[ニュースレター] 2012年5月号

─2012年5月号─「価値観が衝突した時にコンサルタントとして『振舞う』方法」

L.E.T.修了者の方々へ

コンサルタントとして振舞うというのは、ある特別な状況下でアドバイスを与えることを意味します。価値観の衝突は、『行動の窓』の一番下のエリアにある受け入れられない行動が関わっており、アドバイスは通常ロードブロックです。以下の『コンサルタント』の条件は慎重に守られなければなりません。
 
これらの条件はどの分野においても成功しているプロのコンサルタントが守っているのと同じルールです。
 
成功しているコンサルタントの特徴は以下の通りです。
 
・ コンサルタントはクライエントに採用されなければなりません。リーダーはコンサルティングする前に相手から『採用され』なければなりません。コンサルタントは自分の専門知識を相手に売らなければなりません。そして相手はコンサルタントの話に耳を傾けることに同意していなければなりません。
・ コンサルタントはその分野で専門家でなければ信じてもらえません。リーダーは事実を理解し、説得力を持って相手にプレゼンし、相手が自分の現在の価値観が好ましくないことを受容しようと真剣に考えてくれなければなりません。
・ コンサルタントはクライエントに変わるかどうかを決定する責任を持たせます。それは、クライエントがコンサルタントのアイデアを『受け入れるか』どうかということです。
・ これが意味することは、リーダーは自分の言い分を一度だけ述べるに留めます――もし相手が変わらないならば何度も何度もアドバイスを繰り返すことはしません。プロのコンサルタントはクライエントが自分の提案を受け入れないとしても、クライエントを何度も訪問して困らせたり文句を言ったりしません。そうでないと、コンサルタントとしてクビになってしまいます。文句を言うリーダーも同様です。
・ しかし、相手があなたのアイデアを受け入れようとしなくても、覚えておくべき有益なことが2つあります。クライエントはあなたのコンサルティング内容をしばらく考えてくれるかもしれませんし、その後行動を変えてくれるかも知れません――そんなことはわかりません。
そして、あなたはあなたのすべき仕事をしたということです。相手は注意を受けずに間違った方向に進むということはないでしょう。そして、あなたは文句を言って人間関係に傷をつけることもしていません。

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[ニュースレター] 2015年6月号

─2015年6月号─「リーダーとグループ・メンバー全員との間で対立があったらどうすべきか」

Date: June 8th, 2015
Blog post by:  Michelle Adams, excerpted from the L.E.T. book by Dr. Thomas Gordon
 
 フランスで最近行ったL.E.T.ワークショップで、プロジェクト・リーダーとプロジェクト・コーディネーター全員との間の対立を扱ったあるケース・スタディが表面化しました。重複したワークフローを排除することで最大限の生産性を担保することを目指して、プロジェクト・リーダーはプロジェクト・コーディネーター各人にそれぞれの進捗状況を発表してもらう週一回の長時間にわたる会議を開いていました。プロジェクト・コーディネーターが大勢いるため、各人のプレゼンテーションが短くても会議自体は長時間かかりました。

 ほとんど会議に出なかったり、毎週の会議に遅刻してきたり、会議中にそわそわしていたり、頻繁に時計を気にしていたり、一般的に他の人のプレゼンテーションを無視していたりしたプロジェクト・コーディネーターとプロジェクト・リーダーは個別のミーティングを開きました。このプロジェクト・コーディネーターにアクティブ・リスニングすることで、彼がこの毎週の会議に参加することで生産性が失われていると感じていることを知りました。何故なら、プロジェクト・コーディネーターの報告を聞くことでほとんどの時間をとられていたものの、彼らのチームの課題は彼自身とは何の関係もなかったからです。
 
 次の週の会議で、プロジェクト・リーダーは、他のプロジェクト・コーディネーターたちに、どのような価値を会議で見出すことができたかを話し合うように言いました。圧倒的な反対に遭って、プロジェクト・リーダーは毎週の会議をする必要性をなくす方法をブレーンストーミングするように言いました。ブレーンストーミングを始める前に、プロジェクト・リーダーは皆に、彼女が唯一意図するところは、既存のワークフローを重複させないことであると伝えました。何故なら、ワークフローが重複すると、生産過程で時間を更に無駄にすることになるからです。
 
 多くのアイデアが出されました。プロジェクト・リーダーは批判も議論もせず、出されたアイデアを一つずつ全てホワイトボードに書き出しました。プロジェクト・コーディネーター全員が少なくとも一つアイデアを出し終えた時、リストに載った各アイデアの強みと弱みを話し合うようにグループを促しました。自分のアドバイスや批判を差し挟まずにディスカッションをコントロールするようにプロジェクト・コーディネーターに言い、ミーティングはすぐに解決策に至りました。プロジェクト・コーディネーターたちは、最もワークする解決策は、毎週15行以下の短いE-メールを各人がグループ全員に送るというものでした。各プロジェクト・コーディネーターはE-メールをレビューし、他のプロジェクト・コーディネーターが自分のチームの仕事を重複してやっていないかをチェックします。月一回、プロジェクト・コーディネーターは集まってプロジェクト・リーダーと会議をし、コミュニケーション・フローが計画通りに上手く行っていることを確認し、2つのチームが同じ問題の解決に着手していないかをダブル・チェックします。
 
 最も問題になっているプロジェクト・コーディネーターにまずアクティブ・リスニングをし、そして次にプロジェクト・コーディネーターの全グループに対してアクティブ・リスニングします。そして彼らにメソッドⅢを一つひとつ説明し、士気とイニシアティブを失ってしまう可能性を素早く解決します。プロジェクト・コーディネーターにブレーンストーミングと解決策選択のステップのフローをコントロールさせます。そうすることで、早く効果的に選択された解決策を確実に実行してもらうことができます。

 これは、グループの個々人の目標がグループ全体の集合的目標と対立しているような状況で応用できる、ほぼ完璧な事例です。 

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[ニュースレター] 2018年5月号

─2018年5月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.1」

Date: May 9th, 2018 | BY Dr. Thomas Gordon   
 
(L.E.T. bookからの引用)
 
一般的なリーダーシップ
Page 2: 
もしも、リーダーであることがこのように不快な経験を伴うのであれば、それはほとんどの場合、リーダー自身の非効果性に原因があります。そして、リーダーとして効果的であることに特化した研修などを受ける機会がほとんどないことを考慮すると、いかにリーダーであることが、多くの場合に難しく、消耗し、失望してしまうものであるかは理解できます。
Page 8:
権力を使うことなくどのように人々に影響を与えるかがリーダーとしての効果を高める鍵となります。
 
Pages 17 – 18:
リーダーとは何か?
「リーダーは育てられるものではなく、生まれつくもの。」社会科学者がわずか60年~70年前に徹底的な調査の本格的な主題にし始めるまでは、ほとんどの人がそう考えていました。その昔、リーダーとなる人があまりにも頻繁に恵まれた同一の家系から出現していたことから、ほとんどの人がリーダーシップは受け継がれるものだと考え、社会的に根強い階級差別があったことから、誰でもがリーダーになれるわけではありませんでした。階級差別が撤廃され、リーダーが社会のあらゆる階層から出てくるのが明らかになると、リーダーシップは優秀な遺伝子を持って生まれたり立派な家庭から生まれたりするよりも、もっと複雑なものであるということが常識になりました。
遺伝子の適切な組み合わせでリーダーが生まれるわけではないとすれば、恐らく、全てのリーダーはしつけや教育を通して習得した特定の特性や特徴を持ち合わせているのではないでしょうか。この考え方によってリーダーの普遍的な特性の調査が始まりました。しかし、何百という研究によって、リーダーとそうでない人との間には何の特性の違いもないということが判明し、リーダーシップがリーダーの中に備わっている特定の属性の産物であるという仮説は消えてなくなりました。
社会科学者たちが、リーダーとフォロワーとの間のインタラクションという観点でリーダーシップを調べ始めた時、大きな進展が見られました。
 
問題の所有権
Page 37:
「行動の窓」はどんな時でも、どの人が満たされないニーズを持つのか――生産的な仕事を妨げる問題を持つのは誰なのかをあなたが決めるのを助けてくれます。
その目的は、問題が存在していることにリーダーがいち早く気づき、その問題を診断し、人間関係を安定させ生産的な仕事を続けることができるようにするためには、どのスキルを使うべきかを知ることにあります。
 
Page 39:
グループのリーダーになる過程において、手綱をきつく掴み、最高のスタートを切り、全ての問題を自分一人で解決してやろうという誘惑をはねのけられる人はほとんどいません。ほとんどの新しいリーダーにとっては、任命した人たちに、その選択が正しかったことをできるだけ早く証明することが最初の懸念であることはもっともなことです。自分をよく見せたい、それも早ければ尚よい。結局のところ、すぐにでも介入して、「実権を握る」のでないなら、リーダーは何のためにいるのでしょうか?軍用語ではそれを、「指揮を執る」と表現します。
残念なことに、急いで実権を握ろうとすると、リーダーはひどい目に遭うかも知れません。急な改革や速攻治療、生産性の劇的な向上に熱心で、グループの前任のボスが残した問題を綺麗に後始末して欲しいという高い期待があると、リーダーはよく知られる「改革に積極的な新任者」の誘惑に負けてしまいます。しかし、グループ・メンバーの意欲と協力がなければ、自分の力だけではリーダーは滅多に改革はできませんし、即座にメンバーからの協力を得られるものでもありません。グループは変化に抵抗し、慣れ親しんだ方法を続けることに固執します。これらの「グループの規範」は、グループ・メンバーの行動に強い影響を与えます。
 
 
Pages 41 – 42:
効果的なリーダーを問題解決能力のある人として考え直してみると、リーダーは問題解決の全責任を一人で負う必要はないということを強調しておく必要があるでしょう。むしろ、グループ・メンバーの支援をリソースとして得ても良いのです。少なくとも理論上は、問題に直面した際、最善の解決策を導くためにグループ・メンバー全員の創造的リソース(もちろんリーダーも含めて)を結集するのが理想的なグループと言えます。メンバーの全員が全ての問題解決に関わる必要はなく、理想的なグループでは、適材適所でメンバー全員のリソースを活用できるのです。

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[ニュースレター] 2010年8月号

─2010年8月号─「対立を協力に変える」

L.E.T. 修了者の皆さま

以下に挙げる内容はトマス・ゴードン博士のL.E.T.の教科書からの抜粋で、職場のパワーについて深い考察をしています。

今月(正確には8月26日ですが)、ゴードン博士が逝去してから8年が経ちます。ゴードン博士は物理的にはもう私たちとは一緒におりませんが、彼の考えやライフタイム・ワークは献身と情熱をもって世界中で受け継がれています(ありがとう、ゴードン博士!)。

個人的な経験から2つのWin-Lose対立解決法は人間関係を破壊し、組織の効率性を減少させるリスクが高いことをほとんどの人は知っています。しかし、この2つのWin-Lose対立解決法はほとんどのリーダーが選択する方法なのです。

これにはいくつかの説明があると思いますが、2つの説明が最もそれらしいと思います。まず一つには、人々は対立解決法の他のアプローチの経験則がないことです。それでほとんどの人の気持ちの中には、大きな影響は最も強いパワーを得ることとイコールであると考えている節があります。

ほとんどの子供は、子供がすべきことと大人が思っていることをさせるために親または両親がアメとムチを頻繁に使っている家庭で育てられました。

家庭内暴力の有名な全国調査で、80%の親はお尻を叩く、ひっぱたくなど普通の体罰を使っていると答えています。30%近くの親は暴行で逮捕されるような暴力行為を行っていることが分かりました。

同様に、学校でもアメとムチが教室で『規律』を守らせるために教師によって重要な方法として使用されています。この習慣はもう700年ほど変わっていません。それが私には驚きです。

これが意味するところは、子供たちが大人になる頃には大人と子供の対立解決法として大人が子供を従順にさせるために使用してきた方法以外のモデルを知らないで来ている人がほとんどであるということです。

ですから、子供たちは権力を使わない大人との関係を構築する機会をほとんど持ち合わせていません。彼らが経験しているのは強制力と支配力です。以前私も聞いたことがありますが、「どうして権力を使われても教師や親の言うことに従わないのか」と若者に聞くと、ほとんどの場合、「もっと権力を使うべきだったのかも」という答えが返ってきます。

この50年間、ゴードン・モデルのワークショップに来る人のうち10人に9人はWin-Lose対立解決法に代わる代替案があることを知って、実際に驚かされています。

このようなリーダーは、権力を使うと影響力を失うという考えを提示すると、全く信じられないというような不信を表しますが、なるほど無理もありません。実は、リーダーの中には私たちのワークショップに参加する時、もっと賢く権力を使う方法を学べると期待して来る人もいるくらいです‐‐‐権力を使わない方法を学ぶなどとは夢にも思っていません。

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[ニュースレター] 2013年6月号

─2013年6月号─「アクティブ・リスニングに苦戦している時に役立つヒント」

Date: June 6th, 2013


アクティブ・リスニングが上手く行かない、あるいは拒否された時には以下のミスの一つあるいはいくつかが関係していることがあります。

話し手の感情に寄り添えない、あるいはリスニングの過程において聴き手自身の感情を横におくことができないで、聴き手が以下のミスを犯してしまうことがあります。

例:
話し手: 『オーケー。じゃあ、君が決めろよ。もうお手上げだ。』

リスニングのミス

聴きすぎ
1.      的を越す: 表現された感情を大袈裟に表現しすぎる。
『私とはもう仕事を一緒にしたくないのでしょう。』
2.      言いたす: 話し手が言ったことを一般化したり、膨らませたりする。
『あなたは会社を辞めようとしているのでしょう。』
3.      せかす: 話し手が次に話すであろうことを先回りして言う。
『あなたはこのプロジェクト全てに辟易としているのでしょうね。』
4.      分析する: 話し手の動機を分析する。
『あなたは時間外労働ができなかったから怒っているのでしょう。』
5.      的に届かない: 話し手が表現した感情を過小評価する。
『何をくよくよしているの。』
6.      除外する: 話し手が表現した重要な事実をすっとばす。
『私にそれをやって欲しいのですね。』
7.      遅れる: 話し手のペースに遅れる、あるいはついていけない。
『先ほどあなたはひどい一日だったと言っていましたよね。』
8.      オウム返しする: 話し手が言ったことをほとんど一語一句繰り返す。
『ということは、私に決めて欲しい。あなたはあきらめたのですね。』
 
という訳で、あなたのアクティブ・リスニングの応答はいかがですか?フィードバックを送ってください。私から、感謝の意を表して返答致します。

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[ニュースレター] 2016年7月号

─2016年7月号─「学習段階の各ステージでグルグル回る」

Date: July 17ath, 2016
Blog Post by: Brian K. Miller
 
L.E.T.リーダー研修を修了した人はだれでも、4つの学習段階を知っているでしょう。どのようなスキルでもマスターするためには、誰であっても4つの学習段階を通っていかねばなりません。誰も無知からストレートにマスターする段階にジャンプすることはできません。4つの学習段階は:
 
第1段階:私はスキルの存在すら知らない
第2段階:スキルが存在することを知っているが、私は使えないことを認識している
第3段階:スキルが存在することを知っており、私はそれを学習しできるようになってきている
第4段階:スキルを使うことが自動的、ほとんど直感的にできる
 
スキルをマスターするには多くの練習が必要です。研究者たちによると、15,000から25,000回の繰り返しが学習段階の各段階をマスターするのに必要であると提言しています。残念ながら、もし私たちが4つの学習段階のひとつでスキルを応用することを止めてしまったら、学習した時間を全て無駄にしてしまいます。学習時間を無駄にしてしまうなら、その学習段階の最初に逆戻りです。
 
車の運転を想像してみてください。多くの人は週末のドライブを楽しみます。時間とともに、お気に入りの道順とともに自分の車のコントロール方法を学習します。あまりにもドライブが快適なので、油断し不注意になります。逆に、週末だけいつも同じ場所にドライブするだけの人は、何かの理由でいつものルートを外して行かなければならない時、全く新しいスキルがないドライバーになった気持ちになります。日本で起こる多くの自動車事故は、ウィークエンド・ドライバーがどういう訳か仕事に車で行こうと決める時に起こります。車はいつもの車です。同じコントロールですが、ルートが変わることで車を操作することからフォーカスが外れて、簡単な、しかし致命的なミスをおかすことになりかねません。例えば、ブレーキと間違えてアクセルを踏んだり、確認しないで車線変更をしたりするなどです。
 
L.E.T.のスキルでも同じようなことが起きます。例えば、アクティブ・リスニング、対決的I-メッセージ、ギア・シフトなどです。ある人は職場で学習の第3段階に達しているとします。彼らはシグナル行動を認識する方法を知っており、ロードブロックを一貫して回避し、彼らの対決的I-メッセージのほとんどが上手に構成されています。そしてある日、彼らの上司が定年退職してしまいます。突然、不愛想でアグレッシブな、いつも不愉快な別の人との全く新しい人間関係に放り込まれます。彼らの不快レベルが上昇し、シグナル行動を認識することを止め、リスニングをすべき時に対決し、ギア・シフトしようとすると、全てが崩れてしまいます。彼らの信頼関係が壊れ、修復できないくらい人間関係にダメージがあることを知りながら、ロードブロックを使い始めます。
 
もし、このようなことがあなたに起こっているならば、立ち止まって考えてください。学習段階の第2段階に立ち返ります。各スキルの名称を思い浮かべます。それらがどのようにワークするデザインかを思い出します。必要ならば、少し鏡の前で練習してみましょう。私にとって役立つ方法のひとつは、どのように会話が進むべきかを紙に書き出してみることです。会話は実際には私が予想していた通りには行きません。しかし、書き出すことでシグナル行動に気が付けるように自分に言い聞かせ、意識して対決的I-メッセージからアクティブ・リスニング、アクティブ・リスニングから対決的I-メッセージへとシフトすることを思い出させます。書き出すことで、会話が進むにつれて必要な自分のI-メッセージの異なるバージョンを事前に用意することができます。
 
人間関係や状況の変化によって、学んだこと全てを忘れてしまったなら、最初に立ち返ってゼロから自分のスキルを磨くことを恐れないでください。期待したように会話が進まなくても、後日戻って謝り、やり直すことを恐れないでください。多くの場合、学習の4つの段階の各ステージで、マスターして次の段階に自然と移行できるまで、私たちは円を描くようにグルグル何度も回っています。時間をとってあるステージの最初に戻ること、基礎を思い起こすことは永遠にその段階にとどまることを意味しません。そのステージを新しい、経験のない環境でマスターできるように立ち返るということを意味します。
 
車を運転する時、ウィークエンド・ドライバーが仕事に行く時、あるいは新しい場所まで運転する時に特別な注意を払う必要があるのと同様、時々、私たちは自分に基礎的なことを思い出させる必要があるのです。

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[ニュースレター] 2019年4月号

─2019年4月号─「人にひらめきを与え、教えるトーマス・ゴードン博士のリーダーシップに関する引用 No.12」

Date: April 30, 2019 | BY Dr. Thomas Gordon

 

(L.E.T. bookからの引用)

 

どのような人になりたいか?パート1

 

あなたが選ぶリーダーシップのスタイルは、あなたが将来どんな人になるかに大きく影響するでしょう。リーダーとしてのあなたと、人としてのあなたの2つを切り離すことはできないのです。なぜなら、あなたはリーダーとして多くの時間を費やすため、その役割であなたがどのように振舞うかが、人としてのあなたを容赦なく形成するでしょう。

具体的に言うと、威圧的な権力に基づくリーダーシップ・スタイルを選ぶと、あなたは一貫して懐疑と不信の態度をとり続ける必要があるでしょう。人に話をするときも慎重でなければなりませんし、あなたが行使した権力に対する抵抗の兆し(あるいは、あからさまな不服従)を見抜くように警戒していなければなりません。このように警戒するとともに、独裁主義的リーダーにとって他の人たちは皆、限られた能力しか持ち合わせず、自己決定したり、建設的な変化や個人的成長をしたり、自主的に考えたりする潜在能力も低いとみなされます。

あなたが威圧的な権力を自分のリーダーシップのスタイルとして選択するならば、それが異なる形であなたの個人的な生活に影響を与えるでしょう。前にも指摘したように、グループの意思決定の責任を一手に引き受けたり、ポリシーや規定を実施したり、強制したりする全負担を負うことで、あなたの緊張、悩み、不安が増大し、そして究極的には肉体的にも精神的にも健康を害してしまうという代償を払うことになるでしょう。

一方、あなたは他人に対してオープンで、正直で、率直な人でありたいですか?心理学者は「自己一致」という専門用語を用いて、人が内面で考えていること、あるいは感じていることとその人が外部に向かって伝えていることの間の類似性に言及しています。あなたは、思ったままを話し、話したままを思っている人でいたいですか?それとも、嘘っぽくて他人から信頼されない人でありたいですか?正直で、率直なI-メッセージを送って、自分の立場を正確に人々に伝える人でありたいですか?

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[ニュースレター] 2011年7月号

─2011年7月号─「私はメソッドIを使ってもいいですか?」

L.E.T.修了者の皆さま

L.E.T.ワークショップの参加者は「メソッドIは二度と使ってはいけないのですか?」とよく訊きます。この質問の裏に潜む思いや感情は複雑で、答えてあげないといけないと思っています。

質問の1つの意味は、「私はただ単に“ボス”であってはだめですか?」ということです。この質問は、質問者が自分のニーズを満たすため強制力を使い続けた結果支払わなければならない大きな代償に気付いたにも関わらず、自分の仕事の仕方を変えることに気が進まないことを表明しているように思えます。

質問のもう1つの意味は、「私は二度と自分で決定する方法に戻ってはいけないのですか?私は今後起こる全ての問題に対して、未来永劫、座って全員とメソッドIIIをする運命にあるのですか?」ということです。

2つ目の質問に対する答はもちろん「No」です。そんなことをしたら時間が取られて仕方ありません。1つ目の質問に対する答は「もちろん」です。メソッドIIIは一分刻みで意思決定をする方法ではなく、対立を解決する方法に過ぎません。

効果的なマネジャーは毎日自分で多くの意思決定をしています。そのような意思決定が抵抗に遭い、対立が起こった時にメソッドIIIが必要になります。

「メソッドIは二度と使ってはいけないのですか?」という質問のもう1つの意味は、「メソッドIを使わなければならない場面はないのですか?」ということです。答は「はい、あります」です。その場面は以下の通りです。

1.      正真正銘の緊急事態、あるいは苦境にある時
2.      チーム・メンバーにはない特別な知識(開示されていない知識)をリーダーが有していて、論理的にメソッドIIIに従うことが不可能な場合
3.      リーダーのニーズが非常に強く、他のオプションを全て打ち消すような場合

このような解釈はあまり使い過ぎないことが重要です。現実に起きている対立を解決しない言い訳になりかねないからです。

リーダーがメソッドIを使った後、以下のオプションの全てあるいはいくつかを使って逆効果を緩和することができます。

1.     どうしてメソッドIを使ったかを慎重に説明する
2.     心から謝罪する
3.     相手の感情にアクティブ・リスニングをする
4.     何かを提案する
5.     適切であれば、将来類似した苦境に陥らないための計画を始める

リーダーも長期間責任を持ってメソッドIIIを人間関係に使っているならば、時折理由があってメソッドIを使用することがあっても、上記の5つのオプションの全てあるいはいくつかが緩和剤となって、リーダーが頼りにしている価値ある職場での人間関係を傷つけるリスクは小さくなるでしょう。

Sent by Michelle Adams, VP of Gordon Training Int’l.

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[ニュースレター] 2014年7月号

─2014年7月号─「L.E.T. の復習」

 以下の挙げるのはL.E.T. Leader Effectiveness Trainingで教えている主要なスキルの簡単な復習です。ワークショップを受講された方のためにデザインされました。ひょっとしてこのモバイル・サイトに行きついたけれど、L.E.T.は受けていないという方もいらっしゃるかも知れません。そうであっても、トライしてみて下さい!ワークショップに参加したいという方、あるいはもっと学んでみたいという方はご連絡下さい。

 クイズの準備はいいですか?ワークショップで学んだことに関連して最も適した回答を選んで下さい。

1.       『行動の窓』を見るのは以下のことに限定すべきだ:
私が推測・経験すること私が信じること私が見たり聞いたりできること
2.       行動の窓の『問題のない』エリアは以下の場所にある:
一番上真ん中一番下
3.       相手が問題を経験していることを示唆する行動の窓のエリアは以下の場所にある:
一番上真ん中一番下
4.       他の人がとった行動が自分にとって受容できないものとして経験していることを表す行動の窓のエリアは以下の場所にある:
受容ラインの下受容ラインの上
5.       『私たちが問題を持つ』ことを表す行動の窓のエリアは以下の場所にある:
一番上真ん中一番下
6.       相手の行動が私のニーズを妨げていて、私が『教科書通り』完璧な対決的I-メッセージで対決しようと決めたとしたら、いくつの要素がそのI-メッセージには必要でしょうか?
1234
7.       対決的I-メッセージを送った後、相手が動揺したり防衛的になったりしたら、私は『ギア・シフト』をして以下のことをします:
ロードブロックアクティブ・リスニング再度対決
8.       『教科書通り』の対決的I-メッセージの要素は:
発散、説明、変化問題、解決、理由行動、感情、影響
9.       モデルでは、『-』メッセージは時に使いたい誘惑にかられますが、相手に対決する時には不適切です。
You非難の道徳的な
10.    モデルではいくつの『ロードブロック』が特定されましたか?
10128
11.    効果的な対決の3つの基準は次のうちどれですか?
役に立つ行動変容を生み出す;相手の自尊心をくじくリスクが低い;人間関係を損なうリスクが低い
誠実である;あなたの解決策を提案する;あなたの立場を固守する
非難を分かち合う;わめかない;戦略を練る
12.    研究で判明した『効果的な聴き手の3つの特徴』は?
忍耐、気を遣うボディランゲージ、個人的な経験に関係づける役に立つ、思慮深い、思いやり受容、誠実、共感
13.相手にアクティブ・リスニングする時、以下の通り、相手のメッセージの2つの要素に焦点を当てるべきです:
理由と意図内容(言葉)と気持ち(感情)内容(言葉)と動機
14.    以下のうちどれが『基本的なリスニング・スキル』ではないですか?
注意を払う行動質問沈黙簡単受容
15.    他の人と対立がある時、相互に合意できる解決策が見つけられるように問題を解決する方法のことを何と言いますか:
メソッドⅠメソッドⅡメソッドⅢ
16.    左の各ステップに対応する適切なアクションを選んで下さい:
 
ステップⅠ
解決策を選ぶ解決策をブレーンストーミングする解決策を実行する
ニーズを特定する結果をチェックする解決策を評価する
 
ステップⅡ
解決策を選ぶ解決策をブレーンストーミングする解決策を実行する
ニーズを特定する結果をチェックする解決策を評価する
 
ステップⅢ
解決策を選ぶ解決策をブレーンストーミングする解決策を実行する
ニーズを特定する結果をチェックする解決策を評価する
 
ステップⅣ
解決策を選ぶ解決策をブレーンストーミングする解決策を実行する
ニーズを特定する結果をチェックする解決策を評価する
 
ステップⅤ
解決策を選ぶ解決策をブレーンストーミングする解決策を実行する
ニーズを特定する結果をチェックする解決策を評価する
 
ステップⅥ
解決策を選ぶ解決策をブレーンストーミングする解決策を実行する
ニーズを特定する結果をチェックする解決策を評価する
 
 17.    以下のアプローチのうち、一番相手の怒りを和らげる助けとなるものはどれでしょうか?
同意する説得するアクティブ・リスニングする
18.    問題のないエリアに所属するI-メッセージはいくつありますか?
324
19.    6つのステップの対立解決のプロセスに入る前のお膳立てのステップに含まれないものは何ですか?
相手に参加させない6つのステップを説明するお互いのニーズが満たされなければならないことを受け入れる
20.    どちらにも具体的な影響がない対立は?
ニーズの対立価値観の衝突対決

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[ニュースレター] 2017年6月号

─2017年6月号─「受容と共感」

Date: June 27th, 2017 | BY  Brian K. Miller

 どのような時にも多くのことが私たちの気分に影響を与えます。例をあげると、体の健康、直近で食べた食事、アレルギーの季節、孤立感、ごひいきのサッカー・チームの成績などです。私たちを取り巻く人の行動をどのように認識するかに影響を与えるのは私たちの気分です。ゴードン・モデルでは、私たちはこれらの異なる全ての要因を簡単なダイアグラムに凝縮しています。それは「行動の窓」です。私たちは「行動の窓」を2つのセクションに分けます。上部の受容エリアと下部の非受容エリアです。受容ラインが、それら2つのセクションを分けるラインです。上下する受容ラインは、私たちの気分に影響を与える全ての事象の物差しです。全ての事象が私たちの気分を高揚させ、気分が良い時、受容ラインはとても低い位置にあります。受容ラインが低い時、私たちはとても寛容で優しいです。その結果、通常は私たちをとても怒らせるような広範囲の行動でも、突如として面白く、滑稽で、楽しませてくれるものに感じます。しかしながら、物事がうまく行っていない時には、受容ラインは非常に高い位置に上昇し、ほとんど全ての事象が私たちを怒らせるのです。

 次のシナリオを考えてみましょう。

 あなたは寝坊をしたので、大急ぎで着替えをします。家を出ようとした時、あなたの左足の靴が完璧に壊れてしまいます。あなたは、下駄箱から二番目に良い靴に手を伸ばしますが、どういう訳か、その靴はそこにありません。下駄箱にあるのはテニス・シューズだけです。あなたは他の靴を探す時間がありませんので、それを履いて家を出ます。あなたの家から駅まで、全ての信号に引っ掛かります。今日は交通量がとても多くて交差点を全速力で横切ることもできません。あなたは駅に着いて、初めて定期券を持参していないことに気づきます。仕方なく切符を購入しようとしますが、今日に限って切符売り場は長蛇の列です。携帯電話の時計をちらっと見ると、いつもより既に20分も遅れています。あなたは、やっと切符を手にして改札を通ろうとした時、10人ほどの高校生が集団で横入りをします。どういう訳か、彼らの半分の人の定期券は使えず、彼らが改札をどうにかこうにか抜け出るのを待っていたため、あなたは更に遅れてしまいます。予定より30分遅れて、遂に電車までたどり着きます。あなたは会社に遅刻した上に、最初に出くわしたのが自分の上司です。挨拶を交わす代わりに、あなたの上司が最初に訊いたことは、あなたがどうして適切な靴を履いていないのかということです。

 このシナリオで、あなたの受容ラインは非常に高い位置にあります。全てが受容できない行動です。あなたの気分は非常に不安で、イライラして落ち着かず、爆発寸前です。

 ここで正反対のシナリオを考えてみましょう。全く同じ気分の悪い朝です。しかし、ここであなたはマネジャーで、あなたの部下がビジネス・スーツにテニス・シューズを履いて遅刻してきました。

 あなたがマネジャーか部下かで、違った応答をしますか?

 ゴードン・モデルは、人間関係に対処するためにとても効果的なツール・セットです。そのモデルの基礎は「行動の窓」です。しかし、利用できるベスト・ツールでも十分ではない時がきます。ある時点において、私たちはそれぞれ個々人で、人生で全てのことが私たちの感情的な気分を壊そうと一体となって働いている時、私たちはどのように反応するのかを決めなければなりません。ゴードン・モデルに熟練するだけでは十分ではありません。ある時には、私たち個々人は、人生は困難で全ての人が苦難を経験すると認識しなければなりません。共感は単にアクティブ・リスニングの価値あるツールというだけではありません。共感は人間の感情の核心部です。私たちは共感があれば、先ほどの事例のように、気分をぶち壊す朝でも乗り越えられます。共感は、私たちを本当の意味で人間にしてくれるものだと思います。

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