[ニュースレター] 2017年4月号

─2017年4月号─「あなたの脳は共感することができますか?」

Date: April 13th, 2017 | BY Marie Bryson
 
 共感が簡単だなどと誰も言ってはいません。
 少なくとも四半世紀の間、科学は共感のミステリーを解決しようと試みてきました。そして、感情的に「誰かの立場で1マイル歩く」能力は、私たちの脳が携わることができる、より複雑なオペレーションの一つであることがわかります。それは、あるリサーチャーたちが少なくとも部分的に信じている現象で、脳の中にあるホルモンや特別な神経細胞によってコントロールされているようです。私たちが好むと好まざるとに関わらず、どんな時でも共感的であるということは完全にはコントロールできないということを意味します。
 実は、Zero Degrees of Empathy: A New Theory of Human Crueltyの著者である英国のリサーチャーのSimon Baron-Cohenという人が、各人の共感の人間的なキャパシティは背の高さや目の色と同様に、先天的な特徴であると提案しました。彼の仮説によると、EQ (Emotional Quotient) テストによって測定される各人の共感度合いは、ベルカーブのように両極に連続した形をしています。連続したつながりは6つのセグメント、つまり共感の「度合い」に分割されます。あなたは、ゼロのスケール(共感が全くない)から6のスケール(他の人が傷ついているのを見ると実際に肉体的な痛み感じるほどの共感を持つ)のように、生まれつき共感が少ない状態で生まれたか、共感を多く持って生まれたかということです。
 Baron-Cohenの理論は確かに興味深いのですが、個々人の共感のキャパシティについて、もう一つの事実について必ずしも対処していません。それは、ある日、ある時間、ある状況によって一進一退する可能性があるということです。共感のベルカーブの真ん中に入るほとんどの人たちは、疲れている時、ストレスが強い時、働き過ぎの時、酔っている時には、共感の度合いを充分に上げることができません。
 これがどうして重要なのでしょうか?なぜならば、共感(あるいは共感の欠如)は信頼の基礎をなすからです。それが一緒に働くため、問題を解決するため、効果的に、そして建設的にコミュニケーションをするための出発点なのです。
 トーマス・ゴードン博士は「共感とは自分を他者の立場に置いて、その人の『個人的な意味の世界』を――彼らが現実をどのように見ているのか、どのように感じているのかを理解するキャパシティであり、アクティブ・リスニングがまさにこの機能を担います。」と言いました。しかし、共感が持てない時にアクティブ・リスニングを使おうと試みることには警告を発しています。「他の人の話を共感的に、そして正確に聞くことは、ものすごい注意が必要ですから、あなた自身が自分の思いに耽っていたり、何かについて心配していたりしているなら、集中して聞くことができないことに気づくでしょう。グループ・メンバーはいつも聞いてくれるリーダーを必要とはしていません。グループ・メンバーは、理解しよう、受容しよう、気遣おうと本当に感じることができる時に聞いてくれるリーダーが必要なのです。」

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

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[ニュースレター] 2009年6月号

─2009年6月号─「問題を消滅させる方法」

L.E.T.修了者の方々へ

今月の内容は『どうやってあなたの魔法の杖を作るか』ではなく、たくさん聴くためにはどうしたらよいかです。魔法のスキルであるアクティブ・リスニングについて私が話そうというのは想像がつくでしょう。

どうやって共感的に聴くことができるでしょう?私が提供できる一番良い答えは、動揺し、葛藤している人がその経験を完全に経験できるようにしてあげることです。完全に経験されたと経験はやがて消滅するというのがこの理論です。後に残るのはその経験の記憶だけです。この理論を説明するため、頭痛がしている時にする演習があります。

椅子にすわり目を閉じて深呼吸をしてリラックスしてください。
リラックスできたらあなたの頭の中を覗いてみて頭痛を『見つけて』ください 。
それからあなた自身、次のように自問してください。『どこに痛みが住み着いているのだろうか?それには形がある?どのくらい大きい?どんな色?どのくらいの水分を含んでいる?』
これらの質問を、頭痛を見つけることができなくなるまで繰り返してください。

これらの質問の目的は、私たちが自然に持っている頭痛に抵抗する感情とは全く正反対で、意識を頭痛に集中させることです。あなたが頭痛に集中すれば、あなたは無理やり痛みを経験することになり、故にその頭痛は『消滅』します。

アクティブ・リスニングはまさにこのようなことをなし得ます。あなたや相手が時々経験する動揺や痛みを『消滅』させるのに役立つのです。 

ですから、あなたが聴き役になった時、あなたの仕事は、(1) 注意を払う (2) ロードブロックを避ける (3) 救助は断る (4) 相手が言ったことや感じていることを感じ取り、あなたが理解したことをフィードバックする

例えば、相手は次のように言ったとしましょう。『私はコンピュータが怖い・・』 この時、彼が現実に話したいことは彼の妻に対してどれだけ怒っているかということかもしれません。人は動揺している内容について話し始める時、現実の問題を話しても大丈夫かどうか、まず安全な内容でテストをしてから核心に触れます。もし聴き手が相手を安心させようとするなら、例えば、気にしなくても大丈夫ですよ、何も怖がることはないですよ、コンピュータのクラスをとったらとアドバイスするなどを聴き手が言い始めたら、本当の問題は隠されたままで終わってしまうでしょう。

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[ニュースレター] 2012年4月号

─2012年4月号─「ゴードン・トレーニングの社長と副社長が『こんなことになった』のに、アクティブ・リスニングがどのように---またしても---2人の一日を救ったのか」

L.E.T.修了者の方々へ

忙しい副社長は会社の設立記念日のパーティに向けて忙しく働いていました。その時、社長が副社長のオフィスに慌ただしく入ってきて、「来月の設立記念パーティの進捗状況が必要なの!」と要求しました。
 
「少々お待ち下さい」と副社長が応対します。
 
「今すぐ必要なの」と社長は怒って声を荒げました。「あなたはいつものろいのよ!」
 
「少々お待ち下さい」と副社長は繰り返します。
 
「あなたはいつもそういうだけなのよ!」と言って社長はオフィスをバタバタと出て行きました。
 
30分後、副社長は半分仕上がった報告書を社長のオフィスに届けました。「設立記念パーティのスケジュールの暫定版をお持ちしました」
 
社長は電話中でした。副社長を一瞥するとオフィスから出て行くように手で合図します。
 
その一時間後、社長がまた副社長のオフィスに入ってきて、「設立記念パーティのスケジュールの暫定版を持っていたと思うのだけど、どこなの?」と言います。
 
何も言わずに副社長は眉をひそめて報告書を社長に手渡しました。
 
そこで副社長はL.E.T.スキルを思い出しました。社長が更に詳細を求めて戻ってきたら、怒って対応するのではなく、アクティブ・リスニングを使ってみようと決心しました。
 
終業時刻寸前に、社長が副社長のオフィスに慌ただしく入ってきました。副社長は四半期の営業報告書のプレゼン・スライドを作成中で、帰宅する前までに仕上げようと急いでいました。
 
「パーティ出張サービス(ケータリング)がどうしてこんなに高いのか理解できないわ」と社長が叫びました。「去年のたった半分の額ですよ」と副社長は返答したのですが、今一度立ち止まってアクティブ・リスニングの応答を試みました。「社長は報告書の作成に時間がかかったことに憤りを感じていて、今年ケータリングの費用がもっとかかることに腹を立てているのですね。この2つは異なる問題ですから、1つずつ見てみましょう。どちらがより重要ですか?」
 
「もちろん費用よ!」社長はまだ怒っていましたが、既に平静を取り戻しかけているようでした。
 
「去年のケータリングは美味しくなかったので、今年は社長から去年より質のよいケータリングを見つけてくるよう仰せつかりました。このケータリングは街でも最高のケータリングですが、最も高いところです。メニューを変更するかケータリングを変更することもできます」
 
冷静になった社長は少し考えて言いました。「メニューを変更してちょうだい。シンプルでしかもヘルシーなメニューに変えてちょうだい」
 
「それは可能です。さて、報告書に時間がかかった理由は、ケータリング・サービスの何社かに電話をしていて、返事が出そろうのに時間がかかったからです。街で随一のこのケータリングの返答が一番長くかかっていました。このケータリングが一番フレキシブルでしたし、私がまず一番高いメニューを提案して、そこから値段を下げて行きながらもエレガントなディナーをキープすることを勧めてくれました。
 
「まあ…それは本当にいい提案だわね。去年の費用とこの見積もりの間の価格を選んで、そこから最善のバリューのものをネゴしてみて」
 
「はい、やってみます」
 
社長は自分のオフィスに戻り、副社長はケータリングに電話をかけました。

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[ニュースレター] 2015年5月号

─2015年5月号─「世間は良く言います: 1オンスの予防は1ポンドの治療に匹敵する」

Date: May 12th, 2015
Blog post by: Linda Adams
 
 対立を防ぎたい人は挙手して下さい!たくさんの手が挙がりましたね。まさにそれをするのを助けてくれるツールがこれです!私たちのワークショップでは、I-メッセージをいつ、どのように送るかを教えています。対決的I-メッセージの概念は、トーマス・ゴードン博士によって開発されました。リンダ・アダムズ氏が、追加説明をしており、とても役に立ちますので、是非読み進めて下さい!
 
 予防的I-メッセージは人間関係における問題や対立を予防する一つの方法です。
 
 予防的I-メッセージによって、あなたのニーズと欲求を相手に知ってもらうことができます。
 
 予防的I-メッセージの背後にある理論は、あなたが何を欲しているのか、明確なイメージがあれば、相手はあなたのニーズを満たす手伝いをしやすくなります。
 
 予防的I-メッセージは、他のI-メッセージ同様、率直、明確で自己一致しています。
 
 予防的な表明を送る3つの主要なステップは以下の通りです:
 
1.      あなたが何を欲しているのか、あるいは必要としているのか、そしてそれは何故なのかを知らなければなりません。そして、あなたのニーズを満たす可能性のある解決策に辿り着かなければなりません。
2.      あなたは自分のニーズを満たす個人的な責任を負います。
3.      あなたは自分のニーズを満たすために行動します。あなたが必要としている協力をしてくれる相手の人たち(人)に、あなたは表明します。
 

 予防的I-メッセージは2つの要素を含んでいます(3つの要素――行動、感情、影響を含む対決的I-メッセージとは異なり)。
 
1.      主張(アサーション)――あなたが何を欲しているのか、何を必要としているかの表明、そして
2.      理由――あなたのニーズの理由
 
予防的I-メッセージは、以下の場合に送ることができます。
a.     他の人が以前、あなたのニーズを満たすのをブロックした
b.     相手の人が以前、あなたがこのニーズを満たすのを促してくれた
c.     あなたのニーズに関して、その人と何らやりとりした経験がない
 
事例: あなたは絵を描くのが好きだとします。最近、あなたは絵を描くことに時間を費やしたいと思っています。あなたは、週中は仕事をしているので、時間に余裕があるのは週末だけです。静かで、妨げられることのない絵画の時間を持つことがあなたにとっては重要です。
 
あなたの自己開示:「今週、自分のための時間が欲しいです...」
 
あなたの理由:「...何故なら、今製作中の絵を終わらせたいのです。」
 
他のケースで、あなたはもっと情報を提供したい、相手にもっと自分のニーズについて話したいと思うかも知れません。
 
事例: 「体重を減らしたいので、私はエクササイズ・プログラムを始めたいと思います。」
 
いかがでしょうか?

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[ニュースレター] 2018年4月号

─2018年4月号─「注意を払う行動と沈黙を組み合わせる」

Date: April 17th, 2018 | BY Brian K. Miller
 
私は同じ考えを繰り返し考える傾向があります。わかっています。私が同じ考えに戻ってしまうのには理由があります。今日の職場で起こるほとんど全ての問題(セクハラ、パワハラ、締切りを守れない、従業員の欠勤、士気の欠如等々)は同じ場所から派生しています。人々は感謝されていると感じておらず、自分の意見を自由に言えないと感じています。今日の職場での重大な問題は、誰も人の話を聞いていないということです。ほとんど権力のない(あるいは絶大な権力を持つ)人は全て、問題解決したり命令を下したりするのに忙し過ぎて、部下の話に耳を傾ける時間がありません。
リーダーが開発できる最も重要なスキルは自分の部下の心配事に誠実に耳を傾ける方法を習得することです。自分たちの意見がリーダーにとって重要であると感じるとき、人々は日常の問題解決に対して自由に、より創造的になることができます。最後には、日常の問題を解決することが、ビジネスを軌道に乗せるためのたった一つの課題です。
ですから、もう一度、時間を作って基本的なリスニング・スキルを復習してみましょう。ゴードン・モデルは4つの基本的なリスニング・スキルを定義しています。
 
1. 注意を払う行動
2. 沈黙
3. ドア・オープナー
4. 簡単受容
 
今日は、2つのスキルにフォーカスしたいと思います。注意を払う行動と沈黙です。
 
1. 注意を払う行動
 
職場と家庭での人間関係における苛立ちの最も大きな原因の一つは、携帯電話です。会話の最中、あるいは時として会議をしている最中にすら鳴り、相手は突然話を中断してテキスト・メッセージに返信します。インスタント・コミュニケーションは今日の世界では最もパワフルなビジネス・ツールですが、場合によっては人間関係にダメージを与えうるツールでもあります。頭のいいリーダーであれば、オフィスに着いたらすぐに私用の携帯電話は電源を切り、机の引き出しに入れ、一日の仕事が終わるまでそこにしまっておくでしょう。2番目に効果的な戦略は、「サイレントモード」にしておくことで、携帯電話が鳴ったり振動したりすることがありません。そして日中、携帯電話のメッセージをチェックし、返信する時間を確保しておきます。最も非効果的な方法は、私用の携帯電話をノーマルモードのままポケットの中に入れて、携帯電話が鳴っても無視することです。私用の携帯電話なら、ほとんどの場合は仕事が終わるまでに1~2回も確認すれば事足りるでしょうから、できることなら最低でも「サイレントモード」にしておくのがベターでしょう。
話が若干逸れてしまいましたが、ここで言いたいのは、会話の最中に携帯電話が鳴り、それによって会話が中断されてしまうと、聴き手側の話し手に対する注意力が疎かになるだけでなく、相手に不快感を与えるということです。仮に「マナーモード」だったとしても、ポケットの中で突然バイブレーションが鳴れば、聴き手側の話し手に対する注意力は疎かになる恐れがあります。ちょっとした変化でも、敏感に感じ取る人はいるものです。ですから、相手の話を聞くときは常に、相手に対して注意を払うための最低限の気遣いが必要なのです。
 
2. 沈黙
 
人間は非常に奇妙な動物です。私たちは話をするのが好きです。私たちの中には話を止めない人もいます。しかしながら、私たちも人の話を聞かない限り、結局お互いの話を遮り、全く何も伝えることができないで終わってしまいます。私たちは話すのが好きですから、最も効果的な基本的リスニング・スキルの一つは、単純に全く何も言わないということです。電話を置き、話し手の目を見て、注意を払い、そして相手が力尽きるか解決策に到達するまで長々と話をさせてあげます。私がしたことは、相手が話し終えるまで静かに座っていただけですが、相手が何度「ありがとう!君のおかげで助かったよ!」と言ってくれたか数え切れません。
注意を払う行動と沈黙を組み合わせることで、驚きの結果を成し遂げることができます。あなたがしていることを止めて、相手の目を見て、話をさせてあげれば、驚くほど多くの問題が簡単に自然と解決されます。もちろん、これだけで全ての問題を解決できるわけではありませんが、この単純なリスニング・スキルだけで職場で起こりうる小さな日常の問題の多くを解決することができます。もっと重要なことは、部下が自分たちの会社への貢献が重要であり、自分たちの意見が本当に大切にされていると感じるようになることです。
 
今回は4つの基本的なリスニング・スキルから2つを取り上げましたが、この2つのスキルだけでも、相手に対する印象は大きく変わります。注意を向けて話を聞いてくれているという実感が、相手の自分に対する見方に影響し、より話しやすい環境を形成してくれるのです。より踏み込んだ問題解決への足掛かりとして、今一度、ぜひ活用してみてください。今まで何も話してくれなかった人が、ひょっとしたら、突然話をしてくれるようになるかもしれません。
 
注意を払う行動と沈黙を組み合わせる  
Date: April 17th, 2018 | BY Brian K. Miller
 
私は同じ考えを繰り返し考える傾向があります。わかっています。私が同じ考えに戻ってしまうのには理由があります。今日の職場で起こるほとんど全ての問題(セクハラ、パワハラ、締切りを守れない、従業員の欠勤、士気の欠如等々)は同じ場所から派生しています。人々は感謝されていると感じておらず、自分の意見を自由に言えないと感じています。今日の職場での重大な問題は、誰も人の話を聞いていないということです。ほとんど権力のない(あるいは絶大な権力を持つ)人は全て、問題解決したり命令を下したりするのに忙し過ぎて、部下の話に耳を傾ける時間がありません。
リーダーが開発できる最も重要なスキルは自分の部下の心配事に誠実に耳を傾ける方法を習得することです。自分たちの意見がリーダーにとって重要であると感じるとき、人々は日常の問題解決に対して自由に、より創造的になることができます。最後には、日常の問題を解決することが、ビジネスを軌道に乗せるためのたった一つの課題です。
ですから、もう一度、時間を作って基本的なリスニング・スキルを復習してみましょう。ゴードン・モデルは4つの基本的なリスニング・スキルを定義しています。
 
1. 注意を払う行動
2. 沈黙
3. ドア・オープナー
4. 簡単受容
 
今日は、2つのスキルにフォーカスしたいと思います。注意を払う行動と沈黙です。
 
1. 注意を払う行動
 
職場と家庭での人間関係における苛立ちの最も大きな原因の一つは、携帯電話です。会話の最中、あるいは時として会議をしている最中にすら鳴り、相手は突然話を中断してテキスト・メッセージに返信します。インスタント・コミュニケーションは今日の世界では最もパワフルなビジネス・ツールですが、場合によっては人間関係にダメージを与えうるツールでもあります。頭のいいリーダーであれば、オフィスに着いたらすぐに私用の携帯電話は電源を切り、机の引き出しに入れ、一日の仕事が終わるまでそこにしまっておくでしょう。2番目に効果的な戦略は、「サイレントモード」にしておくことで、携帯電話が鳴ったり振動したりすることがありません。そして日中、携帯電話のメッセージをチェックし、返信する時間を確保しておきます。最も非効果的な方法は、私用の携帯電話をノーマルモードのままポケットの中に入れて、携帯電話が鳴っても無視することです。私用の携帯電話なら、ほとんどの場合は仕事が終わるまでに1~2回も確認すれば事足りるでしょうから、できることなら最低でも「サイレントモード」にしておくのがベターでしょう。
話が若干逸れてしまいましたが、ここで言いたいのは、会話の最中に携帯電話が鳴り、それによって会話が中断されてしまうと、聴き手側の話し手に対する注意力が疎かになるだけでなく、相手に不快感を与えるということです。仮に「マナーモード」だったとしても、ポケットの中で突然バイブレーションが鳴れば、聴き手側の話し手に対する注意力は疎かになる恐れがあります。ちょっとした変化でも、敏感に感じ取る人はいるものです。ですから、相手の話を聞くときは常に、相手に対して注意を払うための最低限の気遣いが必要なのです。
 
2. 沈黙
 
人間は非常に奇妙な動物です。私たちは話をするのが好きです。私たちの中には話を止めない人もいます。しかしながら、私たちも人の話を聞かない限り、結局お互いの話を遮り、全く何も伝えることができないで終わってしまいます。私たちは話すのが好きですから、最も効果的な基本的リスニング・スキルの一つは、単純に全く何も言わないということです。電話を置き、話し手の目を見て、注意を払い、そして相手が力尽きるか解決策に到達するまで長々と話をさせてあげます。私がしたことは、相手が話し終えるまで静かに座っていただけですが、相手が何度「ありがとう!君のおかげで助かったよ!」と言ってくれたか数え切れません。
注意を払う行動と沈黙を組み合わせることで、驚きの結果を成し遂げることができます。あなたがしていることを止めて、相手の目を見て、話をさせてあげれば、驚くほど多くの問題が簡単に自然と解決されます。もちろん、これだけで全ての問題を解決できるわけではありませんが、この単純なリスニング・スキルだけで職場で起こりうる小さな日常の問題の多くを解決することができます。もっと重要なことは、部下が自分たちの会社への貢献が重要であり、自分たちの意見が本当に大切にされていると感じるようになることです。
 
今回は4つの基本的なリスニング・スキルから2つを取り上げましたが、この2つのスキルだけでも、相手に対する印象は大きく変わります。注意を向けて話を聞いてくれているという実感が、相手の自分に対する見方に影響し、より話しやすい環境を形成してくれるのです。より踏み込んだ問題解決への足掛かりとして、今一度、ぜひ活用してみてください。今まで何も話してくれなかった人が、ひょっとしたら、突然話をしてくれるようになるかもしれません。

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[ニュースレター] 2010年7月号

─2010年7月号─「ゴードン・モデルはどうやってモノマネ鳥を助けたか」

L.E.T. 修了者の皆さま

今月の修了者コネクションのタイトルは『本当は好きではない人たちにどうやって感謝するか』、『一体全体わたしは何を言っているの?』とも表現できます。タイトルの意味がクリアになるような話が以下に続きます。

約1年半前、モッキングバード(モノマネ鳥)が家のとても大きな木に住みつきました。そのモノマネ鳥のせいで、私は本当に頭がおかしくなりそうでした。その鳥はほとんど毎日メドレーで一日中さえずり続けました。時には夜中の2時・3時まで(私は頭がおかしくなりそうだって言いましたっけ??)。私は窓を閉め、扇風機をつけても尚モノマネ鳥は聞こえてきました。以前はユニークだと思っていたこの鳥を、私は嫌いになりました。傷つける気は毛頭ありませんが、私はホースの水を鳥めがけて噴射させました。飛んで行けと叫ぶだけでは全く効き目がありませんでしたから。どうして私なの?私の庭なの?どうして静かにしないの?

そして、私はこのいまいましい鳥が一体何なのかをオンラインで調べてみることにしました。モッキングバードについて多くのことを学びました。交配行動(求愛時の鳴き声!)、そのパターン、食事などなど。それでもその鳥はうっとうしいモッキングバードだと思うでしょう?え~っと、その鳥のメドレーが求愛の鳴き声で、一番高い位置に陣取ってその歌声で最も相応しい相手を探しているということを知って、その鳥もただ単に生き延びようとしているのだと気付いたのです。この世の中でできることを彼なりにやっている。それでピカッと閃いたのです。その鳥に対する新たな感謝の気持ち。

あなたをイライラさせる人で、どこかへ行ってしまえと思うような人は周りにいますか?もちろんいますよね。そんな人たちに近寄って行って話しかけ、彼らの言い分は何なのかを知ることで少しでも彼らを好きになれるでしょうか?多分、彼らはあなたの政治的見解に同意しないでしょう。彼らは異なる人種で、あなたが安心できない、あるいはあなたは全く知らないのかも知れません。彼らはホモセクシュアルだからあなたを神経質にさせるのかも知れませんし、彼らの宗教があなたの信じるものと全く正反対かも知れません。あるいは、全く信仰のない人かも知れません。これらは大きな問題で、私たちを分裂させたり結びつけたりします。

そうですね、『鳥に感謝する』から『対極に位置する人たちと上手くやる』へとちょっと飛躍しすぎました。でも、この鳥がきっかけで、人についてまた彼らとの違い、またゴードン・モデルがどのように尊敬の念、誠実さ、感謝の意をもって互いに関わっていくのを助けてくれるかについて考えさせてくれました。例え彼らが私たちをイライラさせるとしても。

相手の人に宣言的I-メッセージを送って、こんなようなことを言えると思います。『あなたについて、あなたがどんな人なのかもっと知りたいです。』そのI-メッセージに多分ポジティブな応答をするでしょうから、私はアクティブ・リスニングを使います。(これはもちろん行動の窓の問題のないエリアで行われるものです)あなたのゴードン・モデルのスキルは今まで関わったことのないような人とも人間関係を構築できるように助けてくれます。現代、私たちはE-メールやツイッタ―やiフォンなどで、益々は関係性を断ち切っているようです。プラグを抜いてあなたが避けてきたその人に耳を傾けてみては?思考の糧になるといいです。

これが私の話で、私もそれに忠実にやってみます。もしよければ、やってみてください。あなたのフィードバックを楽しみにしています:)

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[ニュースレター] 2013年3月号

─2013年3月号─「ゴードン博士の追記」

L.E.T. 修了者の皆さま、
 
私たちは人生の初期にリーダーというものに出会います。まず、私たちの両親、そして、学校の先生やコーチです。大学では、教授やメンターがいます。最後に私たちの職場では多くの上司が私たちの時間や仕事の質について要求をしてきます。私たちはこのようなリーダーの中の幾人かとは楽しく仕事をすることができます。よいリーダーとは上手くいきますし、より生産的に質のよい仕事をしたいと自分自身思うでしょう。あまりよいリーダーでなければ、毎日私たちに大きな負担を強います。モチベーションは下がり、結果的に私たちの仕事の質や量が急激に低下します。知らないうちに私たちは徒党を組んで、私たちの日常生活をひどいものにしたのと同じくらいの仕返しをしてやろうと考えます。
 
トーマス・ゴードン博士は人生において同様の問題に直面し、最終的に自分がリーダーシップのポジションに就くことになった訳です。リーダーとしてゴードン博士が最初に学んだことは、上からの見方は全く異なるということです。彼は自分では達成できそうもないある目標に心を奪われていました。この目標を達成するには団結した効果的なチームが必要です。しかし、チーム・メンバーの幾人かは、チームに与えられた目標や目的に感銘を受けはしませんでした。時間やエネルギーを使ってまでその目標を達成したいとは思いません。その結果、チーム全体としての有効性は消滅しました。
 
チーム・メンバーであることとチーム・リーダーであることの二つの見方はゴードン博士をとても悩ませました。リーダーシップについて、それが意味するところ、それがどのようにワークするか、それがどうして重要かについて分析的になりました。そして1949年にグループ開発のナショナル・トレーニング・ラボラトリーのメンバーになりました。この組織のメンバーシップは、ゴードン博士のエネルギーの全てをリーダーシップ・スキルを教えるプログラムの開発にフォーカスさせるきっかけとなりました。最初の成果は1955年に出版された『グループ中心のリーダーシップ:グループの創造的可能性を放出する方法』でした。
 
この本は同僚や仲間にはあまり受け入れられませんでした。リーダーシップの革新的なシステムでは、リーダーは権力を使いません。その代わり、リーダーはグループを意思決定に関与させます。グループはリーダーだけでなく全てのメンバーのニーズを満たすために存在していることを強調します。リーダーは自分の直感を頼るのではなく、『グループの智恵』を信頼します。ゴードン博士はメンバー同士のステータスの違いを最小限にして、ほとんどの場合、アメとムチは効果的でないモチベーターであることを提唱しました。伝統的な権力に基づくリーダーシップではなく、ゴードン博士はリーダーがプロフェッショナル・カウンセラーである必要性を説きました。
 
近年、もちろんこのようなアイデアは広く一般的に受け入れられています。Leader Effectiveness Trainingを広めるゴードン博士のライフ・ワークのお陰で、現在世界で存在するマネジメント・コースはゴードン博士が1955年に執筆し、顧みられなかった著書の中に紹介されているリーダーシップの特徴をとりいれています。効果的で利益をあげている世界中の組織ではグローバル市場で競争力を保つためにゴードン・モデルをとりいれています。

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[ニュースレター] 2016年6月号

─2016年6月号─「権力を持たない人から権力に対する力強い言葉」

Date: June 7th, 2016
By: Dr. Thomas Gordon, Three-time Nobel Peace Prize Nominee and founder of Gordon Training
 
私は幾度となく、権力の源泉について聞かれます。それはどこから来るのかと。その質問をしてくる人は、まだ知られていない、あるいは隠された権力の源泉があることを期待しているのです。その権力の源泉により、今まで負けていた喧嘩に勝ち始めることを期待しているのです。しかし、権力の秘密の源泉という考えは、スペインの探検家ポンセ・デ・レオンの若さの源泉の考え方に似ています。それは、存在しないということです。

ですから、私はそういう人たちにこう言います。権力はアメとムチを与える力から来ていると。言い換えると、権力は痛みや快感を創る能力です。権力を使用する人はアメとムチを操って、欲しいものを手に入れています。痛みが十分大きければ、あるいは報酬が期待に十分沿っていれば、順守してもらえます。

しかしながら、順守するには代償を払うことになります。受け手の人はただ単に順守する訳ではありません。個人の完全性を維持するために、やりたくないことをすることに対処する方法をとります。このような行動はコーピング・メカニズムと呼び、3つのカテゴリーに分類されます。反撃、逃走、服従。反撃する人は反撃したり、拒否したり、挑発したり、五分五分に戻そうとしたりします。コーピング・スタイルが逃走という人は、物理的にも感情的にも逃げようとします。彼らは引きこもり、逃げ去り、白日夢を見たり、空想したり、飲酒や薬物に走ったり、病気になったりします。服従する人は、しばしば最も求められる子供、学生、従業員等ですが、最も不健康な人たちかも知れません。特に命令が重要なニーズと対立する時に従順で、「権力者を尊敬し」、命令に従います。それが、子供の頃から一般的に学習され多くの人が人生で実践しているメカニズムです。

しかしながら、服従はアサーティブネス、独立心、十分に機能する一般的能力にダメージを与える影響があります。次のように考えてください。服従することで対処する人は、消極的で、自分から始めることはなく、依存する傾向があります。ですから、あまり良い従業員ではなく、人間関係においても一緒に仕事するのが難しいものです。外見的には親切で素直ですが、内面では怒っていて敵対的である傾向があります。

あなたのコーピング・スタイルを知るために、権力のリコール演習をすることをお勧めします。それは私の組織で、何千もの受講者とのワークショップでインストラクターが使った演習です。紙を一枚使って、そこに4つの縦のコラムを作ります。左のコラムの一番上に「私がやらされたこと」と書きます。次のコラムには、「誰がそれを私にさせたか」を書きます。3つ目のコラムの上には「私は何をした(例えば、従った?)」を書きます。そして最後に4つ目のコラムに「私はどのように感じ、そして何をしたか」を書きます。

さて、あなたが小学生だったころを思い起こしてください。誰かがあなたがしたくないことをさせます。それは誰ですか?あなたは何をしましたか?あなたがしたことに関してどう感じ、そしてあなたは何をしましたか?

あなたが年をとった時についても、このプロセスを繰り返します。例えば、高校時代、そしてつい最近。

人が発見することは、権力の使用は単純に問題の性質を変えるだけです。例えば、私たちのワークショップ(Teacher Effectiveness Training)では、フロリダから来た高校の校長先生が、小学5年生のクラスルームの外に座らされているところを思い出しています。なぜなら、彼は「静かにする時間」の時に、教室で紙飛行機を飛ばしたからです。彼は恥ずかしい思いをして、腹を立てていました。結果、駐車場まで抜け出して行き、一人の先生の車のタイヤの空気を抜いてやりました。この場合、クラスの邪魔をするから器物破損へと発展しました。

このようなことは、あなたにも当てはまりますか?あなたは何とかして対処しましたか?何千人もの人たちがこの演習をして、ほとんど似たようなリストを作りました。あなたの演習結果もこのリストにあるかどうか見てみてください。
 
• 反抗する、背く
• 報復する、逆襲する、言い争う
• 嘘をつく、真実を隠す
• 怒る、癇癪を起す
• ルールを破る
• 他者を非難する、告げ口をする
• 顎で使う、やり返す
• 他者と団結する、組織化する
• ご機嫌を取る、承認を求める
• 引きこもる、空想する
• 逃げる、課題や仕事を辞める
• 諦める、敗北する
• 無視する、黙殺する
• 競争する、勝つ必要がある
• 希望がないように感じる、落ち込んでいる、泣いている
• 恐れる、臆病になる、恥ずかしがる
• 病気になる
• 過食の後、下剤で胃の中を空っぽにする、あるいはダイエットをする
• 服従する、順応する、命令に従う
• 飲酒する、薬物を使う
• 欺く、盗作する
 
強制力への応答としてこれらのコーピング・メカニズムを使うことは、予測可能で回避できません。しかし、この観点から観ると、権力を使うことは避けるべきです。なぜなら、それによって人間関係が破壊されるからです。

プログラムに関するご質問など、お気軽にお問い合わせください。

セカンド・ウィンド株式会社

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2-8-10-601 エスタシオン高円寺

[ニュースレター] 2019年3月号

─2019年3月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.11」

Date: March 16, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
問題解決
 
 リーダーが問題解決のファシリテーター(問題が解決されるのを見る)としてのスキルを学べば、リーダーが自分一人ですべての問題を解決しようとするよりも、仕事が実際にとてもやりやすくなります。すべての問題解決を自分一人でするには、リーダーは全ての答えを持ち、全知で、超人的な知力を備え、尽きることのない知識や経験の宝庫でなくてはなりません。繰り返し強調しますが、効果的なリーダーはどうしたらメンバーが自ら問題を解決し始め、問題解決できるチームを作り上げることができるか、グループ・メンバーの創造的なリソースをいつ、どのように求めるか、メンバーとリーダーとの間に距離を置かないような人間関係をどのように構築するかを学ぶ必要があります。全知になるという目標とは異なり、これらの目標は達成可能です。

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[ニュースレター] 2008年11月号

─2008年11月号─「チームメンバーの強みを引き出す」

L.E.T.ワークショップ修了者の方へ

私たちが今までに扱ってきたコミュニケーションと対立解決法のスキルの目的は、今まで取り組まれずに未解決になっている人間関係の問題に効果的に対処するためです。この人間関係の問題はエネルギーやモチベーションを低下させ、そして低い生産性に行きついてしまう可能性があります。協力や参加、調和、共感の風土の創造はチームメンバーの溢れんばかりの創造的な能力を発達させるのに役立ちます。そのような風土は必要ですが、それだけでは充分ではありません。

行動の窓の問題のないエリアは生産的な時間を表しています。それはあなたとあなたの周りの人達が効果的に関わり合い、人間関係の問題がない時間です。この時は効果的なコーチングに最適です。このワークショップの目標はあなたの生産的な仕事時間を増やす支援となることです。言いかえれば、問題のないエリアを拡大し、このエリアであなたの人間関係をできる限り維持することです。そうすればチームメンバーに効果的なフィードバックを与えたり、複雑な問題に取り組んだり、目標達成の見込みや課題を討議したりする機会がもっと増えます。チームメンバーのニーズと目標を組織のそれと近づくようにします。そしてこのワークショップで習得したスキル――アクティブ・リスニング、I-メッセージ、6つのステップ―、まさにこのスキルを使うことでこれが可能になるのです。

これはあなたのチームメンバーと深い討論をするのに最適な時間です。あなたが共感を表し判断することなく彼らの話に深く耳を傾けることで、彼らは自分自身がかけがえのない存在であることや彼ら独自の才能や能力、彼らの目標や価値観に自ずと気づくように支援できます。

そして同様に重要なのはあなたのニーズや計画、将来の夢や目標についても明確になり、矛盾がなくなります。あなたの誠実さ、率直で正直なコミュニケーションによってチームメンバーにあなたのことをよりわかってもらうことができます。彼らに対して快く率直な態度でいることは、あなたに対しても彼らが同じようにするように仕向け、励ますことになるでしょう。このような相互の自己開示は信頼と人間関係の強い絆を築き上げます。

6つのステップを使うことで、あなたはチームメンバーと共に組織のニーズと提携した現実的で適切な目標を設定することができ、その目標に達するための計画の元で共に働くことができるでしょう。

すてきな感謝祭でありますように!! 

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