もいるくらいです‐‐‐権力を使わない方法を学ぶなどとは夢にも思っていません。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

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[ニュースレター] 2010年7月号

─2010年7月号─「ゴードン・モデルはどうやってモノマネ鳥を助けたか」

L.E.T. 修了者の皆さま

今月の修了者コネクションのタイトルは『本当は好きではない人たちにどうやって感謝するか』、『一体全体わたしは何を言っているの?』とも表現できます。タイトルの意味がクリアになるような話が以下に続きます。

約1年半前、モッキングバード(モノマネ鳥)が家のとても大きな木に住みつきました。そのモノマネ鳥のせいで、私は本当に頭がおかしくなりそうでした。その鳥はほとんど毎日メドレーで一日中さえずり続けました。時には夜中の2時・3時まで(私は頭がおかしくなりそうだって言いましたっけ??)。私は窓を閉め、扇風機をつけても尚モノマネ鳥は聞こえてきました。以前はユニークだと思っていたこの鳥を、私は嫌いになりました。傷つける気は毛頭ありませんが、私はホースの水を鳥めがけて噴射させました。飛んで行けと叫ぶだけでは全く効き目がありませんでしたから。どうして私なの?私の庭なの?どうして静かにしないの?

そして、私はこのいまいましい鳥が一体何なのかをオンラインで調べてみることにしました。モッキングバードについて多くのことを学びました。交配行動(求愛時の鳴き声!)、そのパターン、食事などなど。それでもその鳥はうっとうしいモッキングバードだと思うでしょう?え~っと、その鳥のメドレーが求愛の鳴き声で、一番高い位置に陣取ってその歌声で最も相応しい相手を探しているということを知って、その鳥もただ単に生き延びようとしているのだと気付いたのです。この世の中でできることを彼なりにやっている。それでピカッと閃いたのです。その鳥に対する新たな感謝の気持ち。

あなたをイライラさせる人で、どこかへ行ってしまえと思うような人は周りにいますか?もちろんいますよね。そんな人たちに近寄って行って話しかけ、彼らの言い分は何なのかを知ることで少しでも彼らを好きになれるでしょうか?多分、彼らはあなたの政治的見解に同意しないでしょう。彼らは異なる人種で、あなたが安心できない、あるいはあなたは全く知らないのかも知れません。彼らはホモセクシュアルだからあなたを神経質にさせるのかも知れませんし、彼らの宗教があなたの信じるものと全く正反対かも知れません。あるいは、全く信仰のない人かも知れません。これらは大きな問題で、私たちを分裂させたり結びつけたりします。

そうですね、『鳥に感謝する』から『対極に位置する人たちと上手くやる』へとちょっと飛躍しすぎました。でも、この鳥がきっかけで、人についてまた彼らとの違い、またゴードン・モデルがどのように尊敬の念、誠実さ、感謝の意をもって互いに関わっていくのを助けてくれるかについて考えさせてくれました。例え彼らが私たちをイライラさせるとしても。

相手の人に宣言的I-メッセージを送って、こんなようなことを言えると思います。『あなたについて、あなたがどんな人なのかもっと知りたいです。』そのI-メッセージに多分ポジティブな応答をするでしょうから、私はアクティブ・リスニングを使います。(これはもちろん行動の窓の問題のないエリアで行われるものです)あなたのゴードン・モデルのスキルは今まで関わったことのないような人とも人間関係を構築できるように助けてくれます。現代、私たちはE-メールやツイッタ―やiフォンなどで、益々は関係性を断ち切っているようです。プラグを抜いてあなたが避けてきたその人に耳を傾けてみては?思考の糧になるといいです。

これが私の話で、私もそれに忠実にやってみます。もしよければ、やってみてください。あなたのフィードバックを楽しみにしています:)

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[ニュースレター] 2010年6月号

─2010年6月号─「5つのリスニング・ツール」

トマス・ゴードン博士・ノエル・バンチ氏の共著『T.E.T.』と元GTI社員からの抜粋。

L.E.T.ワークショップ修了者の方々へ、

習得できる最も重要なリスニング・ツールの一つは明らかに疑う余地がありません。それを人にアドバイスすると、皆、そんな甘いことを言って…みたいに私を見ます。そうです。静かにする、です。

そうです。静かにして下さい。あなたが話をしていたり、次に言うことを考えていたりしたら、効果的に聴くなどということは不可能です。

さあ、次に2つ目のツールを紹介しましょう。静かにしている間、あなたは話し手に注意を払う必要があります。あなたは話し手に寄り添う必要があります。彼あるいは彼女と向かい合います。アイコンタクトをしましょう。彼女/彼を見ましょう。開かれた姿勢をとります。『安全地帯』と呼ばれる話し手のスペースのすぐ外に位置します。

ほとんどの人にとっては、その距離はおおよそ90センチ~180センチ位になります。これは人によって異なりますので、私は話し手のパーソナル・スペースに入るまで近づいて、話し手がのけ反ったり後退したりすることでこの距離をチェックしています。そこで私は止まって、30センチほど後ろに下がります。そうすることで私は話し手のパーソナル・スペースから離れ、お互いがより快適な距離感を保つことができます。

時々、聴き手として要求されていることは黙ってそこにいるだけということもあります。しかし、もし私がただ黙っているだけだと、話し手は私が本当に聴いているかわかりませんので、私は3つ目のツールを使います。そしてそれには名前があります。それは簡単受容です。しかし、それは単に低いうめき声、相槌、本当?、驚愕あるいは評価しないで発する雑音の別名なのです。

時として、人はアクティブ・リスニングをスタートさせるのを難しく感じることがあります。相手は何も言わないけれど、ボディランゲージから何か言いたげであることが明らかな時。泣くかもしれません、しかめっ面をするかもしれません、頭を抱えるかもしれません、足を引きずりながら歩くかもしれません、他にもいくつか目印になることがあります。何か普通と違うことがあると私に知らせてくれます。このような場合に使うツールは、『悲しそうですねとか不安そうですね。それについて話してみたいですか?』などの開かれた質問です。あるいは、『何があったか話してみて』というような文章です。それらは話してもらうためのお誘いです。それ以上でもそれ以下でもありません。私はそれを『ドア・オープナー』と呼んでいます。なぜなら、それは明らかに話すための機会を開くものだからです。

役に立つにも関わらず、無言で注意を払うこと、ドア・オープナー、共感的唸り声などは私が理解しているということを表しません。ただ単に私がそこにいて、注意を払っているということだけを示しています。それゆえに、私は5つ目のリスニング・ツールを必要とします。それはフィードバックです。

フィードバックは難しいものではありません。人が発する言葉は普通暗号(コード)であるということを覚えておきましょう。例えば、空港で小さな女の子が「飛行機には乗りたくない。行きたくない。家にいたい。」と言ったとします。そのような言葉を聞くと、私は次のように自問します。「彼女の内的世界はどんなものだろう。そこで彼女はどんなところに住んでいるのだろう。」私は読心術者ではありません。良くても推測することしかできません。ですから、一番良い推測をしてみます。私の推測では、小さな女の子は怖いのではないかと。

ここにいくつかの暗号を列挙します。本当のメッセージは何なのか推測してみて下さい。

1.       困惑した隣人が、「仕事が嫌いだわ。面白くないし、辞めたいわ。でも子供たちは大学だし、支払いも色々あるし。。。それにこんなに給料をもらえる仕事なんて他にどこにあるの?」と言う。


2.       緊張した同僚が、「何百回も禁煙をしようとしたよ。でもできないんだ。どうしたらいいんだ?」


3.       泣き顔の娘が、「もうクリスと2年も付き合っているのに、彼ったら他の女の子とも付き合いたいっていうのよ。どうしたらいいの?」

私の推測は以下の通りです。最初の例では、「あなたはもっと面白い仕事があればいいのにと思っているけど、責任がいろいろあって、仕事を変わるなんてリスクがあると思っているのですね。」というのがその人の考えや感情なのかもしれません。

2つ目の例では、「あなたは何度も禁煙をしようとしたのに失敗して、落胆しているのですね。」と言うかもしれません。

私の娘に対しては、「傷ついているのね。どうしていいかわからなくなっているのね。」というかもしれません。

上記の3つの例で、話し手は質問で終わっていることに気付きましたか?しかし、聴き手からの答えはほとんどの場合求められていませんし必要ではありません。

効果的な聴き手になるのに立ちはだかる壁は、人を「治して」あげようと話し手の質問の答えを出そうとする傾向です。どんな状況においても私は一番いい解決策を知っているのだと振舞ってしまうことです。もし私が聴きながら、解決策や治療法、答えを探っていたら、私は間違った方向に行ってしまうでしょう。話し手を理解するためには、私の考えは話し手が経験していること、考え、気持ちに集中していなければなりません。それが近道であり、ロバート・フロストの言葉を借りれば、「それが最も効果がある」のです。

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[ニュースレター] 2010年5月号

─2010年5月号─「新しいスキルを学ぶ・・・言うは易し行うは難し」

L.E.T.ワークショップ修了者の方々へ

ビジネスのある側面を改善することを目的として特定のトレーニングやイニシアチブを始める前に、あなたの上司やチーム・メンバーに基本的なコミュニケーション・スキルや対人関係マネジメント・スキルが備わっていることを確かめなければなりません。

数多くの研究で明らかになったことは、協力、コミュニケーション、インターパーソナル・スキル、リスニングや要約するスキルがより高次なチームの成功には重要な意味をもつということです。『リーダーシップ・チャレンジ』という本の中で、「全てのリーダーは言い換え、要約、感情表現、個人的な情報の開示、過ちを認める、防衛的でない応答、不明点の明確化を求める、異なる見方を促す、等々をする方法を知らなければならない」とKouzes and Posnerは言っています。

これらのスキルは心の知能指数の本質です。マネジャーや従業員の心の知能指数を高めることがトレーニングや能力開発が役に立つための秘訣です。異なるレベル間で生産的に、そして機能的にコミュニケーションが取れていて、対立を創造的に、また有益に管理できる組織では、高次なトレーニングや学習を心得ています。

新しいスキルを学習する4つの段階

どのような新しいスキルを学習するにしても、誰しもが通らなければならない4つの学習段階*があります。これらの段階を知ることで、学習は進みの遅い、しばしば不愉快なプロセスであるということを受容できるのです。

1段階 – 意識しておらず、スキルの存在すら知らない。 私たちが何を知らないのかすらわかっていない。 能力がないのに、それすら気づいていない。この原則を職場のコミュニケーション・トレーニングに適用すると、リーダーはしばしばチーム・メンバーを遮ったり、人間関係を傷つけたりする方法でコミュニケーションをとっているのに、それに気づいていないのです。

2段階 – 意識しているが、スキルが使えない。私たちは知らないものが何なのかを知っています。私たちがあることをどれだけ下手にやっているかについて突然気付いた時、私たちはこのレベルから学習を始めます。私たちはどれほど学ぶ必要があるかということに気付かされます。

L.E.T.ワークショップに参加すると、リーダーは効果的および非効果的なコミュニケーション法が何なのかを認識します。チーム・メンバーが問題を持つシグナルを示す時に、私たちが通常とってしまう応答の仕方を意識し始め、これらの『ロードブロック』が職場の人間関係に及ぼすネガティブな影響に気付きます。そして、リーダーは共感的リスニングの効果に気付きます。また、消極的あるいはアグレッシブなコミュニケーションの代替策として、明確で直接的な自己開示の重要性について学びます。しかし、この段階では、リーダーはこれらのスキルを使うには至っていません。以前のコミュニケーションがチーム・メンバーに与えたであろう影響を考えて罪悪感を感じるかも知れません。

3段階 – 意識していればスキルが使える スキルを試したり、実験してみたり、演習してみたりします。私たちはスキルの正しい使い方を理解しますが、それを実際に使うにはよく考えて一生懸命集中しないとできません。

コミュニケーション・スキルを学習するこの段階では、リーダーはスキルを意識して使おうとします。役に立たない、人間関係を傷つける応答を回避し、その代わり、共感的に聴こうと意識します。ということは、リーダーは何度も口をつぐんでしまいます!自分の意見・ニーズ・問題を述べる際には明確に心から非難しない言葉で話そうと意識します。対立が起こった時には、リーダーの目的は双方にとって納得のいく解決策を見つけることになります。スキルを使うこと自体、策略っぽく、時々、インチキくさく感じることもあります。他の人達には、リーダーが意識的に異なる方法でコミュニケーションしようと努力しているとわかります。

4段階 – 無意識でもスキルが使える もし私たちが新しいスキルを練習し、使おうと努力し続ければ、最終的にはそれが簡単になり、時を経てそれが自然になってきます。

リーダーがスキルを使おうと貫き通せば、スキルに対する違和感はなくなります。そして、アクティブ・リスニング、自己一致した自己開示、No-lose対立解決法がより自然になってきます。チーム・メンバーや他の人達は聴いてもらった、理解された、感謝された、満足したと感じるので、リーダーに対して好意的に応答してくれるようになります。リーダーはこれらのスキルが人生のあらゆる場面で応用できることに気付き、スキルが彼らのインターアクション全てに取り入れられ、他人といるときに自然に出てくるようになります。

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[ニュースレター] 2010年3月号

─2010年3月号─「I-メッセージを送る時にしたいこと」

L.E.T.修了者の方々へ

今日はトマス・ゴードン博士(1918 – 2002).の誕生日です。

彼に敬意を表し、彼の執筆したすべての中で最も優雅で感銘深いものの1つを皆さんとともに味わいましょう。私たちが教えているワークショップはどれでも、つまりゴードン・モデルはこれに基づいています。皆さんが以前に見たことがあることは承知の上ですが、恐らく、読んでからしばらく経っていると思います。これは本当に強力なメッセージです。

今日私は彼に敬意を表し、あなたとこれをシェアするのは私自身彼にひとつ貸しがあるからです。(ダジャレを意図していますが—ゴードン博士は自分自身をダジャレ・マスターだと言っていました。)   

他者との人間関係に関する私の信条

あなたと私は互いに尊重し合い人間関係を維持していきたと思う関係です。さらに私たちはそれぞれが独自の価値とニーズをもった個々の人間です。

互いの価値観やニーズについてよりわかり、理解するために私たちのコミュニケーションにおいて常にオープンで正直でいましょう。

あなたが人生で問題を抱えた時、私はあなたを助け、私の意見を押し付けるよりもあなた自身の解決策を見出すのに役立つように、誠実で受容な態度であなたの話を聴こうとします。そして私が問題を解決したい時は私にとってよい聴き役になってほしいのです。

あなたの行動が私のニーズを満たすためにやらなければならないことを妨げている時には、あなたの行動がどのように私に影響を与えているかを隠さず正直にあなたに伝えます。あなたは私のニーズや感情を充分理解し、私にとって受け入れられない行動をあなたが変えてくれると信じています。また、私の行動を受け入れられない時には、私が自分の行動を変えることができるよう、隠さず正直に私に伝えてほしいのです。

そして私たちの人間関係において対立が生じた際には、私たちはどちらかが負ける犠牲のもとで勝つ、という権力行使に頼ることなく、互いに対立を解決していきましょう。私はあなたのニーズを尊重しますが、さらに私のニーズも尊重しなければなりません。ですから、私達双方が受け入れられる解決策を探す努力をしていきましょう。――あなたのニーズが満たされ、そして私のニーズも満たされます。――どちらも負けず、お互いが勝つのです。

このようにあなたは自分のニーズを満たすことを通して人間として成長を続けることができます。私も同じです。このように私達は健全な人間関係でいることができ、その関係の中でお互いに相手を受け入れようと努力することができるのです。そして、私達は尊重、愛、そして平和を持って互いの人間関係を続けていくことができるのです。

Dr. Thomas Gordon
©1964 Gordon Training International

Thank you, Tom!

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[ニュースレター] 2010年1月号

─2010年1月号─「I-メッセージを送る時にしたいこと」

L.E.T.修了者の方々へ

– チーム・メンバーや他の人に、彼らがその問題を解決するべきだ、というのではなく、何故、彼らが私の問題を引き起こしているのか、を伝えたいです。彼らに私を助けてくれる人となるチャンスを与えてください。

– あなたの本当の気持ちに触れる練習をしてください。もしあなたのI-メッセージがいつも怒ったようであれば、あなたは問題を持った時に自分の感じている本当の気持ちをおそらく知らずにいるでしょう。

(これは実に重要なポイントです!)『私は何を恐れているの?』と、あなた自身に問いかけてください。なぜならば、多くの場合、あなたが受容できないと思う行動はあなたが必要としている何かを妨げる恐れがあるからです。

– 無視されていると感じたり、もし最初のI-メッセージが上手くいかなかったりした時、より強い2度目のI-メッセージを送ってみてください。

– 彼らが問題を持っている時は彼らの話をよく聴きましょう。そうすればあなたが問題を持っている時にあなたのI-メッセージに対して建設的な答えが返ってくる機会が増えるでしょう。助けたいと願う気持ちは相互になければなりません。一方通行はそんなに長くは続きません。

– 他の人に対決する時に通常耳にする心配ごとや動揺は注意深く聴き、アクティブ・リスニングにギア・シフトします。その後機をみて再度I-メッセージを送ります。

I-メッセージを送る時にしてはいけないこと

– その行動によって起きる実際の影響を彼らに言わないのであれば、彼らが行動を変えることを期待してはいけません。彼らに本当の理由を伝えましょう。なぜならば、行動を変えるべき論理的な理由があれば彼らは納得するはずだからです。他に行動を変える理由があるでしょうか?

対決的 I-メッセージが持つ3つの部分を思い出してみましょう。=行動(相手がしたり言ったりする何か)、影響(具体的で明確な私への影響)、気持ち(あなた自身の気持ち)

– どんなI-メッセージでも上手く行くと思ってください。職場の仲間が対決してきた時、あなたは毎回必ずしも変わる必要があると思わなくても構いません。

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[ニュースレター] 2009年12月号

─2009年12月号─「ゴードン・モデルのスキルは単なる“テクニック”でしょうか?」

L.E.T.修了者の方々へ

ゴードン・モデルを習っていると、それはチームのメンバーや同僚を上手く操るために作られた計算づくのテクニックのように思われることもあります。ですから、ゴードン・モデルは、マネージャーのトレーニングコースでその価値が疑わしいととられてしまうこともあります。

ゴードン・モデルのスキルは確かにテクニックのように見えます。スキルを使って良い時と使ってはいけない時、どのようにスキルを磨くか、など、そこにはこのスキルを駆使するための規則があります。

しかし、実際にはこれらの規則は単に、ゴードン・モデルのスキルを習得しやすいように細分化しているに過ぎません。ゴードン・モデルのスキル自体は、健康的・協力的で、相互に満足できる人間関係の根底にあるダイナミクスを学習可能な部分に細分化しているだけです。

私たちがこれらのダイナミクスを学習しなければならない理由としては、複雑な歴史的な理由が存在していますが、人類は長年にわたり、非常に防御的で弱肉強食という態度に縛られてきました。そこから今私たちは解放されようとしています。その解放を早めるものは何でも価値があります。なぜならば、古い態度はそれがもつ価値以上に社会の全てのレベルにおいて問題を引き起こしているからです。

L.E.T.ワークショップの目的はL.E.T.受講者が演習に加え、このゴールに到達しようという意図を通して最終的にチーム・メンバーも含む全ての人間関係において競争や敵対する方法ではなく、むしろ協力的で相互に満足のいく方法でふるまうことです。

この考え方では“テクニック”は、しばしば機械的で人工的な望まざる方法に見えますが、音楽に例えると理解できるかもしれません。それは、学生とプロフェッショナルとの違いだといえます。

トランペット奏者の学生は、どのように唇をあて、マウスピースに息を吹きかけるのか、どのようにバルブピストンを指で押して演奏するのか、違う音に移った時の息づかい、楽譜の読み方、などのたくさんのルールとテクニックを学ばなくてはなりません。熱心に練習した後、学生は完璧な旋律でC音階を演奏できるようになります。それはトランペットが奏でるべきすばらしい音となります。

トランペットを演奏する学生が音階を奏でるのを聞いた人なら誰でも、その学生は音楽を作ることではなく、ルールとテクニックとに奮闘しているのだなと明らかにわかります。
もし、最終目的が単に、いつバルブを押し下げて息を強く吹き込むかを学ぶことだとしたら誰も楽器を勉強しようとは思わないでしょう。

同様に、もし、最終目的が、相手がいつ問題を持ったのかを認識し、彼らの考えや感情をフィードバックし始める時を知ることなのだったら、誰もゴード・モデルのスキルを学ぼうとはしないでしょう。

プロのトランペット演奏者は楽器のルールやテクニックを習得した人達であり、その上で彼らは自分たちの注意を、楽器を美しく演奏することに向けることができます。

プロのマネージャーは効果的な対人関係スキルのルールやテクニックを習得した上で、大切な人達と効果的に関わり合っていくことができる人達です。目的はテクニックではなく、よりすぐれた人間関係です。

Season’s Greetings to you! 

幸せで、平和で楽しい休暇をお過ごしください!

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[ニュースレター] 2009年11月号

─2009年11月号─「誰が勝ち、誰が負けるのでしょう?」

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大辞書によれば、対立とは衝突、意見の不一致、論争、口論、けんか、激突、闘争や争い――特に長くなってしまった争いです。この言葉は何かただならぬ張りつめたものという意味合いがあります。そしてすべての人は自分たちの経験から、対立は人間関係においては不愉快で破壊的であり、それと同様にグループや組織においては非生産的でコストがかかることを知っています。しかしながら人間関係において対立は避けられないという結論からは逃れられません。その結果、いかにして対立を最小限にするか、防ぎようのない対立をどのように解決していくか、これらを発見するという2つの課題が残ります。

対立は人との関係において決して完全には避けられないのですが、とりわけリーダーが予防についての章で書かれているスキルや方法を使えば、いくつかは予防できる可能性はあります。この他にこれらに関連のあるスキルは本格的な権力闘争の状況に陥ってしまうのを防ぐのに役に立ちます。

リスニング スキル

グループのメンバーや仲間達が持っている彼ら自身の問題を解決するのを助けることができるリーダーは、予防の策を講じています。結局、チーム・メンバーの問題は仕事上、彼らの職務遂行に影響を及ぼすかもしれません。これらは明らかにそのうちにリーダーに問題をもたらし、リーダーとチーム・メンバーとの間で対立が生じる可能性があります。

ある日、あなたはグループ・メンバーの一人がいつになく不機嫌で何を言っても上の空に見えるような合図や手がかりを感じたと仮定します。この行動はどんな場合でもあなたには受け入れられないというわけではないですが、-すべての人は時々この状況に置かれますから―それにもかかわらずあなたは、もし、この状況が数日続けば、その際には1つの重要なプロジェクトを終えるためにこの人に頼っている、いう理由で彼女の仕事のパフォーマンスが低下することを心配します。確かに彼女に近づき『ホリー、今日はあなた、何か悩みがあるように見えるって私は気づいたのだけど、よかったら話してくれるかしら?今は聴く時間があるわ。』と助け舟を出すのは賢明でしょう。

しばしば、数分人の話を聴くだけで驚くべき効果が出ることもあります。彼女の感情は放出され問題解決が始まり、彼女はいくつかの解決策にさえ行きつくかもしれません。おまけに、あなたは彼女を気遣っていることを明らかに示しているということです。そしてもし問題が解決されれば、あなたのリスニングは予防の機能を果たしたことになります。その後に起こる、あなたにとって実際には受容できない出来事――例えば、プロジェクト遂行に失敗する――を予防したのです。

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[ニュースレター] 2009年10月号

─2009年10月号─「本当は苦手な人達とうまくやっていく方法」

L.E.T.修了者の方々へ

皆様は今月のニューズレターのタイトルについて少し奇妙に感じたかもしれません。それに加えておそらく興味を持ったのではないでしょうか。最近のL.E.T.ワークショップ開催中に一人の参加者がこの話題を持ち出していました。(本当によく話題にでていました)私はよく考えるのにとてもよい題材だと思い、これを選びました。

私と同様、あなたも今まで、もしくは今も、一緒に働くにはゾッとしてしまうような同僚がいるのではないかと思うのですが、いかがですか?あなたを怒らせるまでやりあう人、できれば避けたい人。でも、あなたの仕事をうまく遂行するにはその人と仕事をしなければならない。あなたは仕事を効果的に進める上でとてもハイレベルな専門的技術を持っているかもしれません。しかし、同僚とうまく関係を構築できないと――あなたが気に入らない人であっても――あなたの生産性、そしてあなたの会社の生産性はダメージを受けかねません。

それでは、どうやってあなたはこのような同僚と仕事上、効果的な関係を保っていけばよいかわかりますか?どうしたら彼らとの人間関係を確立し、維持し、さらには固い絆にするためにエネルギーと時間を費やしたい、なんてあなた自身は思えますか?

私の考えをご紹介します。

もし私たちに仕事が必要であるならば(必要でないという人がいるのでしょうか?)、それは同僚との人間関係を尊重し、維持していきたいということ意味しますよね。たとえ間接的にであっても。

私についていうと、まさに苦手な人に出会い、それでもその人と仕事をする必要があった場合、私の仕事を効果的にするには彼らに頼ることだと自分自身に言い聞かせることが役にたっています。そしてそれは、私も分かっていますが簡単なことではありません。でも、それ以外の方法は回避や怒り、欲求不満、不安、ストレスなどしかありません。私はこのように考えます。『オッケー、私はこの状況あるいはこの人があまり好きではないわ。でもゴードン・モデルのスキルを忠実に使えば、効果的に機能できるし仕事を達成させることができるわ』と。

実際、これらのスキルがより価値あるものとなるのはこのような時です。なぜなら率直で生産的、相手への尊重といったレベルで人と関わることができるツールだからです。

あなたのお考えはどうですか?

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[ニュースレター] 2009年9月号

─2009年9月号─「ゴードン博士の『ゴードン・モデル』について」

L.E.T.修了者の方々へ

今月のニューズレターの題材を探している時、偶然にこの記事に出会いました。これはゴードン博士によって書き表されたもので、職場でのゴードン・モデルの目的についての概要がよくわかります。―あなたはどう感じたか教えてください!

『人間的要素が最も大切であることをすでに認識し、組織でよい人間関係が保たれるのを受容しているリーダーにとって、このモデルは貴重なスキルと方法を提供することになるでしょう。

権力によって人々に破壊的な結果をもたらすのを避けたいのであれば、このプログラムの中には力によらない選択肢が数多くあることに気づくでしょう。

あなた自身がすべての意思決定をすることを止めたいのなら、意思決定をするチームの育て方を見つけ出すでしょう。

あなたがグループメンバーに良い影響を与えるのと同様に彼らもあなたに良い影響を及ぼすようなオープンで率直な互いのコミュニケーションを望むのなら、アクティブ・リスニングとI-メッセージのスキルを身につけることで達成できるでしょう。

最終ポイント:このプログラムでは決して行わないことが1つあります。それは特定の成果や結果をこのモデルから予想することです。ゴードン・モデルは方法論だけを教えています。

これらを使ってみると、あらゆる要素が影響し、違った結果がそれぞれの職場で達成されるでしょう。あらゆる要素とは、組織が行っていること、その中で働いている人々のタイプ、組織における経済的・財政的な限界などを指します。』

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